近年、アメリカのハイテク株は市場全体を牽引してきました。しかし、最近の値動きを見ると、いくつかの重要なポイントが見えてきます。本記事では、特に NVIDIA(エヌビディア) や スーパーマイクロコンピューター に関連する市場の動きと、それに影響を与えている国際的な事件について詳しく解説します。
NVIDIAとスーパーマイクロの株価動向
まず、2024年の後半から2025年にかけて、NVIDIAの株価は大きく変動しています。2025年に入ってからは、一度急落した後に急上昇を見せましたが、その直後に再び大きく下落しました。
同様に、スーパーマイクロコンピューターの株価も、2024年に急騰した後、2025年にかけて乱高下しています。この動きには、単なる市場の調整以上の要因が関わっている可能性があります。
米国ハイテク株に影響を与える国際的な事件
一般的に報道されていませんが、アメリカのハイテク企業に大きな影響を与える 密輸事件 が発生しています。
シンガポールでの逮捕劇
2025年2月27日、シンガポールで NVIDIAのチップの不正取引 に関与したとして、3人の男が逮捕されました。
- 逮捕された3人の国籍
- 2人はシンガポール国籍
- 1人は中国国籍
- 違法行為の内容
- NVIDIAのチップを搭載した スーパーマイクロコンピューターのサーバー や デル・テクノロジーズのサーバー をシンガポールに輸入。
- その後、マレーシアに違法に輸出。
アメリカは、中国など特定の国へハイテク製品が流れないように厳しい規制を設けています。シンガポール政府も、アメリカ製ハイテク製品を輸入する際に 最終利用者を申告する義務 を課しています。
しかし、この3人は 虚偽の申告 を行い、シンガポールを経由して 中国にハイテク製品を流していた可能性 があります。
これは、以前から指摘されていた「第3国経由の中国への輸出ルート」の一端であり、バイデン政権下では黙認されていた疑惑があります。
NVIDIAの売上データが示す異変
次に、NVIDIAの売上データを詳しく見てみましょう。
NVIDIAの売上推移
- 2021年:中国向けの売上がアメリカ国内向けを上回る。
- 2023年以降:
- アメリカ国内向けの売上が急増。
- シンガポール向けの売上が爆発的に伸びる。
- 2024年第2四半期:
- シンガポール向けの売上は前年同期比 500%以上増加。
- 中国向けの売上も依然として大きいが、規制によって一定の制限を受ける。
このデータを見ると、シンガポール向けの輸出が 異常な伸びを示している ことが分かります。つまり、実際にはシンガポールを経由して 中国に流れている可能性が高い ということです。
今後の展開と市場への影響
バイデン政権は、株価を維持するために 第3国経由の中国への輸出を黙認してきた可能性 があります。しかし、もし今後トランプ政権が復活し、本格的な取り締まりが始まれば、NVIDIAやその他のハイテク企業の業績に 深刻な影響 を与えることになるでしょう。
- もしシンガポール経由の輸出が完全に停止した場合
- NVIDIAの業績に大打撃。
- 2024年第3四半期のデータでは、アメリカ国内の売上の9割に相当するシンガポール+中国の売上が消失するリスク。
- これにより、NVIDIAの株価が大幅に下落する可能性。
- ハイテク株全体に影響を及ぼす。
シンガポール政府も、これまでこの問題を黙認してきた可能性がありますが、もしアメリカが本格的に制裁を検討するならば、シンガポール自体が経済制裁の対象になる可能性も出てきます。
今後の投資戦略は?
この問題が解決するかどうかは、アメリカの政権交代による政策の変化に左右されます。
- 規制強化の場合
- シンガポール経由の輸出が停止 → NVIDIAの売上悪化 → 株価急落。
- ハイテク株全体への影響大。
- 規制緩和の場合
- NVIDIAの輸出制限が解除される可能性。
- AI技術の競争力維持のため、中国との取引を容認する可能性も。
現在の状況は流動的であり、今後のアメリカ政府の対応によって、市場の流れが大きく変わる可能性があります。
まとめ
最近の米国ハイテク株の下落には、単なる市場の調整以上の要因が絡んでいる可能性があります。特にNVIDIAやスーパーマイクロコンピューターは、シンガポール経由で中国に流れているチップの影響を大きく受けています。
今後、アメリカの政権交代によって 規制強化 か 規制緩和 かのどちらかのシナリオが現実となるでしょう。投資家としては、この動きを注視し、適切なリスク管理を行うことが求められます。
この問題の影響を深く理解し、今後の投資戦略に活かしていきましょう。

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