こんにちは。今回は、長期投資に潜む3つの落とし穴と、その対策について解説します。
2025年の新NISAでは、米国株も日本株も軟調な展開が続いており、特に日本人投資家に人気のあるS&P500やオールカントリー(オルカン)は、円高と株安の影響で資産が減少傾向にあります。
多くの人が「長期投資は放置しておけばいい」と考えがちですが、実際には暴落と上昇を繰り返します。例えば、2022年は1年間じわじわと株価が下落し、2024年夏には「令和のブラックマンデー」と呼ばれる大きな下落が発生しました。
このような相場の変動を前に、多くの投資家が心を折られ、投資をやめてしまいます。しかし、正しい考え方を持てば、このようなピンチをチャンスに変えることができます。
では、なぜ多くの投資家が脱落するのか、その3つの理由と対策について詳しく見ていきましょう。
1. ほとんどの人が長期投資できていない
データが示す驚きの事実
投資信託協会の調査(2024年3月)によると、長期投資を続けることができる投資家は非常に少ないことが明らかになりました。
例えば、株式に100万円を投資した場合、
- 30%の下落(70万円に減少)で、8割以上の人が売却
- 1%の下落で4割の人が売却
- 10%の下落で7割の人が売却
同じ調査で、投資信託を購入した場合のデータもほぼ同じ結果でした。
年収と損失耐性の関係
また、年収が低いほど損失耐性が低い傾向があり、特に余剰資金がない人ほど損失を嫌う傾向が強いことが分かっています。
過去の暴落時の市場回復
このデータを踏まえると、リーマンショック(2008年)やコロナショック(2020年)のような大きな暴落時に、9割の人が市場から撤退していた可能性があることが分かります。
しかし、これらの暴落後には大きな回復相場が続いており、撤退した人はその恩恵を受けることができなかったのです。
2. 人間の心理バイアスが邪魔をする
プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論によると、人間は利益を得たときの喜びよりも、損失を被ったときの苦痛をはるかに強く感じる傾向があります。
例えば、
- 100万円の投資が120万円に増えたときの喜び
- 100万円の投資が80万円に減ったときの苦痛
この場合、多くの人は後者の苦痛を2倍以上強く感じてしまいます。
SNSとメディアの影響
暴落時にはSNSやニュースが「大暴落!」「金融崩壊!」と煽るため、冷静な判断ができなくなり、売却行動をとってしまいがちです。
対策
- 投資の目的を明確にする(老後資金、資産形成など)
- 感情に流されず、投資ルールを決める
- 暴落時の投資行動を事前にシミュレーションしておく
3. 自分のリスク許容度を理解していない
リスクとリターンの関係
リスクと聞くと「危険」と考えがちですが、投資におけるリスクとは「値動きの大きさ」のことです。
例えば、過去10年間のS&P500のデータでは、
- 平均年率リターン:10.4%
- 年率リスク(標準偏差):15.1%
つまり、68%の確率で1年のリターンが「+25.5%〜-4.75%」の範囲に収まることになります。
現在の市場の値動きも、この範囲内に収まっており、「普通の範囲内の値動き」であることを理解すれば、過度な不安を感じる必要はないのです。
自分のリスク許容度を知る
全国銀行協会の「リスク許容度診断テスト」を活用し、自分の投資スタイルに合ったリスクを取るようにしましょう。
暴落時でも売却しない3つの理由
- 暴落時こそ割安で買えるチャンス
- 例えば、1万円で投資信託を購入するとき、基準価額が下がっていればより多くの口数を買うことができる。
- 暴落後には大きな上昇が来る
- リーマンショックやコロナショックの後、市場は大きく回復している。
- 円高時にはお得に海外資産が買える
- 1ドル150円のときに10,000ドル分の株を買うには150万円必要。
- 1ドル100円なら、同じ10,000ドル分を100万円で買える。
まとめ
長期投資は簡単なように見えて、実は「心理との戦い」です。市場の変動に惑わされず、
- データに基づいて冷静に判断する
- 投資目的を忘れない
- リスク許容度を理解する
ことが重要です。
「長期投資は人生を変える」と言われるように、正しい知識と心構えを持ち続けることで、将来的に大きなリターンを得ることができます。
今こそ、投資家としての成長のチャンスです!
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