急落銘柄が増える今こそ高配当・バリュー株の握力が試される理由

本記事は、YouTube動画『急落銘柄多し!正念場到来。握力を高めよ』の内容を基に構成しています。

目次

日経平均は堅調でも、個人投資家の保有株は苦しい局面に

2026年6月初旬の株式市場では、日経平均株価が順調に推移する一方で、すべての銘柄が同じように上昇しているわけではありません。特に目立っているのは、半導体関連銘柄の強さです。

たとえば、半導体関連の代表的な銘柄では、短期間で大きく株価を伸ばしているものもあり、1日で7%近く上昇するような動きも見られています。100株単位で見れば、1日で数十万円規模の値上がりになるケースもあり、保有している投資家にとっては非常に夢のある相場に見えるでしょう。

一方で、高配当株やバリュー株、株主優待銘柄を中心に投資している人にとっては、かなり悩ましい相場環境になっています。日経平均は上がっているのに、自分の保有株は下がっている。半導体株は連日のように強く見えるのに、自分が持っている高配当株はじりじり下落している。このような状況になると、「今からでも半導体株に乗り換えた方がよいのではないか」と考えてしまう人も少なくないはずです。

しかし、動画ではこのような局面こそ、高配当株やバリュー株を中心に投資してきた人にとって「握力」が試される場面だと説明されています。

他人の芝生が青く見える相場では冷静さが重要

株式投資で難しいのは、自分が保有していない銘柄が大きく上昇しているときです。

自分の保有株が下がっているだけなら、まだ「相場全体が悪いから仕方ない」と考えやすいものです。しかし、日経平均は上昇し、半導体株も急騰しているのに、自分の保有する高配当株やバリュー株だけが下がっているように感じると、精神的な負担はかなり大きくなります。

このようなときに起こりやすいのが、投資スタイルのブレです。

これまで高配当株を長期保有する方針だったにもかかわらず、短期的に上がっている半導体株へ資金を移したくなる。インカムゲインを積み上げる戦略だったはずなのに、値上がり益を狙う成長株投資へ急に方針転換したくなる。こうした気持ちは自然なものですが、動画では、そこで安易に動くことへの注意が促されています。

半導体株のような値動きの大きい銘柄で勝負するには、相場観や売買タイミング、損切り判断などが非常に重要になります。短期売買が得意な人であればチャンスになる可能性もありますが、普段から高配当株を長期保有する投資をしている人が、急に値動きの激しいセクターへ移ると、思わぬ高値づかみをしてしまう可能性があります。

つまり、今のような相場では「上がっているものに飛びつく」のではなく、自分が何を目的に投資しているのかを再確認することが大切です。

高配当株投資の魅力はインカムゲインの積み上げにある

動画の中心的な考え方は、高配当株投資では短期的な株価の上下よりも、長期的なインカムゲインの積み上げを重視するべきだという点です。

インカムゲインとは、株式投資でいえば主に配当金や株主優待のように、保有していることで得られる収益を指します。株価の値上がり益であるキャピタルゲインとは異なり、企業が配当を継続してくれる限り、投資家は定期的に現金収入を受け取ることができます。

動画では、利回り4%から5%程度の銘柄を10年間安定して保有できれば、仮に株価がほとんど上がらなくても、配当だけで大きなリターンを得られるという考え方が示されています。

たとえば、配当利回り5%の銘柄を10年間保有すれば、単純計算では配当だけで投資元本の50%分を受け取ることになります。もちろん、税金や減配リスクはありますが、長期的に安定した配当を受け取れる銘柄であれば、株価が横ばいでも投資成果を積み上げることができます。

これは、短期的な値上がりを当てる投資とは違い、予測しやすい部分があるという意味で、初心者や普通の個人投資家にも向いている投資法だと説明されています。

暴落時に投資家を支えるのは過去に積み上げた配当

動画では、過去のコロナショックやトランプショックのような相場急落局面にも触れられています。

相場が大きく下がると、含み損が増え、資産評価額も大きく減ります。場合によっては、資産が短期間で大きく目減りし、「このまま投資を続けて大丈夫なのか」と不安になることもあります。

そのような場面で投資家を支えてくれるものが、過去に受け取ってきた配当金です。

動画では、受け取ったインカムゲインをしっかり記録しておくことの重要性が語られています。株価が下がったときでも、「これまでこれだけの配当を受け取ってきた」「今後も配当が続く可能性がある」と確認できれば、目先の値動きに振り回されにくくなります。

高配当株投資では、株価の上昇だけに期待するのではなく、配当を受け取りながら時間を味方につけることが重要です。短期的には含み損になることがあっても、長期で見れば配当が精神的な支えになり、投資を継続する力になります。

半導体株に資金が集まり、高配当バリュー株から資金が抜けている可能性

現在、高配当株やバリュー株が弱い理由について、動画ではいくつかの見方が示されています。

1つは、個別銘柄ごとの業績や材料による下落です。もう1つは、利上げ観測などのマクロ環境です。金利が上がると、配当利回りの魅力が相対的に低下したり、企業の資金調達コストが上がったりするため、株価に悪影響が出ることがあります。

ただ、それと同じくらい大きな要因として、半導体株や成長株へ資金が流れている可能性が指摘されています。

投資家心理として、今もっとも強いテーマに資金が集中することはよくあります。現在の市場では、半導体やAI関連のような成長テーマに注目が集まりやすく、その反対側で高配当株やバリュー株から資金が抜けている可能性があります。

その結果、日経平均は上がっているのに、高配当株や優待株は下がるという現象が起きていると考えられます。

半導体バブルが終わるとき、相場全体が巻き込まれる可能性もある

動画では、半導体株の上昇がすぐに終わるとは限らないものの、どこかで過熱感が調整される可能性があると述べられています。

急激に上がったセクターは、上昇局面では非常に魅力的に見えます。しかし、上昇が行き過ぎた場合、その反動も大きくなりやすいものです。過去のITバブルのように、特定のテーマに資金が集中しすぎた後、そのテーマが崩れると相場全体が巻き込まれることもあります。

ここで注意したいのは、半導体株が下がるときに、高配当株やバリュー株も一時的に巻き込まれる可能性があるという点です。

理想的には、半導体株から抜けた資金が高配当株やバリュー株に戻ってくる流れになればよいのですが、相場が急落する場面では、投資家がリスク資産全体を売る動きになることがあります。その場合、割安な銘柄であっても一時的には下落に巻き込まれる可能性があります。

ただし、長期的には資金の循環が起こり、再び安定配当や割安感のある銘柄が見直される局面も考えられます。だからこそ、現在のように高配当株が安くなっている局面では、無理のない範囲で少しずつ買っていくという考え方もあります。

今注目される高配当・優待銘柄

動画では、現在安くなっている銘柄として、複数の高配当株や株主優待銘柄が紹介されています。

まず挙げられているのが、三菱HCキャピタルです。同社は高配当株として個人投資家から人気が高く、配当利回りが4%を超える水準になっていると説明されています。株価が下がっている場面ではありますが、長期的な配当収入を狙う投資家にとっては注目しやすい銘柄とされています。

次に、ソニーフィナンシャルグループも取り上げられています。配当利回りが6%近くになっているとされ、下げ止まりは見えにくいものの、利回り面では魅力が高まっている銘柄として紹介されています。

また、JR西日本も注目銘柄として挙げられています。鉄道会社は景気に左右されにくいディフェンシブ性を持つと見られることがあり、通常であれば配当利回りがそこまで高くなりにくい業種です。しかし、動画ではJR西日本の配当利回りが3.9%程度まで高まっていると説明されています。さらに、株主優待の価値も考慮すると、総合利回りはより魅力的に見える可能性があります。

住宅関連では、大和ハウスや積水ハウスも紹介されています。どちらも株価が下がっている一方で、配当利回りが高まっており、長期投資の候補として注目されています。

そのほか、SRSホールディングス、全国保証、日本製鉄、サンゲツ、稲畑産業、SBIアルヒ、リコーリースなども、株価下落によって利回り面の魅力が増している銘柄として取り上げられています。

食品関連銘柄にも割安感が出ている

動画の後半では、食品関連銘柄にも注目が向けられています。

日清食品は年初来安値を更新しているとされ、配当利回りは2.7%程度と説明されています。高配当株として見れば利回りは極端に高いわけではありませんが、食品大手としてのブランド力や事業の安定性を考えると、一定の魅力がある銘柄と見ることもできます。

日清製粉グループも株価が右肩下がりで推移しており、配当利回りが3.5%程度まで高まっていると紹介されています。食品関連は生活必需品に近い部分があり、景気が悪くなっても一定の需要が見込めるため、安定感を重視する投資家にとっては検討対象になりやすい業種です。

また、正栄食品工業も紹介されています。同社は配当利回りだけでなく、株主優待としてお菓子の詰め合わせが年2回もらえる点が魅力とされています。配当だけでなく、優待を含めた総合利回りで見る投資家にとっては、注目しやすい銘柄といえるでしょう。

カゴメについても、株価が右肩下がりで買いやすくなっていると説明されています。ただし、株主優待を受け取るには一定期間の保有が必要であるため、短期的に優待だけを狙うというよりは、来年以降を見据えて保有を検討する銘柄とされています。

伊藤園については、決算を受けて株価が大きく下落した銘柄として紹介されています。業績予想が控えめだったこともあり、厳しい反応になったと見られますが、株価が下がることで利回り面や優待面の魅力が高まる可能性があります。

6月は投資余力が高まりやすい月でもある

動画では、6月という時期にも注目しています。

日本株では、3月決算企業が多いため、6月には配当金が入ってくる投資家も多くなります。つまり、6月は個人投資家の現金余力が高まりやすい月です。

このタイミングで高配当株や優待株が下がっている場合、受け取った配当金を再投資するチャンスと見ることもできます。もちろん、株価がさらに下がる可能性もあるため、一度に大きく買うのではなく、少しずつ買い増していく姿勢が現実的です。

高配当株投資では、安いときに買うことが将来の利回りを高める重要なポイントになります。株価が下がっているときは不安になりますが、企業の業績や配当方針に大きな問題がないのであれば、長期投資家にとってはむしろ仕込み時になることもあります。

インフレ時代には現金だけで持つリスクもある

動画では、現金だけで資産を持ち続けることへの注意も語られています。

日本では長く「失われた30年」と呼ばれる低成長・低インフレの時代が続きました。そのため、多くの人にとって「株は上がらないもの」「現金で持っていた方が安全」という感覚が強く残っています。

しかし、近年はインフレが進み、物価が上がっています。物価が上がるということは、同じ1万円でも買えるものが少なくなるということです。つまり、現金の額面は減っていなくても、実質的な価値は目減りしている可能性があります。

その意味では、現金だけでなく、株式や投資信託などに資産を振り向けることも重要になります。

特に高配当株の場合、配当金を受け取りながら、長期的には株価上昇の可能性も期待できます。もし10年間で配当を積み上げながら、さらに元本も2倍、3倍になるような展開になれば、投資成果は非常に大きなものになります。

もちろん、投資に絶対はありません。だからこそ、無理のない範囲で、生活資金を守りながら、余裕資金で投資することが大切です。

高配当株投資で大切なのは「今の利回り」だけではない

高配当株を選ぶとき、多くの人は現在の配当利回りに注目します。たしかに、利回り4%、5%、6%という数字は魅力的です。

しかし、動画では、今の利回りだけでなく、将来的に配当が安定して出されるのか、増配が期待できるのかが重要だと説明されています。

たとえば、現在の利回りが高くても、業績が悪化して減配されれば、投資判断は大きく変わります。逆に、今の利回りはそこまで高くなくても、毎年のように増配していく企業であれば、長く保有することで取得利回りが高まっていく可能性があります。

取得利回りとは、自分が買った価格に対して、現在どれくらいの配当を受け取れているかを見る考え方です。たとえば、買った当初は利回り4%だった銘柄でも、その後に増配が続けば、自分の買値に対する利回りが10%を超えることもあります。

このように、高配当株投資では、今の配当利回りだけでなく、企業の収益力、財務体質、増配方針、事業の安定性などを総合的に見る必要があります。

まとめ

今回の動画では、日経平均や半導体株が強い一方で、高配当株やバリュー株、株主優待銘柄が厳しい局面を迎えていることが語られました。

このような相場では、上がっている銘柄が魅力的に見え、自分の投資方針を変えたくなるものです。しかし、短期的な値動きに流されて投資スタイルを変えると、高値づかみや損切りの遅れにつながる可能性があります。

高配当株投資の強みは、配当や優待を受け取りながら、長期で資産を積み上げていける点にあります。株価が横ばいでも、配当利回り4%から5%の銘柄を長く保有できれば、10年で大きなインカムゲインを得ることができます。

もちろん、すべての高配当株が安全というわけではありません。減配リスクや業績悪化リスクもあるため、銘柄選びは慎重に行う必要があります。ただ、現在のように資金が半導体株へ集中し、高配当株や優待株が売られている局面では、長期投資家にとって魅力的な買い場が生まれている可能性もあります。

重要なのは、他人の利益に惑わされず、自分の投資目的を見失わないことです。短期で大きく儲ける投資が得意な人もいれば、配当を積み上げながら長く持つ投資が向いている人もいます。

凡人が市場で生き残るためには、無理に派手な銘柄を追いかけるよりも、自分が理解できる銘柄を、無理のない範囲で、長く保有することが大切です。

今はまさに、高配当株投資家にとって握力が試される正念場です。目先の株価下落に不安を感じる局面ではありますが、長期的な配当の積み上げを意識しながら、冷静に投資判断を続けていくことが重要だといえるでしょう。

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