結論要約
投資だけでは備えとして不十分。
将来のお金を増やす金銭投資と、今の自分を守る保障は役割が違う。
特に若い世代こそ、共済や民間保険などのシンプルでコスパの良い保障を早めに用意してから、NISAや投資に進むのが現実的で安全。
具体的には、月3000円程度の共済で割戻し金が年約30%戻るケースもあり、実質負担は月2000円前後。
入院リスクは20代後半から上がり、直近5年の入院経験は9.9%、平均18日というデータもある。三角形の貯蓄と四角形の保障という考え方で、今と未来を同時にカバーする設計が重要。
この動画のポイント
- 投資だけで将来に備えるのは不十分。金銭投資は「将来使うために取っておく」行為であり、現在のリスクには弱い。
- 今と未来を同時に守る保障の重要性。医療、収入、死亡、介護の4系統を理解する。
- 若年層ほどコスパの良い共済を起点に、ライフステージに合わせて民間保険で上乗せするステップアップ設計が有効。
- 共済は非営利の相互扶助で、割戻し金が年1回振り込まれる仕組み。割戻し率はおおむね30%前後の実績が紹介された。
- 公的制度だけではカバーしきれない現実。傷病手当金は賃金の約3分の2、医療費は高額療養費制度で軽減されてもゼロにはならない。
若い世代が投資の前に「保障」を整えるべき理由
投資は将来の消費のための資産形成。対して、保障は現在発生しうる突発的な支出を肩代わりする安全装置。事故や病気は年齢に関係なく起こるため、貯蓄が十分に積み上がる前の時期ほど保障の価値が高い。
数値で確認
- 直近5年間での入院経験者は9.9%
- 平均入院日数は18日(平日換算でほぼ1か月)
- 共済の割戻し金はおおむね年30%前後。月3000円なら約1000円が戻り、実質負担は月2000円程度という紹介事例
保障の4系統をざっくり把握
- 医療保障
入院・手術・通院費用に備える。日帰り手術の増加で短期化傾向はあるが、まとまった支払いが突然発生する点は変わらない。 - 収入保障
働けなくなったときの収入減を補う。会社員は傷病手当金で賃金の約3分の2程度が見込めるが、満額ではない。生活費や住宅ローンがある人は上乗せが安心。 - 死亡保障
遺族の生活資金や教育費の備え。独身か既婚か、扶養家族の有無で必要額が大きく変わる。 - 介護保障
高齢期だけでなく、事故・疾病で若年でも必要になる可能性がある。家族介護や在宅・施設の選択で費用水準も大きく変動。
共済と民間保険の違いを初心者向けに整理
共済は非営利で相互扶助。民間保険は営利企業の商品。費用と仕組みが異なるため、使い分けが鍵。
観点 | 共済 | 民間保険 |
---|---|---|
運営目的 | 非営利・相互扶助 | 営利企業の保険商品 |
価格感 | 月千円台〜と割安な傾向 | 商品バリエーション豊富で価格も幅広い |
割戻し金 | 余剰が出れば年1回還元(例:30%前後の実績紹介) | なし(代わりに配当型商品など別設計あり) |
告知の負担 | 比較的簡素 | 詳細な告知が一般的 |
給付の速さ | シンプル設計ゆえ支払いが比較的早い例あり | 商品によりさまざま |
カバー範囲 | シンプルで網羅性は限定的 | 特約・オプションで細かく設計可能 |
結論として、まずはコスパ良く広く浅く守る共済、必要に応じて民間保険で不足分を上乗せ、というハイブリッドが取り組みやすい。
ライフステージ別の設計ステップ
ステップ1(社会人〜20代)
・共済で医療をまず確保。割戻しで実質負担を抑える
・少額のつみたて投資を同時開始(時間を味方にする)
・緊急資金は生活費3か月分を目標に
ステップ2(30代前半〜)
・家族構成やローンに応じて、収入保障と死亡保障を上乗せ
・医療は通院や先進医療など必要に応じ特約を追加
・投資額は手取り比率で毎年見直し
ステップ3(40代以降)
・生活設計の変化に合わせて保障額を段階的に最適化
・介護リスクを意識し、必要に応じて備えを検討
・資産配分はリスク許容度の変化を反映して調整
よくある勘違いと対処法
- 若いから不要
病気も事故も年齢を選ばない。貯蓄が小さい時期ほど保障の価値が高い。 - 公的保障で十分
手取り満額は戻らない。固定費・差額・雑費は自腹になりやすい。 - 投資で全部まかなう
相場下落時に取り崩しを強いられると、資産形成の複利が壊れる。短期リスクは保険、長期の成長は投資で役割分担。
具体的な始め方チェックリスト
- 現状の公的保障を把握する(健康保険、高額療養費、傷病手当金)
- 月の固定費を洗い出す(家賃・ローン、光熱費、通信費、保育料など)
- 貯蓄残高と緊急資金の有無を確認
- 共済で医療のベースを作る(月3000円目安、割戻しで実質負担軽減)
- 家族・ローンの状況に応じて収入保障・死亡保障を追加
- 投資は少額つみたてから開始、年1回は保障と投資のバランスを見直す
まとめ
投資は未来、保障は今。両輪で備えることが、結果的に最短で資産形成を安定させる。
若いうちこそ、共済などコスパの良い保障で土台を作り、必要に応じて民間保険で上乗せ。投資は少額でも早く始め、年1回は家計と保障と投資のバランスを棚卸しする。これがNISAより先にやるべき、金融のプロが実践する自己投資の基本設計である。
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