本記事は、YouTube動画『SBI・読売333インデックスファンドに関する解説動画』の内容を基に構成しています。
SBIアセットマネジメントが2026年4月14日に発表した「SBI・読売333インデックスファンド」が、投資信託の低コスト競争に再び大きな話題を投げかけています。今回のポイントは、単に新しいファンドが出たというだけではありません。新NISAのつみたて投資枠対象でありながら、読売333連動ファンドとして国内最安水準の信託報酬を打ち出してきたことにあります。
これまで日本株インデックスといえば、日経平均株価やTOPIXが中心でした。
しかし、最近ではそれらとは少し異なる特徴を持つ新しい指数にも注目が集まり始めています。その代表格の1つが「読売333」です。今回の動画では、この指数の特徴、既存指数との違い、競合ファンドとの比較、そして新NISAでの活用方法まで、幅広く解説されていました。
この記事では、動画の内容をもとに、読売333とはそもそも何なのか、なぜ今注目されているのか、SBIの新ファンドは本当に魅力的なのかを、初心者にも分かるように順を追って丁寧に整理していきます。
SBI・読売333インデックスファンドが話題になった理由
今回話題になったのは、SBIアセットマネジメントが新たに設定を発表した「SBI・読売333インデックスファンド」です。このファンドは、読売株価指数、通称「読売333」の配当込み指数に連動する運用成果を目指す商品です。
特に注目されたのは、信託報酬率です。動画内では0.132%という水準が紹介されており、国内最安クラスであることが強調されていました。近年のインデックスファンド業界では、SBIやeMAXIS Slimを中心に低コスト競争が激しく続いていますが、今回もSBIがさらに一段低いコストで攻めてきたという印象です。
しかもこのファンドは、新NISAのつみたて投資枠の対象となる指数に連動する商品として、国内初のファンドになると紹介されていました。設定開始後、2026年4月30日からつみたて設定できる見込みとされており、新NISAで日本株の新しい選択肢を探していた人にとっては、かなり気になる存在になりそうです。
従来、新NISAのつみたて投資枠で買える国内株インデックス商品は、日経平均、TOPIX、JPX日経400など比較的限られていました。その中に新たな指数が加わったこと自体が、制度面でも1つの変化といえます。今すぐ大勢が乗り換えるとまでは言えないとしても、来年以降に少しずつ利用者が増えていく可能性は十分ありそうです。
そもそも読売333とは何か
読売333は、読売新聞グループが算出する日本株の新しい株価指数です。正式には「読売株価指数333」と呼ばれています。名前の通り、333銘柄で構成されているのが最大の特徴です。
この指数は、とにかく「3」へのこだわりが強いことで知られています。
採用銘柄数が333社であるだけでなく、初めて銘柄を発表した日が3月3日、しかも発表時刻が午後3時33分だったというユニークなエピソードも紹介されていました。数字の並びに遊び心が感じられる一方で、中身はかなり真面目な設計思想を持った指数です。
最も重要な特徴は、333銘柄に均等ウェイトで投資することです。つまり、1社あたりの比率をできるだけ均等にそろえる設計になっています。これによって、特定の大型株だけの値動きに左右されにくい指数を目指しています。
日本株の代表的な指数である日経平均株価は、値がさ株の影響を強く受けやすい構造があります。動画でも、ファーストリテイリング1社でおよそ11%前後のウェイトを占めていると説明されていました。これは、ユニクロ関連株が大きく動くと指数全体も大きく動きやすいことを意味します。
一方、TOPIXは時価総額加重型なので、トヨタのような大型企業の影響を受けやすい傾向があります。もちろん、これらは市場全体を反映しやすいという意味で合理性もあるのですが、どうしても一部の巨大企業に偏りやすい面があります。
その点、読売333は均等ウェイト型です。大企業だから指数への影響が極端に大きくなるわけではなく、中堅企業や地方企業も含めた幅広い銘柄の値動きが、比較的バランスよく反映される仕組みになっています。
日経平均やTOPIXとの違いはどこにあるのか
この指数の違いを理解するには、まず既存の代表的な指数の特徴を整理すると分かりやすいです。
日経平均株価は225銘柄で構成され、価格加重平均型です。株価そのものが高い銘柄の影響が大きく出ます。そのため、値がさ株が上がれば指数が強く押し上げられ、逆に値がさ株が下がれば指数も大きく下落しやすくなります。半導体やハイテク関連の比率が大きくなりやすい局面では、テーマ性の影響も受けやすくなります。
TOPIXは東証全体を反映する性格が強く、より分散された指数と見られやすいですが、時価総額の大きい企業のウェイトが高くなるため、結局は大型株主導になりやすい面があります。日本市場全体の平均的な動きを捉えるには便利ですが、超大型株の影響を完全に避けることはできません。
これに対して読売333は、333銘柄を均等に持つという考え方です。言い換えれば、ある1社が突出して指数全体を引っ張る構造を避けたいという発想です。
たとえば、ある銘柄が短期間で大きく上昇すると、時間の経過とともにその銘柄のウェイトは本来の均等状態から上振れします。しかし読売333では、年4回のリバランスでその偏りを元に戻します。上がりすぎた銘柄は比率を下げ、下がった銘柄は比率を引き上げるわけです。
この仕組みは、見方を変えれば逆張り的です。高くなったものを少し売り、安くなったものを少し買うという行動が自動的に行われます。モメンタムが強い局面では不利になる場合もありますが、一部銘柄への過熱を抑えながらバランスを取りたい投資家には魅力になり得ます。
読売333のリバランスの考え方
読売333を理解する上で、年4回のリバランスは非常に重要です。リバランスとは、時間の経過で崩れた構成比率を元の基準に戻す作業のことです。
たとえば、全銘柄が0.3%前後で始まったとしても、よく上がった銘柄は0.4%程度まで膨らみ、逆に下がった銘柄は0.2%程度に縮むことがあります。このまま放置すれば、次第に勝ち組銘柄の比率が高まり、均等ウェイトではなくなってしまいます。
そこで、リバランスのタイミングになると、0.4%になった銘柄を少し売却し、0.2%に下がった銘柄を買い増して、再び0.3%前後にそろえていくのです。こうした調整は、安く買って高く売るという値動きに対して自然に逆張りする形になります。
この特徴は、日経平均やTOPIXと比べたときの性格の違いとして非常に大きいです。上昇トレンドに強く乗り続けるタイプの指数ではなく、過熱や偏りを和らげながら運用していくタイプと考えた方が分かりやすいでしょう。
そのため、半導体やAIなど一部の人気セクターが極端に買われる局面では、日経平均より物足りない成績になることもあり得ます。一方で、特定テーマの反動が大きく出る局面では、読売333の方が安定しやすい可能性があります。
読売333の採用銘柄にはどんな特徴があるのか
もう1つ面白いのは、採用対象となるユニバースです。日経平均は主に東証プライム市場の上場銘柄から選定されます。TOPIXも東証市場の上場企業が中心になります。
しかし読売333は、国内の金融商品取引所上場銘柄を対象にしているため、東京証券取引所以外の銘柄も対象になり得ます。動画では、地方取引所に上場する企業など、日経平均には採用されていない比較的マニアックな企業も含まれていると説明されていました。
紹介されていた資料では、東京が64%、地方が36%という比率も出ており、地方企業が一定程度組み込まれている点は、読売333の個性の1つといえます。日本株の成長を東京の超大型株だけではなく、より広く分散して取り込みたいという発想に近いでしょう。
もちろん、日経225との重複銘柄数は200銘柄台とされており、完全に別物というわけではありません。実際にはかなりの部分で重なっています。ただし、同じ銘柄を含んでいても、ウェイトの置き方が違えば値動きの性格は変わります。
つまり、「日経平均とほぼ同じ日本株インデックスではあるが、値動きの癖はかなり異なる可能性がある」という理解が適切です。まったく新しい市場に投資するのではなく、日本株への向き合い方を変える商品と考えると分かりやすいです。
過去の成績から見える読売333の特徴
動画では、読売333の過去の成績についても触れられていました。2000年1月末を100とした比較では、日経平均やTOPIXを上回る結果になっていたと紹介されています。もちろん、こうしたバックテストや過去データは将来の成績を保証するものではありませんが、設計思想がある程度機能してきた可能性を示す材料にはなります。
特に興味深いのは、局面によって強みと弱みがはっきり出る点です。2024年のように海外株高や大型株主導で日本株が上がる局面では、読売333は日経平均に比べてやや弱かったとされていました。これは、勢いのある大型株に比重を寄せない均等ウェイト型ゆえの弱点ともいえます。
一方で、2025年1月の「ディープショック」と動画内で表現されていた局面では、半導体関連の影響を強く受ける日経平均が大きく下げたのに対し、読売333は横ばいどころかプラスだったという説明がありました。特定セクターへの依存度が低いことが、下落耐性につながった形です。
これは、投資家にとって重要な示唆を含んでいます。日本株に投資したいが、最近の日経平均は半導体や値がさ株への偏りが気になるという人には、読売333は代替候補になり得ます。逆に、日本の強いテーマ株に積極的に乗りたい人には、日経平均の方が合っているかもしれません。
つまり、どちらが絶対に優れているという話ではなく、自分が何を重視するかで選ぶべきだということです。
読売333連動ファンドの競合商品を比較する
今回登場したSBI・読売333インデックスファンドには、すでに競合が存在します。動画では、同指数に連動する主な商品として、eMAXIS Slim、たわらノーロード、三菱UFJ系の対面販売向け投信、ETF、そして今回のSBIファンドが挙げられていました。
投資信託という観点では、主に比較対象となるのはeMAXIS Slim、たわらノーロード、そしてSBIの3本です。
信託報酬率は、eMAXIS Slimが0.143%、たわらノーロードが0.14278%、そして今回のSBIが0.132%と説明されていました。数字だけ見ると差はわずかですが、長期で積み立てる投資信託では、このわずかな差が積み重なることもあります。
特に近年は、低コストファンド同士の比較では数百万円、数千万円の運用額になったときにコスト差が無視できなくなるケースもあります。たとえば1000万円を長期保有した場合、年0.01%の差でも年間1000円の違いになります。これ自体は大きすぎる額ではないものの、20年、30年と続けば差は拡大します。
ただし、信託報酬だけで即断するのはやや危険です。ファンドの純資産残高、実際の運用コスト、売買に伴う隠れコスト、将来的な繰上償還リスクなども考える必要があります。新しいファンドは信託報酬が安くても、資金が集まらなければ実質コスト面で不利になることもあります。
そのため、単純に最安だから必ず最良とは言い切れませんが、少なくともSBIが価格競争でかなり攻めてきたことは間違いありません。
SBI証券と楽天証券で選び方は変わるのか
動画では、証券会社ごとの使い分けについても触れられていました。これは実際の投資判断ではかなり重要です。
まず、ETFはリアルタイムで売買したい人や、配当金を分配金として受け取りたい人に向いています。株式のように市場で売買できるため、価格変動を見ながら取引したい人には便利です。一方で、つみたて設定のしやすさや自動積立の気軽さでは、投資信託の方が優れています。
楽天証券を使っている人については、動画では「SBIのファンドはおそらく楽天では採用されないだろう」という見通しが語られていました。そのため、楽天ユーザーで読売333に低コストで投資したい場合は、たわらノーロードが候補になりそうだとされています。
一方で、SBI証券を使っている人にとっては、今回のSBI・読売333インデックスファンドはかなり有力な選択肢です。なぜなら、SBI証券には投信マイレージという保有残高に応じてポイントが付与される仕組みがあるからです。
動画では、eMAXIS Slimのポイント付与率が現状0.05%であることが紹介されていました。そして、SBIアセットマネジメントの今回のファンドについても、販売会社取り分が0.05%であるため、もしこれがそのまま投信マイレージとして還元されるなら、実質的なコスト面も含めて最安になる可能性があるという見方が示されていました。
現時点では確定情報ではないとしつつも、SBI証券ユーザーにとっては注目すべきポイントです。信託報酬だけでなく、ポイント還元まで含めると実質コストがさらに下がる場合があるからです。
読売333は新NISAのつみたて投資枠でどう使うべきか
今回の動画で特に印象的だったのは、新NISAでの使い方に関する視点です。読売333は2026年4月1日に新NISAのつみたて投資枠対象指数となりました。これは、今後の個人投資家の選択肢が少し広がることを意味しています。
これまで新NISAのつみたて投資枠では、全世界株式やS&P500など海外資産への積立に人気が集中しやすく、日本株のつみたて対象については比較的選択肢が限定的でした。その中で、日経平均でもTOPIXでもない新しい国内株インデックスが加わったことは、小さくない変化です。
特定の大型株に偏りすぎる日本株指数に不安を感じている人にとって、読売333は新しい受け皿になりそうです。特に、半導体関連の比重が高まりやすい日経平均に対して、より均等に分散された日本株指数を探していた人には相性が良いかもしれません。
ただし、注意点もあります。動画でも触れられていた通り、運用の歴史がまだ短いこと、今後どれだけ資金が集まるか分からないこと、純資産総額が十分に伸びなければ隠れコストがにじむ可能性があることなどは、しっかり理解しておく必要があります。
新しい指数や新しいファンドは魅力的に見えやすい反面、実際の運用実績が積み上がるまでは見えない部分もあります。信託報酬の安さだけを見て飛びつくのではなく、自分の資産配分の中でどの程度の位置づけにするかを考えることが大切です。
もう1つの新NISA対象指数「JPXプライム150」にも注目
動画では、読売333と同じく2026年4月1日に新NISAつみたて投資枠の対象となった「JPXプライム150指数」にも触れられていました。こちらも、日本株の新しい指数として注目されている存在です。
JPXプライム150は、ROEとPBRの両面から選ばれた、いわば資本効率や企業価値創造を重視する銘柄群で構成される指数です。動画では、価値創造が推定される企業群というイメージで紹介されていました。収益性や成長性の面ではTOPIXを上回る数値もある一方で、株価パフォーマンスは思ったほど伸びていないという説明もありました。
これは近年の日本株市場が、もともと優秀だった企業よりも、PBR1倍割れなど改善余地の大きい企業への見直し相場になっていたことも背景にあると考えられます。つまり、企業の質が高いことと、短期的に株価が強いことは必ずしも一致しないということです。
新NISAのつみたて投資枠で日本株を考える際には、読売333のような均等ウェイト型と、JPXプライム150のような質重視型という、異なる切り口の指数が増えてきたことになります。これまで以上に、投資家自身が「どの日本株に投資したいのか」を考える時代に入ってきたとも言えそうです。
SBI・読売333インデックスファンドはどんな人に向いているか
ここまでの内容を踏まえると、このファンドは次のような考えを持つ人に向いているといえます。
まず、日本株には投資したいが、日経平均のように一部の値がさ株や半導体株に偏るのは少し気になるという人です。読売333は均等ウェイト型なので、そうした偏りをある程度和らげる効果が期待できます。
次に、SBI証券を使っていて、できるだけ低コストで新NISAのつみたて投資枠を活用したい人です。信託報酬の低さに加えて、投信マイレージまで含めると実質負担がさらに軽くなる可能性があります。
また、指数の設計思想として、年4回のリバランスによる逆張り的な性格に魅力を感じる人にも向いています。勢いの強い銘柄に乗り続けるより、バランスよく組み替えながら日本株全体に広く投資したいという考え方です。
一方で、短期で大きな値上がりを期待してテーマ株や大型ハイテク株に集中したい人、日経平均の強い局面をしっかり取りたい人には、物足りなく感じる可能性もあります。あくまで、「日本株の偏りを減らしながら、幅広く積み立てたい人向け」の商品と考えるのが自然です。
まとめ
今回の動画では、SBIアセットマネジメントが新たに設定する「SBI・読売333インデックスファンド」について、かなり分かりやすく整理されていました。最大の注目点は、新NISAのつみたて投資枠対象でありながら、読売333連動ファンドとして国内最安クラスの信託報酬0.132%を打ち出したことです。
読売333という指数自体も、日本株333銘柄に均等ウェイトで投資するというユニークな特徴を持っています。日経平均のように値がさ株へ偏りすぎず、TOPIXのように超大型株へ寄りすぎない、その中間というよりも別の発想で設計された指数です。年4回のリバランスによって、上がった銘柄を少し減らし、下がった銘柄を少し増やす逆張り的な性格も持っています。
そのため、半導体や一部大型株の影響が強すぎる日本株指数に違和感を持っていた人にとっては、かなり面白い選択肢になりそうです。特にSBI証券ユーザーにとっては、投信マイレージまで含めた実質コスト面でも期待が持てます。
ただし、運用の歴史が短いことや、今後の資金流入次第では隠れコストが出る可能性があることなど、新しいファンドならではの注意点もあります。信託報酬の安さだけで判断するのではなく、自分が日本株に何を求めるのか、日経平均やTOPIXとどう違うのかを理解したうえで選ぶことが大切です。
日本株インデックスの選択肢は、これから少しずつ広がっていくかもしれません。その中で読売333は、2027年以降の新NISA戦略を考えるうえでも、十分に候補に入ってくる存在になりそうです。


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