日経平均株価が大幅に下落したとき、多くの投資家が「このまま保有すべきか、それとも損切りすべきか」と悩みます。特に、中長期投資を考えている場合、「損切りするべきなのか、それとも我慢すべきなのか」の判断は難しいものです。
本記事では、投資のプロが語る「正しい損切りの考え方」について詳しく解説します。中長期投資における損切りの基準や実践的な対策について、具体例を交えながら解説していきます。
中長期投資の期間はどのくらい?
投資を始めたばかりの方は「中長期投資」という言葉に明確な期間を求めがちですが、実際には「中長期」というのはあってないようなものです。
例えば、
- 1000円の株を2000円まで上がると予想して買う
- 3か月以内に2000円になると予測
- 実際には1週間で2000円に到達したら売る
この場合、投資期間は「中長期」ではなく、1週間の「短期取引」になります。
逆に、
- 1000円の株を半年で2000円になると予想
- 1年経っても2000円にならなかったが、売るべき理由がないため保有
このように、投資期間は状況によって変わるため、事前に「何か月だから中長期投資」と決めるものではありません。
暴落時に精神を保つには?売りたくなったらどうする?
「日経平均が急落したときに、売りたくなったらどうすればいいのか?」という質問に対して、
売りたくなったら売った方がいい!
多くの投資家は、「中長期目線で買ったからどんな相場でも売らない」と考えがちですが、それは必ずしも正しいとは限りません。
重要なのは、「投資の根拠が崩れたかどうか」です。
- 購入時の根拠が崩れたなら、即座に売るべき
- 根拠が維持されているなら、狼狽売りしない
例えば、
- 業績が堅調な企業の株価が市場全体の暴落に巻き込まれて一時的に下がった → 保有継続
- 企業の業績悪化や、経済環境の悪化で回復が見込めなくなった → 即座に売るべき
中長期投資でも、思っていたのと違う状況になればすぐに撤退できる人の方が強い投資家になれます。
投資スタイルの違い:信じて持ち続ける vs. 状況に応じて売買
投資には、大きく分けて2つのスタイルがあります。
- 「信じて持ち続けるタイプ」
- 企業や市場の成長を信じ、多少の下落があっても持ち続ける
- 例:ウォーレン・バフェットのような長期投資家
- 「間違いに気づいたらすぐ売るタイプ」
- 間違ったと気づいたら即損切りし、後でまたチャンスがあれば買い直す
- 例:トレーダーや短期売買をする投資家
どちらが正しいかは投資スタイルによります。大切なのは、自分のスタイルに合った戦略を持つことです。
貸株はするべきか?デメリットは?
貸株とは、証券会社を通じて自分の株を他の投資家に貸し出し、その対価として金利を受け取る仕組みです。
貸株のデメリットとして、
- 貸し出している間に株を売れない(すぐに売りたいときに売れない)
- 証券会社が倒産した場合のリスク
- 株主優待や配当が受け取れない可能性
特に、長期保有を前提にしていても、企業に悪材料が出たら即売る必要があるため、貸株はおすすめしないという意見もあります。
損切りの重要性とその考え方
損切りをうまくできない人は多いですが、損切りには2つの問題があります。
- リスクリターンのバランスが悪い
- 損切りラインが浅すぎる or 深すぎる
- 利益確定よりも損切りの回数が多い(リスクリワード比が悪い)
- 決めた損切りポイントで切れない(メンタルの問題)
- 「もう少し待ったら戻るかも」と考えてしまう
- 一度損切りを決めたなら迷わず実行する
損切りを成功させるためのポイント
- リスクリワード比を考える(損益比率 1:2以上を目標に)
- 例)損切りラインを5%に設定するなら、利益確定ラインは10%以上にする
- 決めたラインで必ず実行する
- 例)「5%下落したら売る」と決めたなら、必ず実行
損切りが遅くなる人へのアドバイス
「損切りが遅くなってしまう」「損切りしようと決めても実行できない」という人は、以下の考え方を持ちましょう。
「今が最速」と考える
「損切りが遅かった」と思っても、それは過去の話です。今が最速のタイミングと考えて行動することが重要です。
例えば、
- 1000円で買った株が800円に下がったとき、「もっと早く売ればよかった」と思う
- しかし、今800円で売らなければ、さらに700円、600円と下がる可能性もある
- 遅いと感じても、「今が最速」と考えて損切りを実行することが重要
まとめ:中長期投資でも損切りは重要!
- 「中長期投資=損切りしない」は間違い
- 投資の根拠が崩れたら、すぐに損切りすることが重要
- 損切りのルールを決め、迷わず実行することが成功のカギ
- 「今が最速」と考えて、遅くても損切りを実行する
投資の世界では、柔軟な判断と実行力が勝敗を分けます。自分に合った投資戦略を持ち、賢く資産を守っていきましょう!
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