オールカントリー(オルカン)への投資について、なぜ動画投稿者がこの投資方法を選ばないのか、その理由を具体的なデータやチャートを使って説明します。
初心者でも理解しやすいように、各ポイントを丁寧に整理していきます。
オルカンとは何か?
まず、オルカンとは「全世界株式オールカントリー」の略で、世界中の株式に分散投資を行うファンドです。
このファンドは、多様な国の株式に分散されており、アメリカ株が60%を占め、日本は約6%、イギリス4%、中国、フランス、カナダがそれぞれ3%という割合です。
つまり、世界の株式市場に幅広く投資することで、リスク分散を図ることができるというメリットがあります。
オルカンのパフォーマンスの比較
2008年4月から2023年12月までのオルカンのパフォーマンスを見てみると、米ドル建てで配当再投資後の結果として、オルカンは164%上昇しました。
初期投資100が264に増加したということです。これは一見、非常に良好な成績に思えますが、動画投稿者はここで重要な視点を持ち出します。それは、「米国を除いたパフォーマンスはどうなのか?」という疑問です。
オルカンの60%は米国株式が占めており、残り40%がその他の国の株式です。では、米国を除いた部分だけで投資した場合、どうなるのでしょうか?
結果は驚くべきものでした。オルカン全体が164%の上昇に対して、米国を除いた残り40%のパフォーマンスはわずか41%の上昇にとどまりました。
年平均に換算すると、オルカン全体が6%の上昇に対して、米国を除くと年平均2%の上昇です。この差は明確で、米国がオルカン全体の成績を大きく引っ張り上げていることがわかります。
米国株式の強さ
さらに、S&P500のパフォーマンスも比較に出されました。
S&P500は米国の主要な企業500社で構成される株式指数で、2008年から2023年にかけてのパフォーマンスは+357%でした。
これとオルカンの+164%、そして米国を除いたオルカンの+41%を比べると、米国株の強さが際立っています。
動画投稿者がオルカンに投資しない理由の一つは、米国以外の国々が米国株式に劣る成績を出し続けているからです。
過去の危機におけるパフォーマンス
次に、リーマンショックやコロナショックといった世界的な危機の際のパフォーマンスについても触れています。
リーマンショックでは、米国株式が当事者でありながらも、米国を除いたオルカンよりも早く回復しました。
コロナショックでも同様に、米国株式が最も早く回復し、米国以外の国々は遅れをとっています。このことから、リスク分散として全世界に投資するオルカンの効果が疑問視されています。
ボラティリティとリターンの関係
動画投稿者は、投資におけるリスクを理解するために「標準偏差」にも注目しています。
標準偏差はボラティリティ(価格変動率)を示し、リスクを測る重要な指標です。
S&P500、オルカン、米国を除いたオルカンの標準偏差は、いずれもほぼ同じ約15%となっています。これは、リスクがほぼ同じであることを意味します。
しかし、リターンには大きな差があります。例えば、過去10年間の年平均リターンはS&P500が12%、オルカンが8%、米国を除いたオルカンはわずか2%です。この差は非常に大きく、リスクが同じであればリターンの高い方を選ぶべきだと主張しています。
結論:オルカンよりもS&P500に投資すべきか?
結論として、オルカンに投資するよりも、米国株式100%で構成されるS&P500に投資する方が良いとしています。
理由は、米国株式のリターンが他国を大きく上回っているからです。
また、米国は移民大国であり、世界中から優秀な人材が集まっていることが、米国経済をさらに強くしています。
GoogleやMicrosoft、NVIDIAといった米国企業は、売上の多くを海外で得ており、米国以外の成長も取り込んでいます。そのため、わざわざオルカンに投資してリターンを下げる必要はない、という考え方です。
投資家へのアドバイス
最後に、オルカン投資家を否定するわけではなく、むしろアドバイスをしています。
オルカン100%で投資をしている人には、S&P500と併用して5年間のパフォーマンスを比べてみることを提案しています。その結果、5年後に気づきがあるかもしれない、と述べています。
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