本記事は、YouTube動画『フジクラ・JX金属が暴落!追証連鎖の危機と決算後の株価シナリオ』の内容を基に構成しています。
2026年11月5日の東京株式市場では、AI・半導体関連株を中心に激しい売りが広がりました。
フジクラ(5803)は終値3,260円で前日比11.4%安、JX金属(5016)は2,637.5円で同6.6%安となり、いずれも2026年5月につけた高値から半値以下の水準まで下落しています。
※記事中の株価は動画で示された数値を基本としています。JX金属の終値2,637.5円は市場データでも確認できます。野村証券引用 一部の過去統計や会社業績は動画内の説明に基づきます。
今回の急落で注目されるのが、AIインフラ投資への期待の変化と、信用取引による追証(追加保証金)の連鎖です。
特にフジクラとJX金属は信用買い残が多く、株価の急落によって投資家の損失が膨らむと、強制的な売却が新たな下落を招く可能性があります。
しかし、今回の値動きには興味深い特徴もありました。
日経平均株価が大幅に下落した一方、TOPIX(東証株価指数)は上昇したのです。これは、日本株全体が売られているのではなく、特定の業種やテーマに売りが集中している可能性を示しています。
果たして今回の暴落は、AI関連株の本格的な崩壊につながるのでしょうか。それとも、決算前に売られすぎたことによる反発の入り口なのでしょうか。
今回は、フジクラとJX金属の急落原因、信用買い残の状況、過去の暴落後の値動き、そして11月9日・10日の決算に向けた株価シナリオを詳しく解説します。
フジクラとJX金属が急落!11月5日の株式市場で何が起きたのか
日経平均は1.79%安、一方でTOPIXは上昇
2026年11月5日の日経平均株価は、前日比1,110.73円安の61,077.90円で取引を終えました。下落率は1.79%です。日経インデックス
一方、TOPIXは1.16%上昇しました。
日経平均とTOPIXは、どちらも日本株全体の動きを示す代表的な株価指数ですが、計算方法が異なります。
日経平均は値がさ株の影響を受けやすく、TOPIXは時価総額の大きい企業の影響を受けやすい仕組みです。
そのため、一部の半導体関連株が大きく下落すると、日経平均だけが大幅安になる場合があります。
実際、11月5日は半導体やAIインフラに関係する企業に売りが集中しました。
アドバンテストは15.26%安、イビデンは16.59%安、東京エレクトロンは9.61%安と、半導体関連の幅広い企業が急落しています。
一方、ファーストリテイリングは6.07%上昇しました。
つまり、株式市場から資金が一斉に逃げ出したというよりも、AI・半導体関連から別の業種へ資金が移動したと考えられます。
この違いは重要です。
市場全体が暴落している場合と、特定の成長分野への期待が見直されている場合では、その後の株価回復の条件が異なるためです。
フジクラだけでなく電線関連株も大幅下落
今回の売りは、フジクラだけに集中したわけではありません。
同じ電線関連では、古河電気工業が約17.9%安、住友電気工業が約8%安となりました。
フジクラの11.4%安だけが突出した特殊な現象ではなく、電線関連株全体に売りが広がっていたことが分かります。
さらに、半導体製造装置や電子部品などにも急落が波及しています。
このことから、特定企業の業績悪化だけで今回の下落を説明するのは難しいと考えられます。
共通しているのは、AIやデータセンターの設備投資拡大によって利益が成長すると期待されてきた企業だという点です。
暴落の原因はAIインフラ投資への期待の変化
データセンター投資の先行きに不透明感
今回の急落を考えるうえで、最も重要なのがAIインフラ投資への期待の見直しです。
動画では、11月4日の米国の政治動向が市場心理に影響した可能性を指摘しています。
米国の中間選挙では民主党が上下両院で多数派となる見通しが伝えられ、テキサス州でもデータセンター規制の強化を訴える候補者の勝利が報じられたとされています。
こうした動きによって、これまで急速に拡大してきたデータセンター建設やAI関連投資が、今後も同じペースで続くのかという疑問が生じました。
ただし、選挙結果によって直ちにデータセンターの建設計画が中止されたわけではありません。
重要なのは、実際に企業の受注が減少したという確定情報ではなく、将来的な成長への期待が揺らいだことです。
株価は現在の利益だけでなく、将来どれほど利益が増えるかという期待にも左右されます。
そのため、業績が好調な企業でも、将来の成長率に対する評価が下がれば株価は急落します。
フジクラとJX金属はAI投資の異なる分野を支える
フジクラとJX金属は、どちらもAI関連銘柄として注目されていますが、事業の役割は異なります。
フジクラは、データセンター内で大量の情報を高速に伝送する光ファイバーや光関連製品を手掛けています。
AIの利用が拡大すれば、データセンター内部で処理する情報量も増加します。そのため、高速通信に使われる光関連製品への需要拡大が期待されてきました。
一方、JX金属は半導体材料に強みを持つ企業です。
半導体製造に使用する高純度金属やスパッタリングターゲットなどを供給しており、半導体市場の拡大が業績成長につながる構造です。
つまり、フジクラは主にデータセンターの情報通信インフラ、JX金属は半導体を製造するための材料という位置づけになります。
データセンターへの投資が減速する可能性が意識されると、その影響は半導体メーカーだけでなく、関連する通信部品や材料メーカーにも波及します。
今回の急落は、こうしたAI投資の関連企業がまとめて売られた局面と考えられます。
フジクラの株価は短期間で22%超下落
10月29日からの急落が鮮明に
フジクラの株価下落は、JX金属と比較しても大きくなっています。
動画によると、11月2日の終値から11月5日までの下落率は、JX金属が9.9%、フジクラが16.4%でした。
さらにフジクラは、10月29日の終値4,195円から11月5日の3,260円まで、わずかな期間で22.3%下落しています。
同じAIインフラ関連株でも、フジクラの方が短期間で強い売り圧力を受けたことになります。
その背景として考えられるのが、データセンター投資への期待に対する評価の変化と、信用取引による買いポジションの偏りです。
ただし、下落率の違いを信用倍率だけで説明することはできません。
それぞれの事業構成や株主構成、流動性、これまでの株価上昇率なども影響するためです。
フジクラの業績そのものは好調だった
株価が急落しているからといって、すでに企業業績が悪化しているとは限りません。
フジクラは2026年に入ってから、業績見通しを上方修正してきました。
動画では、6月18日に通期営業利益予想を2,110億円から3,100億円へ引き上げたと説明されています。
背景には、大規模データセンター事業者向けの光関連製品の受注増加や販売価格の上昇がありました。
また、8月7日の決算では、通期経常利益予想を3,160億円から4,530億円へ上方修正したとされています。
営業利益と経常利益は異なる指標ですが、いずれも当時の事業環境が好調だったことを示す材料です。
それにもかかわらず株価が急落したのは、過去の好業績ではなく、その成長が将来も続くのかという疑問が強まったためと考えられます。
特に11月10日の決算では、光関連製品の受注動向と今後の設備投資需要が重要な確認事項になります。
JX金属は半導体材料の需要と円安・銅価格が焦点
通期営業利益予想は2,320億円
JX金属についても、株価の下落と業績の悪化を分けて考える必要があります。
動画では、8月6日時点の通期営業利益予想が2,320億円だったと説明されています。
また、業績予想に使用されていた前提条件として、為替レートは1ドル155円、銅価格は580セントという数字が示されています。
同社の利益は半導体材料の販売数量だけでなく、為替や金属価格によっても変動します。
会社が想定する水準より円安が進めば、外貨建て取引などを通じて利益を押し上げる要因になり得ます。
銅価格の上昇も、事業構造や在庫評価などを通じて利益に影響します。
円安5円で利益70億円押し上げの試算
動画では、JX金属の業績感応度についても紹介されています。
会社の想定する条件では、為替が5円円安になると利益が約70億円、銅価格が10セント上昇すると約35億円押し上げられるという目安です。
ただし、これは会社が想定する期間や条件に基づく感応度であり、ある日の為替や銅価格を当てはめれば、そのまま利益が増えるという意味ではありません。
JX金属を評価する際には、半導体材料の需要と、為替・金属価格による利益変動を分けて確認する必要があります。
仮に半導体材料への需要が弱まったとしても、為替や銅価格が利益の下支えとなる可能性があります。
一方、為替などの追い風によって利益が増えていても、本業の販売数量が減少していれば、将来の成長性に対する評価は厳しくなるかもしれません。
11月9日の決算では、こうした利益の中身に注目する必要があります。
株価が下がった本当の理由はPERの低下か
利益が増えても株価が下がる仕組み
今回の急落を理解するうえで重要なのが、PER(株価収益率)です。
PERは、企業の利益に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標です。
一般的に、将来の成長が期待される企業ほど高いPERが許容される傾向があります。
例えば、1株当たり利益が100円の企業について考えてみましょう。
投資家がその利益に30倍の価値を認めていれば、株価は3,000円になります。
ところが、将来の成長性への期待が薄れてPERが20倍まで低下すれば、利益が100円のままでも株価は2,000円になります。
つまり、企業の利益が減少していなくても、投資家が支払いたい倍率が低下するだけで株価は大きく下落するのです。
動画では、11月5日時点の会社予想ベースのPERとして、JX金属が17.48倍、フジクラが16.56倍という数値が紹介されています。
ただし、PERは使用する利益予想や株価の時点によって変化するため、異なる時点の数字を単純に比較することはできません。
今回の下落では、発表済みの利益そのものよりも、将来の利益成長に対する評価が引き下げられている可能性があります。
そして、もし今後の決算で利益見通しそのものが下方修正されれば、PERが低く見えていても、必ずしも割安とはいえなくなります。
信用買い残が大量に残るフジクラとJX金属
信用倍率は両銘柄とも30倍超
今回の暴落で警戒されているのが、信用取引による売り圧力です。
10月30日申し込み分の信用取引残高は、次のようになっています。
| 項目 | JX金属 | フジクラ |
|---|---|---|
| 信用買い残 | 2,115万9,700株 | 2,475万7,500株 |
| 信用売り残 | 69万6,100株 | 75万2,200株 |
| 信用倍率 | 30.40倍 | 32.91倍 |
JX金属の信用買い残と信用倍率は、証券会社が掲載する信用データでも確認できます。SBI証券
信用倍率とは、信用買い残を信用売り残で割った数字です。
例えば、信用倍率が30倍であれば、信用売り残に対して信用買い残が30倍存在していることを意味します。
両銘柄とも、信用取引で買っている投資家が非常に多い状態です。
ただし、信用倍率が高いから必ず暴落するわけではありません。
信用倍率は、買いと売りの残高の比率を示すだけであり、株価を支える買い注文の量や、実際に売却される株数を直接示すものではないためです。
それでも、株価下落が続く局面では、信用買い残の多さが売り圧力につながる可能性があります。
追証が連鎖すると株価下落が加速する
信用取引では、証券会社に保証金を差し入れ、自己資金以上の金額で株式を売買できます。
例えば、100万円の保証金をもとに、200万円分の株式を購入したとします。
その後、株価が急落すると含み損が拡大し、保証金の余裕が減少します。
一定の基準を下回ると、追加で保証金を差し入れるよう求められる場合があります。これが追証です。
追証が発生した投資家は、追加資金を入れるか、保有株を売却するなどの対応を迫られます。
問題は、多くの投資家が同時に株式を売却しようとする場合です。
売却が増えることで株価がさらに下落し、その下落が別の投資家の追証を引き起こす可能性があります。
このように、株価下落と信用取引の売却が互いに影響し合う現象が、いわゆる追証の連鎖です。
もっとも、11月5日の急落について、追証による売却が実際にどの程度発生したかは確認されていません。
信用買い残が多いことは警戒材料ですが、追証の連鎖がすでに起きていると断定することはできません。
今後は信用買い残の減少と株価の関係が重要
今後注目したいのは、信用買い残が減少するかどうかです。
ただし、信用買い残が減れば、それだけで好材料になるわけではありません。
株価が急落しながら信用買い残が減少している場合、投資家が損失を確定させている可能性があります。
一方、株価を維持しながら信用買い残が減少する場合、売り圧力を吸収しながら需給が改善していると考えられます。
また、信用残高には集計基準日があるため、11月5日の夕方に確認できる数字が、必ずしも同日の急落を反映しているわけではありません。
株価と信用残高を比較する際には、対象となる日付を揃えることが大切です。
決算発表でさらに暴落する可能性はあるのか
JX金属は11月9日、フジクラは11月10日に決算予定
両銘柄にとって、次の大きな材料となるのが決算発表です。
JX金属は11月9日、フジクラは11月10日に決算発表が予定されています。
決算前は、結果を確認してから投資したいと考える投資家が増えやすく、買い注文が減少する場合があります。
特に株価が大きく下落している局面では、決算をまたぐリスクを避けるために保有株を減らす動きも考えられます。
こうした売買の偏りが、決算前の株価を不安定にする可能性があります。
ただし、決算が近いという理由だけで、さらに大きく下落すると決まっているわけではありません。
好決算でも株価が下がることがある
過去の決算に対する株価反応を見ると、フジクラとJX金属には違いがありました。
動画によると、JX金属は2026年5月12日の決算などの発表翌日に16.7%下落しています。
この局面では、転換社債型新株予約権付社債の発行なども同時に発表されており、業績以外の材料が株価に影響したと考えられます。
また、8月7日にも業績予想の上方修正後に6.2%下落したとされています。
つまり、好業績や上方修正が発表されても、投資家が期待していた内容に届かなければ株価は下がることがあります。
一方、フジクラは6月18日の業績上方修正翌日に15.7%上昇し、8月7日の決算後の翌営業日にも7.6%上昇したと紹介されています。
同じように好材料が発表されても、株価の反応は企業や市場環境によって異なるのです。
決算で最も警戒すべきは受注見通しの悪化
今回の決算で最も注意したいのは、これまで堅調だった受注や設備投資需要が弱まっていないかという点です。
現在の株価下落が、将来の成長への期待の見直しによるものであれば、実際の受注が維持されていることを確認できれば反発材料になる可能性があります。
しかし、決算でも受注の減少や設備投資計画の縮小が確認されれば、状況は変わります。
株価の評価倍率が低下するだけでなく、将来の利益予想そのものが引き下げられる可能性があるためです。
フジクラでは光関連製品の受注やデータセンター向け需要、JX金属では半導体材料の販売数量や需要見通しが重要になります。
過去の利益が好調だったかどうかだけでなく、その利益を将来も維持・拡大できるのかが焦点です。
過去342回の急落を検証!20営業日後の上昇確率は63%
急落後の翌営業日はほぼ五分五分
ここからは、動画で紹介された過去の株価検証を確認します。
対象となったのは、半導体材料、電線、電子部品、半導体製造装置などの32銘柄です。
2026年11月4日までの日足データを使用し、前日も下落していて、当日に6%以上下落し、さらに終値が過去180日間の最安値となったケースを調べています。
同じ銘柄については、20営業日を超える間隔を設けて抽出した結果、該当する事例は342回でした。
翌営業日までの結果が確認できた341回のうち、翌日に上昇したのは174回でした。
急落翌営業日の上昇率
51.0%
174回 / 341回(動画内の検証)
大幅に下落した翌日だからといって、必ず反発するわけではありません。
翌営業日の上昇確率はほぼ五分五分であり、急落直後に買えば有利になるという強い根拠は確認できませんでした。
20営業日後は63.0%が上昇
一方、期間を20営業日まで延ばすと結果が変わります。
20営業日後まで確認できた338回のうち、急落日の終値より株価が上昇していたのは213回でした。
上昇率は63.0%です。
20営業日後の上昇率
63.0%
213回 / 338回(動画内の検証)
翌日だけを見ると方向感は乏しいものの、約1か月後には上昇していたケースが比較的多かったことになります。
ただし、この結果だけを見て安心することはできません。
41.4%は途中でさらに10%以上下落
同じ338回のうち、20営業日以内に急落日の終値からさらに10%以上安い終値をつけたケースは140回ありました。
割合にすると41.4%です。
急落後20営業日間の検証結果
動画の32銘柄・338事例を対象とした集計。2つの条件は重複する場合があります。
0%25%50%75%100%20日後に上昇途中でさらに10%以上下落
ここで重要なのは、20営業日後に株価が上昇していたケースと、途中で10%以上下落したケースは、必ずしも別々ではないという点です。
一度大きく下落した後に急反発し、最終的にはプラスで終わった事例も含まれます。
つまり、1か月後に上昇する可能性が比較的高かったとしても、その途中で大きな含み損を抱えるリスクがあるのです。
特に信用取引の場合、最終的に株価が戻ったとしても、その前に保証金が不足すれば保有を続けられなくなる場合があります。
過去の上昇確率と、途中の下落に耐えられるかどうかは、別の問題として考える必要があります。
高値から半値以下になった株は買い時なのか
半値以下の294事例を検証
フジクラとJX金属は、2026年5月につけた高値から大きく下落しています。
こうした状況では、以前の半額以下になったのだから割安ではないかと考えたくなるものです。
しかし、株式市場では過去の高値が適正価格だったとは限りません。
動画では、同じ32銘柄について、終値が過去250営業日の最高終値の半分以下になったケースを調べています。
同じ銘柄では60営業日を超える間隔を設け、合計294回を抽出しました。
20営業日後までの結果を確認できた286回のうち、株価が上昇したのは154回です。
上昇率は53.8%でした。
また、20営業日以内にさらに10%以上安い終値をつけたのは111回で、38.8%となっています。
この結果から、半値以下という条件だけでは、強い反発の優位性は確認できませんでした。
過去に高かった株が安くなったことと、現在の企業価値に対して割安であることは異なります。
フジクラ自身の過去の急落も検証
フジクラについては、2000年から2026年11月4日までの値動きも調べています。
終値ベースで1日に10%以上下落したケースは21回ありました。
そのうち翌営業日に上昇したのは11回で、52.4%です。
20営業日後まで確認できた20回では、上昇したケースが12回で60.0%でした。
一方、その20回のうち9回、45.0%は途中でさらに10%以上安い終値をつけています。
フジクラ自身の過去データでも、急落後の反発余地と追加下落リスクが共存していることになります。
ただし、事例数は多くないため、この割合だけから今後の株価を判断することはできません。
JX金属は20営業日後68.4%上昇も60営業日後は47.1%
JX金属については、2025年3月の上場から2026年11月4日までのデータが対象となっています。
1日に6%以上下落した日は21回ありました。
20営業日後まで確認できた19回のうち、上昇したのは13回で68.4%です。
しかし、60営業日後まで確認できた17回では、上昇したのは8回で47.1%に低下しています。
保有期間を長くすれば、必ず上昇確率が高まるわけではないことが分かります。
また、JX金属は上場からの期間が比較的短いため、過去の統計だけでフジクラより安全だと評価することもできません。
11月6日以降の株価はどうなる?3つのシナリオ
動画では、11月6日の取引開始から両銘柄の決算発表後の初期反応までについて、3つのシナリオが提示されています。
これは過去データから計算した発生確率ではなく、現在の市場環境をもとに分析者が設定した主観的な見通しです。
決算前後のシナリオ配分
動画内の分析者が設定した見通し。統計的な予測確率ではありません。
さらに下落
もみ合い
急反発
シナリオ1:さらに下落する可能性40%
最も重視されているのは、株価がもう1段下を試す展開です。
このシナリオでは、米国の半導体株やデータセンター関連株への売りが続き、11月6日の日本市場でも反発が持続しないことを想定しています。
注目する価格は、JX金属が2,529円、フジクラが3,000円です。
JX金属の2,529円は過去の終値を参考にした水準で、フジクラの3,000円は下落の進み方を確認するための節目です。
いずれも必ず到達する目標株価という意味ではありません。
このシナリオへの警戒が強まるのは、米国の関連株の下落が止まらず、日本市場でも安値を更新し、その後の反発が続かない場合です。
さらに、決算で受注や設備投資需要の悪化が確認されれば、業績見通しの下方修正を織り込む動きへ発展する可能性があります。
シナリオ2:決算まで方向感のない展開が続く可能性35%
2つ目は、急落がいったん落ち着くものの、大きな反発も起きない展開です。
JX金属は2,637.5円、フジクラは3,260円という11月5日の終値付近で売り買いが交錯する状況を想定しています。
米国の半導体関連株への売りが弱まっても、決算前に積極的に買い直す投資家が増えなければ、株価は一定の範囲で推移する可能性があります。
この場合、決算で受注や設備投資計画に大きな変化がなければ、徐々に相場が落ち着くことも考えられます。
ただし、日中の値動きが激しい場合もあるため、単純に終値が近いという理由だけで安定した相場だと判断することはできません。
シナリオ3:急反発する可能性25%
3つ目は、売られすぎた株価が急速に戻る展開です。
反発の目安として示されているのは、11月4日の終値です。
JX金属は2,824円、フジクラは3,680円が注目水準になります。
米国の半導体株やデータセンター関連株が持ち直し、日本市場でも反発が継続すれば、このシナリオの可能性が高まります。
さらに決算で光関連製品や半導体材料の受注が堅調であると確認できれば、将来の成長への不安が和らぐ可能性があります。
ただし、株価が反発しても信用買い残が増加し続ける場合には、再び売り圧力が強まるリスクがあります。
一時的な反発と持続的な上昇を区別するためには、出来高や信用残高、関連株の動向も確認したいところです。
今後の注目価格と重要イベント
今回の動画で示された価格水準を整理すると、次のようになります。
| 銘柄 | 11月5日終値 | 下落警戒水準 | 反発確認水準 |
|---|---|---|---|
| JX金属 | 2,637.5円 | 2,529円 | 2,824円 |
| フジクラ | 3,260円 | 3,000円 | 3,680円 |
また、今後の重要な日程として、11月6日の米国雇用統計、11月9日のJX金属決算、11月10日のフジクラ決算が挙げられます。
特に米国雇用統計では、単に雇用者数が市場予想より強いか弱いかだけではなく、結果を受けて米国の長期金利や半導体株がどう動くかが重要になります。
11月6日の東京市場の寄り付きは米国雇用統計の発表前であるため、その日の朝の値動きを雇用統計の結果と結びつけることはできません。
材料が発表される順番を意識しながら、株価の反応を確認する必要があります。
現物投資家・信用取引・新規購入で注意すべき点
現物で保有している場合
現物株を保有している投資家は、株価の下落だけでなく、事業の見通しが変化しているかを確認することが重要です。
JX金属では、半導体材料の販売数量や需要見通しに加えて、為替や銅価格の影響を確認します。
フジクラでは、データセンター向け光関連製品の受注状況と、今後の設備投資需要が焦点になります。
株価が大きく下落していても、事業の成長見通しが維持されている場合と、業績予想が実際に悪化している場合では、評価は大きく異なります。
信用取引で保有している場合
信用取引を利用している投資家にとって、最も重要なのは保証金の余力です。
過去の検証では、20営業日後に株価が上昇していたケースが63.0%ありましたが、その途中でさらに10%以上下落したケースも41.4%ありました。
最終的に株価が戻る可能性があっても、途中の下落によって追証が発生すれば、ポジションを維持できなくなる場合があります。
特にJX金属の2,529円、フジクラの3,000円という下落警戒水準を意識する場合には、その価格まで下落した際に口座の保証金維持率がどう変化するかを確認しておく必要があります。
ただし、追証の発生条件は証券会社や口座状況によって異なり、すべての投資家に共通する発生価格が存在するわけではありません。
新規購入を検討している場合
新たに購入を検討する場合、11月6日に株価が安く始まったという理由だけで底値と判断するのは慎重であるべきでしょう。
反発の目安となるJX金属の2,824円、フジクラの3,680円まで株価が戻る場合でも、なぜ戻ったのかを確認することが大切です。
米国の半導体関連株が持ち直したのか、決算で受注見通しへの不安が和らいだのか、あるいは単なる短期的な買い戻しなのかによって、反発の意味は異なります。
また、両銘柄が必ず同じ動きをするとは限りません。
JX金属だけが回復し、フジクラが安値更新を続けるようであれば、共通するAI投資への懸念だけでは説明できない、企業固有の問題や需給要因が存在する可能性があります。
反対に、両銘柄が米国のAI関連株とともに持ち直すのであれば、今回の下落が市場全体の期待の見直しによって引き起こされたという見方を補強する材料になります。
まとめ:フジクラ・JX金属の暴落は反発の入り口か、それとも下落の途中か
2026年11月5日のフジクラとJX金属の急落は、個別企業の業績悪化だけではなく、AIインフラ投資への期待が変化したことによって引き起こされた可能性があります。
日経平均が大幅に下落する一方でTOPIXが上昇したことからも、日本株全体の崩壊というより、AI・半導体関連株への売りが集中した局面と考えられます。
さらに両銘柄には信用倍率30倍超という需給上の特徴があり、株価下落が続く場合には、信用買いポジションの整理が売りを増幅させる可能性があります。
ただし、実際に追証による売りがどの程度発生しているかは確認されておらず、追証の連鎖だけを今回の暴落原因と断定することはできません。
過去の32銘柄を対象とした急落検証では、20営業日後の上昇率が63.0%だった一方、途中でさらに10%以上下落したケースも41.4%ありました。
また、高値から半値以下になったケースでは、20営業日後の上昇率は53.8%にとどまっています。
つまり、大きく下落したこと自体は、底値や安全性を保証する材料にはならないということです。
今後の最大の焦点は、11月9日のJX金属、11月10日のフジクラの決算です。
両社の受注や設備投資需要が維持されていることが確認できれば、今回の急落が将来への不安を過度に織り込んだ結果だったと評価される可能性があります。
一方、決算で受注の弱さや成長見通しの悪化が明らかになれば、株価の下落は単なる需給悪化から、企業価値の見直しへと発展するおそれがあります。
当面は、JX金属の2,529円と2,824円、フジクラの3,000円と3,680円が重要な観察水準となります。
今回の暴落が反発の入り口になるのか、それともさらなる下落の途中なのかを判断するには、株価だけではなく、AI関連株全体の動向、信用買い残の変化、そして決算で示される将来の利益成長を総合的に確認することが重要です。


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