ローソク足チャートの理解を深めるために、今回の動画はとても役立つ内容です。
初心者向けに、ローソク足チャートの基本的な読み方から応用的な使い方まで詳しく解説されています。
日本では、株式、為替、仮想通貨などの取引チャートとして、ローソク足がデフォルトで使われることが多いため、このスキルを身につけることで、多くのトレード場面で役立ちます。以下、動画の内容を分かりやすくまとめていきます。
ローソク足の基本

ローソク足とは、一定期間(5分足、1時間足、日足など)の高値、安値、始値、終値を1つのシンボルで表したチャート形式です。この形式は、江戸時代に商人によって開発されたとされますが、実際には明治初期に作られたものが由来とされています。
ローソク足1本が示す期間は、チャート設定によって異なり、例えば「1時間足」ではローソク足1本が1時間の値動きを表します。
日足で見た場合、1日の動きを示すために24本の1時間足が形成され、5分足なら1日に288本のローソク足が表示されます。
ローソク足の色分けは、通常値上がりしている「陽線」が白または緑、値下がりしている「陰線」が黒または赤で示され、見た目で一目でその動きが判断できます。
たとえば、髭のない大きな陽線が出現した場合、それは初値から終値まで順調に値上がりしたことを意味し、相場の勢いが上昇していると考えられます。反対に、長い髭のあるローソク足が現れると、高値に達したものの押し戻されたことを示し、相場が反転する兆しとなることもあります。
ローソク足のパターン

ローソク足の動きは、3つのパターンに分類されます:反転、持ち合い、継続です。それぞれ、具体的な例を見ていきましょう。
1. 反転パターン
反転パターンは、「からかさ」や「トンボ」など、長い髭が特徴です。
価格が高値または安値に到達し、その後押し戻されたパターンです。
このような場合、その髭の先端には抵抗体が存在することが多く、価格が反転する兆しとされています。たとえば、「モーニングスター」というパターンは、長めの陰線の後に十字線やコマが出現し、次に長めの陽線が続くと完成します。このパターンが出現すると、反転上昇が期待できます。
2. 持ち合いパターン
持ち合いパターンには、「十字線」や「コマ」があります。これは、上下に価格が動いたものの、最終的にはほぼ同じ価格帯で落ち着いたことを示しています。
市場がどちらに動くか迷っている状態を表し、相場の動きがはっきりしないときに出現します。
3. 継続パターン
継続パターンには、「大陽線」や「大陰線」など、髭がないものがあり、「丸坊主」とも呼ばれます。
これらは、実体が長いことが特徴で、価格の勢いがそのまま維持される可能性が高いことを示唆します。例えば、スラストアップ(上昇)やスラストダウン(下降)といったパターンは、トレンドが継続するサインとして利用されます。
複数足パターン
ローソク足は1本ずつだけでなく、複数本の組み合わせで分析することもできます。
たとえば、「毛抜き天井」や「毛抜き底」は、高値や安値が2連続でほぼ同じ価格で止まることで、抵抗体の存在が示唆されます。
また、「リバーサルハイ」や「リバーサルロー」は、前のローソク足の高値や安値を更新した後、次のローソク足が逆に更新されるパターンであり、反転の兆候を示します。
実践でのローソク足パターンの活用

ローソク足パターンを活用する際には、相場の状況をよく見極めることが重要です。
特に、抵抗体(サポートラインやレジスタンスライン)との兼ね合いが鍵となります。例えば、上昇トレンド中に反転パターンが出現しても、すぐに下落に転じるわけではありません。同様に、継続パターンが出現しても、レンジ相場ではそのまま継続されるとは限りません。
動画内での実例として、ポンド円の1時間足チャートでは、高値圏に抵抗体が引かれ、その付近で「毛抜き天井」や「イブニングスター」といった反転パターンが見られる場合、売りのエントリーを検討するのが良いとされています。
また、抵抗体を抜けた後は大きく動くことが多いため、その場合はスラストアップなどの継続パターンを狙った買いエントリーも有効です。
まとめ
ローソク足チャートを使ったトレードは、パターンの暗記だけでなく、その背景にある相場の動きや状況を理解することが大切です。
パターンを覚えるだけではなく、チャートの動きや抵抗体を組み合わせて判断することで、より確実なトレードができるようになります。抵抗帯をうまく活用し、相場の転換や継続を見極めて、賢いエントリーを目指しましょう。
このように、ローソク足の基本的な見方と応用的な使い方をマスターすることで、初心者の方でもトレードの質を向上させることができるはずです。
知っておきたい専門用語集
- ローソク足:一定期間の価格の動きを表すチャートの一種。高値、安値、始値、終値が一本のローソクで示される。
- 陽線:始値より終値が高いときに使われるローソク足。通常、白や緑で表される。
- 陰線:始値より終値が低いときに使われるローソク足。通常、黒や赤で表される。
- 実体:ローソク足の始値と終値の範囲。価格の動きの本体を示す部分。
- 髭:ローソク足の実体から外れた高値と安値の範囲。上下に伸びる線で、価格のブレを示す。
- からかさ:ローソク足のパターンの一つ。長い下髭が特徴で、相場の反転を示唆することがある。
- トンボ:ローソク足のパターンの一つ。始値と終値がほぼ同じで、長い下髭が出るパターン。反転のサインになることがある。
- 持ち合いパターン:価格が上下に動きつつも、結局同じ価格帯で収束する状態。相場の方向性が迷っていることを示す。
- 大陽線:長い陽線。価格が大きく上昇したことを示す。勢いが継続しているサインになることが多い。
- 大陰線:長い陰線。価格が大きく下落したことを示す。勢いが継続しているサインになることが多い。
- 丸坊主:髭がなく、実体だけで構成されるローソク足。勢いの強い継続パターンとして使われる。
- 毛抜き天井:高値圏で出現する反転パターン。同じ価格帯で2回高値をつけ、その後反転する兆しを示す。
- 毛抜き底:安値圏で出現する反転パターン。同じ価格帯で2回安値をつけ、その後上昇する兆しを示す。
- リバーサルハイ:前のローソク足の高値を更新した後、次の終値がそれを下回るパターン。反転の兆しとなる。
- リバーサルロー:前のローソク足の安値を更新した後、次の終値がそれを上回るパターン。反転の兆しとなる。
- モーニングスター:長い陰線、十字線やコマ、長い陽線の順で現れる反転パターン。上昇への転換を示唆する。
- イブニングスター:長い陽線、十字線やコマ、長い陰線の順で現れる反転パターン。下降への転換を示唆する。
- インサイド:前のローソク足の範囲内に次のローソク足が収まるパターン。持ち合いのサインとして使われる。
- アウトサイド:次のローソク足が前のローソク足を包み込むパターン。持ち合いが決着する兆しを示すことがある。
- スラストアップ:前のローソク足の高値や終値を更新し、上昇が続くパターン。継続的な上昇を示唆する。
- スラストダウン:前のローソク足の安値や終値を更新し、下降が続くパターン。継続的な下降を示唆する。
- 抵抗体:価格が反転するポイントとなるサポートラインやレジスタンスライン。相場の動きに影響を与える価格帯。
- サポートライン:価格が下がったときに、下落を止める役割を果たすライン。反転上昇のポイントとなることが多い。
- レジスタンスライン:価格が上がったときに、上昇を止める役割を果たすライン。反転下降のポイントとなることが多い。
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