株式投資を始めたばかりの方向けに、トレンドラインの引き方やその活用方法について解説します。
トレンドラインは、株価の動きを視覚的に理解し、トレードのタイミングを判断するための基本的なテクニカルツールです。この記事では、具体的な例や図解を交えながら、トレンドラインの基本から応用までをわかりやすく説明します。
トレンドラインとは何か?
トレンドラインとは、株価チャート上の安値と安値、または高値と高値を結んだ線のことを指します。
株価が上昇トレンドにある場合、安値同士を結んで上昇の傾向を確認し、逆に下落トレンドでは、高値同士を結んで下落の傾向を把握します。
また、レンジ相場(横ばい相場)の場合は、高値同士、安値同士を結んでボックス相場の範囲を確認することができます。
トレンドラインの基本
トレンドラインは、チャート分析において多くの投資家やトレーダーが使っているため、非常に有効な手法の一つです。
トレンドラインを引くことで、現在のトレンドを視覚的に把握し、適切なタイミングでのエントリーやエグジットを判断できます。トレンドに従った順張りや、トレンドに逆らう逆張りの戦略を取る際にも、このラインが重要な指標となります。
上昇トレンドのトレンドラインの引き方
上昇トレンドの場合、下がってきた安値と安値を結んでトレンドラインを引きます。
このラインは「下値支持線」または「サポートライン」と呼ばれ、株価が下落してもこのラインで反発し、再度上昇していく可能性が高いと考えられます。
例えば、メガバンクである 8306三菱UFJフィナンシャルグループ の日足チャートを使ってみましょう。
このチャートでは、下がってきた安値同士を結んだサポートラインが確認できます。このサポートラインが機能している限り、上昇トレンドが続くと判断されますが、もしこのラインを割り込んでしまった場合、トレンドが転換し、横ばいや下落に移行する可能性が出てきます。
下落トレンドのトレンドラインの引き方
下落トレンドの場合は、高値と高値を結んでトレンドラインを引きます。
このラインは「上値抵抗線」または「レジスタンスライン」と呼ばれ、株価が反発してもこのラインで押し戻され、再び下落していく可能性が高いと考えられます。
再生可能エネルギー事業を手掛ける 9419レノバ の日足チャートを例に挙げましょう。
下落中の高値同士を結んだレジスタンスラインを引くと、下落トレンドが確認できます。このラインを突破しない限り、株価は下落トレンドが続くと考えられますが、もしこのレジスタンスラインを突破した場合、トレンドの転換点となる可能性があります。
レンジ相場のトレンドラインの引き方
レンジ相場では、高値と高値、安値と安値を結んでトレンドラインを引くことができます。例えば、 トピックス(TOPIX) の日足チャートを見てみると、上昇トレンドが終わり、横ばい状態になっていることが確認できます。
この場合、トレンドラインを使ってレンジ相場の範囲(ボックス圏)を把握し、高値を結んだレジスタンスラインと、安値を結んだサポートラインで上下の動きを確認します。
レンジ相場では、このボックス内で株価が動くことが多いですが、レジスタンスラインやサポートラインを突破した場合、トレンドが上昇または下落に転じる可能性があります。
トレンドラインを使ったトレード手法
トレンドラインを使った代表的なトレード手法として「押し目買い」や「戻り売り」があります。
- 押し目買い:上昇トレンドにおいて、株価がトレンドラインまで下落してきた際に、サポートラインからの反発を期待して買いを入れる手法です。
- 戻り売り:下落トレンドにおいて、株価がトレンドラインまで反発してきた際に、レジスタンスラインからの反落を期待して売り(空売り)を入れる手法です。
特に、トレンドラインが3回以上機能している場合、4回目以降も機能する可能性が高いとされ、このトレンドラインに沿ってエントリーすると、利益を狙いやすくなります。
例えば、 三菱UFJフィナンシャルグループ の上昇トレンドでは、サポートラインに沿って押し目買いを行うことで利益を得るチャンスがありました。また、 レノバ の下落トレンドでは、レジスタンスラインに沿った戻り売りで利益を得る機会がありました。
ブレイクアウト狙い
トレンドラインが機能している間は、そのラインを基準に取引を行いますが、ラインを突破するブレイクアウトが発生した場合、大きな値動きが生じることがあります。これを狙った手法が「ブレイクアウト狙い」です。
例えば、 ニトリホールディングス は下落トレンドでレジスタンスラインを突破し、その後10%近くの反発が見られました。
このように、トレンドラインを突破すると大きな値動きが発生し、トレンドの転換点となる可能性が高まります。しかし、ブレイクアウトが「騙し」となる場合もあるため、損切りの設定は常に重要です。
トレンドラインの注意点
トレンドラインを引く際には、時間軸に注意することが重要です。株価チャートは時間軸によって異なるトレンドを示すことが多いため、自分のトレードスタイルに合った時間軸でトレンドラインを引くことがポイントです。
- デイトレード をする場合は、短期の5分足や日足チャートのトレンドラインを確認します。
- スイングトレード では、日足や週足チャートのトレンドラインを使用します。
- 長期投資 を行う場合は、月足チャートのトレンドラインを確認することが重要です。
まとめ
トレンドラインは、株価の動きを視覚的に把握し、トレードのタイミングを判断するための強力なツールです。上昇トレンドでは安値を結んだサポートライン、下落トレンドでは高値を結んだレジスタンスラインが有効です。
また、押し目買いや戻り売り、ブレイクアウト狙いなど、トレンドラインを活用したトレード手法もありますが、トレンドラインが絶対に機能するわけではないため、リスク管理や損切りの設定を忘れずに行いましょう。
株式投資はリスクを伴うため、適切なトレンドラインの引き方を学び、自分の投資スタイルに合った戦略を立てることが成功への鍵となります。
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