本記事は、YouTube動画『【6月2日ゆるっと相場解説】異常な日経平均株価の上昇!実態と離れすぎ?どうする今後の相場?ズボラ株投資』の内容を基に構成しています。
日経平均は最高値圏でも市場全体は強くない
6月2日の日本株市場では、日経平均株価が前日比で約200円安となりました。前日に高値を更新していたこともあり、短期的には利益確定売りが出た形です。ただし、注目すべきは日経平均の値動きそのものよりも、市場の中身です。
動画では、最近の東京市場の売買代金が非常に大きくなっている点が取り上げられています。この日の売買代金は約12.5兆円でした。さらに、直近ではMSCIのリバランスの影響もあり、金曜日には約16兆円規模まで膨らんだとされています。
以前であれば、東京市場の売買代金が5兆円を超えるだけでも「かなり大きい」と見られていました。しかし、現在は10兆円超えが当たり前のようになっており、市場に流れ込む資金量そのものが大きく変化しています。
一方で、日経平均株価だけを見ると非常に強い相場に見えますが、TOPIXを見ると状況は少し異なります。動画内でも指摘されているように、TOPIXはまだ高値を明確に抜けておらず、2026年に入ってからは横ばいに近い動きが続いています。
つまり、日経平均だけが目立って上昇している一方で、市場全体がまんべんなく強いわけではありません。
日経平均を押し上げているのは一部の大型銘柄
今回の相場で重要なのは、「日経平均が上がっているから日本株全体が強い」と単純に判断できない点です。
動画では、日経平均を押し上げている中心銘柄として、キオクシア、村田製作所、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンなどが挙げられています。特にAI関連や半導体関連の銘柄が相場をけん引している構図です。
一方で、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を見ると、値上がり77に対して値下がり145という状況であり、決して多くの銘柄が上昇しているわけではありません。むしろ、下がっている銘柄の方が多い日であっても、日経平均だけは高値を更新するという、やや違和感のある相場になっています。
この背景には、日経平均株価の構造があります。日経平均は単純に日本企業全体の平均を表す指数ではなく、特定の値がさ株や寄与度の大きい銘柄の影響を強く受けます。そのため、ソフトバンクグループや半導体関連株のような影響力の大きい銘柄が上昇すると、他の多くの銘柄が下がっていても指数全体は上がることがあります。
動画では、ソフトバンクグループが時価総額でトヨタを抜いて1位になったことにも触れられています。こうした大型成長株への資金集中が、現在の日経平均の強さを作っているといえます。
TOPIXとの違いが示す「実態とのズレ」
日経平均が高値を更新する一方で、TOPIXがまだ高値を抜けていないという点は、現在の日本株市場を理解するうえで非常に重要です。
TOPIXは東証プライム市場全体の時価総額加重型の指数であり、日経平均よりも日本株全体の実態を反映しやすいとされています。そのTOPIXが横ばいに近いということは、市場全体としてはまだ力強い上昇相場とは言い切れない面があります。
動画では、NT倍率にも触れられています。NT倍率とは、日経平均株価をTOPIXで割った指標です。日経平均がTOPIXよりも強く上昇していると、NT倍率は上昇します。現在はこのNT倍率が高値を抜けてきており、日経平均優位の相場が続いていることを示しています。
つまり、今の相場は「日本株全体が上がっている」というよりも、「日経平均に影響の大きい一部の銘柄が強く買われている」と見る方が実態に近いといえます。
テクニカル面では上昇トレンド継続の形
動画では、日経平均のテクニカル面についても解説されています。
現在の日経平均は、軽い押し目を作った後に反発し、そこから約12%ほど上昇しているとされています。一般的に、上昇トレンド中の軽い押し目からの反発では、10%前後の上昇が見られることがあります。その意味では、現在の上昇幅はある程度自然な範囲ともいえます。
また、移動平均線の並びも良好で、いわゆるパーフェクトオーダーに近い状態になっていると説明されています。パーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の移動平均線が上から順番に並び、上昇トレンドが強い状態を示すテクニカル用語です。
さらに、上限トレンドラインをいったん超えた後、そこがサポートとして機能して反発しているようにも見えるため、新たな上昇フェーズに入った可能性もあるとされています。
動画内では、短期的な上値目安として6万9000円から7万円、さらに長い目線では7万1000円付近までの上昇もあり得るのではないかという見方が示されています。ただし、これはあくまでテクニカル的な見方であり、相場が一直線に上がり続けるという意味ではありません。
PERから見ると日経平均7万円も極端な割高ではない
一見すると、日経平均が6万7000円台や7万円台という水準に近づくと、「さすがに高すぎるのではないか」と感じる人も多いかもしれません。
しかし、動画では日経平均のEPS、つまり企業利益の水準を踏まえると、現在の株価は必ずしも異常な割高ではないと説明されています。
EPSとは、1株あたり利益のことです。企業の利益が増えれば、株価が上がってもPERは極端に高くなりにくくなります。PERは株価が利益の何倍まで買われているかを示す指標で、一般的には株価の割高・割安を判断する際に使われます。
動画では、日経平均のPERが23倍から26倍程度のレンジにあると仮定した場合、株価水準としてはおおよそ6万3000円から7万1000円の範囲が考えられるとされています。
つまり、日経平均が7万円まで上昇したとしても、過去の実績から見て完全に説明不能な水準ではないということです。日本企業の利益がしっかり伸びているのであれば、株価の上昇にも一定の根拠があるといえます。
ただし、ここでも注意点があります。日経平均を押し上げているのは、ソフトバンクグループやキオクシア、半導体・AI関連株など一部の銘柄です。そのため、これらの銘柄の上昇が止まった場合、日経平均全体にも影響が出やすくなります。
海外投資家の買いと自社株買いが相場を支えている
現在の日本株市場を支えている大きな要因として、海外投資家の買いがあります。
動画では、5月22日までのデータで海外投資家が8週連続で買い越していると説明されています。特に、株価が下がって押し目を作った場面でも、海外投資家は買いに回っていたとされています。
一方で、その場面で売っていたのは主に個人投資家だったという指摘もあります。これは日本株市場でよく見られる構図です。個人投資家が短期的な下落に不安を感じて売る一方で、海外投資家や機関投資家が押し目を拾い、その後に株価が上昇するという流れです。
さらに、動画では事業法人による自社株買いの存在も重要視されています。企業が自社株を買うと、市場に出回る株数が減り、株価の下支え要因になります。
現在は、海外投資家の買いに加えて、企業自身による自社株買いも相場を支えているため、海外投資家が多少売ったとしても、株価が大きく崩れにくい構造になっていると説明されています。
この点は、現在の日本株の底堅さを理解するうえで重要です。
AI関連だけの相場から広がりが出るかが焦点
今の相場で最大の焦点は、AI関連や半導体関連だけに集中している資金が、今後ほかの銘柄にも広がるかどうかです。
動画では、SOX指数、つまり米国の半導体株指数の動きにも注目しています。SOX指数は大きく上昇してきましたが、直近では高値圏で横ばいになっているとされています。ここからさらに上抜けるのか、それともいったん調整に入るのかによって、日本の半導体関連株にも影響が出る可能性があります。
また、中東情勢やホルムズ海峡の問題が落ち着いた場合、今まで売られていたバリュー株や輸出関連株に資金が戻る可能性もあります。
動画では、トヨタのような銘柄が売り込まれていることにも触れられています。もし地政学リスクが落ち着き、原油や物流に対する不安が後退すれば、これまで弱かったバリュー株や自動車株にも買いが入るかもしれません。
現在は、完全にAI関連中心の相場になっています。しかし、今後その資金がバリュー株やTOPIX全体に広がっていくかどうかが、日本株相場の次の重要なポイントになりそうです。
雇用統計とメジャーSQには注意が必要
今後の相場を見るうえで、短期的には経済指標と需給イベントにも注意が必要です。
動画では、今週の重要イベントとして米国の雇用統計が挙げられています。雇用統計は、米国の景気や金融政策を占ううえで非常に重要な指標です。雇用が強すぎれば利下げ期待が後退する可能性があり、逆に弱すぎれば景気後退懸念が高まる可能性があります。
また、来週にはメジャーSQがあります。メジャーSQとは、先物やオプション取引の特別清算指数が決まるタイミングで、相場の需給が大きく動きやすいイベントです。
特に現在のように日経平均が高値圏にあり、一部の大型株に資金が集中している局面では、SQをきっかけに相場の流れが変わる可能性もあります。
そのため、短期的には強い上昇トレンドが続いているものの、雇用統計やメジャーSQ前後では急な値動きに注意が必要です。
個人投資家は日経平均だけで判断しないことが重要
今回の動画から読み取れる最大のポイントは、日経平均の上昇だけを見て相場全体を判断してはいけないということです。
日経平均は高値を更新し、見た目には非常に強い相場に見えます。しかし、その中身を見ると、TOPIXはまだ高値を抜けておらず、値下がり銘柄数の方が多い日もあります。つまり、指数の強さと個別株の体感には大きな差が出ています。
現在の相場で利益が出ている人は、ソフトバンクグループ、キオクシア、村田製作所、半導体関連株、AI関連株など、指数を押し上げている銘柄を持っている人に偏っている可能性があります。
一方で、バリュー株や自動車株、内需系の銘柄を中心に持っている投資家にとっては、日経平均が高値更新しているにもかかわらず、自分の保有株はあまり上がっていないという感覚になりやすいでしょう。
このような局面では、日経平均だけでなく、TOPIX、業種別指数、値上がり・値下がり銘柄数、海外投資家の売買動向、自社株買い、半導体関連の動きなどを総合的に見ることが大切です。
まとめ
6月2日の相場解説では、日経平均株価の異常な強さと、その裏側にある市場の偏りが詳しく語られていました。
日経平均は高値圏にあり、テクニカル的にも上昇トレンドが続いています。PERやEPSの観点から見ても、7万円という水準がまったく説明できないほど割高というわけではありません。日本企業の利益が伸びていることや、海外投資家の買い、自社株買いが相場を支えていることも、現在の株高の大きな背景です。
しかし、その一方で、TOPIXはまだ明確に高値を抜けておらず、相場全体が強いとは言い切れません。日経平均の上昇は、ソフトバンクグループや半導体・AI関連株など、一部の大型銘柄に大きく依存しています。
今後の注目点は、AI関連株の上昇が続くのか、SOX指数が高値を上抜けるのか、そしてこれまで弱かったバリュー株や自動車株に資金が戻るのかという点です。また、米国雇用統計やメジャーSQといったイベントをきっかけに、相場の流れが変わる可能性にも注意が必要です。
個人投資家にとって重要なのは、日経平均の数字だけに振り回されないことです。指数は上がっていても、自分の保有株が上がらないことは十分にあります。だからこそ、相場の中身を冷静に見ながら、どの銘柄群に資金が流れているのかを確認する姿勢が求められます。
現在の日本株市場は、強い相場である一方で、かなり偏りのある相場でもあります。今後も上昇が続く可能性はありますが、過熱感やイベントリスクにも注意しながら、冷静に対応していくことが大切です。


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