本記事は、YouTube動画『一生使える投資の知識|株価暴落を予測するVIX指数とVVIX指数の活用法』の内容を基に構成しています。
株式市場が大きく下落したとき、「あのとき買っておけばよかった」と後悔した経験がある投資家は少なくないでしょう。
2020年のコロナショック、2024年8月の日本株急落、2025年のトランプ関税ショックなど、近年も株式市場では急激な価格変動が繰り返されてきました。
こうした暴落局面では、多くの個人投資家が「まだ下がるのではないか」という恐怖を感じ、なかなか購入に踏み切れません。しかし、その後に株価が大きく回復すると、絶好の買い場を逃したことに気づくケースもあります。
では、プロの投資家は株価が暴落したとき、どのような指標を参考に投資判断をしているのでしょうか。
今回の動画では、元ゴールドマン・サックスの小崎氏が、株式市場の恐怖や価格変動を数値化する「VIX指数」と、その先行指標として注目される「VVIX指数」について詳しく解説しています。
さらに、過去の暴落時にVIX指数がどのように動いたのか、VIX指数が25を超えた場面で株式を購入した場合のパフォーマンス、そして暴落時に追加投資するための資金をどう確保するのかについても取り上げています。
株価暴落を予測するためにプロが注目する指標とは
株式市場の暴落を正確に予測することは、プロの投資家であっても簡単ではありません。
実際、ファンドや投資家によって売買の判断方法は異なります。市場の状況を分析して投資方針を決めるファンドもあれば、あらかじめ設定された条件に従って機械的に売買するファンドもあります。
その一方で、市場の異変を察知するために利用される指標には、個人投資家でも参考にできるものが数多く存在します。
代表的なものが、株式市場の恐怖や価格変動の大きさを測定する「恐怖・ボラティリティ系」の指標です。
ボラティリティとは、株価などの価格がどれだけ大きく変動するかを示す概念です。一般的には、ボラティリティが高いほど市場の価格変動が激しく、低いほど値動きが比較的落ち着いていることを意味します。
また、市場分析には恐怖・ボラティリティ系以外にも、信用市場の状態を調べる指標や、投資家の心理を分析する指標などがあります。
例えば、ハイイールド債の信用スプレッドは企業の信用不安を測る際に利用され、ヒンデンブルグ・オーメンは株式市場内部の不安定さを分析する指標として知られています。
投資家心理を示すFear & Greed Index(恐怖と強欲指数)や、強気・弱気の投資家の割合を調べる指標などもあります。
今回の動画では、こうした数多くの指標の中でも、特にオプション市場を基に算出されるVIX指数とVVIX指数に焦点を当てています。
VIX指数とは?S&P500の今後30日間の変動予想を示す恐怖指数
VIX指数は何を表しているのか
VIX指数は、米国の代表的な株価指数であるS&P500が、今後30日間でどの程度変動すると市場が予想しているかを示す指標です。
一般的には「恐怖指数」と呼ばれていますが、単純に投資家の恐怖心を直接測定しているわけではありません。
実際には、S&P500を対象としたオプションの価格から、市場が予想する将来の変動率を算出しています。
この指数を公表しているのが、米国のオプション取引所であるCboe(シカゴ・オプション取引所)です。
Cboeは1973年に設立された取引所で、上場オプション市場の発展に重要な役割を果たしてきました。
なぜオプション価格から市場の恐怖が分かるのか
オプションとは、特定の資産をあらかじめ決められた価格で売買する権利を取引する金融商品です。
代表的なものには、購入する権利であるコールオプションと、売却する権利であるプットオプションがあります。
オプションは投機目的でも利用されますが、保有資産の価格下落に備える保険のような役割も持っています。
例えば、株式を大量に保有している投資家が、今後の株価下落を心配しているとします。
その場合、株価が下落したときに価値が上がりやすいプットオプションを購入することで、保有株式の損失を部分的に補うことができます。
これは、住宅の損害に備えて保険に加入することと似ています。
市場参加者が大きな価格変動を警戒するようになると、オプション価格に織り込まれる予想変動率が上昇し、VIX指数も上昇しやすくなります。
つまり、VIX指数を見ることで、市場参加者が今後の株価変動をどの程度警戒しているのかを数値として確認できるのです。
ただし、VIX指数は必ずしも株価の下落だけを予想する指標ではありません。上昇・下落の両方向を含む予想変動率を示している点が重要です。
VIX指数20・25・30は何を意味するのか
VIX指数を活用する際には、その数値が何を意味しているのか理解する必要があります。
動画では、平常時のVIX指数は12~13程度で推移することが多く、市場に異変が生じると20や25を超えるケースがあると解説されています。
一般的な目安としては、VIX指数が20を超えると市場の警戒感が高まり、25以上になると強い不安が意識される局面と考えられます。
ただし、こうした水準は絶対的な基準ではなく、市場環境によって平常時のVIX水準も変わります。
VIX指数20なら月間約5.8%の変動を予想
VIX指数の数値は、年率換算された予想変動率を示しています。
例えば、VIX指数が20の場合、市場ではS&P500の年率換算の予想変動率が約20%になっていることを意味します。
これを約1か月の変動率に換算すると、次の計算になります。
\[ 20\%\div\sqrt{12}\approx5.8\% \]
つまり、VIX指数20は、S&P500の今後約1か月の予想変動率が約5.8%であることを示しています。
これは株価が必ず5.8%上昇または下落するという意味ではなく、オプション市場が織り込んでいる価格変動の大きさです。
同じ考え方で計算すると、VIX指数と月間予想変動率の関係は以下のようになります。
| VIX指数 | 月間予想変動率の目安 |
|---|---|
| 10 | 約2.9% |
| 15 | 約4.3% |
| 20 | 約5.8% |
| 25 | 約7.2% |
| 30 | 約8.7% |
| 40 | 約11.5% |
| 60 | 約17.3% |
| 80 | 約23.1% |
このように、VIX指数が高くなるほど、市場では大きな価格変動が予想されていることになります。
VIX指数25以上でS&P500を買うと1年後の上昇確率は100%?
今回の動画で特に注目されるのが、VIX指数と、その後の株価パフォーマンスの関係です。
小崎氏は、過去にテレビ番組で紹介された2009年以降のデータを引用し、VIX指数が25以上のときにS&P500を購入した場合、1年後に株価が上昇していた確率が100%だったと説明しています。
さらに、NASDAQについても同様に高い上昇確率が確認され、VIX指数20以上の水準でも、紹介された集計では1年後の上昇確率が100%だったとしています。
ただし、これは動画で引用された特定期間の過去データに基づく結果です。対象期間や集計方法、サンプル数が明確に示されていないため、今後も同じ結果になると保証するものではありません。
暴落時に購入した場合の平均上昇率
動画では、VIX指数が25以上のときに購入した場合の1年後の平均上昇率として、次の数値も紹介されています。
| 投資対象 | VIX指数25以上で購入した場合 |
|---|---|
| S&P500 | 約16% |
| NASDAQ | 約21% |
さらに、VIX指数が30以上に上昇した場面では、その後の平均上昇率が一段と高くなり、動画ではNASDAQが45%以上になったケースにも言及しています。
ここで重要なのは、VIX指数の上昇が株式市場の急落と同時に発生しやすいという特徴です。
大きく売られた株式市場がその後回復すれば、安い価格で購入した投資家ほど高いリターンを得られる可能性があります。
特にNASDAQは、成長性の高いハイテク企業の比率が高く、株価が下落する局面ではS&P500以上に売られることがあります。
その一方で、市場環境が改善したときには大きく上昇するケースもあります。
もっとも、急落後に必ず回復するとは限らず、ハイテク株は下落幅が大きくなるリスクにも注意が必要です。
過去の株価暴落ではVIX指数はどこまで上昇したのか
VIX指数は、歴史的な金融危機の際に大きく上昇してきました。
動画では、特にリーマンショックやコロナショック、トランプ関税ショックなどの事例が紹介されています。
2008年のリーマンショック
2008年のリーマンショックでは、米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、世界的な金融不安が広がりました。
株式市場は急落し、投資家がリスク回避を急いだことで、VIX指数も歴史的な高水準に達しました。
動画では、当時のVIX指数が96付近まで上昇したと説明しています。
なお、一般に参照されるVIX指数の日中高値は2008年10月24日の89.53です。動画内の数値とは差があるため、使用したデータ系列や集計方法を区別する必要があります。
このような極端なVIX指数の上昇は、市場が通常の価格変動とは大きく異なる危機的な状態に陥っていたことを示しています。
2020年のコロナショック
2020年には、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって株式市場が急落しました。
経済活動の停止や企業業績への懸念が広がり、S&P500は短期間で大幅に下落しました。
その際、VIX指数は85付近まで上昇しています。
2020年3月16日にはVIX指数の終値が82.69に達し、日中には85.47を記録しました。
しかし、その後は各国の金融緩和や財政政策などを背景に株価が回復しました。
VIX指数が極端な高水準に達したときは、市場全体が強い恐怖に包まれていることが分かります。
2024年8月の日本株急落
2024年8月には、日本株が歴史的な急落を経験しました。
日銀の金融政策変更や米国景気への懸念、円キャリートレードの巻き戻しなどが重なり、日経平均株価は大きく下落しました。
この局面では、米国のVIX指数も急上昇し、一時65台に達しています。
日本株の急落であっても、世界的なリスク回避が発生すると、米国のオプション市場にもその影響が及ぶことがあります。
2025年のトランプ関税ショック
2025年4月には、米国の関税政策を巡る不確実性から株式市場が大きく混乱しました。
動画では、この局面でVIX指数が60付近まで上昇したことが紹介されています。
こうした過去の事例から、VIX指数が25を超える機会は歴史的な金融危機に限らず、政策変更や地政学的リスクが急速に高まった場面でも発生することが分かります。
VIX指数の上昇は株価暴落の予兆になるのか
VIX指数の使い方は、株価が暴落した後に買い場を判断することだけではありません。
市場の警戒感が高まる過程を観察することで、株価が大きく下落する前に異変を察知できる可能性があります。
例えば、S&P500が高値圏で推移しているとき、株価だけを見ている投資家は市場が順調だと判断するかもしれません。
しかし、同じ時期にVIX指数が徐々に上昇していれば、オプション市場では将来の価格変動に対する警戒が強まっている可能性があります。
動画では、このようなVIX指数の先行的な上昇を確認することで、株価指数だけを見ている場合より早くリスクの変化に気づけると説明しています。
ただし、VIX指数が上昇したからといって、必ず株価が暴落するわけではありません。
大きな下落が発生せず、警戒感だけが後退してVIX指数が下がるケースもあります。
そのため、VIX指数は暴落を確実に予測する指標ではなく、市場環境の変化を判断する材料の1つとして利用することが重要です。
暴落時に追加投資する資金はどうやって確保する?
VIX指数を活用した投資戦略を考えるとき、大きな問題になるのが投資資金です。
例えば、新NISAを利用して毎月一定額を積み立てている投資家がいたとします。
VIX指数が25を超え、株式市場が大きく下落したとしても、追加投資に使える現金がなければ買い増しはできません。
一方で、暴落に備えて多額の現金を保有し続ける方法にも問題があります。
株式市場が予想に反して上昇し続ければ、その間の値上がり益を逃してしまうためです。
そこで動画では、通常の積立投資を続けながら、暴落時に利益を得られる金融商品を組み合わせる方法が紹介されています。
プットオプションで株価下落に備える
1つ目は、プットオプションを保有する方法です。
プットオプションは、対象資産を決められた価格で売る権利です。
株価が大きく下落すると、その権利の価値が高まり、利益を得られる可能性があります。
例えば、日経平均株価が大幅に下落した際に、事前に購入していたプットオプションの価格が上昇したとします。
そのプットオプションを売却して利益を確定し、その資金をS&P500などの株式インデックスに投資するという考え方です。
動画では、暴落時にプットオプションの価格が数倍から数10倍になる可能性にも触れています。
ただし、オプションには満期があり、想定した期間内に大きな価格変動が起きなければ、購入代金の全額を失うこともあります。
継続的に保有する場合にはコストがかかり、単純に持ち続ければ利益が得られる商品ではありません。
VIX関連商品を購入して暴落時に売却する
2つ目は、VIX指数の上昇によって利益が得られる金融商品を活用する方法です。
VIX指数は、平穏な相場では低い水準で推移し、市場が混乱したときに急上昇する特徴があります。
そのため、VIXが低い水準のときに関連商品を購入しておき、VIX指数が急上昇したときに売却するという戦略が考えられます。
例えば、VIX指数が12~13程度のときに購入し、20や30を超えた局面で利益確定するという方法です。
そして、得られた利益を下落した株式市場に再投資します。
しかし、この戦略には極めて重要な注意点があります。
VIX指数そのものと、実際に購入できるVIX関連商品では、値動きが大きく異なる場合があることです。
VIX指数とVIX先物ETFは別物!長期保有で損失が拡大する理由
VIX指数に連動する金融商品として、VIX先物を利用したETFやETNなどがあります。
日本の証券市場でも、VIX先物指数に関連する金融商品が取引されています。
ところが、これらの金融商品は、一般的に表示されるVIX指数と同じ値動きをするわけではありません。
動画では、VIX指数のチャートが一定範囲を上下している一方で、VIX先物を利用したETFの価格は長期的に下落し続けているケースが紹介されています。
なぜVIX先物ETFは下落しやすいのか
その大きな理由が、先物の乗り換えに伴うコストです。
VIX先物ETFは、VIX指数そのものを直接保有するのではなく、VIX先物を利用して運用されます。
先物には満期があるため、ETFは保有する先物を定期的に新しい限月へ乗り換える必要があります。
このとき、期先の先物価格が期近より高い「コンタンゴ」と呼ばれる状態では、比較的安い先物を売却し、より高い先物を購入することになります。
この乗り換えが繰り返されると、ETFのパフォーマンスを継続的に押し下げる要因になります。
さらに、VIX先物には現物のVIX指数との価格差があり、満期に向けた価格の収束も値動きに影響します。
その結果、VIX指数が低い水準で推移していても、VIX先物ETFの価格が長期的に下落することがあります。
VIX指数が12ならETFも底値とは限らない
ここで注意したいのは、VIX指数が過去の低水準にあるからといって、VIX先物ETFも割安とは限らないということです。
例えば、VIX指数が12であれば、過去の推移から市場の警戒感が比較的低いと判断できるかもしれません。
しかし、VIX先物ETFはその後も先物の乗り換えなどによって価格が下落し続ける可能性があります。
したがって、VIX指数のチャートだけを見て、VIX関連ETFを長期保有する戦略には大きなリスクがあります。
動画では、VIX指数の動きにより近い形で取引できる商品についても言及されていますが、具体的な商品名や仕組みまでは示されていません。
実際に取引する場合には、対象が先物なのか、ETFなのか、CFDなのかを確認する必要があります。
特にVIX関連のCFDやデリバティブ商品には、価格調整や資金調達コスト、証拠金維持に関するリスクがあるため、VIX指数が低いという理由だけで安全な投資になるわけではありません。
VVIX指数とは?VIX指数より早く暴落の兆候を察知する指標
動画の後半では、VIX指数をさらに発展させた指標として「VVIX指数」が紹介されています。
VVIX指数は、VIX指数の将来の変動率に対する市場予想を示す指標です。
VIX指数がS&P500の予想変動率を表すのに対し、VVIX指数はVIX指数自体の予想変動率を表します。
関係を整理すると、次のようになります。
S&P500
米国株式市場の価格変動
その予想変動率
VIX指数
S&P500の今後30日間の予想変動率
さらにその予想変動率
VVIX指数
VIX指数自体の予想変動率
つまり、VVIX指数は「恐怖指数の変動に対する市場の警戒感」を測る指標と考えることができます。
VVIX指数が先行指標として注目される理由
株式市場が大きく下落すると、一般的にVIX指数は上昇します。
しかし、VIX指数が大きく上昇する前から、オプション市場ではVIXの変動そのものに対する警戒が強まっている場合があります。
その変化を捉えるために利用されるのがVVIX指数です。
例えば、S&P500が高値圏にあり、VIX指数も低い水準で推移していたとします。
ところが、VVIX指数だけが上昇し始めた場合、株式市場の表面的な値動きには現れていない警戒感が、VIXオプション市場で強まっている可能性があります。
動画では、VVIX指数を確認することで、VIX指数の上昇よりも早い段階で市場の異変を察知できる場合があると説明しています。
ただし、VVIX指数が常にVIX指数に先行するとは限りません。両者は同時に上昇することもあり、VVIXの上昇だけで株価暴落を予測できるわけではありません。
VVIX指数110超えは警戒サイン?数値の見方を解説
動画では、VVIX指数について次のような水準が紹介されています。
| VVIX指数 | 動画で示された目安 |
|---|---|
| 80~100 | 通常の水準 |
| 110以上 | 市場に異変が発生している可能性 |
| 130~150 | 強い警戒が必要な水準 |
| 200以上 | 極端な市場混乱を示す水準 |
通常、VVIX指数が80~100程度で推移している場合、市場の警戒感は比較的落ち着いていると考えられます。
しかし、VVIX指数が110を超えてくると、VIX指数そのものの変動に対する警戒感が強まっている可能性があります。
さらに130~150に上昇した場合には、オプション市場で非常に大きな価格変動が予想されている状態と解釈できます。
動画では、2025年のトランプ関税ショックでVVIX指数が170付近に上昇したことや、コロナショックで200を超えたことにも言及しています。
これらの数値は市場の異常な警戒感を示す例ですが、110や130といった水準が常に同じ意味を持つわけではありません。
過去の相場環境と比較しながら、他の指標と組み合わせて判断する必要があります。
2020年のコロナショックではVVIX指数がVIX指数より先に上昇
VVIX指数の先行性を説明するため、動画では2020年のコロナショックを例に挙げています。
2020年2月の段階では、米国株式市場はまだ本格的な暴落に突入していませんでした。
S&P500は高値圏で推移し、VIX指数も13~14程度と、比較的落ち着いた状態にありました。
しかし、動画で紹介されたチャートでは、この時期にVVIX指数が先に110を超えています。
つまり、S&P500とVIX指数には大きな変化が現れていない段階で、VVIX指数が上昇し始めていたということです。
その後、VIX指数が20や25といった警戒水準を突破し、株式市場の本格的な下落が始まりました。
S&P500は2020年2月19日に当時の高値を付けた後、急速に下落し、3月23日に底値を記録しています。
動画では、VVIX指数がVIX指数より約1週間早く異変を示していたケースとして紹介されています。
VVIX・VIX・S&P500の動きをどう組み合わせるか
この事例を基にすると、監視する順番として次のような考え方ができます。
まず、VVIX指数が通常の水準から上昇し、110を超えるかどうかを確認します。
その後、VIX指数が20や25に向かって上昇しているかを観察します。
さらに、S&P500の価格動向を確認し、実際に株価が下落し始めているかを調べます。
このように複数の指標を組み合わせることで、株価だけを見ている場合よりも市場の変化を多面的に把握できる可能性があります。
ただし、2020年の成功例が、そのまま将来にも当てはまるとは限りません。
VVIX指数が先行して上昇しても、その後に大きな株価下落が起きない可能性もあります。
投資判断に活用するなら、過去の複数の相場で検証し、どの程度の頻度で有効なシグナルが発生していたのかを調べることが重要です。
VIXとVVIX以外にも市場の異変を示す指標がある
動画では、VIX指数とVVIX指数以外にも、株式市場のリスクを分析する指標が紹介されています。
その代表例が、SKEW指数、MOVE指数、プット・コール・レシオです。
SKEW指数
SKEW指数は、S&P500のオプション価格を基に、市場が極端な株価下落のリスクをどの程度織り込んでいるかを分析する際に利用される指標です。
VIX指数が全体的な価格変動の大きさを示すのに対し、SKEW指数は特に株価の大幅下落という極端な事象に対する市場の警戒感を見るために利用されます。
MOVE指数
MOVE指数は、米国債市場の予想変動率を示す指標です。
株式市場の恐怖指数としてVIX指数が知られているのに対し、MOVE指数は債券市場のボラティリティを把握する際に参考にされます。
金利の急変や金融政策に対する不確実性が高まると、MOVE指数が上昇する場合があります。
株式市場と債券市場は密接に関係しているため、両者を組み合わせることで金融市場全体のリスクを把握する手掛かりになります。
プット・コール・レシオ
プット・コール・レシオは、プットオプションとコールオプションの取引状況などを比較する指標です。
プットオプションの取引が相対的に増えている場合、市場参加者が下落への警戒を強めている可能性があります。
ただし、オプションはヘッジだけでなく投機目的でも利用されるため、数値の変化だけで市場心理を断定することはできません。
動画では、こうした複数の指標を組み合わせることで、より厳格な売買条件を設定できる一方、取引機会が少なくなる問題についても説明しています。
暴落を待ちすぎると投資機会を失う可能性も
VIX指数やVVIX指数を使って厳格な条件を設定すれば、極端な市場混乱に絞って投資することも考えられます。
例えば、VIX指数が30以上で、VVIX指数が150以上になったときだけ購入するというルールです。
しかし、こうした条件を厳しくするほど、実際に購入できる機会は減少します。
歴史的な金融危機は毎年発生するわけではありません。
そのため、非常に大きな暴落だけを待っていると、数年間にわたって投資機会を逃してしまう可能性があります。
その間、株式市場が上昇し続ければ、投資していないことによる機会損失が発生します。
また、現金はインフレによって実質的な購買力が低下する可能性もあります。
動画では、こうした問題を踏まえ、長期の積立投資を基本としながら、暴落時の追加投資を組み合わせる考え方が示されています。
新NISAの積立投資と暴落時の買い増しを組み合わせる
今回の動画で提案されている投資戦略は、積立投資をやめて暴落だけを狙うものではありません。
むしろ、積立投資は継続しながら、市場が大幅に下落したときに追加投資することを目指しています。
例えば、新NISAのつみたて投資枠でS&P500や全世界株式の投資信託を購入し続ける一方、相場が大きく下落した局面で成長投資枠を利用して買い増す方法が考えられます。
その際、VIX指数を参考にすることで、市場の恐怖がどの程度高まっているかを客観的に判断しやすくなります。
ただし、投資資金を追加できるかどうかは、生活費や緊急時に必要な現金を確保できていることが前提です。
また、暴落時に追加投資する戦略が通常の積立投資を上回るかどうかは、購入タイミングや待機資金の割合、相場環境によって異なります。
動画では、こうした暴落時の追加投資を長期投資のパフォーマンスを高める「加速剤」と位置づけています。
重要なのは、暴落を狙うこと自体を投資の中心にするのではなく、長期投資の仕組みを維持しながら補助的に利用することです。
暴落時に最も避けたいのは恐怖による狼狽売り
VIX指数やVVIX指数を学ぶメリットは、購入タイミングを判断することだけではありません。
むしろ、株式市場が急落したときに冷静さを保つための材料にもなります。
相場が急落すると、ニュースでは金融危機や景気後退への懸念が繰り返し報じられます。
そうした状況では、長期投資のつもりで購入していた投資信託であっても、含み損が拡大することに耐えられず売却してしまう人がいます。
そして、いったん売却した後に株価が回復すると、再び高い価格で買い戻すことになる場合もあります。
これを繰り返せば、本来は長期間保有することで得られた可能性のあるリターンを逃してしまいます。
動画では、VIX指数の過去の動きや市場の回復局面を知ることで、こうした感情的な売買を減らせる可能性があると説明しています。
もちろん、VIX指数が極端な高水準に達したからといって、株価の底値が確定したわけではありません。
しかし、市場の警戒感を数値として把握できれば、恐怖心だけに左右されない投資判断につながる可能性があります。
まとめ|VIX指数とVVIX指数を使って株価暴落に備える
今回の動画では、株式市場の暴落を分析するための指標として、VIX指数とVVIX指数の仕組みや活用方法が詳しく解説されました。
VIX指数は、S&P500の今後30日間の予想変動率を示す指標です。一般的に20や25を超えると市場の警戒感が高まっていると考えられ、過去にはこうした局面が長期的な投資機会につながったケースもありました。
一方、VVIX指数はVIX指数そのものの予想変動率を示すもので、VIX指数より先に変化する場合があります。
動画では、2020年のコロナショックを例に、VVIX指数が110を超えた後、VIX指数が上昇し、その後S&P500が大きく下落した事例が紹介されました。
また、暴落時に買い増しするための資金確保策として、プットオプションやVIX関連商品を利用する考え方も取り上げられています。
ただし、VIX指数とVIX先物ETFでは値動きが異なることや、オプションの保有にはコストと損失リスクがあることにも注意が必要です。
最も重要なのは、VIX指数やVVIX指数を使えば暴落を確実に予測できるわけではないという点です。
これらの指標は、市場参加者が将来の価格変動をどの程度警戒しているのかを把握するための道具であり、単独で売買の正解を示してくれるものではありません。
長期的な積立投資を基本としながら、市場が大きく混乱したときにどのように対応するのか、あらかじめ方針を決めておくことが重要です。
株価が急落したときに感情的な判断を避け、客観的なデータに基づいて行動するためにも、VIX指数とVVIX指数の仕組みを理解しておくことは、投資家にとって役立つ知識といえるでしょう。


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