本記事は元動画タイトル「FX、-2億2000万円!過去最大級の損失更新!!!」を基に記事を書いています。
結論
今回のポイントは三つ。
一つ目は、ドル高と全方位の円安により、売り目線のポジションが一気に逆行したこと。
二つ目は、イベント密集期の中で出口ルールが機能せず、レンジ上抜けの燃料になったショートが踏み上げられたこと。
三つ目は、メンタル悪化と資金拘束が意思決定の遅れを招いたこと。損失は通算で約2億2000万円、含み損は約1億6934万円に達し、教訓は資金管理と事前の撤退設計、そしてイベント週の建玉軽量化に尽きる。
今週の相場背景となぜやられたか
動画で語られた相場の流れを、初心者にも分かるように要点整理します。
ドル高と円安の二重苦
パウエル議長の発言は大きく新味はないものの、インフレ再加速リスクへの警戒と利下げペースへの慎重姿勢が改めて意識され、ドル買いが優勢に。これに対して円は対ドルだけでなく欧州通貨に対しても軟調。ユーロ円やスイスフラン円の上昇がショートに直撃。
ポイント
・ドル円は150円手前まで接近
・ユーロ円、スイスフラン円がじわじわ上昇
・欧州や中東情勢の緊迫が安全通貨フランに資金を呼び込み、対円での上昇圧力に
予想外の需給とIMMポジション
円安が進む一方で、投機筋のIMM通貨先物では円買いポジションが増加。方向感のズレが生じる中、上値レンジを売っていたポジションが踏み上げの燃料となり、レンジ上抜けで損失拡大。
日銀イベント観測のノイズ
市場の一部で10月利上げ観測が浮上。
仮に利上げで円高に振れても、実需の円売り圧力が強いため、円高は続きにくいという見方が紹介。したがって、利上げ観測だけで円ショートを全閉じするシナリオは取りにくいという板挟みが発生。
投資成績とポジションの実情
動画内の数値を一覧化します。
項目 | 金額・状況 |
---|---|
含み損合計 | 約1億6934万円 |
今週の確定損益 | 約10万円の利確(FX 5万円、CFD 5.3万円などの小口) |
通算損失(昨年からの損切り分含む) | 約2億2000万円 |
主因 | ドル円・クロス円の踏み上げ、特に欧州通貨高円安の継続 |
相場状況 | ドル高基調、全方位の円安、株式は高値圏のバブル上げ模様 |
体調・メンタル | 不安障害気味と自己申告、コメント欄での疲弊も影響 |
注目点
・レンジ内での売り直しからの上放れで損失拡大
・資金がFXに拘束され、CFDは小さく回すのみ
・中国株の戻り売り圧力で撤退判断に迷い
直近イベントのカレンダー
イベント週にポジションが重いほど、ブレやすさは増します。動画で触れられた主な時刻表を簡潔に。
日付 | イベント |
---|---|
10月1日 | 日銀短観 |
10月2日 | 内田副総裁発言 |
10月3日 | 上田総裁発言 |
10月4日 | 自民党総裁選の動向 |
10月6日 | 日銀支店長会議 |
月末 | 日銀金融政策決定会合 |
今週の米指標 | 消費者信頼感、JOLTS、ADP、ISM製造業・非製造業、失業保険新規、雇用統計 |
その他 | 米政府機関閉鎖リスクに伴う統計遅延の可能性 |
教訓
イベント前はポジションを軽く、逆走したら損切りの選択肢を残す。雇用・ISM・FOMC関連は、短期のボラ増幅装置。
なぜ含み損が膨らむのかを初心者向けに分解
相場用語を少なくして説明します。
1 レンジの上抜けに弱い売りポジション
価格が一定の範囲を上下していると、上限で売りたくなる。ところが参加者が皆同じことを考えると、上限突破の瞬間に売り方の損切りが一斉に出て、さらなる上昇を生む。いわゆる踏み上げ。
2 マルチ通貨の円安ドミノ
ドル円だけでなく、ユーロ円、スイスフラン円なども円安方向へ。どこか一つでヘッジしても、別の通貨で損失が広がることがある。
3 資金拘束と判断遅れ
含み損が大きいと、追加で有利なポジションを取る余力が減る。結果、打ち手が限られ、視野が狭くなる。
守りを固めるための実践メモ
動画の内容から引き出せる、すぐに使える対策集です。投資助言ではなく一般的なリスク管理の話として。
1 建玉の軽量化
イベント週は建玉を半分にし、指標30分前後は新規を避けるなど、自分ルールを紙で可視化する。
2 複数の損切りトリガー
価格のレベルだけでなく、時間損切り(何時間戻らなければ撤退)、ニュース損切り(サプライズ見出しで撤退)を併用。
3 レンジ戦略の条件分岐
レンジ上限で売るなら、直近高値更新幅に応じてロットを自動的に縮小。上抜け初動が出たら、逆指値で即時撤退。
4 相関管理
ドル円とユーロ円、フラン円など、同じ円ショートに偏りすぎない。景気・金利感応度が異なる通貨や、株式インデックスの軽いヘッジで全体ボラを抑制。
5 キャッシュ比率の固定
総資産に対して常に現金を一定比率残す。たとえば最低20%は未使用にして、有事に備える。
6 週次の損失上限
1週間で到達したらトレードを停止する損失ラインを絶対値で決める。ライン到達後の「取り返しトレード」を禁止。
7 メンタルの保全
睡眠時間の確保、ニュース断食の時間帯を設ける。コメント欄やSNSの刺激を遮断する時間をつくる。
初心者が誤解しがちなポイントQ&A
Q なぜドル円は150円手前で鈍るのに、踏まれるのか
A 多くの投資家が150円近辺の心理的節目で戻り売りを狙うため、損切り注文が密集。上抜け警戒で少しの買い圧力でも急伸しやすい。
Q 日銀利上げ観測が出れば円高では
A 一時的には円高に振れても、貿易収支や投資フローの円売りが強ければ反落しやすい。観測だけで強気に傾くのは危険。
Q 踏み上げを避けるには
A 節目での逆張りはロットを小さくし、明確な上抜けで即撤退。順張りへの切り替え条件を事前に用意する。
まとめ
今回の過去最大級の損失は、方向性の読み違いというよりも、イベント密集期の建玉過多と、レンジ上抜けの踏み上げ構造に巻き込まれたことが主因でした。通算損失は約2億2000万円、含み損は約1億6934万円。相場に絶対はありませんが、絶対にやってはいけないのは、出口設計のない建玉の積み増しです。
小さく負けて長く残る。この原則を徹底するために、損切りトリガーの複線化、イベント週の建玉軽量化、相関とロットの管理、そしてメンタルの保全を、日次と週次のチェックリストで仕組みにしておきましょう。
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