本記事は、YouTube動画『ブラックマンデーで買いたい最強5銘柄』の内容を基に構成しています。
暴落局面は本当に「売り」なのか
株式市場では、地政学リスクや海外市場の下落をきっかけに、翌日の日本株が大きく下落するのではないかという警戒感が一気に高まることがあります。
今回の動画では、ホルムズ海峡をめぐる緊張や米国株の下落を背景に、「明日の暴落で買いたい最強銘柄」というテーマで解説が行われています。
特に注目されているのは、地政学ショックとは直接関係が薄いにもかかわらず、市場全体のリスクオフに巻き込まれて売られやすい日本のクラウドAI関連企業です。
ホルムズ海峡リスクと市場の過剰反応
動画ではまず、米国市場の下落やホルムズ海峡をめぐる報道について整理しています。
重要なのは、「閉鎖が宣言されたこと」と「実際に船舶の通行が止まったこと」は別問題だという点です。
市場が本当に警戒すべきなのは、宣言そのものではありません。実際にタンカーが止まり、海上保険料が急騰し、米軍とイランが直接衝突するような具体的な事態です。
現時点では、動画内の説明によれば、そこまでの状況には至っていないとされています。
また、原油価格についても、閉鎖宣言の直前までは中東リスクの落ち着きや通行再開への期待から下落していたと説明されています。つまり、市場は直前までリスクが緩和する方向も織り込んでいたわけです。
原油高は日本株全体に悪材料とは限らない
原油高というニュースが出ると、多くの投資家は「日本株全体に悪材料」と考えがちです。
しかし、動画ではこの見方は単純すぎると指摘されています。
原油高は、航空、陸運、化学、電力、小売りのように原油をコストとして使う企業には逆風となります。一方で、石油開発、商社、海運、プラント関連、防衛関連などにとっては、むしろ追い風になる可能性もあります。
つまり、「ホルムズ海峡懸念=日本株全面暴落」と決めつけるのは不正確です。
日経平均は、半導体株や大型輸出株の影響を強く受ける指数です。そのため、本当に相場の方向性を見極めるには、原油価格だけでなく、米国株先物、ドル円、金利、半導体指数、日経平均先物、さらにソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンといった寄与度の高い銘柄の動きも確認する必要があります。
明日の日経平均に想定される4つのシナリオ
動画では、翌日の日経平均について、複数のシナリオが提示されています。
寄り付きから3%を超えて下落し、場中に5%近くまで崩れる大幅安シナリオは20%。
1%から3%程度の中程度のリスクオフは35%。
朝方に下げた後、下げ渋ってほぼ横ばいに落ち着くシナリオは30%。
そして、夜間先物の上昇を反映してリバウンドが優勢になるシナリオは15%とされています。
この見立ての背景には、ホルムズ海峡の実際の閉鎖が確認されていないこと、原油価格が直前まで低下傾向にあったこと、週末の米国株の下落が限定的だったことがあります。
なぜ無関係なクラウドAI企業まで売られるのか
地政学ショックが起きると、まず中東関連のヘッドラインが拡散します。
次に原油価格や為替、先物市場が動きます。そして日本市場が開くと、先物やETFが機械的に売られます。
この段階では、個別企業の業績を見て売られているわけではありません。プログラム売買やインデックス連動資金が、ニュースの強さに反応して機械的に動いているだけです。
その後、指数が下がると、PERの高いグロース株に対して連想売りが広がります。
しかし、ここで重要なのは、その企業の事業内容が本当に悪化したわけではないという点です。
ホルムズ海峡の緊張によって、日本のクラウドAI企業の事業が直接ダメージを受けるわけではありません。それでも「リスクオフではグロース株が売られる」という市場心理によって、無関係な企業まで売られることがあります。
動画では、このような状況を「受給の歪み」と表現しています。
暴落時に注目したい企業の条件
動画では、暴落時に買い候補として注目する企業の条件として、次のような視点が挙げられています。
- 成長が続いていること
- 営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローが改善していること
- 十分な流動性があること
- 地政学ショックの直接的な影響を受けにくいこと
- 暴落時に受給が改善する余地があること
この条件に合致する候補として、動画ではパークシャテクノロジー、SHIFT、マネーフォワード、フリー、HENNGEが本命候補として取り上げられています。
本命候補1:パークシャテクノロジー
パークシャテクノロジーは、企業向けAIを展開する企業です。
動画では、直近の四半期決算で売上高が198億円、純利益が約23億円と増収増益を続けている点が紹介されています。
さらに、2026年2月には上限20億円の自己株式取得を決議していると説明されています。自己株買いは、会社側が自社株を割安と判断している可能性を示す材料の1つです。
地政学リスクとは直接関係が薄く、AI需要の成長という長期テーマに乗る企業として注目されています。
本命候補2:SHIFT
SHIFTは、ソフトウェアの品質保証やDX支援を手掛ける企業です。
動画では、過去5年間で売上高が460億円から1298億円まで約2.8倍に拡大し、営業利益も39億円から156億円まで成長したと説明されています。
予想PERは13.76倍、PBRは4.19倍とされ、成長企業としては評価が抑えられた水準にあると紹介されています。
また、日経225の構成銘柄であるため、流動性が高く、ショック時にも売買しやすい点が特徴です。
本命候補3:マネーフォワード
マネーフォワードは、クラウドERPや会計ソフトなどを展開する企業です。
動画では、直近の四半期で純利益が約18億円となり、四半期ベースで黒字転換を達成した点が注目されています。
株主構成では外国法人等が53%を占めているとされ、海外資金の動向に株価が左右されやすい一方、リスクオンに転じた際の戻りも早い可能性があると説明されています。
黒字転換は、グロース企業にとって大きな節目です。単なる期待先行ではなく、収益化が見え始めている点が評価材料になります。
本命候補4:フリー
フリーは、スモールビジネス向けERPを展開する企業です。
動画では、過去5年間営業赤字が続いていたものの、2025年6月期に営業利益6億円の黒字へ転換したと説明されています。
さらに、フリーキャッシュフローも-78億円から-9億円まで大きく改善しているとされています。
これは、単に株価が動いているだけではなく、事業そのものが1段階前に進んだことを示す重要な変化です。
赤字グロースから黒字化へ向かう企業は、投資家の評価が変わる転換点に入りやすいと考えられます。
本命候補5:HENNGE
HENNGEは、IDaaSやセキュリティ関連のサービスを展開する企業です。
動画では、契約ユーザー数が2026年5月に300万を突破したこと、営業利益率が16%台まで上昇していることが紹介されています。
また、過去のPERレンジが2.3倍から765倍と非常に広かったのに対し、現在は20倍前後まで低下していると説明されています。
過度な期待が剥落した後、実績に基づいた評価へ近づいている可能性がある銘柄として注目されています。
次点候補としてのSansanと弁護士ドットコム
動画では、上記5銘柄に続く候補として、営業DXのSansanと、リーガルテックの弁護士ドットコムも挙げられています。
Sansanは、見かけ上のPERが高く見えるものの、直近の四半期で純利益が急増したことが背景にあると説明されています。営業キャッシュフローも拡大しており、表面的なPERだけで割高と判断するのは早計だという見方です。
弁護士ドットコムについては、2026年6月に自己株式取得を決定し、自治体向けの音声AI実証実験も始めていると紹介されています。10年間で売上高が14.6倍に成長した実績があり、長期の成長ストーリーが続いている企業として位置づけられています。
注意が必要な銘柄群
一方で、動画では、ラクスル、ローツェ、MARUWAについては、質の高い企業でありながら扱い方に注意が必要だと説明されています。
ラクスルは印刷ECを展開しており、物流コストの観点から原油高がやや逆風になりやすい企業です。
ローツェやMARUWAは半導体関連であり、半導体設備投資サイクルや為替の影響を受けやすい面があります。
そのため、ショック初日に飛びつくよりも、指数の下げが一段落してから検討する方が合理的だとされています。
高PERと高期待は同じではない
動画後半では、「高PER=危険」と単純に判断することへの注意も語られています。
2021年前後、日本のクラウドAI関連株は、将来期待だけで大きく買われていました。その後、世界的な金利上昇によって、期待先行の株価は大きく圧縮されました。
しかし、その間に多くの企業は売上を伸ばし、利益を黒字化させ、キャッシュフローを改善させてきました。
つまり、現在の高PERは、2021年のような遠い未来への過剰期待ではなく、2026年時点で改善した現実がまだ十分に株価に反映されていない可能性もあるということです。
特に、マネーフォワードの黒字転換、フリーの黒字化、HENNGEの利益率上昇、弁護士ドットコムの利益成長などは、事業が前進しているサインとして紹介されています。
SWOT分析で見る今後のシナリオ
動画では、今回の相場環境をSWOT分析のように整理しています。
強みとしては、日本の内需クラウドAI企業の多くが、中東情勢や原油価格の影響を受けにくい事業構造を持っている点が挙げられます。また、自己株買いを実施する企業もあり、企業自身が株価を下支えする動きも見られます。
弱みとしては、見かけ上のPERが高い銘柄が、地合い悪化時に最初に売られやすいことです。グロース市場の銘柄は値動きが大きく、短期的な急落に巻き込まれやすい面があります。
機会としては、地政学ショックによる連想売りが、長期投資家にとって購入機会になり得ることです。事業価値が変わっていないにもかかわらず、受給だけで価格が歪む場面は、冷静な投資家にとってチャンスになる可能性があります。
脅威としては、ホルムズ海峡情勢が実際に悪化し、船舶の通行が止まるような事態に発展する可能性です。また、原油高が長期化すれば、物流コストの影響を受ける企業には逆風が続きます。さらに、世界的な金利動向や米国金融政策の変化も、グロース株全体のバリュエーションに影響を与える可能性があります。
長期投資家は暴落局面にどう向き合うべきか
動画の結論として、最も重要なのは、ニュースの見出しだけを見て反射的に売買を決めないことです。
米国株が下落したことや、ホルムズ海峡をめぐる宣言が出たことは事実です。しかし、それが実際にどこまでの実態を伴っているのか、原油価格、為替、米国先物、金利がどう動いているのかを確認する必要があります。
また、仮に大きな下落が起きたとしても、一括で全額を投じるのではなく、複数回に分けて判断する姿勢が重要です。
最初の下げを確認し、その後の値動きを見ながら段階的に向き合うことが、暴落局面では基本になります。
そして何より大切なのは、売られている企業が本当に業績悪化によって売られているのか、それとも単に市場全体の地合い悪化に巻き込まれているだけなのかを見極めることです。
まとめ:暴落は恐怖ではなく、構造を理解する機会
今回の動画では、ブラックマンデーのような暴落局面で注目したい銘柄として、パークシャテクノロジー、SHIFT、マネーフォワード、フリー、HENNGEなどのクラウドAI関連企業が紹介されました。
共通しているのは、中東情勢や原油価格の影響を直接受けにくく、成長性や収益改善が見られる企業であることです。
一方で、暴落局面ではグロース株が機械的に売られやすく、PERが高く見える銘柄ほど短期的に大きく下落する可能性もあります。
しかし、その下落が企業価値の悪化によるものではなく、単なる受給の歪みによるものなら、長期投資家にとっては冷静に検討する機会になります。
重要なのは、表面的な恐怖に反応するのではなく、何が実際に起きているのかを複数のデータで確認することです。
暴落相場は、多くの投資家がパニックになる局面です。しかし、その裏側にある構造を理解できれば、恐怖に流されるのではなく、次の投資機会を見極める材料として活用することができます。
なお、本記事は動画内容を基にした情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行う必要があります。


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