高難易度相場でやってはいけない4つのこと|専業投資家が語る「負けないため」の考え方

本記事は、YouTube動画『高難易度の今の相場でやっては行けないことを専業投資家が解説!』の内容を基に構成しています。

株価の値動きが激しく、これまで通用していた考え方がそのまま機能しにくい相場では、「何を買うか」以上に「何をしないか」が重要になります。

動画では、現在のようにボラティリティが高く、需給によって短期的な値動きが大きくなりやすい相場について、専業投資家の視点から注意すべきポイントが解説されています。

特に重要なのは、レバレッジをかけすぎないこと、短期の値動きだけで投資判断を変えないこと、難しい相場だからといって市場から完全に離れないこと、そして証券会社のレーティング引き上げをそのまま買い材料として受け取らないことです。

現在のような難易度の高い相場で大きな損失を避けながら市場に残り続けるためには、どのような考え方が必要なのでしょうか。動画の内容を詳しく見ていきます。

目次

今の相場は「方向感が分かりにくい」高難易度相場

動画の冒頭では、現在の相場について「何が上がるのか、これからどうなるのか分かりにくい」という感覚が語られています。

相場では常に未来が不透明ですが、特に値動きが激しくなる局面では、企業業績やニュースだけでは説明しにくい株価変動が増えることがあります。

こうした環境では、利益を最大化しようとするよりも、まず大きな損失を避けることが重要になります。

投資を長く続けるためには、1回の取引で大きく勝つことよりも、「市場から退場しないこと」が重要だからです。

その意味で、今のような相場では攻め方よりもリスク管理の考え方が問われます。

やってはいけないこと1:レバレッジをかけすぎる

最初に挙げられているのが、レバレッジを大きくかけすぎることです。

現在はボラティリティが高く、以前よりも1日の値幅が大きくなっている銘柄が少なくありません。

動画では、以前なら平均して3%程度動いていた銘柄が、現在では4.5%程度動くようになっているケースもあるとして、値動きが従来の約1.5倍に拡大している可能性が指摘されています。

こうした環境で以前と同じ感覚でレバレッジをかけると、想定以上の含み損を抱えやすくなります。

例えば現物株で10%下落するだけでも心理的な負担は大きいですが、2倍のレバレッジをかけていれば、単純計算では損益への影響は約20%になります。

個別株では15%程度動く銘柄もあるため、その状態でレバレッジを利用すると、短期間で資産が大きく変動する可能性があります。

そのため動画では、「相場によって張り方を変えることが重要」と説明されています。

分からない相場ほどリスクを落とす

投資では、自分が相場をどれだけ理解できているかによってリスク量を調整する考え方が重要です。

「今の相場が分からない」と感じているのであれば、無理にポジションを大きくする必要はありません。

むしろ分からないときほどポジションサイズを小さくし、レバレッジを落とすという考え方が合理的です。

ただし、すべての投資家がレバレッジを避けるべきだという話ではありません。

例えば、値動きの比較的小さいバリュー株を中心に投資している場合や、特定の銘柄について高い確信度を持っている場合、あるいは明確なトレードルールに基づいて取引している場合などは、レバレッジを利用することで期待リターンを高められるケースもあります。

重要なのは、「今までレバレッジを使っていたから今回も同じ倍率」という固定的な考え方をしないことです。

相場環境や銘柄の値動き、自分の投資手法に合わせてリスク量を調整する必要があります。

やってはいけないこと2:短期の値動きに惑わされすぎる

動画で特に重要なポイントとして語られているのが、「短期の値動きを信用しすぎない」という考え方です。

従来、大型株などでは多数のアナリストが企業を調査しており、四半期ごとに30件、40件、場合によっては60件程度の取材が入る企業もあったと説明されています。

そのため、株価が大きく下落している場合には、市場参加者が企業業績の悪化を先回りしている可能性がありました。

つまり、

「株価が下がっている=何か悪材料があるのではないか」

という推測が、ある程度機能する場面があったということです。

しかし現在の相場では、必ずしもそうとは限らないと動画では指摘しています。

決算後の値動きと企業業績が一致しないケース

具体例として挙げられているのが、決算後の値動きです。

5月の決算発表後にストップ高になった銘柄が、その後大きく下落し、8月の決算では再び非常に良い決算を発表して買われるといった動きが複数の銘柄で見られたといいます。

本来、株価が企業のファンダメンタルズを正確に織り込んでいるのであれば、決算前に大きく下落している銘柄には何らかの業績悪化要因が存在すると考えたくなります。

しかし実際には、業績が悪化していないにもかかわらず株価だけが大きく下落し、その後の決算をきっかけに再評価されるケースもあるということです。

その背景として動画では、現在の相場では「短期筋の影響力が大きくなっている可能性」が指摘されています。

今の相場ではファンダメンタルズより需給が株価を動かす場面もある

中長期投資家は、企業の業績や成長性を見て株を購入すると、その後しばらく保有するケースが多くなります。

一方、短期投資家は頻繁に売買するため、短期間の株価形成には大きな影響を与えます。

その結果、企業価値そのものが大きく変化していなくても、需給によって株価が急落したり急騰したりする場合があります。

ここでいう「需給」とは、簡単に言えば「買いたい人と売りたい人のバランス」です。

短期間に売りたい投資家が増えれば株価は下がり、買いたい投資家が増えれば株価は上昇します。

この需給による値動きが強くなっている相場では、株価だけを見て企業の将来性を判断すると誤った結論にたどり着く可能性があります。

自分の投資シナリオを明確にすることが重要

そこで動画では、「自分のストーリーを持つこと」が重要だと説明されています。

例えば、ある企業について、

今後売上高が伸びるのか。

利益率が改善するのか。

市場そのものが拡大するのか。

企業の競争力が維持されるのか。

現在の株価は将来利益と比較して割高なのか、割安なのか。

こうした点を自分なりに整理しておくということです。

株価が下落したからという理由だけで投資シナリオを変更するのではなく、「自分がその企業を買った理由が崩れたのか」を確認する必要があります。

もちろん、自分が把握していなかったネガティブ材料が見つかったのであれば、売却を検討すべき場面もあります。

一方で、事業内容や成長シナリオに変化がなく、株価だけが需給によって下落しているのであれば、必ずしも売る必要はありません。

やってはいけないこと3:難しいからと相場から完全に離れる

次に挙げられているのが、「相場から離れすぎない」ということです。

相場には、自分の得意な環境と不得意な環境があります。

現在のように需給による値動きが激しい相場を苦手と感じる投資家もいるでしょう。

その場合、無理に大きなポジションを持つ必要はありません。

しかし動画では、完全に相場から離れてしまうことについては慎重な姿勢が示されています。

その理由は、現在が世界経済や産業構造の大きな変化局面にある可能性があるためです。

AIを中心に産業構造が急速に変化している

現在はAIをはじめとした技術革新によって、企業や産業の構造そのものが急速に変化しています。

そのため、特定のセクターや企業の株価が短期間で2倍、3倍になるような現象が今後も起きる可能性があります。

動画では、リクルートのような大型株でも1年以内に株価が約2倍になるケースがあることが例として挙げられています。

一般的に大型株は時価総額が大きいため、小型株ほど短期間で株価が何倍にもなることは多くありません。

それでも大きな変化が起きているということは、産業構造そのものが変わっている可能性があります。

将来、10年後から現在を振り返ったとき、

「あの時代はAI相場の本当の初期段階だった」

と評価される可能性もあります。

だからこそ、完全に市場から離れるのではなく、ポジションを小さくしながらでも相場を観察し続けることに意味があるという考え方です。

相場に参加することで世の中の変化に敏感になれる

投資を続けるメリットは、単に資産を増やすことだけではありません。

株式市場に参加していると、企業や産業の変化に敏感になります。

新しい製品が発表されたとき、その製品を作る企業だけではなく、

どの半導体が使われるのか。

どのデータセンターが必要になるのか。

どの部品メーカーが恩恵を受けるのか。

どの企業の利益が伸びるのか。

といったことまで考えるようになります。

動画ではAppleの新製品などを例に挙げながら、投資をしていることで技術や産業の変化に早く気づけるメリットについても語られています。

そのため、難しい相場では「やめる」のではなく、「ポジションを小さくして参加する」という方法も選択肢になります。

やってはいけないこと4:レーティング引き上げをそのまま信じる

最後に取り上げられているのが、証券会社によるレーティング変更です。

証券会社のアナリストは、企業の業績予想などをもとに投資判断や目標株価を公表することがあります。

例えば、

「中立」から「買い」へ変更する。

目標株価を8,000円から10,000円へ引き上げる。

といったものです。

こうした情報は投資家から注目されやすく、レーティング引き上げをきっかけに株価が上昇するケースもあります。

しかし、動画では「株価を追いかける形のレーティング引き上げには注意が必要」と指摘しています。

目標株価が上がった理由を見る

特に確認すべきなのが、「なぜ目標株価が上がったのか」という点です。

企業の利益成長率が上がった。

新規事業が成長した。

利益率が改善した。

競争力が高まった。

といった企業価値そのものの変化であれば、目標株価引き上げに一定の根拠があります。

一方で、業界全体の株価が上昇したことを理由に、単純にバリュエーションの前提を引き上げている場合もあります。

例えば、以前はPER10倍を妥当としていた企業について、業界全体が上昇したためPER15倍を適用するというようなケースです。

この場合、業績そのものが改善したわけではありません。

市場全体の評価が上昇したため目標株価が上がっているだけであれば、その評価が将来も続く保証はありません。

レーティング発表時ほど下落リスクも考える

レーティング引き上げが発表されると、ニュースやメディアでは強気の見方が注目されやすくなります。

しかし投資家として重要なのは、上昇余地だけを見ることではありません。

「もし予想が外れた場合、どこまで下がる可能性があるのか」

というダウンサイドリスクも同時に計算する必要があります。

すでに株価が大幅に上昇し、好材料を十分に織り込んでいるのであれば、レーティング引き上げがむしろ相場の過熱を示している可能性もあります。

そのため、レーティングが出たタイミングは単純な買い場ではなく、「改めて投資判断を見直すタイミング」と捉えることが重要です。

「株価が正しい」と考えすぎる危険性

動画の後半では、発信者自身の経験として、「株価の動きが正しいと考えすぎてしまった」という反省も語られています。

企業のファンダメンタルズを調べ、自分では成長すると考えていたにもかかわらず、株価が下落すると、

「自分が知らない悪材料があるのではないか」

と考えて売却してしまうことがあります。

特に大企業の場合、すべての企業へ直接取材できるわけではありません。

そのため、株価が下落すると「機関投資家やアナリストが先に何かを知って売っているのではないか」と考えたくなります。

しかし動画では、実際に5月末から6月にかけて株価が下落した銘柄が、8月の決算で好材料を発表してストップ高になるケースが複数あったと説明されています。

つまり結果として、「自分が考えていた企業ストーリーの方が正しかった」というケースが何銘柄もあったということです。

数%の判断ミスが年間パフォーマンスを大きく左右する

こうした判断の違いは、長期的な運用成績に大きく影響します。

動画では、銘柄によっては保有を続けた場合と途中で売却した場合で、パフォーマンスが4~5%、場合によっては10%程度変わることもあると語られています。

投資では、この数%の違いが積み重なることで年間成績に大きな差が生まれます。

だからこそ、

「株価が下がったから売る」

「株価が上がったから買う」

という単純な判断ではなく、自分が最初に描いた投資シナリオが現在も成立しているかを確認することが重要になります。

高難易度相場では「当てること」より「残ること」が重要

今回の動画で一貫しているのは、難しい相場ほど無理をしないことの重要性です。

値動きが激しいからといってレバレッジを高める必要はありません。

株価が急落したからといって、企業価値まで急激に悪化したとは限りません。

一方で、難しいからと市場を完全に離れてしまえば、大きな産業変化や新しい相場環境を経験する機会を失ってしまいます。

そして、証券会社のレーティングや目標株価についても、その数字だけではなく「なぜ変更されたのか」を確認する必要があります。

現在のような相場では、株価そのものを答えだと考えるのではなく、企業のファンダメンタルズ、バリュエーション、需給、自分自身の投資シナリオを分けて考えることが重要になります。

まとめ

現在のようにボラティリティが高く、短期的な需給によって株価が大きく動く相場では、従来以上にリスク管理が重要になります。

特に注意したいのは、値動きが大きくなっているにもかかわらず従来と同じレバレッジをかけることです。相場環境が変われば、ポジションサイズも変える必要があります。

また、短期的な株価の上下だけを見て企業の将来性を判断することにも注意が必要です。現在は需給による値動きの影響が大きく、株価とファンダメンタルズが一時的に乖離するケースもあります。

だからこそ、自分がその企業を買った理由や成長シナリオを明確にし、その前提が崩れているかどうかを確認することが重要です。

同時に、難しい相場だからと市場から完全に離れる必要もありません。レバレッジやポジションサイズを落としながら相場に参加し続けることで、AIをはじめとした産業構造の変化をリアルタイムで経験できます。

そして証券会社のレーティング引き上げについても、目標株価だけを見るのではなく、その根拠が企業業績の改善なのか、単なるバリュエーションの引き上げなのかを見極める必要があります。

難易度の高い相場では、「次に何が上がるか」を当て続けること以上に、大きな損失を避けながら市場に残り続けることが重要です。

相場環境に応じてリスクを調整し、短期の値動きに振り回されず、自分自身の投資シナリオを持ち続けることが、長期的な投資成果につながる重要な考え方だと言えるでしょう。

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