今回は、最近の株価下落で多くの投資初心者が保有している株を損切りして退場していることをテーマに、暴落時に何を考えたらいいのか?何をしたらいいのかについて解説した動画をご紹介します。

売却する前に考えるべきこと:バンドワゴン効果に注意
暴落時に「みんなが売っているから自分も売ったほうがいいかも」という心理は、「バンドワゴン効果」と呼ばれるものです。バンドワゴン効果とは、多くの人が同じ行動を取ることで、自分もそれに続こうとする心理的な傾向のことです。
たとえば、流行りのカフェで長い列を見かけると「ここは美味しいに違いない」と感じ、つい並びたくなることがありますが、実際に食べてみたら期待外れだったという経験はないでしょうか?
投資でも同じようなことが起こります。多くの人が売却を始めると、その流れに乗って自分も売りたくなるのですが、それが正しい選択であるかどうかは慎重に判断しなければなりません。
具体的な例を挙げると、2022年に話題になった「レバナス(レバレッジをかけたNASDAQ100指数)」という商品があります。
多くの人がこれに投資し、最初は大きな利益を得ましたが、その後の市場の下落で大損をした投資家も少なくありません。このように、流行りに乗ることが常に正しい選択とは限らないのです。
プロスペクト理論:損失を避けたい心理に打ち勝つ
「プロスペクト理論」についても、投資の世界で重要な概念です。
この理論は、人間が利益よりも損失に対してより強く反応する傾向を示しています。例えば、1万円を手に入れる喜びよりも、1万円を失う苦痛のほうが約2倍強く感じられるというものです。
投資においても、含み損を抱えた時に「このまま損失が拡大するかもしれない」と感じ、つい売却してしまうことがあります。
しかし、この心理が短期的な損失を過度に気にしてしまう原因となり、結果的に間違った判断をしてしまうこともあります。動画内でも、霊夢が「100万円投資したのに、80万円まで減ってしまって眠れない」と悩んでいましたが、これはまさにプロスペクト理論に基づくものです。
ドルコスト平均法でリスクを分散する
もし今のように市場が下落している状況であれば、投資を続けることが怖くなるかもしれません。
そんな時に有効な方法が「ドルコスト平均法」です。これは、定期的に一定額を投資する方法で、たとえ市場が下がってもその時には安い価格で多くの株を購入できるというメリットがあります。
たとえば、毎月1万円ずつ投資信託を買い続けるとします。株価が下がった時にはより多くの口数を買い、株価が上がった時には少ない口数を買うことになります。
これにより、長期的に見て購入価格が平均化され、市場の上げ下げに影響されにくくなるのです。
アンカリング効果を避ける:過去の価格に囚われない
「アンカリング効果」という言葉も重要です。
これは、最初に見た価格や情報に固執してしまう心理的傾向を指します。たとえば、100万円で購入した投資信託が80万円に下がった時、「100万円に戻るまで売りたくない」と感じることが多いのですが、これはアンカリング効果によるものです。
実際には、現在の価格がその資産の本当の価値を反映している場合もあります。過去の価格に囚われすぎると、冷静な判断ができなくなってしまうことがあるので、注意が必要です。
投資の心得:自分のリスク許容度を見極める
最終的に、投資で成功するためには、自分のリスク許容度を理解することが大切です。
夜に安心して眠れるかどうかを基準にして、自分がどのくらいの損失に耐えられるかを考えると良いでしょう。含み損を抱えて眠れなくなるようであれば、投資金額や投資スタイルを見直す必要があります。
動画の中でも、霊夢が「最近眠れなくなってきた」と悩んでいましたが、これはリスク許容度を超えてしまっているサインです。無理をせず、自分に合った投資をすることが重要です。
結論
投資は長い目で見ることが大切であり、短期的な値動きに一喜一憂しないことが重要です。また、バンドワゴン効果やプロスペクト理論、アンカリング効果などの心理的な影響にも注意し、自分の投資判断をしっかりと持つことが成功への鍵となります。
初心者の方は、まずはインデックス投資などのシンプルな投資方法から始め、長期的な視点でコツコツ積み立てをしていくことを心がけましょう。

知っておきたい専門用語集
- 新NISA:少額投資非課税制度の新しい枠組みで、個人が一定額までの投資で得た利益が非課税になる制度。2024年に新たにスタート。
- 投資信託:複数の投資家から資金を集め、プロの運用者が株式や債券などに分散投資する商品。オールカントリーやS&P500などの代表的なファンドがある。
- 含み損:投資資産の現在価値が購入時の価格を下回っている状態。まだ売却していないため、確定していない損失。
- バンドワゴン効果:多くの人が同じ行動を取ると、それに続こうとする心理的傾向。投資では他者が売ったり買ったりするのに引きずられやすい。
- S&P500:アメリカの代表的な株価指数で、米国の大企業500社の株価を基にした指数。長期的に安定した成長が期待されている。
- プロスペクト理論:利益よりも損失に対して強く反応する人間の心理。損失回避のために誤った判断をしてしまうことがある。
- ドルコスト平均法:定期的に一定額を投資する方法。価格が下がった時に多く買え、上がった時に少なく買えるため、リスク分散効果がある。
- アンカリング効果:最初に見た価格や情報に固執してしまう心理的傾向。過去の価格に引きずられて、現在の状況を冷静に判断できなくなることがある。
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