高配当株投資は、基本的には超長期保有を前提としています。つまり、配当金を受け取り続けることが目的です。
しかし、特定の状況下では売却を検討することもあります。ここでは、その売却を検討すべき5つのパターンについて説明します。
1. 減配や無配転落の場合
高配当株の投資目的は配当金を受け取ることです。
そのため、減配や無配転落が発生した場合、株を保有し続ける理由はなくなります。
例えば、月5万円の配当金を得るために投資をしていたのに、配当金が減ったり無くなったりすると、その株を持ち続けるメリットが減少します。
2. 当初の投資シナリオが崩れた場合
高配当株を選ぶ際には、将来的に安定した配当を期待しています。
しかし、企業のビジネスが思うように成長しなかったり、予想外の競争が激化したりすると、当初のシナリオが崩れることがあります。
例えば、海外展開が失敗したり、中期経営計画の目標が達成されなかったりした場合です。このような場合は、再評価が必要です。
3. 大きな不祥事が発生した場合
企業が大きな不祥事を起こした場合、その内容や影響を考慮する必要があります。
特に、決算書に不正がある場合は即座に売却を検討すべきです。企業文化として不正が根深い場合、再発の可能性が高く、投資リスクが増大します。
4. 有望な乗り換え先が見つかった場合
現在保有している株よりも、将来的に高いリターンが期待できる株が見つかった場合も、売却を検討します。
例えば、現在の株が10年で1.5倍の成長を見込む一方で、新たに見つけた株が10年で2倍の成長を見込む場合、配当利回りが高い方に乗り換えるのは合理的です。
ただし、ポートフォリオ全体のバランスを考慮することが重要です。
5. 大幅に値上がりした場合
高配当株が大幅に値上がりした場合も、売却を検討する理由になります。
例えば、配当利回り5%の株が3倍に値上がりした場合、含み益が配当金の40年分に相当します。
こうなると、利益確定をしたくなる気持ちは理解できます。ただし、この場合もポートフォリオ全体のバランスを崩さないように注意が必要です。
まとめ
超長期保有を前提とした高配当株投資でも、以下の5つのタイミングでは売却を検討することがあります。
- 減配や無配転落
- 当初の投資シナリオが崩れた場合
- 大きな不祥事が発生した場合
- 有望な乗り換え先が見つかった場合
- 大幅に値上がりした場合
これらのポイントを参考にして、賢く高配当株を運用し、安定したキャッシュフローを確保しましょう。
高配当株の投資は、超長期的には配当金や含み益を増やすことができ、トータルリターンが高くなる可能性があります。一緒に金の卵を産む鶏を大事に育てていきましょう。
専門用語解説
- 減配:企業が支払う配当金の金額を減らすこと
- 無配転落:企業が配当金の支払いを完全に停止すること
- 配当金:企業が利益の一部を株主に分配する金銭
- キャッシュフロー:企業の現金の流れ、入出金の差額
- 含み益:未実現の利益、株価の上昇による評価益
- 含み損:未実現の損失、株価の下落による評価損
- ポートフォリオ:複数の投資対象の組み合わせ
- 配当利回り:投資額に対する年間配当金の割合
- 分散投資:リスクを分散するために複数の銘柄や資産に投資すること
- 総合商社:多様な商品やサービスを取り扱う商社
- 決算書:企業の財務状況を示す報告書
- 投資シナリオ:投資を行う際の予測や計画
- 中期経営計画:企業が中期的に達成を目指す経営目標や戦略
- 再投資:得た利益をさらに別の投資に回すこと
- インフレ:物価が上昇し、通貨の価値が下がる現象
- ビジネスモデル:企業が収益を上げるための仕組みや戦略
- 含み益:株価の上昇などにより、まだ確定していない利益
- 風色決算:架空の取引を記載している虚偽の決算報告
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