仕組債は悪者か!?基本情報から儲けのカラクリまで元証券マンが解説!!

「円建てなのに高金利が得られる金融商品がある」という噂を聞いたことがある方はいないでしょうか。

通常ではあり得ないような金利が得られるような金融商品は確かに存在します。
その多くが「仕組み債」と言われるものです。

そこで今回は、「仕組み債」と呼ばれる金融商品について、初心者にもわかりやすく解説た動画をご紹介します。

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目次

仕組債とは?基本的な特徴を押さえよう

仕組債は、名前の通り、特定の仕組みを使った債券(借金の証書)で、高金利を狙える一方でハイリスクな商品です。

特に、大口投資家向けにはオーダーメイドで作成されることが多く、デリバティブ(金融派生商品)を組み込んでいます。

デリバティブとは何か?それは、金融市場でよく使われる複雑な商品であり、詳しくは後ほど説明しますが、まずは仕組債の基本を理解しましょう。

仕組債にはいくつか種類がありますが、代表的なものに「リンク債」と「EB債」があります。

リンク債は日経平均株価などの株価指数に連動し、EB債は個別企業の株価に連動します。例えば、「トヨタ株に連動する仕組債」という商品名が付いていたりします。

実際の例で仕組債を理解しよう

仕組債がどのように動くかを、過去の事例を参考に説明します。ここでは、キーエンスという企業の株を使った仕組債を例に取り上げます。

この仕組債は、半年間で年利5%が得られるものです。

つまり、半年間で約2.5%の利息が受け取れる計算です。しかし、この間にキーエンスの株価がスタート時点から5%以上値上がりした場合、その時点で満額返済され、契約が終了する可能性があります。

一方で、株価がスタート時点の80%以下に下がると、元本割れのリスクが生じます。

例えば、スタート時点で100万円を投資し、その後株価が50%にまで下がった場合、最終的に返ってくるのは50万円だけです。

逆に株価が値上がりしていれば、元本と利息がそのまま戻ってきますが、それ以上の利益は得られません。

リスク管理のポイント

仕組債のリスクを理解する上で重要なのは、「ノックイン」と「ノックアウト」という概念です。

  • ノックイン価格: 株価がスタート時点の80%以下になった場合にリスクが顕在化します。
  • ノックアウト価格: 株価がスタート時点から5%以上値上がりした場合に、満額返済され契約が終了します。

これらの価格を理解しておくことが、リスクを管理する上で非常に重要です。

仕組債が抱える問題点

最近、仕組債が問題視されることが増えています。その理由は、証券マンの勧誘方法や高額な手数料にあります。仕組債自体に問題があるわけではなく、適切に理解していればリスクを管理することが可能です。

しかし、特に高齢者や投資経験の浅い人々に対して、複雑な仕組債が勧められ、その結果、大きな損失を被るケースが増えています。仕組債を購入する際には、必ず自分で商品内容をしっかり理解し、リスクを把握してから判断することが重要です。

仕組債の仕組み:デリバティブとオプション取引

仕組債の高金利の裏には、「プットの売り」というオプション取引が隠れています。これは、株価が一定の価格を下回った場合、その株を決められた価格で買い取る権利を売ることで成り立っています。

例えば、AさんがBさんに「半年後に株価が8000円以下になる」と予想し、8000円で売る権利を購入します。

その後、株価が6000円に下がった場合、Bさんは8000円でその株を買わなければならず、結果的に損失を被ります。これが仕組債の元になるオプション取引の基本です。

まとめ:仕組債を理解して賢く投資しよう

仕組債は高金利を狙える反面、ハイリスクな商品です。

そのため、購入する際には自分でしっかりと商品内容を理解し、リスクを把握することが求められます。また、証券マンの言葉を鵜呑みにせず、自分で相場観を磨き、適切な判断をすることが重要です。

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知っておいてほしい専門用語集

  • 仕組債(しきみさい):特定の仕組みを使った債券。高金利を狙えるが、ハイリスクな商品。
  • デリバティブ:金融派生商品。仕組債にはこのデリバティブが組み込まれている。
  • リンク債:日経平均株価などの株価指数に連動する仕組債の一種。
  • EB債:エクイティボンドの略。個別企業の株価に連動する仕組債。
  • ノックイン価格:株価が一定の価格を下回った場合に、リスクが顕在化する価格。
  • ノックアウト価格:株価が一定の価格を上回った場合に、満額返済される価格。
  • プットの売り:株価が一定価格を下回ったときに、その株を決められた価格で買い取る権利を売ること。
  • 権利行使価格:プットの売りで、株を売買する際に決められた価格。
  • プレミアム:プットの売りで、権利を売るために受け取る金額。
  • オプション取引:株価の変動に対応して、特定の権利を売買する取引。
  • ボラティリティ:株価の変動幅が大きいほど、プレミアムが多くなる指標。
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