「NISAを使って1億円を達成するまでにかかる年数」というテーマについて、特にS&P500を投資対象にしたシミュレーション結果を解説します。
このシリーズでは、将来的にナスダック100やオールカントリーのシミュレーションも予定されていますが、今回はまずS&P500に焦点を当てています。
期待リターンの設定
まず、投資において最も重要なのは「期待リターンを何%に設定するか」という点です。
過去のデータと現在の相場状況をもとに、期待リターンを計算しています。
投資対象のS&P500の過去38年間の平均成長率は、8.5%でした。この期間には上昇年が29年、下落年が9年あり、長期的には平均8.5%の成長率となっています。
また、ドル円の為替レートについても触れており、過去38年間で平均成長率は0.05%という結果でした。
S&P500を円建てで投資した場合、ドル建てとほぼ同じ8.5%の成長率が得られると考えられますが、将来のシミュレーションにおいては、さらに現実的な数値を用いることが重要とされています。
シミュレーション結果
今回のシミュレーションでは、期待リターンを6.9%に設定しており、S&P500への投資がNISAを通じて1億円に到達するまでにかかる年数を計算しています。
このシミュレーションでは、S&P500の成長率を過去のデータに基づきつつも少し保守的に設定しているのが特徴です。実際には、近年の成長率は20%に達することもありましたが、このような高い成長率が続くわけではないため、慎重に見積もっています。
シミュレーションでは、以下の前提条件で行われています:
- 投資対象はS&P500
- 年平均成長率は6.9%
- 配当や運用コストは考慮しない
- 複利計算は年1回
この前提で、NISAの1800万円の投資枠が1億円に到達するまでの年数を調査したところ、28年かかるという結果になりました。
例えば、40歳から投資を始めると68歳で1億円に達成する計算です。また、5000万円に到達するのは、18年後です。
追加シミュレーション:NISA枠を5年で埋める場合と10年で埋める場合
次に、NISA枠をどれだけ早く埋めるかによって、1億円達成までの年数にどれだけの差が出るかを見ています。
シミュレーションによれば、NISA枠を最短5年で満額投資した場合、1億円達成には28年かかります。一方、NISA枠を10年かけて埋める場合でも、1億円達成には30年かかります。
この2年間の差は、投資初期の金額の違いが最終的なリターンに大きく影響しないためと説明されています。
投資成果は、時間が経つにつれて加速していくため、5年で早く投資しても、1億円達成までの期間に大きな差は出ません。つまり、急いで投資をする必要はなく、自分のペースで投資を続けることが重要です。
まとめ
S&P500を対象としたシミュレーションでは、NISA枠を5年で満額投資した場合、5000万円に到達するのは18年、1億円に到達するのは28年かかります。
また、NISA枠を10年で満額投資した場合、5000万円に到達するのは20年、1億円に到達するのは30年です。
この結果から、投資枠を埋める速度は1億円達成までの年数に大きな影響を与えないことがわかりました。SNSなどで他の投資家と比較して焦ることなく、自分のペースで着実に投資を続けることが大切です。
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