円安地獄から資産を守る方法|1ドル180円時代に日本人が考えるべき海外資産と新NISA戦略

本記事は、YouTube動画『円安地獄、日本人の資産を守る方法。』の内容を基に構成しています。

目次

円安が止まらない日本で何が起きているのか

日本円の下落が止まりません。動画では、1ドル162円台という約40年ぶりの円安水準を前提に、「1ドル180円時代」が現実味を帯びてきたという問題意識から解説が始まります。

円安というと、投資家だけに関係する話のように思われがちです。しかし実際には、海外旅行、食品、ガソリン、電気代、スマートフォン、留学費用など、私たちの日常生活に広く影響します。

特に日本はエネルギーや資源の多くを輸入に頼っている国です。そのため、円安が進むほど輸入コストが上がり、企業の仕入れ価格や家庭の生活費に反映されやすくなります。

なぜドル円は162円台まで円安が進んだのか

円安が進む大きな理由は、日米の金利差です。

お金は基本的に、金利の低い場所よりも高い場所に向かいやすい性質があります。日本の政策金利は利上げによって1%まで上がりましたが、米国の政策金利は3.5%から3.75%程度とされ、依然として大きな差があります。

つまり、日本が利上げをしたとしても、米国の金利がそれ以上に高ければ、投資家はドルを選びやすくなります。その結果、円を売ってドルを買う動きが続き、円安圧力が強まりやすくなるのです。

さらに動画では、米国で追加利上げの可能性が意識されていることも、ドル高・円安の材料として説明されています。

日本の構造的な円安要因

日本は原油、天然ガス、石炭などの多くを海外から輸入しています。動画では、原油の輸入依存度が99.7%、天然ガスが97.9%、石炭が99.7%という数字が紹介されています。

資源を買うには基本的にドルが必要です。原油価格が上がると、日本企業はより多くのドルを用意しなければなりません。そのために円を売ってドルを買う動きが増え、さらに円安が進みやすくなります。

この流れは、次のような悪循環を生みます。

原油価格が上がる
輸入額が増える
円を売ってドルを買う必要が増える
円安が進む
輸入コストがさらに上がる

このように、資源を海外に頼る日本は、構造的に円安の影響を受けやすい国だといえます。

為替介入では円安の流れを完全には止められない

政府・日銀は過去に大規模な為替介入を行いました。動画では、4月下旬から5月上旬にかけて11.7兆円規模の介入があったと説明されています。

その結果、一時的には円高方向に動きました。しかし、しばらくすると再び円安が進み、162円台に到達しました。

ここで重要なのは、為替介入は相場の大きな流れを永久に変えるものではないという点です。動画では、為替介入の役割は「時間を買うこと」だと説明されています。

急激な円安を一時的に抑え、企業や家計が対応する時間を作る。次の経済指標や金融政策の発表までの時間を稼ぐ。これが為替介入の現実的な役割だということです。

円安は生活費をどれほど押し上げるのか

円安の影響は、家計に直接及びます。

動画では、2人以上世帯の月平均支出を31.4万円としたうえで、円安による負担増が試算されています。たとえば、月の支出の30%が為替の影響を受け、価格転嫁が半分程度進むと仮定した場合、140円から162円への円安だけで月7300円、年間では約8万8000円の負担増になる可能性があるとされています。

さらに162円から180円まで円安が進めば、年間6万円前後の上乗せも考えられます。

これはあくまで概算ですが、スーパーの値上げ、ガソリン代、電気代、外食費、スマートフォン価格などを考えると、「毎月なんとなく生活費が重くなった」という感覚は十分に起こり得ます。

円だけで資産を持つリスク

動画で強調されているのは、円だけで資産を持つことのリスクです。

預金が悪いわけではありません。生活防衛資金は円で持つ必要があります。しかし、給与、ボーナス、年金、退職金、預金、不動産など、日本人の資産や収入はすでに円に大きく偏っています。

その状態で、長期資産まですべて円だけで持っていると、円安による購買力の低下をそのまま受けることになります。

円安が進むと、食品、エネルギー、スマートフォン、海外サービス、旅行、留学費などは上がります。一方で、円だけの資産は為替面で守られません。

つまり、投資をしていない人ほど、生活面では円安のデメリットを受けながら、資産面では円安のメリットを受けにくい状態になるのです。

海外資産を持つ投資家には円安メリットもある

一方で、S&P500や全世界株式など、為替ヘッジなしの海外資産を持っている人にとって、円安は短期的には追い風になります。

たとえば10万ドルの資産を持っている場合、1ドル140円なら円換算で1400万円です。しかし1ドル162円なら1620万円、1ドル180円なら1800万円になります。

株価がまったく動かなくても、為替だけで円換算額が増えるのです。

ただし、これには反対面もあります。これから毎月積み立てる人にとっては、円安になるほど同じ10万円で買えるドル建て資産の量が少なくなります。

1ドル100円なら10万円で1000ドル分買えますが、1ドル162円なら約617ドル分、1ドル180円なら約556ドル分しか買えません。

円安は評価額には追い風ですが、新規購入には逆風です。反対に円高は評価額には逆風ですが、積み立てには追い風になります。

長期投資では為替を当てようとしないことが重要

動画では、長期投資家にとって大切なのは、円安か円高かを当てることではないと説明されています。

為替は非常に読みにくいものです。株式以上に予測が難しく、短期的には金利、景気、地政学、政策、投機筋の動きなど、さまざまな要因で動きます。

そのため、長期投資家が取るべき行動は、円安でも円高でも投資を続けることです。

円安でも買う。円高でも買う。高値でも買う。安値でも買う。積み立てによって為替と株価のタイミングを分散することが、長期投資では重要になります。

1ドル180円時代は本当に来るのか

動画では、1ドル180円に近づく条件として、複数の要因が挙げられています。

米国のインフレ再燃、FRBの追加利上げ観測、日銀の追加利上げの遅れ、原油高、円キャリートレードの拡大、新NISAを通じた海外投資、為替介入が効きにくいとの見方などです。

特に日本は、住宅ローンの多くが変動金利であり、企業の借入や国債の利払い負担もあるため、日銀が一気に2%、3%と利上げするのは難しいと考えられます。

そのため、日米金利差が簡単には縮まらず、円安圧力が続く可能性があります。

ただし、米国の景気悪化、雇用統計の悪化、インフレ鈍化、原油価格の下落、FRBの利上げ観測後退、日銀の追加利上げ、為替介入などが起きれば、円高に戻る可能性もあります。

重要なのは、180円になるか150円に戻るかを当てることではありません。どちらになっても困らない資産設計をすることです。

新NISAで海外株に投資する意味

円安が進むと、「今からS&P500や全世界株式を買って大丈夫なのか」と不安になる人も多いでしょう。

たしかに、162円で海外資産を買い、その後120円まで円高になれば、為替だけで大きな評価損が出ます。動画では、1000万円の海外資産が為替だけで259万円ほど下がる可能性があると説明されています。

しかし、ここで大事なのは、為替リスクと投資対象そのものの成長を分けて考えることです。

為替は円高になれば評価額を押し下げます。しかし、S&P500や全世界株式のような投資対象が長期的に成長するなら、その成長が為替のマイナスを上回る可能性があります。

動画では、過去30年でS&P500は配当込みで年10.4%、約19.5倍になったと紹介されています。一方で為替は大きく動いたとしても、最悪で半分程度という見方が示されています。

つまり、為替が半分になっても、投資対象が10倍になれば、円換算でも大きな資産成長が残るという考え方です。

為替ヘッジなしの海外株式は防御策にもなる

為替ヘッジなしの海外株式にはリスクがあります。円高と株安が同時に来れば、大きなダメージを受ける可能性もあります。

しかし、長期で海外株式の成長を取りに行くのであれば、為替ヘッジなしを基本にする考え方には合理性があります。

理由は、ヘッジコストがかかりにくいことに加え、円以外の資産を持つことで、円に偏った資産構成を和らげる効果があるからです。

日本人はすでに、給与、年金、預金、生活費の多くを円に依存しています。だからこそ、長期資産の一部を世界に分散することは、円安時代の防御策にもなります。

まとめ

今回の動画では、1ドル162円台という歴史的な円安を背景に、日本人が資産をどう守るべきかが解説されました。

円安は投資家だけの問題ではありません。食品、ガソリン、電気代、スマートフォン、海外旅行、留学費など、生活のあらゆる場面に影響します。

一方で、海外資産を持つ人にとっては、円安によって円換算の資産額が増える側面もあります。ただし、これから積み立てる人にとっては、同じ円で買える量が減るというデメリットもあります。

大切なのは、円安か円高かを当てにいくことではありません。生活防衛資金は円で守り、10年、20年、30年使わない長期資産は世界に分散することです。

円安を恐れるよりも、資産が円だけに偏りすぎていることを恐れるべき時代に入っています。

新NISAを活用しながら、長期・分散・積み立てを続けることは、為替リスクと株価リスクを時間で分散する有効な方法です。円安時代の資産防衛では、「円だけで持たない」という視点がますます重要になっているといえるでしょう。

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