【米国債】海外投資家が保有する米国債が過去最高額に!中国、日本、Gサウスはどうなったか

今回の動画では、海外投資家による米国債の保有状況について、2024年9月18日に発表されたデータを基に詳しく解説しています。

特に、米国債の発行残高が増加している中で、海外投資家の保有割合がどのように推移しているかについての最新情報が取り上げられています。

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目次

米国債保有の最新データ

2024年7月末時点で、海外投資家が保有する米国債の総額は約8兆3,385億ドルに達しており、米国債全体の発行残高27兆3624億ドルに対して、海外投資家の保有割合は30.5%となっています。

これは過去最高の保有額を示しているものの、実際には2年前に比べて保有割合が低下しています。

具体的には、2022年7月末時点で海外投資家の保有額は7兆4,855億ドルで、保有割合は32.1%でした。つまり、米国債の発行額が急速に増加しているため、保有額が増えているにもかかわらず、保有割合が減少している状況にあるのです。

国別の米国債保有動向

米国債を保有する主要国の動向にも触れられています。

中国

中国は2022年7月末時点で約9,392億ドルの米国債を保有していましたが、2024年7月末時点では約7,765億ドルに減少しています。

2021年2月のピーク時には1兆102億ドルを保有していたため、そこから徐々に減少している状況です。米国と中国の金融政策の違いや、米ドルの高コストが中国の米国債売却につながったと考えられています。

日本

日本も中国と同様に、米国債の保有を減らしています。

2022年7月末には約1兆2,307億ドルを保有していましたが、2024年7月末には約1兆1,175億ドルに減少しています。日本もFRBの利上げに伴う為替ヘッジコストの上昇が保有減少の一因とされています。

タックスヘイブン

一方で、タックスヘイブン(租税回避地)を通じての米国債の保有が大幅に増加しています。

具体例として、ベルギー(+350億ドル)、バミューダ(+103億ドル)、ケイマン諸島(+84億ドル)などの国々で米国債の保有が急増しています。これらの地域を通じて、米ドルのリスクを軽減しながら米国債に投資する動きが見られます。

イギリス

イギリスは中国や日本に次ぐ米国債保有国で、2024年7月末時点で約7,283億ドルを保有しています。

ここ2年間で917億ドルの増加を見せており、特に2022年のトラスショック後に外貨準備の安定化とともに保有額が増えたと見られます。

    海外投資家の保有割合減少の理由

    海外投資家の保有割合が減少しているもう一つの理由として、アメリカ国内での米国債需要の高まりが挙げられます。

    2022年にはアメリカ企業の年金制度が約14年ぶりに積み立て不足を解消し、これによりリスクを取る必要がなくなり、安定した債券への投資が増加しました。

    この国内需要の高まりも、結果的に海外投資家の保有割合の低下に影響を与えたと考えられます。

    米国債発行の増加がもたらす懸念

    米国債の発行が急速に増加しているため、将来的には米国債の安定的な消化が懸念される状況にあります。

    海外投資家が米国債を購入し続けることはアメリカ経済の安定に重要ですが、アメリカ国内の財政赤字が悪化し、ドル安やインフレが進行すれば、海外投資家はより高い利回りを求めるようになり、さらなる米国債の利回り上昇と財政悪化が進む可能性があります。

    特に今後の大統領選挙において、財政政策がどのように展開されるかが重要な注目点となっています。

    まとめ

    今回の動画では、米国債の海外投資家保有状況の変化について詳細に解説されました。

    中国や日本が米国債の保有を減らしている一方で、タックスヘイブンを通じての投資やイギリスの保有額増加など、さまざまな動きが見られます。

    また、米国債発行の増加ペースが海外投資家の保有割合に影響を与えており、アメリカ国内の債券需要の変化も要因の一つとなっています。将来的には、アメリカの財政政策が米国債市場にどのような影響を及ぼすのかが大きな課題となるでしょう。

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    知っておきたい専門用語集

    • 米国債(アメリカ国債):アメリカ政府が発行する債券で、政府が資金を調達するために発行される。投資家に対して一定の利息が支払われ、満期時に元本が返済される。
    • 発行残高:現在市場に流通している米国債の総額。政府が借りた金額の合計。
    • 保有割合:全体の発行残高の中で、特定の投資家が保有している割合。
    • タックスヘイブン:税金が非常に軽減される地域や国。ここを経由して投資家が米国債などに投資することが多い。
    • グローバルサウス:一般的に発展途上国や新興市場経済国を指し、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの地域が該当。
    • 外貨準備:各国の政府や中央銀行が保有する外貨資産。国際取引や為替介入に使用されることが多い。
    • 為替ヘッジコスト:為替リスクを避けるために通貨の価値変動に対して保険をかけるためのコスト。
    • FRB(連邦準備制度):アメリカの中央銀行で、通貨政策や金利の調整などを通じて経済の安定化を図る機関。
    • トラスショック:2022年にイギリスのリズ・トラス元首相の政策による市場の混乱を指す。
    • リスク資産:株式や商品など、価格が変動しやすく、リスクが高い資産のこと。
    • 企業年金:企業が従業員のために積み立てる年金制度。
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