2025年の米国株市場には多くのチャンスとリスクが潜んでいます。
特に、一般投資家が勘違いしやすいポイントを理解しておかないと、大きな損失を被る可能性があります。本記事では、2024年12月と2025年1月に日経CNBCで解説された「2025年の相場で注意すべき5つのリスク」と「10倍株を見つけるための投資戦略」を詳しく紹介します。
1. トランプ大統領でインフレ加速と決めつけるな
多くの投資家が「トランプ大統領の関税政策でインフレが加速し、利下げが期待できない」と考えています。しかし、これは過去のデータを見ても単純すぎる考え方です。
過去の関税政策とインフレ
2018年からトランプ政権は中国をはじめとする多くの国に高額の関税を課しました。しかし、その結果インフレ率は2%に届かず、大きな影響を与えなかったのです。これは以下の理由によります。
- 政府支出の削減:イーロン・マスクが主導する政府効率化プロジェクトにより、無駄な契約や行政機関が削減。
- 燃料価格の引き下げ:バイデン政権では新規の油田・天然ガスの掘削を制限していましたが、トランプ政権ではこの制限を撤廃し、燃料価格を抑える方針。
- 住宅費の低下:住宅建設コストの25%を占める規制を緩和し、住宅価格を下げる施策。
これらの政策が成功すれば、インフレを抑えられる可能性があり、FRBの利下げが加速する可能性もあります。
2. 生成AI = 半導体ではない
2025年も生成AI(ジェネレーティブAI)は重要な投資テーマですが、「生成AI = 半導体」と考えるのは間違いです。
重要なのは「AIを活用する企業」
現在は半導体の売上やデータセンター投資が注目されていますが、最終的に重要なのは 生成AIを活用するサービス です。
- インターネットの歴史と類似:技術そのものよりも、それを活用するサービス(Google、YouTube、SNSなど)が成長。
- 生成AIを活用する企業例:
- Microsoft
- Oracle
- Salesforce
- サイバーセキュリティ関連
今後はソフトウェア企業の株価上昇が期待され、10倍株が生まれる可能性があります。
3. ハイテク以外の銘柄にも注目
現在、SNSでは「NVIDIA最強」「ファングプラス最強」といった意見が多く見られますが、これは非常に危険です。2025年は「分散投資」が鍵になります。
シクリカル銘柄(景気敏感株)に注目
トランプ政権は 国内産業の保護 に力を入れており、これにより以下の業種の株価が上昇しています。
- 素材・金融・消費財
- 自動車産業・建設業・製造業・小売業
特に注目すべき点は、関税政策による企業業績の上昇です。
- USスチール:鉄とアルミに25%の関税が課された際、株価6%上昇
- センチュリーアルミニウム:同じタイミングで株価7%上昇
また、トランプ政権は 規制緩和 を進めており、企業のM&A(企業買収・統合)が活発になる可能性があります。これにより、銀行や金融業の業績も向上するでしょう。
4. 逃げ足を早く
2023年と2024年はS&P500が2年連続で20%以上の上昇を記録しました。しかし、過去のデータを分析すると、 2年連続でS&P500が20%以上上昇した後の翌年は下落しやすい ことが分かっています。
過去のデータ
1871年以降、S&P500が2年連続で20%以上上昇したケースは5回ありました。
- 5回中4回は翌年後半に下落
- 例外は1997年〜1999年のみ(インターネット革命期)
現在の相場も生成AI革命による高騰が続いていますが、警戒を怠らず いざという時は素早く撤退できる準備をしておくことが重要 です。
5. 景気の大きな変動に注意
2025年の最大のリスクは 景気の大きな下振れ or 上振れ です。
- 下振れリスク
- 2022年から続く高金利の影響が時間差で表れ、景気後退(リセッション)が発生する可能性
- トランプ大統領の関税政策が世界的な景気悪化を引き起こすリスク
- 上振れリスク
- トランプ政権の政策が予想以上に成功し、景気が加熱
- FRBが再利上げを余儀なくされ、株価に悪影響
このような 景気の急変動に対応するためには、リアルタイムで経済指標を追うことが不可欠 です。
まとめ
2025年の米国株市場は チャンスとリスクが表裏一体 です。投資家が押さえておくべきポイントは以下の5つです。
- トランプ政権 = インフレ加速とは限らない
- 生成AIは半導体だけでなくソフトウェア企業にも注目
- ハイテク株に偏らず、景気敏感株(シクリカル銘柄)も投資対象に
- 過去のデータをもとに、相場が崩れたら素早く撤退
- 景気の大きな変動に警戒し、柔軟な投資戦略を取る
これらのポイントを理解し、リスクを避けながら10倍株を狙う投資戦略を立てましょう!
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