※本記事は、YouTube動画「【結論はアリ】S&P500(米国株)とオルカン(全世界株式)に半分ずつ投資はアリ?初心者向けにやさしく解説」の内容を基に構成しています。
結論:S&P500とオルカンの“半々投資”は初心者にとって「精神的な余裕」が最大のメリット
S&P500とオルカン(全世界株式)を半分ずつ投資する方法は「アリ」です。特に投資初心者にとっては、どちらに偏るか迷ったときにバランスを取る選択肢として有効であり、「あっちにしておけばよかった…」という後悔を回避する精神的安定感があります。
ただし、注意点として、実質的には8割以上が米国株への投資となるため、「分散効果は限定的」であることを理解しておく必要があります。
S&P500とオルカンとは?基礎知識の整理
S&P500(米国株)
- 投資対象: アメリカの代表的な大企業500社
- 平均リターン(過去30年): 年率約10.2%
- 代表的ファンド: eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
アメリカ経済の中心を担うトップ企業群(Apple、Microsoft、NVIDIAなど)への分散投資が可能で、過去の実績では非常に高いリターンを誇るのが特徴です。
また、米国は人口増加が続く「数少ない先進国」として、今後も安定した成長が期待されます。
オルカン(全世界株式)
- 投資対象: 約50か国、約3000銘柄に分散
- 平均リターン(過去30年): 年率約7.9%
- 代表的ファンド: eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
世界全体の株式市場に分散投資でき、自国に依存しないグローバルなポートフォリオを築けることが最大の特徴です。
現時点では構成比のうち約64%が米国株ですが、日本(約5%)、英国、フランス、インドなども含まれ、将来的に台頭する国へのリスク分散も図れます。
半々投資の比率を整理してみよう
S&P500とオルカンを**1:1(50%ずつ)**で投資した場合の実際の内訳は以下の通りです:
地域 | 投資比率(概算) |
---|---|
米国 | 約82.1% |
その他先進国 | 約12.6% |
新興国 | 約5.3% |
つまり、「半分ずつ投資」=「8割以上米国株」という構図になります。
分散投資効果はあるのか?
オルカンにはすでに米国株が半分以上含まれているため、S&P500とオルカンを持つと「米国への重複投資」になる点は注意です。
理論的には「自家総額加重平均」が最も効率的な投資手法(=現代ポートフォリオ理論)とされており、それに従えばオルカン1本が最も無難な選択肢です。
しかし、将来の不確実性を考えたとき、あえて米国株と世界株に“意図的に分散”させることは、精神的な安心感を生み、長期投資を続けやすくするメリットがあります。
歴史は繰り返す:米国は未来永劫トップでいられるのか?
1900年頃の株式市場の構成比を見ると、当時はイギリスが約24%、米国はわずか15%でした。
それが2024年現在では米国が60%超。この事実からも「時代のトップは入れ替わる」ことが分かります。
将来、米国が衰退し、インドや他国が台頭する可能性を考慮すれば、オルカンを通じて将来の成長国に種をまいておくことにも意味があるでしょう。
投資初心者にとっての“半分ずつ投資”のメリット
- 後悔しにくい
- 将来、米国が絶好調でも低迷しても「両方持っている」ことで精神的に安定できる。
- 投資の開始が早くなる
- 「迷って行動できない」より、半々でまず始めることで時間を味方につけられる。
- 将来的にリバランスも可能
- 投資を続けながら、「米国が強い」と感じたら7:3に変更するなど柔軟な運用ができる。
まとめ:半分ずつの投資は「合理性より実行力」を重視する人向け
視点 | 評価 |
---|---|
分散効果 | やや限定的(実質的に米国偏重) |
精神的メリット | 非常に高い(後悔リスクの軽減) |
投資理論との整合性 | やや低い(加重平均が崩れる) |
継続性・実行力 | 高い(迷いを防ぎ行動しやすい) |
トータルで考えると、S&P500とオルカンの半々投資は、投資初心者にとって「アリ」な選択肢です。
まずは始めてみて、将来の自分の知識や相場観に応じて調整すればよいという考え方は、投資継続において非常に有効です。
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