本記事は、YouTube動画『今週の週間アクティブ|野村の成長株ファンドの売買動向を分析』の内容を基に構成しています。
日経平均株価が高値圏で一服し、方向感の乏しい相場が続くなか、プロの投資家はどのような銘柄を売買しているのでしょうか。
株式市場が力強く上昇している場面では、人気の高い半導体株や成長株を買うだけでも利益を得やすい傾向があります。しかし、株価が高値圏で揉み合い始めると、銘柄選びや売買のタイミングによって運用成績に大きな差が生じます。
今回取り上げるのは、野村の成長株ファンドの保有銘柄と売買動向です。
ファンドの保有株数の変化を確認することで、運用担当者がどの銘柄を買い増し、どの銘柄を利益確定しているのかを推測できます。
今回の売買内容を見ると、これまで市場をけん引してきた半導体関連株や金融株の一部を減らす一方、出遅れている銘柄や割安感のある銘柄を積極的に買う動きが見られました。
市場の主役が変わりつつある可能性も含め、詳しく見ていきます。
日経平均が高値圏で揉み合うなかでの売買
今回の分析時点では、日経平均株価は高値をつけた後、やや上昇が一服していました。
大きく下落しているわけではありませんが、高値圏で方向感を失い、揉み合っている状態です。
このような局面では、投資家の判断が分かれやすくなります。
これまで上昇してきた銘柄をそのまま持ち続けるのか、それとも利益を確定して次の銘柄へ資金を移すのか。プロの投資家がどのようにポートフォリオを調整しているのかは、今後の相場を考えるうえで参考になります。
今回確認する野村の成長株ファンドでは、新しい銘柄を組み入れるだけでなく、既存銘柄の買い増しや大幅な売却も行われていました。
全体としては、勢いだけで買われてきたモメンタム株から、出遅れ銘柄や割安株へ資金を移しているようにも見えます。
先週購入していた銘柄の値動きを確認
まずは、前週にファンドが買っていた銘柄のその後を確認します。
前週のデータでは、日本マイクロニクス、SHIFT、丸紅などが新たに買われていました。
そのほかにも、ファナック、ソニーグループ、ソフトバンクグループ、フジ・メディア・ホールディングスなどが買い増しされていました。
これらの銘柄が、その後どのような値動きをしているのかを見ていきます。
日本マイクロニクスは高値更新を試す展開
日本マイクロニクスの株価は、高値を再び試すような動きとなっていました。
株価は一時的に長期移動平均線付近まで下落したものの、その後は切り返しています。
さらに、安値を徐々に切り上げていることから、チャート上では比較的強い形を維持していると考えられます。
安値を切り上げる動きとは、株価が下落しても前回の安値を下回らず、より高い位置で反発する状態です。
これは買い手の需要が徐々に強くなっていることを示す場合があります。
日本マイクロニクスについては、ファンドが押し目を狙って買った可能性も考えられます。
今後、高値を明確に上抜ければ、再び上昇トレンドが加速する可能性があります。
SHIFTは横ばいの状態が続く
SHIFTについては、明確な上昇トレンドには入っておらず、横ばいの状態が続いていました。
株価が一定の範囲内を行き来しているため、現時点では方向感がはっきりしていません。
ただし、横ばいの期間は必ずしも悪材料ではありません。
長く下落してきた銘柄の場合、売り圧力が弱まり、株価が底を固めるために一定期間の横ばいが必要になることがあります。
そのため、現在の株価水準が将来の上昇に向けた仕込み場になるのかが注目されます。
丸紅には底打ちの兆しも
丸紅は下落した後、株価が底を形成しつつあるようなチャートになっていました。
直近では安値を切り上げる動きが見られ、中期移動平均線も下向きから横ばいへと変わり始めています。
今後、中期移動平均線が株価を支えるようになれば、下落トレンドから上昇トレンドへの転換が意識される可能性があります。
チャートの形としては、逆三尊に近づく可能性も指摘されています。
逆三尊とは、中央の安値が最も低く、その左右にやや高い安値が形成されるチャートパターンです。
一般的には、長く続いた下落相場が終わり、上昇相場へ転換する際に現れやすい形とされています。
ただし、丸紅の長期移動平均線は、まだ完全には上向きになっていません。
そのため、すぐに上昇が始まるというより、一度上値を抑えられた後、再び上昇を試す展開になる可能性もあります。
ファナックは三角持ち合いの下限から反発
ファナックは、三角持ち合いのなかで推移していました。
三角持ち合いとは、高値が徐々に切り下がる一方、安値が徐々に切り上がり、株価の値幅が小さくなっていく状態です。
売り手と買い手の力が拮抗している局面であり、いずれ上か下のどちらかへ大きく動く可能性があります。
ファナックは、三角持ち合いの下限付近まで下落した後、反発していました。
今後、再び高値を試す動きになるのかが注目されます。
ファンドは前週に続き、今回もファナックを買い増しており、今後の株価上昇を期待している可能性があります。
ソニーグループは移動平均線が収束
ソニーグループは下落した後、株価が横ばいになっていました。
ただし、安値を切り上げる動きが見られるほか、中期移動平均線も下向きから横ばい、さらに上向きへ変化し始めています。
長期移動平均線と中期移動平均線も収束し、株価の下側に位置するようになっていました。
複数の移動平均線が収束する状態は、それまでのトレンドの勢いが弱まり、新しい方向へ動き始める前に起こることがあります。
さらに、株価より上に強い抵抗となる移動平均線が少なくなっているため、上値が軽くなっているとも考えられます。
すぐに上昇するとは限りませんが、上方向へ動き出しても不思議ではないチャートになりつつあります。
ソフトバンクグループは評価が難しい銘柄
ソフトバンクグループは、AI関連銘柄への期待によって上昇した後、株価が調整していました。
株価が下落したことで割安に見える可能性はありますが、ソフトバンクグループの企業価値を正確に判断するのは簡単ではありません。
同社は多数の投資先を抱えており、保有資産の価値や将来の成長性によって評価が大きく変化します。
株価純資産倍率や株価収益率だけでは、適正な株価を判断しにくい銘柄です。
一方、長期間にわたって上値を抑えてきた超長期移動平均線は、徐々に株価へ近づいていました。
これまで何度も超長期移動平均線で上昇を阻まれているため、今後この線を明確に上抜けられるかが重要になります。
ファンドの資産額はほぼ横ばい
今回確認したのは、7月9日時点のデータです。
ファンドの資産額は前週と比べて約300万円増加し、総資産に対する変動率は約0.09%のプラスでした。
金額だけを見ると増加していますが、ファンド全体の規模を考えれば、ほぼ横ばいといえる水準です。
保有銘柄のなかでは、村田製作所やソフトバンクグループの下落が運用成績を押し下げました。
一方、リクルートホールディングスが約2000万円、MonotaROが約1000万円のプラスとなり、下落分を補っています。
注目したいのは、相場の中心とされてきた人気株だけでなく、比較的地味な銘柄が運用成績に貢献している点です。
株式市場では、常に半導体株やAI関連株だけが上昇するわけではありません。
相場の局面によっては、それまで出遅れていた内需株やサービス株、割安株が見直されることがあります。
今回の資産変動からも、物色対象が少しずつ変化している可能性がうかがえます。
新規組み入れはGMOペイメントゲートウェイとミルボン
今回、ファンドは2つの銘柄を新たに組み入れていました。
新規購入されたのは、GMOペイメントゲートウェイとミルボンです。
両社は事業内容や成長性が大きく異なります。
それぞれの特徴を確認します。
GMOペイメントゲートウェイを新規購入
GMOペイメントゲートウェイは、インターネット決済やキャッシュレス決済の仕組みを企業へ提供する会社です。
ECサイトや実店舗などで利用される決済処理を代行し、取引件数や決済金額に応じて収益を得る事業を展開しています。
近年は、ネット通販の拡大やキャッシュレス化の進展により、決済関連サービスの需要が増加しています。
同社の業績も、長期的には着実に成長してきました。
株価は直近で大きく上昇しており、その背景には、GMOフィナンシャルゲートとGMOペイメントゲートウェイの決済基盤が、三井不動産商業マネジメントに採用されたという材料があったとみられます。
三井不動産商業マネジメントは、ららぽーとや三井アウトレットパークなど、多くの大型商業施設を運営しています。
こうした大規模商業施設へ決済基盤が導入されれば、取扱高の増加や継続的な収益拡大が期待されます。
株価が材料発表後に上昇したことから、市場では今後の業績上振れや業績予想の上方修正を期待する動きが出ている可能性もあります。
ファンドがこのタイミングで新規購入した背景には、一時的な材料だけではなく、キャッシュレス決済市場の長期的な成長もあると考えられます。
ミルボンは割安な水準で仕込んだ可能性
ミルボンは、美容室向けのヘアケア製品やヘアカラー剤などを展開する会社です。
一般消費者向けの商品もありますが、特に美容室などのプロフェッショナル市場に強いことが特徴です。
業績は急拡大するタイプではないものの、長期的には比較的安定して成長してきた企業です。
株価は長期間下落した後、現在は安値圏で横ばいとなっていました。
超長期移動平均線は徐々に上向き始めており、今後、直近の高値を上抜ければ、長期的なトレンド転換につながる可能性があります。
株価指標を見ると、過去の評価と比べて相対的に割安感が出ている水準とも考えられます。
ミルボンは美容室向けの専門性が高い製品を展開しており、一定のブランド力と顧客基盤を持っています。
そのため、短期的な人気ではなく、企業の競争力や割安感を評価して購入した可能性があります。
大きく成長している人気銘柄を追いかけるのではなく、業績が安定している企業を株価の低い場面で仕込むという、長期投資に近い判断だと考えられます。
保有比率ではなく保有株数の変化を見ることが重要
ファンドの売買を分析する際には、保有比率と保有株数の違いに注意が必要です。
保有比率は、ファンド全体の資産に占める各銘柄の割合を示します。
ただし、保有比率は株価が上昇しただけでも増加します。
例えば、ファンドが株を1株も買っていなくても、その銘柄の株価が大幅に上昇すれば、ファンド全体に占める割合は高くなります。
反対に、株価が下落すれば、売却していなくても保有比率は低下します。
そのため、ファンドが実際に買ったのか、売ったのかを判断するには、保有株数の変化を確認する必要があります。
今回の分析でも、保有比率ではなく、保有株数が大きく増減した銘柄を中心に取り上げています。
大きく買い増した銘柄
今回、ファンドが大きく買い増した主な銘柄は、日本電子、ファナック、SHIFT、日立製作所、日本高度紙工業、イビデンなどでした。
なかでも、日本電子は保有株数を約50%増やしています。
ファナックは約23%、SHIFTは約100%増加しており、SHIFTについては保有株数をほぼ倍増させたことになります。
日立製作所も約23%、日本高度紙工業は約48%、イビデンも約16%買い増していました。
日本電子を約50%買い増し
今回の買い増し銘柄のなかで、特に目立ったのが日本電子です。
日本電子は、電子顕微鏡や分析機器、半導体製造関連装置などを手がける企業です。
研究開発や半導体産業の拡大によって、中長期的な需要増加が期待される分野に事業基盤を持っています。
株価は直近で高値を更新していました。
ファンドは株価が上昇する前の比較的低い位置から買い始め、その後も継続的に買い増してきたとみられます。
チャートでは安値を切り上げながら高値を更新しており、上昇トレンドの形が形成されています。
今後も高値更新が続けば、さらに上昇トレンドが加速する可能性があります。
ただし、高値を更新した後に買う場合は、短期的な過熱感にも注意が必要です。
ファンドが以前から保有していた銘柄であることを考えると、今回の買い増しは短期的な値上がりを追いかけたというより、中長期的な成長性に対する評価を高めた可能性があります。
ファナックとSHIFTを継続して買い増し
ファナックは前週に続き、今回も買い増されています。
ファナックは産業用ロボットや工作機械向けの制御装置を手がける企業です。
世界的な工場自動化や人手不足を背景に、中長期的な成長が期待される分野に属しています。
一方で、景気変動や設備投資の影響を受けやすく、業績には波があります。
株価が高値圏から調整している段階で買い増していることから、ファンドは将来の設備投資回復を見込んでいる可能性があります。
SHIFTについては、保有株数をほぼ倍増させています。
株価はまだ明確な上昇トレンドに入っていませんが、下落後の底値圏にあるとみて、先回りして買っている可能性があります。
株価が動き始めてから追いかけるのではなく、動意づく前の横ばい局面で購入するのは、機関投資家によく見られる投資行動の1つです。
大きく売却した銘柄
一方、今回のファンドは多数の銘柄を売却していました。
主な売却銘柄として、ディスコ、ゆうちょ銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、パーク24、ジャパンマテリアル、アドバンテスト、パイロットコーポレーション、ファーストリテイリングなどが挙げられます。
ディスコは保有株数の約75%を売却しており、保有分の4分の3を手放したことになります。
ゆうちょ銀行は約37%、三菱UFJフィナンシャル・グループは約27%、パーク24は約24%売却しています。
ジャパンマテリアルは約52%、アドバンテストは約40%、パイロットコーポレーションは約55%、ファーストリテイリングも約50%減少していました。
そのほか、アズビル、第一三共、IHI、LITALICO、マニー、KDDIなども一部売却されています。
全体として、今回の週は買い増しよりも売却した銘柄の数が多く、積極的にポートフォリオを入れ替えた週だったといえます。
ディスコを約75%売却
ディスコは、半導体の切断や研削に使用する装置で世界的に高い競争力を持つ企業です。
AI向け半導体需要の拡大を背景に、株価は大きく上昇してきました。
しかし、今回ファンドは保有株数の約75%を売却しています。
株価チャートを見ると、高値をつけた後に下落しており、短期的な上昇の勢いが弱まっていました。
もっとも、安値は依然として切り上がっており、上昇トレンドが完全に終了したと判断するのは早い状況です。
今後、再び直近高値を上抜ければ、上昇トレンドが継続していると判断できます。
反対に、高値を超えられずに株価が下落し、安値も切り下げるようであれば、天井形成の可能性が高まります。
ファンドの大幅な売却は、半導体市場の成長性を否定したというより、株価上昇による利益を確定し、保有比率を下げた可能性が高いと考えられます。
アドバンテストも大幅に削減
半導体検査装置を手がけるアドバンテストも、保有株数を約40%減らしています。
アドバンテストもAI半導体関連銘柄として買われ、株価が大きく上昇してきました。
しかし、直近では高値をつけた後、やや下落しています。
ディスコと同様、チャート上では安値を切り上げているため、現時点では上昇トレンドの範囲内とも考えられます。
ただし、ファンドは半導体関連株の一部をまとめて売却しています。
そのため、個別企業に問題があるというより、半導体株全体の過熱感や株価水準を考慮して、利益確定を進めた可能性があります。
ゆうちょ銀行と三菱UFJを売却
金融株では、ゆうちょ銀行と三菱UFJフィナンシャル・グループを売却しています。
両銘柄とも株価は高値圏にあり、一時的に過去の高値を上抜ける動きも見られました。
しかし、高値を更新した後の上昇に力強さが乏しく、株価が伸び悩んでいました。
一般的に、株価が重要な高値を上抜けた場合、買いが集中して勢いよく上昇することがあります。
しかし、上抜けたにもかかわらず株価が上昇しない場合、買い手の力が弱い可能性があります。
ファンドは、上値の重さを確認して一部を利益確定したのかもしれません。
金融株は金利上昇局面で買われやすい一方、すでに金利上昇を織り込んで株価が上昇している場合、その後の上昇余地が小さくなることがあります。
パーク24は決算後の伸び悩みで売却か
パーク24は、駐車場サービスの「タイムズ」などを展開する会社です。
株価は決算をきっかけに大きく上昇したものの、その後の値動きは力強さを欠いていました。
好材料が出て株価が急上昇した後、さらに上昇が続かなければ、材料出尽くしとして売られることがあります。
今回の売却は、決算発表後の上昇局面で利益を確定した可能性があります。
ジャパンマテリアルは高値圏で売却
ジャパンマテリアルは、半導体工場向けの特殊ガス供給設備などを手がける企業です。
半導体関連銘柄の1つとして評価されてきましたが、株価は高値圏にありました。
ファンドは保有株数の約52%を売却しており、半分以上を減らしています。
ディスコやアドバンテストと同様、半導体関連株の利益確定の一環と考えられます。
半導体産業の長期的な成長期待は残るものの、株価が将来の成長を先に織り込みすぎた場合、短期的には調整が起こる可能性があります。
保有銘柄上位にも変化
株価の変動と売買の結果、ファンドの保有銘柄上位にも変化が見られました。
これまで首位だった村田製作所は、株価下落の影響によって3位へ後退しました。
一方、リクルートホールディングスは株価が上昇し、保有銘柄の1位になりました。
トヨタ自動車は大きな変化がなく、2位を維持しています。
保有順位の変化は、必ずしもファンドが株を売買した結果だけではありません。
株価が上昇すれば保有額も増え、順位が上がります。反対に、株価が下落すれば、保有株数が変わっていなくても順位が下がります。
そのため、順位を見る際にも、株価変動と実際の売買を分けて考える必要があります。
半導体・金融株から出遅れ株へ資金を移している可能性
今回の売買を全体的に見ると、ファンドはこれまで上昇してきた半導体関連株や金融株を減らし、出遅れている銘柄や割安感のある銘柄を買っているように見えます。
ディスコ、アドバンテスト、ジャパンマテリアルなど、これまでの相場で強かった半導体関連株を大きく売却しています。
一方、新規購入したミルボンは、長期間の下落後に底値圏で推移している銘柄です。
SHIFTやファナックも、株価が急騰している場面ではなく、調整や横ばいの局面で買い増しています。
この動きは、モメンタム株から出遅れ株やバリュー株への資金移動と捉えることもできます。
モメンタム株とは
モメンタム株とは、株価の上昇に勢いがあり、多くの投資家から買われている銘柄です。
株価が上がっているという理由でさらに買われ、上昇が続くことがあります。
半導体株やAI関連株は、モメンタム株の代表的な存在でした。
ただし、モメンタム投資は上昇局面では大きな利益を得やすい一方、流れが変わると急落する危険があります。
そのため、株価が十分に上昇した段階で、機関投資家が利益確定を始めることがあります。
バリュー株とは
バリュー株とは、企業の利益や資産、成長性と比較して、株価が割安だと考えられる銘柄です。
人気がなく、株価が長期間低迷している場合でも、業績が安定していれば、将来的に見直される可能性があります。
ミルボンの新規購入や、SHIFT、ファナックの買い増しは、株価が大きく上昇する前に仕込もうとする動きとも考えられます。
ただし、割安に見える銘柄が必ず上昇するわけではありません。
株価が安い背景に、業績悪化や成長力の低下がある場合もあります。
そのため、単純に株価が下がっているという理由だけで買うのではなく、事業の競争力や業績見通しを確認する必要があります。
プロの売買をそのまま真似する際の注意点
ファンドの売買動向は、個人投資家にとって参考になる情報です。
しかし、プロが買った銘柄をそのまま買えば利益が出るとは限りません。
ファンドと個人投資家では、運用資金、投資期間、許容できるリスクが異なります。
また、ファンドの保有銘柄データは、実際の売買から時間が経過した後に公開される場合があります。
公開データを確認した時点では、すでにファンドが次の売買を行っている可能性もあります。
さらに、ファンドは数十銘柄から数百銘柄へ分散投資しています。
ある銘柄で損失が出ても、別の銘柄の利益によって補うことができます。
個人投資家が1銘柄だけを真似して集中投資した場合、ファンドとはまったく異なる結果になる可能性があります。
ファンドの売買を見る際には、個別銘柄をそのまま真似するというより、どの業種を減らし、どの業種を増やしているのかを確認することが重要です。
今回であれば、半導体株や金融株の一部を減らし、出遅れ銘柄や安定成長株へ資金を移している点が、重要なヒントになります。
今後の相場で注目すべきポイント
今後は、これまで市場をけん引してきた半導体関連株が再び高値を更新できるかが注目されます。
ディスコやアドバンテストが直近高値を超えて上昇を続けるのであれば、半導体株の上昇トレンドは継続していると判断できます。
一方、高値を超えられず、安値を切り下げるようであれば、相場の主役が交代する可能性があります。
その場合、今回ファンドが買い増したファナック、SHIFT、日本電子、ミルボンなどに資金が向かうかもしれません。
また、GMOペイメントゲートウェイのような決済関連企業は、キャッシュレス化という長期的な成長テーマを持っています。
短期的な株価の上下だけではなく、決済取扱高や契約企業の増加、利益率の改善などを確認する必要があります。
ミルボンについては、株価が底値圏を抜けて上昇トレンドへ転換できるかが焦点です。
長期移動平均線を上回り、直近高値を明確に更新できれば、チャート上でもトレンド転換が意識されやすくなります。
まとめ
今回の野村の成長株ファンドの売買では、新規銘柄としてGMOペイメントゲートウェイとミルボンが組み入れられました。
GMOペイメントゲートウェイは、キャッシュレス決済市場の成長や大型商業施設への決済基盤導入が期待材料となっています。
ミルボンは、長期間の株価下落によって相対的な割安感が出ており、底値圏からのトレンド転換を見込んだ買いである可能性があります。
既存銘柄では、日本電子、ファナック、SHIFT、日立製作所などが買い増されました。
特に日本電子は株価が高値を更新しており、ファンドの買いが現時点では成功しているように見えます。
一方、ディスコ、アドバンテスト、ジャパンマテリアルなどの半導体関連株は大幅に売却されました。
ゆうちょ銀行や三菱UFJフィナンシャル・グループといった金融株も一部売却されています。
こうした動きを見ると、ファンドは上昇してきた人気銘柄の利益を確定し、出遅れている銘柄や割安感のある銘柄へ資金を移している可能性があります。
ただし、機関投資家の売買は、必ずしも今後の株価上昇や下落を保証するものではありません。
ファンドの保有銘柄をそのまま真似するのではなく、資金がどの業種からどの業種へ移動しているのかを読み取ることが重要です。
今後、半導体株が再び高値を更新するのか、それとも出遅れ株やバリュー株へ相場の主役が移るのか。野村の成長株ファンドの売買動向は、市場の変化を考えるうえで引き続き注目すべき材料といえそうです。


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