成田悠輔「オルカン一択はヤバいよ?」

オールカントリー・ワールド・インデックス(オルカン)に対する投資についての懸念や、世界の株式市場のリスク、投資戦略について詳しく説明します。特に初心者の方にも分かりやすいように、具体例や数字を使いながら解説していきます。

目次

オルカン投資の懸念点

オルカンは、世界中の株式市場に幅広く投資できるファンドとして多くの投資家に支持されています。

しかし、世界経済の下落局面が来た際に、オルカンに全てを投じることが本当に安全かどうかを考える必要があります。歴史的に見ても、株式市場は周期的に上下するため、世界全体の株式市場が下落した場合、オルカンも同様に大きな影響を受ける可能性があります。

例えば、過去のリーマンショック(2008年)や新型コロナウイルスのパンデミック(2020年)の際には、株式市場が急激に下落しました。

リーマンショックでは、S&P 500が約50%も下落し、パンデミックでは一時的に30%以上の急落が見られました。こうした市場の不確実性を考慮に入れずに全資産をオルカンに投じると、リスクが大きいかもしれません。

投資で最も難しいのは「売るタイミング」

投資で最も難しいのは、「いつ売るべきか」を判断することです。買うタイミングは比較的簡単に決められるかもしれませんが、売るタイミングを誤ると、得られる利益を逃す可能性が高まります。

例えば、ある投資家が100万円で日本株を買い、その株が上昇して200万円になったとします。

ここで売るべきかどうか迷っていると、株価がさらに上がることもあれば、急落してしまうこともあります。

利益を確定しない限り、その上昇は「評価益」に過ぎず、現金化しなければ実際の利益にはなりません。このタイミングの見極めが難しく、投資の成功には不可欠です。

分散投資とポートフォリオ戦略

投資において、リスクを最小限に抑えるためには「分散投資」が重要です。

例えば、ある投資家が1000万円の資産を持っている場合、その全てを一つの資産に投じるのは非常にリスキーです。代わりに、株式や債券、現金、さらには不動産や未上場株など、異なる資産に分散して投資することが推奨されます。

この分散投資によって、たとえ株式市場が下落したとしても、債券や現金、不動産など他の資産が損失をカバーする役割を果たすことができます。

実際、金融の専門家の間でも、資産の1/3を現金、1/3を債券、1/3を株式に分ける「三分法」という考え方が提唱されています。

日本経済の現状と投資への影響

日本経済は近年、インフレ経済にシフトしており、これに伴い銀行預金の価値が減少しつつあります。

このため、貯蓄から投資へとシフトする動きが政府によって推進されています。しかし、こうした経済状況の変化に伴う投資のリスクを理解しておくことが重要です。

例えば、日経平均株価は2024年2月に約34年ぶりに最高値を更新し、終値で4万円を突破しました。

しかし、ファンダメンタルズ(企業の収益状況や経済指標)では説明がつかないほどの株価上昇が見られており、これは新NISAの影響や外国人投資家の資金流入が原因とされています。

こうした状況では、株価が一時的に上昇することがあっても、その後の下落リスクも大いに考えられます。

特に、円安が続いている現状では、外国人投資家から見て日本株はまだ割安とされており、今後も投資が進む可能性がありますが、それがピークを迎えた後には株価の大幅な調整が入るリスクもあります。

投資の心構えと今後の展望

投資を始めるにあたって重要なのは、リスクを適切に理解し、無理のない範囲で投資を行うことです。例えば、全てを株式に投じるのではなく、一定の割合を現金や債券に保持しておくことで、リスクを分散し、株価が下落した際の損失を最小限に抑えることができます。

また、株価の上昇に過度な期待を抱かず、売るタイミングを見極めることも大切です。

特に、株価がピークに達したと感じたら、欲を出さずに利益を確定することが賢明です。最高のタイミングで売ることは難しいため、8割ほどの利益を目指して売却するという心構えが必要です。

最後に、オルカンのようなインデックス投資も重要な選択肢の一つですが、そのリスクを理解し、適切な分散投資を行うことが投資成功の鍵となるでしょう。

知っておきたい専門用語集

  • オルカン:オールカントリー・ワールド・インデックスの略称。全世界の株式市場に投資するファンド。
  • ファンダメンタルズ:企業の収益状況や経済指標など、株価の基礎となるデータや情報を指す。
  • NISA:少額投資非課税制度のことで、投資の利益に対して税金がかからない優遇制度。
  • 分散投資:資産を複数の異なる投資対象(株式、債券、不動産など)に分けて投資し、リスクを軽減する方法。
  • 債券:政府や企業が発行する借用証書で、利息を得ることを目的とした投資商品。
  • 円安:円の価値が他の通貨に対して低下することを指す。これにより輸出企業は恩恵を受けるが、輸入品の価格は上がる。
  • 株価収益率(P/Eレシオ):株価を1株当たり利益で割ったもので、企業の収益力と株価の割高・割安を判断する指標。
  • 評価損益:投資した資産の現在の市場価値と購入価格との差額のことで、現金化されていない利益や損失を指す。
  • 生存者バイアス:成功した事例ばかりが注目され、失敗例が無視されることで、成功が簡単に感じられる認知バイアス。
  • リスク許容度:投資においてどれだけの損失を許容できるかという個々の能力や意欲のこと。
  • インフレ:物価が継続的に上昇し、貨幣の価値が下がる現象。
  • キャピタルゲイン:資産を売却した際に得られる売却益のこと。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次