本記事は、YouTube動画『【50歳以上は必須確認です】これ知らないだけで2026年とんでもないことになるかもしれません…。年末年始のNISA戦略について徹底解説』の内容を基に構成しています。
年末年始にNISA枠が余っている人ほど危ない
動画は、年末が近づく中で「NISAの枠を使い切れていない」「このままだともったいない」という焦りから始まります。早く投資した方が複利で有利なのは事実ですが、ここでよくある落とし穴が、人気ランキングや過去リターンだけで投資先を決めてしまうことです。
とくに50代以上は、資産形成の最終局面に近づいている人が多く、若い世代と同じ感覚で攻めると取り返しがつかなくなる可能性があります。動画の中心メッセージはここです。投資先は最強かどうかではなく、自分の年齢と資産額に応じて選ぶべき、という考え方が繰り返し強調されます。
投資先選びで最重要なのは現在値の把握
この動画の結論を先にまとめると、NISAで何を買うか以上に大切なのは、自分の現在値を把握することです。
現在値とは、今の資産額、年齢、ゴールまでの距離、取り崩しまでの残り年数のことです。これを無視して投資先だけを選ぶのは、目隠ししてゴルフをするようなものだ、と表現されています。
投資は増やせば増やすほど良いわけではなく、自分が幸せに生きられるために必要なお金が確保できるなら、それ以上のリスクを取る意味は薄くなります。特に50代60代ではここが重要です。
ま主要4商品は全部米国株中心なのに結果が2倍違う
動画では、新NISAで買われがちな代表商品として、オルカン、S&P500、NASDAQ100、FANG+の4つが比較されます。面白いのは、これらは全部アメリカ株中心の投資であるにもかかわらず、過去5年の結果に大きな差がある点です。
2018年10月を100とした場合、2023年10月時点での指数の伸びは次のように説明されています。
- オルカンが192で約1.9倍
- S&P500が220で2.2倍
- NASDAQ100が280で2.8倍
- FANG+が371で3.7倍
同じ米国株中心でも、1.9倍と3.7倍でほぼ2倍の差が出る、という事実が提示されます。ここで多くの人が、じゃあ一番伸びたFANG+を買えばいい、となりがちですが、それが罠だと言われます。
罠:リターンだけで選ぶと危険 特に50代以上は失敗が許されない
動画が強く言うのは、リターンだけで投資先を選ぶのは危険だということです。なぜなら、投資における本当の怖さは、増える可能性ではなく、結果がどれだけぶれるか、つまりリスクにあるからです。
ここでリスクとは、値動きのブレ幅を指します。上にも下にも大きく動く商品は、当たれば大きい反面、外れたときのダメージも大きくなります。50代60代は取り崩しの直前にいる人も多く、下振れを食らったときに時間で取り返す余裕が少ないため、若者と同じ商品選びをすると危険だという流れです。
ゴルフで理解する 飛距離がリターン ブレ幅がリスク
動画ではリターンとリスクの関係をゴルフで例えています。
- ドライバーは飛距離が出るがブレやすくOBもある
- パターは飛距離は出ないがブレが小さい
- アイアンはその中間
投資に当てはめると、飛距離がリターン、ブレ幅がリスクです。
そして最重要ポイントとして、ゴルフではクラブ選びより現在地の把握が大事だと言います。
グリーン近くでドライバーを振れば飛びすぎて崩れる。スタート地点でパターを使えばいつまで経っても進まない。投資も同じで、年齢、資産額、ゴールとの距離によって最適な商品は変わる、という説明です。
各商品の特徴を初心者向けに整理
オルカンは分散の王道だが実態は米国比率が高い
オルカンは先進国23カ国と新興国24カ国の合計47カ国へ分散投資でき、世界株式の時価総額の約85%をカバーする仕組みだと説明されます。
ただし時価総額加重平均型なので、大きい企業を多めに買う構造です。その結果、上位銘柄はNVIDIA、Microsoft、Apple、Amazonなど米国の大型株が中心になり、オルカンといっても米国比率がかなり高いという点が強調されます。
動画内の数字では、5年間リターンが23.66%、標準偏差が13.87、シャープレシオが1.70とされ、バランス型の代表として扱われています。
S&P500は米国集中でリターンは上がるがリスクも増える
S&P500は米国代表500社への集中投資で、採用条件として4四半期連続黒字が必要と説明されます。つまり赤字企業は入りにくく、成熟した企業が多いので安定性があるという位置付けです。
動画内では、5年間リターンが26.40%、標準偏差が15.77、シャープレシオが1.67とされ、オルカンより少し攻めで、リターンは高いが効率は僅差でオルカンが上、という比較がされています。
NASDAQ100は成長企業を早く取り込むがブレが大きい
NASDAQ100はNASDAQ市場の時価総額上位100銘柄で、S&P500と違い採用基準が緩く、利益や時価総額、キャッシュフローなどの条件のうち1つ満たせば採用されると説明されます。そのため赤字企業でも入ることがあり、これがリスクでもあり強みでもある、という論理です。
例としてテスラが挙げられ、NASDAQ100採用が2013年7月、S&P500採用が2020年12月で約7年の差がある、2013年の株価が約8ドルで2020年には約410ドル、つまり25倍になる前に取り込めた、という話が紹介されます。
数字としては、5年間リターン27.48%、標準偏差20.25、シャープレシオ1.35とされ、リターンは高いが効率が落ち、ブレが増える商品として説明されています。
FANG+はほぼ個別株に近くギャンブル性が高い
FANG+は10銘柄しかなく、均等投資で10%ずつ買う仕組みだと説明されます。時価総額加重ではないため、小さめの銘柄が爆発したときの恩恵をしっかり受けやすい一方、1社が崩れれば影響が10%出る構造です。
動画内では、5年間リターン33.96%、標準偏差26.60、シャープレシオ1.27とされ、リターンは最強に見えるが、効率が最も低くブレが桁違いに大きい、と結論づけられています。
リスクを考慮したシミュレーションで見える現実
動画では、同じ100万円を15年間運用したときのシミュレーションが示されます。ここで重要なのは、毎年同じリターンで増える前提ではなく、リターンとリスクの両方を使って中央値、最大値、最小値の幅を見ることです。
- オルカンは中央値が約1959万円、最大が約3669万円、最小が約919万円
- S&P500は中央値が約2655万円、最大が約5315万円、最小が約123万円
- NASDAQ100は中央値が約2724万円、最大が約6684万円、最小が約994万円
- FANG+は中央値が約4979万円、最大が約1.6億円、最小が約994万円
ここで語られるのは、リスクが大きくなると中央値は思ったほど伸びず、代わりに振れ幅だけが大きくなるという現象です。FANG+は夢があるが、下振れも大きく、ギャンブル性が高い商品だという流れになります。
年齢別の考え方 50代以上は商品より戦略が大事
20代30代は時間が武器なので攻めも選択肢になる
若い世代は失敗しても巻き返す時間があるため、NASDAQ100やFANG+のような攻めの商品を組み込むこともあり得ると語られます。ただし全額は危険で、コアサテライト戦略でバランスを取るべきだという話につながります。
40代50代は刻む 基本はオルカンかS&P500中心へ
この世代は資産形成の後半に入ってくるため、攻めすぎると事故る可能性が高まります。まだゴールが遠い人は一定のリスクを取る必要もあるが、基本はオルカンやS&P500中心に寄せていくべき、という立場です。
60代以降はコアが株式ではなく債券や現金になる
取り崩し直前の60代は、コア資産として債券や現金を厚くし、余裕があればサテライトとして株式を少し持つ、という考え方が提示されます。ここではオルカンですら攻め寄りに分類される、という言い回しが印象的です。
まとめ:2026年に失敗する人の共通点は最強探しをやめられないこと
この動画の一番の学びは、投資は最強の商品を探すゲームではない、という点です。
同じ米国株中心の商品でも、指数の違いでリターンは大きく変わる。しかしリターンが高い商品ほどリスクも大きくなり、特に50代60代は下振れを時間で取り返す余裕が少ないため、リターンだけで選ぶと致命傷になり得ます。
重要なのは、自分の現在値を把握し、ゴールまでの距離とリスク許容度に合わせてクラブを選ぶことです。年末年始にNISA枠が余っている人ほど、焦って攻めの商品に走りやすいので、2026年に後悔しないためにも、一度立ち止まって、年齢、資産額、取り崩しまでの時間を整理し、最適な戦略を選ぶことが大切だといえます。


コメント