S&P500の暴落サインが点灯しました…大暴落の予兆?新NISAで米国株どうしたらいい?

今回は米国株投資家の「パン」さんによる緊急動画「S&P500の暴落サインが点灯しました」という内容をもとに、2025年3月時点で米国株を保有している方、新NISAを活用している方に向けた非常に重要な内容を解説します。

これまで米国株、特にS&P500に積み立て投資をしていた方の中には、「え?S&P500って安心・安全じゃないの?」と感じている方も多いと思います。しかし2025年2月20日を境に、S&P500が急落。そしてその背景には、単なる一時的な調整ではなく、「アメリカ経済の構造的な問題」がある可能性が指摘されています。

この記事では、なぜ今S&P500に警戒が必要なのか?また、今後どう投資戦略を立てるべきか?さらに今注目されている「ドイツ株」や新NISAでの対処法まで、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。

著:西村 栄基
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目次

■S&P500に暴落サイン?その理由とは?

① トランプ氏による関税政策の影響

トランプ前大統領が掲げる「強いアメリカ」政策の一環として、各国に対して関税を次々と導入しています。

  • カナダとメキシコに25%の関税を導入
  • 中国にも関税を発動
  • 2025年4月2日からは、日本を含む他の国々にも相互関税を適用予定

このような関税の強化は、アメリカ国内にとって以下の2つの深刻な副作用を引き起こす可能性があります。


② 関税の悪影響その1:インフレ再燃と利下げの困難化

関税をかけると輸入品の価格が上昇し、企業はそのコストを消費者価格に転嫁します。つまり、インフレが加速するリスクが高まります。

例えば:

  • 関税による報復措置を含めると、S&P500企業の収益は2.8%下落する可能性(バークレイズ予測)
  • カナダ・メキシコへの関税強化で、コアインフレ率は+0.7%、GDPは-0.4%に(ゴールドマンサックス予測)

そしてインフレが続けば、FRB(米連邦準備制度)は政策金利を下げることができません。その結果、企業の資金調達コストが上昇し、株価の下押し要因となります。

2025年3月20日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、「不確実性(Uncertainty)」という言葉が16回も使われたことからも、アメリカ経済の先行き不透明感が強まっていることが分かります。


③ 関税の悪影響その2:個人消費の落ち込み

アメリカ経済の約70%を占めるのが個人消費。関税で物価が上がれば、当然ながら家計への負担が増し、消費は冷え込みます。

さらに、同時(トランプ政権の助言機関)が進めている政府の「効率化」によって、

  • 11万人以上の政府職員削減
  • 1,150億ドル(約17兆円)の歳出削減=GDPを0.4%押し下げる見込み

これらにより、失業率上昇や政府支出の減少が見込まれ、経済成長がさらに鈍化する可能性があります。


④ リーマンショック級の景気後退に?過去の暴落と比較

過去の景気後退時のS&P500の下落率を見てみましょう。

出来事下落率
湾岸戦争(1990)約20%
ITバブル崩壊(2000年頃)約25%
リーマンショック(2008)約55%
コロナショック(2020)約35%

これら4回の平均は約32%の下落

現在(2025年3月時点)、S&P500はすでに10%以上の調整が入っていますが、景気後退に突入すればさらに20%以上の下落余地があると考えられています。


■S&P500だけで本当に大丈夫?新NISAの活用にも注意点

最近よく聞く「オルカン(全世界株式インデックスファンド)」も、その約65%が米国株で構成されているため、S&P500が下がれば一緒に下落します。

つまり「米国株に分散してるから大丈夫」とは言えない状況です。


■注目の投資先は“ドイツ株”!?その理由を解説

パンさんが今注目しているのが、ヨーロッパの中でもドイツ株です。その理由を以下にまとめます。

・ドイツの財政状況が健全

  • ドイツの政府債務:GDP比で65%
  • 日本:250%以上、アメリカ:120%以上

また、ドイツでは2025年に歴史的な転換があり、緊縮財政から大規模な財政出動(軍事・インフラ投資)に転じる法案が可決。

  • 今後12年間で最大5,000億ユーロ(GDP比12%)の財政出動
  • 国防費も加えればGDP比で20%を超える規模

これは景気を大きく押し上げると期待されています。


・金利水準・物価も良好

  • ドイツの政策金利:2.5%(中立水準)
  • アメリカの政策金利:4.5%(引き締め的)
  • 10年国債利回り:米4.25% / 独2.78% → 資金調達コストが安い

・ドイツ株のバリュエーションが割安

  • S&P500の予想PER(株価収益率):20超
    • これはバブル期並の水準
  • ドイツ株:PER15以下 → 割安で上昇余地がある

実際に2025年に入ってから、ドイツ株は20%以上上昇。ポーランドは35%以上、フランスも10%程度上がっており、欧州全体が堅調です。


■具体的にドイツ株へ投資するには?おすすめETF

日本からドイツ株に投資するには、以下のETFがおすすめと紹介されました。

  • iShares MSCI Germany ETF(ティッカー:EWG)
    • ドイツに上場する60社以上に分散
    • アメリカの証券取引所で売買可能
    • MSCI Germany Indexに連動

S&P500と同じような感覚で米ドル建てで買えるので、新NISAの成長投資枠などでも活用できます。


■新NISA活用中の方へのアドバイス

●一括投資している人:

短期的に景気後退リスクが高まっているため、ポジション縮小も検討すべき。

●積立投資枠で運用中の人:

株価が下がる局面では安く多く買えるメリットがあるため、積立は継続を推奨。


■最後に:暴落はチャンスでもある

パンさんは「米国株100%推し」だと思われがちですが、今は景気後退の兆しがあるため一時的に撤退し、稼げる国や地域に資金をシフトする柔軟な姿勢が大切と語っています。

今は「リスク管理」の時期。しっかりと経済の動きを見ながら、冷静な判断を心がけたいところです。


まとめ

  • S&P500は過去2年で急騰したが、関税・個人消費・金利の影響で調整局面に
  • トランプ氏の政策による“デトックス期間”が株価に逆風
  • ヨーロッパ、とくにドイツ株に明るい兆しあり
  • 新NISAの使い方を見直す時期に来ている
  • 柔軟な投資戦略と情報収集が重要!

投資は「右肩上がり」が当たり前ではありません。時には慎重に、時には大胆に舵を切ることが資産形成の鍵です。

この記事が、皆さんの投資戦略を見直すきっかけになれば幸いです。

著:西村 栄基
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