株高に関する動画です。
なぜ現在株価が上がっているのか?その理由をご覧ください。
米国のCPI発表とその影響
5月15日に米国のCPI(消費者物価指数)が発表され、市場予想とほぼ一致する無難な結果となりました。
重要なのは、FRBが重視するスーパーコアが前月比で0.465%で前月の0.68%の伸びを下回っており、2024年に入ってから最も低い伸び率でした。
この結果により、投資家としては安心できる内容でした。
発表直後、恐怖指数(ビックス指数)は急速に低下し、その後も下がり続けました。
これにより、市場の恐怖感も和らぎました。
市場の現状と展望
現在の米国株市場は、「Badニュース = goodニュース、goodニュース = goodニュース」という状況です。
つまり、悪いニュースも良いニュースも株価にとってはプラスに働くという意味です。
大規模な景気悪化や明確なインフレ再燃の兆候がない限り、どんなニュースが出ても株価は上昇しやすい状態にあります。
ISM非製造業指数は、ITバブル崩壊やリーマンショック時と同じ低水準にまで低下していますが、利下げ期待により株価は上昇を続けています。
市場に流通するお金の量を示すマネーサプライも前年同期比でプラス領域に戻ってきており、これが株価を後押ししています。
FRBの金融政策とリバースレポ
2023年からは、FRBの量的引き締め(QT)が行われているにもかかわらず、マネタリーベースが上昇し続けています。
これは、リバースレポの残高が市場に大量の資金を供給しているためです。リバースレポの残高は、QTの影響を相殺し、株価を支えてきました。
2022年から現在まで、S&P500の株価とリバースレポの残高は逆メモリで重なっていることが分かります。
短期的な値動きを予想することは難しいですが、リバースレポの残高は株価に影響を与える重要な要素の一つです。直近のリバースレポの残高は横ばいで推移しており、これは株価をブーストさせる要素が少なくなっていることを意味します。
金融市場の現状と今後の見通し
FRBはQTを行いながらも経済成長を維持するため、リバースレポの残高を適切に管理しています。
QTのペースとリバースレポのバランスを取りながら、金融政策を進めているのです。市場では金利ばかりが注目されていますが、実際には市場に出回るお金の量も重要な指標です。
現状の金融環境を示すフィナンシャルコンディションインデックスは、緩和的な状況にあり、これが株価上昇を後押ししています。
この状況が続く限り、株高がインフレを呼び起こす可能性もあります。FRBが金融政策を慎重に進める必要がある中で、投資家としては常に市場の動向を注視し、バランスを取った投資戦略を取ることが重要です。
まとめ
この動画では、米国のCPI発表をはじめとする重要な経済指標やFRBの金融政策、リバースレポの影響について詳しく解説されています。
投資家にとって、これらの情報を理解し、市場の動向を予測することは非常に重要です。
知っておきたい専門用語
- CPI(消費者物価指数):消費者が購入する商品の価格の変動を示す指標。インフレの測定に使われる。
- FRB(連邦準備制度理事会):米国の中央銀行。金融政策を決定し、インフレや失業率の管理を行う。
- スーパーコアインフレ:食品とエネルギーを除いたインフレ率。FRBが特に重視する指標。
- 恐怖指数(ビックス指数):市場のボラティリティ(変動性)を示す指標。投資家の恐怖感を測定。
- マネーサプライ:市場に出回っている通貨の総量。経済活動に影響を与える重要な指標。
- マネタリーベース:中央銀行が供給する通貨の総量。金融政策の基本的な手段。
- 量的緩和(QE):中央銀行が国債やその他の資産を購入して市場に資金を供給する政策。
- 量的引き締め(QT):中央銀行が資産を売却して市場から資金を回収する政策。
- リバースレポ:中央銀行が市場から資金を引き上げるために行う短期金融取引。
- ISM非製造業指数:サービス業の景況感を示す指標。50を超えると拡大、50を下回ると縮小。
- バランスシート:企業や組織の資産、負債、純資産を示す財務諸表。
- フィナンシャルコンディションインデックス:現状の金融環境が緩和的か引き締め的かを示す指標。
- クレジットスプレッド:債券の利回りと無リスク資産の利回りとの差。金融市場のリスクを測定。
- 資産効果:株価上昇が消費や投資を刺激する効果。
- NBER(全米経済研究所):米国の経済研究機関。リセッション(景気後退)の判定などを行う。
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