SBI・SCHD(正式名称:SBI米国高配当株式ファンド)は、米国高配当ETF「SCHD」に投資できる投資信託です。
SCHDは、ダウジョーンズUS配当100指数(長期間安定した配当を出す米国企業100社で構成)に連動する成果を目指すETFであり、その特徴からアメリカではVYMやVIGと並び非常に人気のある高配当ETFとなっています。
SCHDの魅力的な特徴:
- 資産総額:2024年11月時点で約660億ドル
- 増配実績:2011年の運用開始以来、12年連続で増配
- 増配率:直近の増配率は以下の通り
- 過去3年:9%
- 過去5年:12.818%
- 過去10年:11%
このように、長期で見ても増配率が高く、配当金を目的とする投資家にとって魅力的な商品と言えます。
SBI・SCHDのコストについて
SBI・SCHDは低コストで運用できる点が大きな魅力です。
- 基本信託報酬:0.0638%
- 実質信託報酬(SCHDの経費率を加算):0.1238%
- 参考:楽天SCHDの実質信託報酬は0.12%
さらに、SBI証券では「投信マイレージサービス」により、保有残高に応じたポイントが付与されます。
他の高配当ファンドと同じ年率0.022%が適用される場合、実質コストは0.10%となり、楽天SCHDを上回る低コストを実現します。
SBI・SCHDの分配金の受け取りについて
SBI・SCHDは年4回(3月・6月・9月・12月)に分配金が支払われます。この点で楽天SCHD(2月・5月・8月・11月)とは支払スケジュールが1ヶ月ずれているのが特徴です。
分配金の受け取り設定には以下の2つの選択肢があります:
- 受け取り設定:分配金を証券口座で受け取り、生活費や趣味、他の投資に活用する。
- 再投資設定:分配金を自動的に同じファンドへ再投資する。
この設定が投資効率に大きな影響を与えるため、投資目的に応じて慎重に選択する必要があります。
購入前に知っておくべき注意点2つ
注意点1:分配金の受け取り方法が投資効率に影響
分配金の受け取り方法は、投資戦略や目的に応じて慎重に設定する必要があります。それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめます。
受け取り設定のメリット
- 分配金を生活費や趣味に使えるため、投資の実感が湧きやすい。
- 投資信託の価格変動リスクを軽減できる。
受け取り設定のデメリット
- 複利効果が得られにくい。
再投資が行われないため、元本が増えず、長期投資での利益最大化には向いていません。
再投資設定のメリット
- 分配金が自動的に再投資され、複利効果を活用できる。
長期運用では利益が雪だるま式に増加するため、資産最大化が可能です。
再投資設定のデメリット
- 新NISAで運用する場合、分配金の再投資に非課税枠が消費される。
そのため、NISA非課税枠を効率的に活用することが難しくなります。
注意点2:NISA口座では税制面で不利になる可能性
SBI・SCHDのような分配金ありの投資信託は、NISA口座で運用すると税制面で不利になる可能性があります。
具体的には、NISA口座では分配金に対して以下の税制が適用されます:
- 米国税:10%(二重課税調整措置が適用されないため戻りません)
- 国内税:非課税
一方、特定口座では以下の税制が適用されます:
- 米国税:10%
- 国内税:20.315%(ただし、二重課税調整措置により米国税の10%分が控除される)
例を挙げると:
- SBI・SCHDにNISA口座で投資し、10万円の分配金を受け取った場合、実際に手元に残るのは9万円。
- 特定口座で運用した場合、二重課税調整措置が適用され、8万円が手元に残ります。
この差額は運用方法によって変動するため、自分の投資戦略に合った口座選択が重要です。
SBI・SCHDはどんな人に向いている?
以下のような方にはSBI・SCHDが適しています:
- 分配金を受け取りながら投資を楽しみたい人
- 配当金を生活費や趣味に活用したい人
- 短期~中期での運用を考えている人
一方で、以下のような方には別の商品がおすすめです:
- 長期運用で資産最大化を目指す人
- 複利効果を最大限に活用したい人
- NISA口座の非課税枠を効率的に活用したい人
まとめ
SBI・SCHDは低コストで運用可能な新しい高配当ファンドですが、購入前に分配金の受け取り方法や税制面での注意点をしっかり理解しておくことが大切です。特に、投資目的に応じた受け取り設定や、NISA口座と特定口座の使い分けを考慮することで、より効率的な運用が可能になります。
「自分の投資目的に合った商品を選ぶ」という基本を忘れず、SBI・SCHDの魅力を最大限に活用してみてください!
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