国をも傾かせる破壊力【乗ってはいけない儲け話】~ネズミ講~

ねずみ講について実例を用いて解説した動画です。
現在ねずみ講は違法となっていますが、それでも行っている詐欺的な組織は存在します。

この動画でねずみ講とは何か、ねずみ講の例を見て、騙されないように勉強しましょう!

著:横田 濱夫
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目次

ねずみ講について

ねずみ講(無限連鎖講)は、ピラミッド型の組織構造を持ち、新規参加者が上位の参加者に対して参加費を支払うシステムです。

このシステムでは、新規参加者がさらに他の新規参加者を勧誘し、その参加費を使って自身の利益を確保します。

このビジネスモデルは下位の参加者が増え続けることに依存しており、参加者が増えなくなるとシステムが破綻します。ねずみ講は多くの国で違法とされています。

天下一家の会について

天下一家の会は、内村健一によって創設された大規模なねずみ講組織です。

この組織は1960年代から1970年代にかけて、多額の資金を集め、数十億円に達する規模に成長しました。

しかし、このシステムは法律により禁止され、結局は破綻しました。内村健一は脱税で逮捕され、天下一家の会は解散させられました。

第一相互経済協力会について

第一相互経済協力会は天下一家の会に続いて内村が設立した組織で、より高額な参加費を設定し、新規参加者が指定する既存の参加者に直接支払いを行うシステムです。

この変更は参加者を増やすための試みでしたが、最終的には成功せず、内村は逮捕され、組織は解散しました。

大観宮

大観宮は内村健一が設立した宗教法人です。

この宗教法人は、天下一家の会からの資金を受け取り、非課税の利点を活用しました。

宗教法人としては異例の活動を行い、映画製作にも関わっていましたが、その後の内村の逮捕とともにこの活動も終了しました。

E・Sプログラム事件

E・Sプログラム事件は、人工宝石を使ったねずみ講スキームで、参加者が高額で人工宝石を購入し、新規参加者を勧誘することで配当が支払われるという仕組みでした。

しかし、この宝石は実際の価値が非常に低く、実質的にはガラス玉で多くの参加者が損害を被りました。

国利民福の会

国利民福の会は、国際収入印紙と国債を使ったユニークなねずみ講スキームでした。

参加者は高額な国債と収入印紙を購入し、これを他の参加者に送付することでランクが上がり、最終的には大きな配当を受け取ることができるとされていましたが、最終的には法改正によりこの活動も終了しました。

アルバニアの例

アルバニアでは1990年代にねずみ講が国全体を揺るがすほどの影響を及ぼしました。

多くの投資会社が非常に高い利回りを提示し、国民の大部分がこれに投資しましたが、これが破綻すると国は混乱状態に陥り、政府が倒れるほどの事態に至りました。この事件はねずみ講の危険性とその社会的影響の大きさを示す極端な例となっています。

アルバニアの政治背景

アルバニアは、冷戦時代にエンヴェル・ホッジャの下で厳格なスターリニスト政策を採用し、非常に孤立した社会主義国でした。

ホッジャの死後、アルバニアは政治的な開放を迎え、1991年には共産主義政権が崩壊し、市場経済への移行が始まりました。しかし、この急速な移行は多くの社会的・経済的な問題を引き起こしました。

経済的背景

共産主義から資本主義への移行は、経済の不安定化を招き、多くのアルバニア人が貧困と失業に直面しました。

新しい市場経済に対する経験や知識の不足も問題であり、これが投資詐欺に対する国民の脆弱性を高めました。

ねずみ講の開始と展開

1990年代半ば、アルバニアには多数の「投資ファンド」が登場しました。

非常に高い利回り(月利10%からなんと80%以上)を提供すると宣伝し、貧困にあえぐ国民の多くが参加。

しかしこれらの投資スキームは、実際にはねずみ講であり、新規投資者からの資金を使って早期の投資者に利益を支払っていました。

政府の関与と危機の悪化

当時の政府はこれらのスキームを黙認、場合によっては積極的に支援しました。

政府高官がこれらのファンドに投資したり、選挙キャンペーンでこれらのファンドの支援を受けたりすることもありました。

アルバニアのメディアもこれらのスキームの宣伝に協力し、国民の間で投資が広まりました。

破綻とその影響

1997年、これらの投資ファンドの破綻が始まり、国内で広範囲にわたる金融危機が引き起こされました。

投資ファンドへの支払いが停止し、数十万人のアルバニア人が生活貯蓄を失いました。これにより大規模な暴動が発生し、政府は崩壊し、一時的に国家が無政府状態に陥りました。

国際社会の介入

暴動が全国に広がり、秩序の回復と経済的安定のために国際社会が介入を余儀なくされました。イタリアを中心とする国際平和維持軍が派遣され、暫定政府の支援と安定化が進められました。

アルバニアのねずみ講は、政治的・経済的過渡期の混乱を背景に発生した典型的な投資詐欺であり、急激な市場経済への移行がもたらすリスクを象徴する事件でした。

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ねずみ講に関して知っておきたい専門用語集

  • ネズミ講:ピラミッド型の組織構造を持ち、新規参加者が上位の参加者に参加費を支払うシステム。参加者は新たに他者を勧誘し、その参加費を使って自身の利益を得る。
  • 無限連鎖講:ネズミ講の別名。参加者が絶えず新規参加者を勧誘し続けなければならず、最終的には参加者が増えなくなりシステムが破綻する。
  • マルチ商法:商品やサービスの販売を通じて、参加者が利益を得るビジネスモデル。ただし、参加者が他の参加者を勧誘し、その階層からも利益を得る点がネズミ講と似ている。
  • 第一相互経済協力会:ネズミ講を改良した組織で、高額の参加費を設定し、新規参加者が既存の参加者に直接支払いを行うシステム。
  • 天下一家の会:内村健一が設立したネズミ講組織で、多額の資金を集め、後に法律で禁止され解散。
  • 大観宮:内村健一が設立した宗教法人。ネズミ講からの資金を受け、非課税の利点を活用していた。
  • E・Sプログラム事件:人工宝石を用いたネズミ講スキーム。参加者が高額で宝石を購入し、新規参加者を勧誘することで配当を得る。
  • 国利民福の会:国際収入印紙と国債を利用したネズミ講スキーム。参加者は高額な国債と収入印紙を購入し、新規参加者を勧誘することでランクが上がり、配当を受け取る。
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