最近、高配当投資信託が注目を集めています。
楽天から新たに「楽天高配当株式米国ファンド」、SBIから「SBI全世界高配当株式ファンド」が登場しました。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。また、既存の定番高配当ETFであるVYM(バンガード・米国高配当株式ETF)と比較して、どれが初心者にとって魅力的なのかを掘り下げてみたいと思います。
比較する投資信託と前提条件
今回の比較対象は以下の3つです:
- 楽天高配当株式米国ファンド(SCHDベース)
- SBI全世界高配当株式ファンド(新規アクティブファンド)
- VYM(既存の定番高配当ETF)
また、記事では以下の前提条件で計算を進めます:
- 目標月額配当収入:5万円
- 投資元本:1,800万円(新NISAの年間積立枠を基準)
- 必要な分配利回り:3.3%以上
基本スペックの比較
投資信託/ETF | 信託報酬 | 分配金利回り | 特徴 |
---|---|---|---|
楽天高配当株式米国ファンド | 0.2%以下(予定) | 3.3% | SCHD ETFを基盤とした低コストファンド |
SBI全世界高配当株式ファンド | 0.09% | 約4.0% | 全世界の高配当株式に分散投資。超低コストのアクティブファンド |
VYM | 約0.06% | 約3.1% | 米国高配当株式ETFの定番。分散が効いている |
楽天のファンドはSCHDを購入する形で運用されており、SCHD自体は米国市場で非常に高い評価を受けています。
一方、SBI全世界高配当株式ファンドは、世界中の高配当株式に投資しつつ、アクティブ運用でコストを抑えています。
SCHD(楽天ファンド)の強み
楽天ファンドのベースとなるSCHD ETFは以下のような特徴があります:
- 分配利回り:過去のデータでは3.3%から3.5%を維持。
- 増配率:直近13年間で一貫して増配。
- 株価パフォーマンス:基準価格が右肩上がりで上昇。
例えば、1,800万円を全額投資すると、年間約60万円(月5万円)の配当収入が期待できます。
増配が続けば、将来的にはさらに多くのインカムが得られる可能性があります。
SBI全世界高配当株式ファンドの特徴
SBIのファンドは以下のポイントで注目されています:
- 全世界分散:米国だけでなく、欧州、日本、新興国も対象。
- 低コスト:信託報酬が0.09%と業界最安水準。
- 安定性:値動き(リスク)が小さい。
具体例として、全世界高配当株式の過去のパフォーマンスを見ると、リスク(値動きの幅)は非常に低く、安心して保有できるのが特徴です。
ただし、リターン(配当込み)は米国株(SCHD)に比べてやや劣ります。
VYMとの比較
既存の定番ETFであるVYMは、米国の高配当株式に幅広く投資します。以下はVYMとSCHDの比較です:
指標 | SCHD | VYM |
配当利回り | 約3.3% | 約3.1% |
増配率 | 高い | 中程度 |
株価上昇率 | SCHDが上回る | やや劣る |
SCHDのほうがトータルリターンでは優れていますが、VYMはより広い分散が効いており、安心感があります。
投資判断のポイント
どの投資信託を選ぶべきかは、以下のポイントで決めると良いでしょう:
- 投資地域の選択
- 米国中心で高配当を狙いたい場合:楽天高配当株式米国ファンド(SCHD)。
- 世界全体に分散して安定を求めたい場合:SBI全世界高配当株式ファンド。
- リスク許容度
- 値動きが少なく、安定した商品が良い:SBI全世界高配当株式ファンド。
- トータルリターン重視:楽天高配当株式米国ファンド。
- 投資の目的
- 長期的な増配を期待するなら:SCHD。
- 安定した分配金を狙うなら:全世界高配当。
まとめ
- SCHDは高配当ながらトータルリターンが非常に優れた商品。
- SBI全世界高配当株式ファンドは超低コストで、安定性が魅力。
- VYMは米国株ETFの定番で、広い分散が安心感を提供。
いずれも魅力的な選択肢ですが、最終的には「米国中心か全世界か」「高配当重視かトータルリターン重視か」といった自分の投資方針に基づいて選ぶことが重要です。これからの資産運用の参考にしてみてください!
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