イラン戦争はもう終わったのか?ホルムズ海峡と株価、インフレの行方をわかりやすく解説

本記事は、YouTube動画『イラン戦争はもう終わったのか?ホルムズ海峡と株価、インフレの行方を考える』の内容を基に構成しています。

目次

導入

足元の相場では、中東情勢をめぐる緊張が一時ほど強く意識されなくなってきています。

少し前までは、イラン情勢やホルムズ海峡の封鎖懸念が日本株や米国株を大きく揺らす材料として扱われていました。しかし、実際の値動きを見ると、日経平均は再び高値圏に戻り、米国株も強い動きを見せています。

そこで気になるのが、「イラン戦争はもう終わったと見ていいのか」「ホルムズ海峡は実際どうなっているのか」「なぜ戦争懸念があるのに株価は上がるのか」という点です。

本動画では、こうした疑問を起点に、中東情勢の足元の整理だけでなく、インフレ、企業の値上げ、株式投資の考え方にまで踏み込んで議論が展開されていました。

結論からいえば、この動画で語られていたのは、軍事的・外交的な意味で完全に問題が解決したとは言えない一方で、株式市場の視点ではイラン戦争は「ほぼ材料として消化されつつある」という見方です。

そして、その先にある本当の論点は、戦争そのものよりも、むしろインフレの定着と、値上げできる企業・できない企業の差が拡大していくことにある、という非常に示唆に富んだ内容でした。

なぜ「戦争が終わったのか」が話題になったのか

今回の議論の出発点になっていたのは、停戦交渉をめぐる期限の扱いでした。当初、2週間の停戦交渉期限が設定され、その期限までにまともな合意ができるのか、それとも延長されるのかが注目されていました。

ところが、期限が来たにもかかわらず、目立った直接交渉は進まず、決定的な合意も形成されませんでした。

それにもかかわらず、トランプ大統領が一方的に「交渉期限の延長」を宣言し、しかも明確な締め切りを示さず、「必要なだけ延長する」という、事実上の無期限延長に近い形を打ち出したことで、いったん市場は安心した形になりました。

ここで重要なのは、交渉が本当に前進したのかどうかと、市場がどう受け止めたかは別だということです。

動画内でも、イラン側は延長を求めていないとの報道があるうえ、ホルムズ海峡ではイラン側だけでなく、アメリカ側も海軍を展開して封鎖に関与しているとされており、状況そのものは決して明快ではありません。つまり、地政学的にはまだ不透明感が残っているのに、市場は「最悪期は過ぎた」と判断し始めているわけです。

このズレこそが、今回の相場の面白いところであり、同時に難しいところでもあります。実体としてはまだ火種が残っているのに、株価は先に「もうこの話は大きな悪材料ではない」と織り込みにいっている。

その意味で、戦争が完全に終わったかどうかよりも、「市場参加者がこの話題に飽き始めている」という事実の方が、相場にとっては重要になっているのです。

ホルムズ海峡はどうなっているのか

動画の中でも特に興味深かったのが、「結局ホルムズ海峡は通れているのか」という問いでした。

これは非常に本質的な論点です。なぜなら、今回の中東情勢で最も経済的インパクトが大きいのは、爆撃そのものではなく、ホルムズ海峡の物流機能がどの程度損なわれるかだからです。

ホルムズ海峡が重要なのは、単に原油が通るからだけではありません。

原油、天然ガス、石油化学製品、肥料原料など、世界経済を支える多くの資源がこの海峡を経由して動いています。日本、中国、韓国、台湾、東南アジア諸国はもちろん、アメリカも間接的には無傷ではいられません。

たとえば台湾の半導体生産を考えても、火力発電に必要なエネルギーが止まれば、生産体制そのものに影響が出ます。現代の経済は、どこか1つの物流ルートが詰まるだけで広範囲に影響が波及する構造になっています。

動画では、この状況を「サウナの我慢比べ」にたとえていたのが印象的でした。

今までは西側諸国だけが暑さに苦しんでいたものが、アメリカ海軍も関与し、イラン側の船にも制約が及ぶことで、双方が同じサウナに入って我慢比べをしているような状態だ、というわけです。

ただし、そうした緊張状態が長く続くことは、お互いにとって利益になりません。だからこそ、表向きには強硬姿勢を維持しながらも、水面下では少しずつ温度を下げ、一般の注目が薄れた頃に、徐々に通行が正常化していくのではないか、という見方が語られていました。

この見立ては非常に現実的です。国際政治では、面子を保つ必要があるため、突然「もうやめます」とは言いにくい場面が多くあります。

しかし、経済合理性を考えれば、ずっと封鎖状態を続けるのは双方にとって負担が大きすぎます。だから、はっきりした勝敗や終戦宣言がなくても、実務的には徐々に緊張がほどけていく、というケースは十分あり得るわけです。

なぜ株価は下がらないのか

この動画の中心テーマの1つは、「戦争が続いているのに、なぜ株価は強いのか」という点でした。普通に考えれば、戦争や海峡封鎖は悪材料です。原油高や物流停滞、企業業績の下振れなどが連想されるため、株価が下がってもおかしくありません。

しかし現実には、日経平均は6万円目前まで上昇し、米国株も史上高値圏にあります。

この背景について、動画では「相場はもうこの話を大きな悪材料とは見ていない」という見方が示されていました。

つまり、最悪シナリオとして想定されていたホルムズ海峡の長期封鎖や、全面戦争への拡大が起きない限り、市場はこのテーマをいったん通過したものとして扱い始めているということです。

もちろん、リスクが完全に消えたわけではありません。

もし本気で石油施設や発電施設への攻撃が激化すれば、原油価格が再び急騰し、株価に強い下押し圧力がかかる可能性はあります。動画でも、その確率は0ではないとされていました。

ただし、その可能性は以前よりかなり低下しており、感覚的には10%から20%程度ではないか、というニュアンスで語られていました。

ここで大事なのは、「戦争はまだ続いているかもしれないが、株価を大きく動かす材料としての力は弱くなっている」という認識です。

相場は常に未来を先回りして動きます。一般の人がまだ不安に感じている段階で、マーケットはすでにその先の「戦後処理」や「値上げ」「企業収益」まで見始めていることがあるのです。

戦争より重要なのは「値上げできる企業」が強くなること

この動画で特に重要だったのは、戦争や原油高の議論が、最終的に「企業は値上げしやすくなった」という話につながっていた点です。これは株式投資を考えるうえで非常に大切な視点です。

一般に、原材料価格や物流コストが上がると企業には逆風です。

しかし、それはあくまで短期の話です。中長期で見ると、今回のような地政学的ショックは、社会全体に「値上げは仕方がない」という空気を広げます。すると、本来なら価格改定に慎重だった企業まで値上げしやすくなります。そして、値上げしても顧客が離れない企業ほど、利益率を維持、あるいは拡大しやすくなるのです。

動画では、これをとてもわかりやすく説明していました。たとえば同じ外食でも、値上げしたときに客が逃げる店と、多少高くなっても客が来続ける店があります。同じ自動車でも、値上げしてもブランド力で売れる車種と、価格に敏感で買い控えが起きやすい車種があります。

この違いこそが、インフレ時代の勝ち組企業と負け組企業を分けるというわけです。

つまり、これからの投資で重要なのは、「景気がいいか悪いか」だけではありません。

「値上げできるか」「値上げしても買われるか」「ブランド力や販売力があるか」という点が、ますます重要になります。逆に、価格競争に巻き込まれやすい企業や、安さだけを売りにしていた企業は、コスト上昇局面で苦しくなりやすいということです。

インフレ時代に個人が取るべき行動とは何か

動画の後半では、「結局、個人はどう身を守ればいいのか」という話にも踏み込んでいました。ここで示されていた結論は、非常にシンプルです。インフレから身を守るには、株を持つしかない、ということです。

もちろん、給料を上げる、転職する、副業をする、不動産を持つ、金や暗号資産を保有するといった選択肢もあります。ただ、誰でもすぐ実行できる方法として最も現実的なのは、株式への投資です。特に、値上げの恩恵を受けやすい企業や、広く経済成長を取り込めるインデックスへの積立投資が有力な手段として語られていました。

この点で印象的だったのは、「値上げしてきて腹が立つ会社の株を買えばいい」という発想です。

たしかに、インフレ局面では、私たちは日常生活で多くの値上げに直面します。食費、家賃、外食、日用品、交通費と、あらゆるものが高くなります。しかし、もしその値上げを行っている企業の株主でもあれば、その一部は利益として自分に返ってくる可能性があります。これはインフレ時代の重要な考え方です。

一方で、個別株の選別に自信がない人に対しては、無理に個別株に手を出す必要はないとも語られていました。

むしろ、新NISAなどを通じて、日経平均やTOPIX、S&P500などのインデックスをコツコツ積み立てていく方が、結局は一番合理的ではないかという見方です。派手さはありませんが、長期で見ればこれが最も強い、というメッセージは非常に一貫していました。

「株はもう下がらない」の本当の意味

動画の中では、朝倉慶氏の相場観にも話が及んでいました。ここで強調されていたのは、「株はもう下がらない」という言葉を、そのまま額面通りに受け取ってはいけない、という点です。

この表現は、一見すると「株価は一直線に上がり続ける」と言っているように見えます。しかし、実際にはそうではありません。長期では上がる可能性が高いとしても、その途中では20%、場合によっては30%程度の下落は十分あり得る。つまり、方向感としては強気でも、道のりは非常に荒いということです。

これは投資初心者にとってとても大事な視点です。長期的に上がると聞くと、信用取引やレバレッジを使って大きく勝負したくなる人も出てきます。しかし、もし途中で大きな調整が入れば、レバレッジをかけた人ほど退場しやすくなります。動画でも、若い頃に信用取引で何連勝しても、最後の1回の大負けで全部吐き出してしまうという、相場の怖さが語られていました。

だからこそ、結局たどり着くのは「固定額の積立が強い」という結論です。ボラティリティが大きいからこそ、毎月一定額を買い続けるドルコスト平均法が有効になります。これは一見地味ですが、上下動の激しい相場で最も再現性の高い戦い方だと言えるでしょう。

インフレは私たちの生活のどこに表れているのか

動画の終盤では、インフレがどれだけ日常生活に浸透しているかという話が、非常に具体的な例を交えて語られていました。これがまた興味深い内容でした。

たとえば、コンビニのおにぎりです。以前は110円台や120円台で買えたものが、今では170円や180円に近づいている商品も珍しくありません。これは数年で見ればかなり大きな上昇率です。ラーメンも同様で、以前は900円前後だったものが、今や1000円超え、場合によっては1300円でも普通に客が入る時代になっています。

こうした現象は、単なる値上げ以上の意味を持っています。つまり、日本社会全体が「高くなっても買う」ことに少しずつ慣れてきているのです。これはデフレ時代には見られなかった変化です。安ければ正義、値上げは悪という時代から、品質やブランド力があれば高くても買われる時代へ、ゆっくりと空気が変わってきています。

この変化は家賃にも及ぶ可能性があります。家賃は契約更新のタイミングがあるため、物価に比べると動きが遅いですが、その分これから本格的に上がる可能性もあります。不動産関連やREITのような資産にも注目が集まる背景には、こうした事情があります。

要するに、インフレはもう一部の資源価格の話ではなく、私たちの生活そのものに深く入り込んでいるのです。そして、生活実感としてそれを強く感じる人ほど、「現金のままではまずい」「何らかの形で資産を持たなければならない」と考えるようになります。この意識の変化もまた、相場を支える大きな要因になっているのでしょう。

まとめ

今回の動画では、「イラン戦争はもう終わったのか」という疑問から出発しながら、最終的には株式市場、インフレ、企業の値上げ力、個人の資産防衛にまで話が広がっていきました。

ポイントを整理すると、まず軍事的・外交的には完全終結とは言えないものの、市場はすでにイラン情勢を「大きな悪材料ではなくなりつつあるもの」として扱い始めているということです。ホルムズ海峡の問題も依然として重要ではありますが、全面的な長期封鎖が続く可能性は以前より低く見られており、市場の関心は次第に薄れつつあります。

その一方で、本当に重要なのは、こうした地政学リスクが社会全体の値上げ容認ムードを強め、値上げできる企業がさらに強くなるという構造変化です。つまり、戦争そのものよりも、その後に残るインフレと企業収益の変化の方が、長期の投資判断には大きな意味を持つということです。

そして個人にできる対策としては、結局、株式を中心とした資産保有が重要になります。短期の値動きに振り回されるのではなく、インフレ時代に利益を伸ばせる企業、あるいは市場全体の成長を取り込めるインデックスに、時間をかけて積み立てていくことが王道だというメッセージは非常に説得力がありました。

戦争が終わったかどうかを完全に断定するのは難しいかもしれません。しかし、少なくとも株式市場は、すでにその先を見始めています。これから投資を考えるうえでは、「不安材料があるかどうか」だけでなく、「その不安の先で、誰が値上げでき、誰が利益を取れるのか」という視点を持つことが、ますます重要になっていきそうです。

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