200SMAとレッドウォールを使った空売り戦略|スキャルピング・ホエールと50%ダメージコントロールを解説

本記事は、YouTube動画『スキャルピング・ホエールとレッドウォールを使った空売り戦略』の内容を基に構成しています。

株価が急落した場面では、そのまま下落が続くのか、それとも一時的な反発が起きるのかを判断する必要があります。今回の動画では、20期間移動平均線と200期間移動平均線、急落によって形成された「レッドウォール」を組み合わせ、短時間の値動きを空売りで狙う方法が紹介されています。

動画内で解説者は、このパターンを自身の得意な取引の1つと位置づけています。急落、反発、再下落という一連の動きを「スキャルピング・ホエール」と呼び、実際の取引を振り返りながら、エントリー、追加注文、利益確定、リスク管理の考え方を説明しています。

ただし、動画で紹介されている利益額や成功率に関する表現は、あくまで解説者自身の経験や見解です。同じ結果が再現できることを保証するものではありません。

目次

「壁」から利益機会を見つける考え方

動画の冒頭では、この取引パターンが解説者にとって信頼している得意パターンの1つであると説明されています。

その感覚を表現するため、映画『グッドフェローズ』に登場する人物たちが、ジョン・F・ケネディ国際空港を安定した収益源のように考えていたという例が挙げられています。解説者にとって今回の「壁」を利用した取引も、条件がそろえば利益機会を見つけやすいパターンだということです。

さらに動画では、垂直に近い崖を登り、岩肌からミネラルを摂取する山羊の姿も例に挙げています。どのような壁であっても、そこから何かを得ようとする姿勢が重要だという比喩です。

ここでいう「壁」とは、主に連続する大きな陰線によって形成された価格帯を指します。急落によって大量の売り圧力が確認された場所を、上値を抑える抵抗帯として捉えています。

最初に確認する3つの相場状態

取引を検討する際、最初に確認するのが20期間移動平均線と200期間移動平均線の位置関係です。

動画では、2本の移動平均線の状態を大きく3つに分類しています。

ナロー状態

20期間移動平均線と200期間移動平均線が近く、両方とも比較的平坦になっている状態です。

2本の移動平均線が狭い範囲に集まっているため、相場の方向性がはっきりしていない可能性があります。価格も移動平均線の周辺を往復しやすく、明確なトレンドが形成される前の局面として捉えられます。

ワイド状態

20期間移動平均線と200期間移動平均線が大きく離れている状態です。

必ずしも両方の移動平均線が同じ方向へ傾いている必要はありません。たとえば、200期間移動平均線が平坦であっても、20期間移動平均線が強く傾き、両者の距離が広がっていればワイド状態と判断できます。

これは短期的な値動きと長期的な平均価格の間に大きな差が生じていることを意味します。

ニュートラル状態

ナローとワイドの中間に位置する状態です。

2本の移動平均線は極端に近いわけでも、極端に離れているわけでもありません。今回取り上げられた銘柄について、解説者は完全なワイド状態ではないものの、ナローよりはワイドに近い「ニュートラルからワイドの状態」と判断しています。

移動平均線との位置関係から寄り付きの環境を判断する

移動平均線の状態を分類した後は、株価がその構造のどこで取引を開始したのかを確認します。

今回の銘柄は、ニュートラルからワイドに近い構造の上部で寄り付いていました。さらに、その上には平坦な200期間移動平均線が存在していました。

解説者は、移動平均線をチャート上に表示される細い線ではなく、ある程度の幅を持った「ゾーン」として捉えるべきだと説明しています。価格が移動平均線に正確に接触しなくても、その周辺では支持線や抵抗線として機能する可能性があるためです。

今回の場合、株価は200期間移動平均線の近くで始まっており、上方向に進める余地が限られていると判断されました。

上値を抑える200期間移動平均線

価格の上に平坦な200期間移動平均線がある場合、動画ではそれを株価に下向きの圧力を加える存在として説明しています。

200期間移動平均線より上には上昇余地があるものの、その移動平均線自体が抵抗帯となり、価格が簡単には上抜けられないという考え方です。

もちろん、200期間移動平均線があるだけで必ず価格が下落するわけではありません。しかし、価格がその下で推移し、さらに別の抵抗材料が加われば、空売りを検討する根拠が強まる可能性があります。

今回の事例では、200期間移動平均線に加え、寄り付き後に形成された大きな陰線の連続が、もう1つの抵抗帯として注目されました。

急落によって形成される「レッドウォール」

銘柄は寄り付き後、20期間移動平均線付近まで急速に下落しました。チャート上では大きな陰線が連続し、赤い壁のような形が形成されています。

解説者はこれを「レッドウォール」と呼んでいます。

重要なのは、空売りのエントリー地点から見て、このレッドウォールが上側に位置していたことです。つまり、価格が反発した場合でも、急落時に形成された陰線の価格帯が上値抵抗になると考えられます。

この時点で、価格の上には次の2つの抵抗要因が存在していました。

  • 200期間移動平均線
  • 急落によって形成されたレッドウォール

動画では、この状態を「2層の抵抗」と捉えています。反発が起きても上値を抑えられる可能性があるため、下落方向の取引を継続しやすいという判断です。

ただし、急落後は短期的な買い戻しも入りやすくなります。レッドウォールが形成されたからといって、直ちに空売りを行えばよいわけではありません。

レッドウォールへ飛び込む空売り

解説者は、株価が20期間移動平均線付近まで急落した場面で空売りを開始しました。この取引を「レッドウォールへ飛び込む」と表現しています。

エントリー地点はレッドウォールの下側にあり、そのさらに上には200期間移動平均線が存在していました。そのため、一時的な反発が発生しても、2つの抵抗帯によって反発が短時間で終わる可能性があると判断しています。

一方で、損切りについては200期間移動平均線を明確に上抜けるまでは保有する方針が示されています。

今回扱われているのは値がさ株であるため、エントリー地点から200期間移動平均線までの値幅も大きくなります。実際の取引では、銘柄価格、株数、許容損失額を考慮しなければなりません。

損切り位置までの距離が広い場合、通常と同じ株数で取引すると損失額も大きくなります。そのため、損切り幅に合わせて株数を減らすなど、事前のポジション調整が不可欠です。

反発を想定して追加注文を置く

最初の空売りを行った後、解説者はエントリー地点より上に複数の追加注文を置きました。

急落した株価は、20期間移動平均線などをきっかけに一時的に反発する可能性があります。しかし、価格の上には200期間移動平均線とレッドウォールがあるため、その反発は長続きしにくいと判断していました。

そこで、反発によって価格が上昇した場合に備え、上側の複数の価格帯に追加の空売り注文を配置しています。

動画では、大きなローソク足を半分や3分の1に分割し、それを目安に注文位置を決める方法が説明されています。エントリーした時点ではローソク足が完成していないため、その時点で見えている値幅を頭の中で分割し、追加注文を置いていきます。

ただし、これはポジションを段階的に増やす手法です。判断が外れた場合には損失も拡大するため、最初から最大株数でエントリーするのではなく、総損失額が許容範囲に収まるように管理する必要があります。

急落・反発・再下落を狙うスキャルピング・ホエール

最初のエントリー後、株価は短時間で大きく下落しました。解説者は安値付近でポジションの一部を買い戻し、利益を確定しています。

その後、株価が小さく反発したところで再び空売りを行い、再下落した場面で残りのポジションを決済しました。

この「下落、反発、再下落」という3段階の値動きを、動画では「ホエール」と呼んでいます。

スキャルピング・ホエールの3段階

スキャルピング・ホエールは、次のような流れで構成されます。

  1. 急落局面で空売りを行い、最初の下落で利益を確定する
  2. 一時的な反発局面で再び空売りする
  3. 再下落したところで利益を確定する

動画内の定義では、この動きが1本または最大2本のローソク足の中で完結する場合を「スキャルピング・ホエール」としています。

1本の2分足だけで形成される場合もあります。ローソク足が完成した後のチャートでは、単に大きな陰線に見えるかもしれません。しかし、形成過程をリアルタイムで確認すると、最初に急落し、途中で反発した後、再び安値を更新している場合があります。

2本のローソク足を使って同様の動きが完成する場合もありますが、動画の定義では、3本以上かかったものはスキャルピング・ホエールに含まれません。

今回の取引では、最初の利益確定と反発後の再エントリーを合わせ、解説者は5,300ドルの利益になったと説明しています。ただし、これは特定の資金量とポジションサイズによる個別の結果であり、一般的な収益性を示すものではありません。

注文の取り消し忘れから始まった2回目の取引

最初のスキャルピング・ホエールが終了した後、解説者は追加用に置いていた空売り注文を取り消し忘れていました。

その後、株価が急反発したことで、残っていた注文の一部が約定します。解説者は他のトレーダーと話している最中に取引画面へポジションが表示され、注文の取り消し忘れに気づいたと説明しています。

本来意図していなかったエントリーでしたが、すでに利益を確保していたこともあり、状況を確認したうえで決済注文を設定しました。

ただし、注文の取り消し忘れによる約定は、好ましい取引方法ではありません。今回は結果的に利益につながったものの、相場が逆方向へ動けば大きな損失になる可能性もあります。未約定注文は取引終了後に必ず確認し、不要な注文を取り消すことが重要です。

大きな陽線に対する50%ダメージコントロール

2回目の空売りが約定する直前、株価には非常に大きな陽線が形成されていました。解説者は、この陽線の勢いを見て、株価が再び直前の安値を更新する可能性は低下したと判断します。

そこで、新安値まで下落するのを待つのではなく、大陽線の値幅を約50%戻した地点で決済する方針を採用しました。

この方法を、動画では「50%ダメージコントロール・プレイ」と呼んでいます。

強い反転は、大きく勢いのあるローソク足から始まる場合があります。今回の陽線は単に値幅が大きいだけでなく、直前の下落方向を強く否定する「ブル180」として認識されました。

そのため、下落が再開しても、直前安値を更新するところまで保有するのではなく、大陽線の中間地点まで戻ったところで手仕舞う判断が行われています。

解説者は、大陽線の50%付近で決済し、結果的に適切なタイミングで取引を終えられたと振り返っています。

強い反転足が出た後に新安値を狙わない理由

大陽線が形成された後も、価格が再び下落して新安値を更新する可能性は残っています。しかし、可能性がゼロではないことと、積極的に狙う価値があることは別です。

動画では、強い陽線が出現したことで、それまでの売り優勢の状態が変化したと判断しています。直前安値の更新に固執すると、せっかく生じた含み益を失うだけでなく、反発によって損失へ転じる可能性があります。

そのため、50%戻しという現実的な地点で利益を確定しました。

この考え方のポイントは、最初に立てた下落シナリオを最後まで固定しないことです。新しいローソク足によって状況が変化した場合には、利益目標も修正する必要があります。

レッドウォールが深いほど反発失敗を狙いやすいという考え方

動画では、レッドウォールの深さと反発の関係についても説明されています。

小さな下落の直後では、反発がどこまで続くのか判断しにくくなります。一方、下落が深くなり、長いレッドウォールが形成されるほど、その後の反発局面を空売りの機会として注目しやすくなるという考え方です。

急落が深くなるほど、その価格帯で買った投資家の含み損が増えます。価格が反発すると、損失を抱えていた参加者が売却しやすくなり、上値が重くなる可能性があります。また、最初の下落を逃した空売り参加者が、戻りを待って売る場合もあります。

こうした注文が重なると、反発がレッドウォールの中で失速し、再び下落する可能性があります。

動画では、エントリーが遅くなるほど反発失敗を狙う条件が明確になると説明しています。ただし、急落後の空売りは安値追いになる危険もあります。下落が深いという理由だけで反発の失敗が保証されるわけではありません。

動画で紹介された取引の全体像

今回の事例では、最初に短時間の「スキャルピング・ホエール」が形成されました。急落後に一部を利益確定し、小さな反発で再び空売りした後、再下落で決済しています。

その後、取り消し忘れていた注文が急反発によって約定しました。大きな陽線の出現を受けて新安値の更新は狙わず、陽線の約50%戻しで決済しています。

動画の冒頭では、これらの取引による合計利益が約10,300ドルだったと報告されています。ただし、この金額には取引数量や口座資金、許容損失額などが大きく影響します。

利益額だけを参考にして同じ株数で取引するのではなく、チャート構造とリスク管理の考え方を分けて理解する必要があります。

実践する際に注意したいリスク

今回の取引では、短時間で大きく変動する値がさ株を空売りしています。このような取引には高いリスクがあります。

急落後は強い自律反発が起きることがあり、200期間移動平均線やレッドウォールを一気に上抜ける可能性もあります。空売りでは株価が上昇するほど損失が拡大するため、損切り位置と最大損失額を事前に決める必要があります。

また、複数の価格帯へ追加注文を置く場合は、すべての注文が約定した状態を想定しなければなりません。最初のポジションだけを基準にリスクを計算すると、反発時に想定以上の建玉を抱えることになります。

注文の取り消し忘れにも注意が必要です。今回の事例では利益になりましたが、意図しないポジションが発生すること自体が運用上のリスクです。

動画内の「レッドウォール」や「ホエール」などは、解説者独自の表現と考えられます。一般的なテクニカル分析用語として統一された定義があるわけではないため、形だけを覚えるのではなく、どのような値動きを示しているのかを理解することが重要です。

まとめ

今回の動画では、20期間移動平均線と200期間移動平均線の状態を確認し、急落によって形成されたレッドウォールを上値抵抗として利用する空売り戦略が解説されました。

まず、2本の移動平均線をナロー、ワイド、ニュートラルの3つに分類し、株価がその構造のどこで寄り付いたのかを確認します。価格の上に200期間移動平均線とレッドウォールが重なっていれば、反発が抑えられる可能性があると判断します。

そのうえで、急落、反発、再下落という短時間の値動きを「スキャルピング・ホエール」として狙います。一方、強い反転足が出現した場合には、新安値に固執せず、50%戻しで決済するダメージコントロールも重要になります。

この手法の本質は、単に大きな陰線を見て空売りすることではありません。移動平均線の位置、急落の深さ、反発の勢い、抵抗帯までの距離を確認し、相場の変化に合わせて利益目標を修正することにあります。

ただし、動画で示された利益や確率に関する説明は、解説者自身の取引経験に基づくものです。実際に検証する場合は、取引数量を抑え、最大損失額と損切り条件を事前に決めたうえで慎重に取り組む必要があります。

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