5月相場は本当に「セルインメイ」なのか?株式・金利・ドル円・ゴールド・原油・農産物まで徹底解説

本記事は、YouTube動画『5月相場は本当にセルインメイなのか?シーズナリティと投資戦略を解説』の内容を基に構成しています。

目次

導入

5月の相場格言として、投資家の間で非常に有名なのが「セルインメイ」です。日本語にすると「5月に売れ」という意味で、株式市場では昔からよく知られている言葉です。

この格言は、5月以降の株式市場はリターンが低くなりやすく、相場の流れが変わりやすいという過去の経験則に基づいています。特に、5月から10月までの半年間は、11月から4月までの半年間と比べて相場が弱くなりやすいとされてきました。

しかし、動画では「本当に今もセルインメイでいいのか」という点が大きなテーマになっています。過去の長期統計では確かに5月から10月は弱い傾向がある一方で、近年のデータを見ると、必ずしも5月に株価が下がっているわけではありません。むしろ、2013年から2025年までの5月相場では、下落した年は2019年の1回だけだったという興味深いデータも紹介されています。

つまり、昔からの相場格言をそのまま信じるだけでは、現在の相場を正しく見ることが難しくなっている可能性があります。

5月相場と「セルインメイ」の基本的な考え方

「セルインメイ」は、投資の世界では非常に有名な格言です。5月になるとボラティリティが高まり、株式市場のトレンドが変化しやすいという考え方から生まれたものです。

過去の統計を見ると、たしかに5月から10月までの期間は、他の半年間と比べてリターンが低くなりやすい傾向があります。半年ごとのリターンを比較すると、もっとも弱いのが5月から10月、もっとも強いのが11月から4月という傾向が出やすいとされています。

このため、昔からの統計だけを見れば、「セルインメイ」は今でも正しいように見えます。

ただし、動画ではここに注意点が加えられています。近年は、5月にむしろ上昇している年が多くなっているという点です。特に米国株では、金融政策や金利動向、企業決算、ハイテク株の業績などによって相場の方向性が大きく左右されるため、単純に「5月だから売る」と判断するのは危険だと説明されています。

近年は「5月に売れ」が通用しにくくなっている

動画で特に重要なポイントとして紹介されていたのが、2013年から2025年までの5月相場のデータです。

この期間において、5月に下落したのは2019年の1回だけだったとされています。つまり、「5月は下がりやすい」という昔からのイメージに反して、近年は5月相場が意外と強いということです。

もちろん、今年も必ず上がるという意味ではありません。しかし、少なくとも「5月だから自動的に売り」と考えるのは、近年の相場環境には合わない可能性があります。

現在の相場では、FRBの金融政策、米国金利、企業決算、中東情勢、原油価格、ドル円相場など、複数の材料が絡み合っています。そのため、季節性だけで判断するのではなく、その時点のマクロ環境を重視する必要があります。

米国株は上昇トレンドなら継続、弱ければ5月も弱い

米国株については、動画内で「上昇トレンドなら続く可能性がある」と説明されています。

5月は決算シーズンの影響も大きい時期です。特に米国市場では、ハイテク株の決算が相場全体に与える影響が非常に大きくなっています。ナスダックやS&P500の中でも、AI関連株、半導体株、大型テック株の比重が高いため、これらの企業の決算内容によって相場の雰囲気が一気に変わることがあります。

4月まで相場が強かった場合、5月に一度利益確定売りが出ることはあります。しかし、決算内容が良好で、金利上昇も限定的であれば、上昇トレンドが続く可能性もあります。

一方で、4月まで相場が弱かった場合は、5月もその弱さを引き継ぐ可能性があります。つまり、5月だから売るというよりも、相場がすでに強いのか弱いのかを確認することが重要です。

日本株は決算と海外投資家の資金流入がカギ

日本株については、5月が決算シーズンのピークになる点が重要です。

企業が発表する今期の業績見通し、いわゆるガイダンスによって、株価の方向性が大きく変わる可能性があります。決算内容が市場予想を上回れば買われやすくなりますし、反対に保守的な見通しや減益予想が出れば売られやすくなります。

また、日本株は米国株の影響を強く受けます。特に日経平均株価は半導体関連株やハイテク株の影響が大きいため、ナスダックや米国半導体株が下落すると、日本株も連動して下がりやすくなります。

一方で、海外投資家の資金が日本株に流入している年は、5月であっても日本株は強くなりやすいと説明されています。実際に、海外勢の買いが入っている局面では、「セルインメイ」とは逆に日本株が上昇する可能性もあります。

ただし、日経平均全体というよりは、個別株ごとの選別相場になる可能性もあるため、決算内容を丁寧に確認する必要があります。

金利は5月に上がりやすく、株式市場にも影響する

動画では、5月相場を見るうえで金利は非常に重要だと説明されています。

春の時期は債券価格が弱くなりやすい傾向があり、債券価格が下がると利回り、つまり金利は上がりやすくなります。株式市場がリスクオンになり、投資家の資金が債券から株式へ向かうと、債券は売られ、金利が上昇しやすくなります。

金利上昇は、特にハイテク株やグロース株にとって重荷になりやすい材料です。将来の成長期待で買われている企業ほど、金利上昇によって理論上の企業価値が下がりやすくなるからです。

そのため、株式市場が強いからといって安心しすぎるのではなく、金利がどの程度のスピードで上がっているのかを見る必要があります。金利上昇がゆるやかであれば株式市場は耐えられる可能性がありますが、急激な金利上昇になると、特にナスダックや半導体株には大きな影響が出る可能性があります。

ドル円は上昇バイアスがあっても戻り売りの可能性

為替については、ドル円とユーロドルが取り上げられていました。

ドル円は、過去の季節性だけを見ると4月から5月にかけてドル高・円安方向に動きやすい面があります。しかし、今回は160円近辺まで円安が進み、日本政府・日銀による為替介入も意識される状況になっています。

そのため、過去のパターンどおりに円安が進むとは限らないと説明されています。

動画内では、当初はドル円を上昇トレンドとして見ていたものの、戦略的にはむしろ戻り売りなのかもしれないという見方も示されています。つまり、ドル円が上昇した場面では、さらに追いかけて買うよりも、上値の重さを確認しながら売りを考える局面もあり得るということです。

ただし、ドル円が明確な下落トレンドに入っているわけではないため、判断は難しいとされています。160円以上は介入警戒で上がりにくい一方、大きく円高方向に崩れる材料も限定的という、非常に悩ましい相場環境です。

ユーロドルはドル優勢になりやすいが、リスクオンでは逆転もある

ユーロドルについては、過去の季節性ではドルが優勢になりやすい傾向があると説明されています。

欧州景気に不安が出てくるとユーロは売られやすくなり、結果としてドル高・ユーロ安になりやすいという流れです。

ただし、中東情勢などのリスクが改善し、市場がリスクオンに傾いた場合は、現在安全資産として買われているドルが売られる可能性もあります。その場合、ユーロドルは逆に上昇する可能性があります。

つまり、ユーロドルについても、単純に季節性だけでドル買いと決めつけるのではなく、リスクオンかリスクオフかを見極める必要があります。

ゴールドは5月から6月にかけて調整しやすい

ゴールドについては、春から初夏にかけて弱くなりやすい傾向があると説明されています。特に6月は、ゴールドにとって最も弱い月の1つとされています。

その理由の1つが、金利上昇です。ゴールドは利息を生まない資産なので、金利が上がると相対的な魅力が低下しやすくなります。米国金利が上がる局面では、ゴールドを積極的に買いづらくなるということです。

また、5月は宝飾品需要の季節的な端境期に入りやすく、実需面でも強い買いが入りづらいとされています。そのため、5月はゴールドが調整しやすい時期だというのが一般的な見方です。

ただし、ドル安が進む場合は話が変わります。ドル安になると、ドル建てで取引されるゴールドは買われやすくなるため、金利や地政学リスクとの兼ね合いを見ながら判断する必要があります。

動画では、ゴールドは買い急ぐよりも、押し目を待ってしっかり拾っていく姿勢が大事だと説明されています。

原油はドライブシーズン入りで上昇バイアスがかかりやすい

原油については、5月以降に上昇バイアスがかかりやすいと説明されています。

米国では、5月の第4月曜日にあたるメモリアルデーを境に、本格的なドライブシーズンに入るとされています。旅行や移動が増えることでガソリン需要が高まり、在庫が減りやすくなります。そのため、原油価格には上昇圧力がかかりやすくなります。

さらに、今回の相場環境では中東情勢の不透明感もあります。ホルムズ海峡をめぐるリスクが残っている限り、原油価格からリスクプレミアムが完全に消えることは難しいとされています。

原油価格が大きく下がるシナリオとしては、米国とイランが合意し、ホルムズ海峡の安全な航行が完全に確保されるような展開が必要だと説明されています。しかし、仮にそうなったとしても、原油価格が極端に下落するかどうかは別問題です。

そのため、原油については大きく下がる前提よりも、高止まりする前提で見ておく方が安全ではないかという見方が示されています。

銅は供給不足だけでなく供給過剰の見方にも注意

銅については、世界景気との連動性が高いことから「ドクターカッパー」と呼ばれることがあります。銅価格は、景気の先行指標として見られることが多い資産です。

一般的には、銅は供給不足によって価格が上がりやすいという見方があります。しかし、動画では国際銅研究会が今年は供給過剰になるとの予想を出している点が紹介されています。

そのため、銅については「供給不足だから価格が上がる」と一方向に決めつけない方がよいと説明されています。

もちろん、地政学リスクや物流リスクが強まれば、物が動かなくなり、在庫不足が発生する可能性もあります。その場合は銅価格が上昇する可能性もあります。しかし、供給過剰の見通しも出ている以上、慎重に見る必要があります。

農産物は5月から6月にかけて天候相場に入る

農産物については、5月から6月が非常に重要な時期になります。トウモロコシや大豆は、この時期に作付けが進み、年間の収穫量の見通しが徐々に見えてくるからです。

作付けが順調に進んでいれば、生産量が増えそうだと考えられます。しかし、農産物相場で難しいのは、天候によって状況が一変することです。

雨が多すぎれば作付けが進まなくなる可能性があります。一方で、雨が少なすぎて高温・乾燥が進めば、生育に悪影響が出る可能性があります。つまり、雨が多すぎても少なすぎてもリスクになるということです。

現代では品種改良や農業技術の進歩によって、単位面積あたりの収穫量は昔より増えています。それでも、天候の影響を完全になくすことはできません。

そのため、農産物は5月から6月にかけてボラティリティが高まりやすく、短期トレードの対象として注目されやすい時期になります。

2026年5月は通常のシーズナリティだけでは判断できない

動画では、2026年5月の相場を考えるうえで、通常の5月の季節性だけでは不十分だと説明されています。

大きな理由は、中東情勢、原油価格、インフレ懸念、金利高止まりといったマクロ要因があるためです。

通常の5月相場であれば、株式は調整リスク、金利は上昇しやすい、ゴールドは調整気味、農産物はボラティリティ上昇という見方になります。

しかし、現在のように地政学リスクや原油高が絡む局面では、季節性よりもマクロ要因が相場を動かす可能性があります。つまり、シーズナリティがマクロ要因によって上書きされる可能性があるということです。

投資戦略としてはエネルギー、押し目買い、農産物短期トレードが候補

動画内では、2026年5月の勝ち筋として、いくつかの投資戦略が示されています。

まず、エネルギー関連は注目対象です。原油価格が高止まりしやすく、中東情勢のリスクも残っているため、原油そのものやエネルギー関連株には資金が向かいやすい可能性があります。

次に、株式については高値を追いかけるよりも、押し目を待って拾う方が安全だとされています。特にナスダックや半導体株は金利上昇の影響を受けやすいため、高値圏で無理に買うよりも、調整を待つ姿勢が重要です。

日本株についても、半導体株が大きく下落した場面では、日経平均連動型のETFや投資信託を買う戦略が考えられると説明されています。ただし、決算内容を見ながら選別することが前提です。

農産物については、天候によって価格が大きく動きやすいため、短期トレード向きの相場になる可能性があります。天候ニュースや作付け状況を確認しながら、値段が動いた方向についていく戦略が考えられます。

FRB議長交代や金融政策にも注意が必要

動画では、5月以降の金融政策にも注意が必要だとされています。

特に、FRB議長が変わる可能性があるという話題が出ており、新しいFRB議長のスタンスが市場に大きな影響を与える可能性があると説明されています。

金融政策は、株式、債券、為替、ゴールド、原油など、あらゆる市場に影響します。利上げに積極的なスタンスであれば金利は上がりやすくなり、株式市場には重荷になります。一方で、金融緩和に近いスタンスであれば、株式やゴールドには追い風になる可能性があります。

そのため、5月相場では企業決算や中東情勢だけでなく、FRBの発言や金融政策の方向性にも注目する必要があります。

まとめ

5月相場と聞くと、多くの投資家は「セルインメイ」を思い浮かべます。過去の長期統計では、5月から10月はリターンが低くなりやすく、11月から4月の方が強い傾向があるため、この格言には一定の根拠があります。

しかし、近年のデータを見ると、必ずしも5月に株価が下がっているわけではありません。2013年から2025年までの5月相場では、下落した年は2019年の1回だけだったという点は、非常に重要です。

そのため、2026年5月の相場では、単純に「5月だから売り」と考えるのではなく、現在のマクロ環境を丁寧に確認する必要があります。

株式市場では、米国ハイテク株の決算、金利上昇のスピード、日本株への海外資金流入が重要になります。為替では、ドル円は上昇バイアスがありながらも、介入警戒があるため戻り売りの発想も必要です。ゴールドは季節的には調整しやすいものの、ドル安や地政学リスク次第では買われる可能性があります。原油はドライブシーズンと中東リスクにより高止まりしやすく、農産物は天候相場によってボラティリティが高まりやすい時期です。

結論として、今年の5月相場では、過去のシーズナリティを参考にしつつも、それを鵜呑みにしないことが大切です。特に中東情勢、原油価格、金利、FRBの金融政策、企業決算といったマクロ要因が、季節性を上書きする可能性があります。

投資家としては、高値を無理に追いかけるのではなく、押し目を待つ姿勢を持ちながら、エネルギー関連や農産物など、5月特有の動きが出やすい市場にも目を向けることが重要です。セルインメイという言葉だけで判断するのではなく、現在の相場環境を冷静に読み解くことが、2026年5月相場を乗り切るうえでの大きなポイントになりそうです。

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