ゴールドの基本と「3つの使い道」について解説

初心者向けにゴールドの基本的な知識と、その3つの使い道について解説します。

最近、ゴールドが注目を集めており、ニュースでもゴールドの価格が上昇したことが報じられています。

特に2023年10月の中東情勢悪化によるゴールド価格の急騰が話題となり、国内でも最高値を記録しました。この背景には、不安定な情勢に対する避難資産としてゴールドが再び注目されていることが挙げられます。

目次

ゴールドの基本5つの特徴

まず、ゴールドには次の5つの特徴があります。

1. 価値が0にならない

ゴールドは実物資産であり、形あるもので、そのもの自体に価値があります。

食品や美術品、伝統工芸品にも使われており、古代から世界中で通貨として認められてきた歴史があります。

一方で、株式などは会社が倒産すれば価値がゼロになりますが、ゴールドはそうならないため、安定資産としての価値が高いです。

これまでに採掘されたゴールドの総量は、オリンピック競技用プール約4杯分しかなく、地中に残っている埋蔵量はその1杯分程度と言われています。

2. インフレに強い

ゴールドは希少性が高く、無限に増やすことができないため、通貨と比べて価値を維持しやすいです。

通貨は国が印刷し続けることができ、時間が経つごとに価値が下がる(インフレ)というリスクがありますが、ゴールドはその影響を受けにくいです。

例えば、日本では1万円札の印刷コストはわずか17円程度と言われており、いくらでも作れるため、インフレが進むとゴールドの相対的な価値が上昇することが期待されます。

3. インカムがない

ゴールドは保有していても利息や配当を生み出しません。

株式や債券のように保有しているだけで収益を得ることはできないため、長期的な投資としては配当金などを得たい投資家には不向きです。

4. ボラティリティが高い

ゴールドは値動きが激しい資産です。1年のうちに30%以上上下することもあり、その値動きの激しさは株式と同じくらいです。

値動きの激しい資産はリスクが高い反面、短期間で利益を狙えるトレードにも適しているため、デイトレーダーや短期投資家にとっては魅力的です。

5. 有事に強い

ゴールドは戦争や経済危機などの「有事」に強い資産です。

1979年のイラン革命や第2次オイルショック、ソビエトのアフガニスタン侵攻など、世界が混乱する時期には、ゴールドの価値が短期間で大きく上昇しました。

このような状況で、ゴールドはリスクヘッジの手段として注目されます。

ゴールドの3つの使い道

次に、ゴールドの使い方として代表的な3つの方法について解説します。

1. 投機としてのゴールド

ゴールドを短期的に売買し、価格変動を利用して利益を得る方法です。

短期間で価格が大きく変動するため、安いときに買い、高いときに売ることで利益を得ることができます。

ゴールドは価値がゼロになるリスクが低いため、一定の安心感がありますが、投機はギャンブル性が高く、リスクも大きいです。

ゴールドのトレードを成功させるには、チャート分析や市場理解、メンタルコントロールなどの高度なスキルが必要です。大部分の人にとっては難易度が高く、安易な投機はお勧めできません。

2. 投資としてのゴールド

ポートフォリオにゴールドを一定割合組み入れ、長期保有する方法です。

株式や債券などと一緒に、全体のリスク分散を図ることができます。

例えば、100万円の資産を持っている場合、そのうち60%を株式、30%を債券、10%をゴールドに投資するという考え方です。

ゴールドが値上がりした場合には一部を売り、値下がりした場合には買い増しをして、バランスを保つことでリスクを低減します。

歴史的に有名な投資家であるレイ・ダリオ氏が提唱する「オールシーズンズ戦略」では、7.5%をゴールドに投資することが推奨されています。

3. 保険としてのゴールド

ゴールドは、戦争や経済崩壊といった極端な状況に備える「アルマゲドン保険」としての役割もあります。

この場合、ネット証券で購入するゴールドファンドではなく、実物のゴールドを手元に保有することが重要です。

現物が手元になければ、非常事態でその価値を利用することができません。

万が一、通貨の信用が失われた場合でも、ゴールドは世界中で価値が認められているため、他国に逃げた際にも使用することが可能です。

ただし、このような非常事態に備えるためにゴールドを保険として持つかどうかは、発生確率とコストを慎重に見極める必要があります。

ゴールド購入のポイント

ゴールドを買う際には、次の点を押さえておくと良いでしょう。

  1. 投機目的ではなく、長期投資や保険としての購入を優先
    短期的な利益を狙った投機はリスクが高く、勝ち続けるのは難しいため、初心者にはお勧めできません。
  2. ポートフォリオの一部として購入
    ポートフォリオ全体の5%〜10%をゴールドに割り当てることで、全体のリスク分散効果が期待できます。
  3. 低コストのETFを利用する
    ゴールドを購入する際は、ネット証券を通じて低コストのETFを利用するのがお勧めです。例えば、GLDMはコストが低く、投資初心者にも利用しやすい選択肢です。

結論

ゴールドは、その価値がゼロになることがないため、長期的な資産形成において重要な役割を果たします。

インフレに強く、戦争や災害などの有事に備えた保険としても有効です。

しかし、短期的な投機としてはリスクが高いため、初心者には注意が必要です。ポートフォリオの一部としてゴールドを取り入れ、リスクヘッジとして活用するのが賢明な選択となるでしょう。

知っておきたい専門用語集

  • ゴールド:希少な実物資産で、インフレや有事に強い特性を持つ。価値がゼロにならない。
  • インフレ:通貨の価値が下がり、物価が上昇する現象。お金の価値が時間とともに減少する。
  • インカムゲイン:利子や配当など、資産を保有することで得られる定期的な収益。ゴールドにはインカムゲインがない。
  • ボラティリティ(ボラ):資産価格の変動幅のこと。ボラが高いとは値動きが激しいことを指す。
  • 有事:戦争や経済危機など、世界が不安定な状況のこと。ゴールドは有事に強いとされる。
  • 投機:価格変動を利用して短期的に利益を狙う行為。ギャンブルに近い性質がある。
  • 投資:長期的な視点で資産を増やすための行為。ゴールドは資産分散の一環として利用されることがある。
  • ポートフォリオ:複数の資産を組み合わせて分散投資を行うこと。ゴールドはリスク分散に役立つ。
  • オールシーズンズ戦略:レイ・ダリオが提唱した資産運用戦略。市場の状況に関わらず安定したリターンを目指す。
  • アルマゲドン保険:戦争や経済崩壊など、最悪の事態に備えるためにゴールドを保有すること。
  • ETF:取引所で取引される投資信託。ゴールドに連動したETFは手軽に投資できる。
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