本記事は、YouTube動画『日経6万5000円突破!この上げ相場に乗れてない人は、どうするべきか語ってみました。』の内容を基に構成しています。
導入
日経平均株価が6万5000円を突破し、市場全体に強い上昇ムードが広がっています。
つい最近まで「6万円に届くかどうか」が話題になっていたにもかかわらず、気づけば6万5000円台まで一気に上昇しました。短期間で5000円近く上がったことで、すでに日本株を持っている人にとっては大きな含み益が出ている一方、まだ乗れていない人にとっては「今からでも買わなければいけないのではないか」という焦りが出やすい局面です。
しかし、動画内で語られている重要な結論は、非常にシンプルです。
上げ相場には乗ってもよいが、焦って全力で飛びつくべきではない、ということです。
特に、信用取引やレバレッジを使って無理に相場へ参加しようとするのは危険です。株式市場は、自分のお金の問題を一発逆転で解決する場所ではありません。余裕資金でリスクを引き受け、その見返りとしてリターンを狙う場所です。
日経平均6万5000円突破はなぜ起きたのか
動画では、日経平均が朝の時点で6万5300円前後まで上昇し、1日で約2000円近く上がっている状況が語られています。6万円台に乗せたばかりと思っていた市場が、わずかな期間で6万5000円台まで到達したため、投資家の体感としては「一瞬で上がった」という印象が強い局面です。
この上昇の背景としては、アメリカとイランの停戦合意観測、中東情勢の緊張緩和、原油価格の下落、ホルムズ海峡リスクの後退などが挙げられています。
中東情勢が悪化していた局面では、原油価格やナフサ価格、物流コストなどの上昇が懸念されていました。ホルムズ海峡は世界のエネルギー供給にとって重要な海上交通路であり、ここが封鎖されるリスクが高まると、原油価格や関連コストが一気に上昇しやすくなります。
しかし、停戦期待によって原油価格が落ち着けば、企業にとっては仕入れコストの上昇圧力が和らぎます。一方で、すでに商品やサービスの値上げを行った企業は、その価格を簡単には元に戻しません。
ここが動画内で非常に重要なポイントです。
一度上がった価格はなかなか下がらない
動画では、ラーメン価格の例を使って、インフレの性質が説明されています。
たとえば、小麦価格や原材料価格が上がったことでラーメンが1000円を超えるようになった場合、その後に原材料価格が下がったとしても、ラーメン価格がすぐに1000円未満に戻るとは限りません。
これは外食だけでなく、多くの業界に共通する現象です。
企業は、コスト上昇を理由に値上げします。しかし、その後に原材料費や仕入れ価格が下がっても、一度引き上げた販売価格を元に戻すケースは多くありません。すると、売上単価は高いまま、コストだけが下がるため、企業利益は増えやすくなります。
つまり、中東情勢の悪化によって値上げの大義名分が生まれ、その後に原油価格や仕入れコストが下がると、企業収益にはプラスに働く可能性があります。
これが株価上昇を支える1つの理由です。
AIバブルと日本企業の立ち位置
今回の上昇相場でもう1つ大きなテーマになっているのが、AI関連株です。
動画では、AIブームをゴールドラッシュにたとえています。ゴールドラッシュの時代に最も儲かったのは、金を掘りに行った人ではなく、金を掘る人たちにスコップやジーンズを売った人だった、という有名な話です。
このたとえを現在のAI相場に当てはめると、AIサービスそのもので勝負している企業は、金山へ向かっている採掘者のような存在です。一方、日本企業の多くは、メモリ、半導体製造装置、光ファイバー、検査装置、素材、部品など、AIインフラを支える側に位置しています。
たとえば、キオクシアのようなメモリ関連企業、藤倉のような光ファイバー関連企業、レーザーテックやアドバンテストのような半導体製造・検査装置関連企業などは、AIブームの裏側で必要とされる「道具」や「インフラ」を提供する立場にあります。
この立ち位置は、AIバブルが続いている間は非常に有利です。
なぜなら、AI開発企業やハイパースケーラーが巨額の投資を行えば行うほど、サーバー、メモリ、GPU、光通信、データセンター関連設備への需要が増えるからです。
日本企業はAIバブル崩壊時の傷が浅い可能性もある
動画では、仮にAIバブルが崩壊した場合でも、日本企業の傷は相対的に浅い可能性があると語られています。
AIサービスを直接展開している企業は、巨額の投資を回収できるかどうかという大きなリスクを抱えています。たとえば、AI開発企業や巨大IT企業は、データセンターやGPUに膨大な資金を投じています。その投資が将来十分な利益を生むかどうかは、まだ不確実な部分があります。
一方で、日本企業の多くは、その投資競争に必要な部品や装置を売る側です。もちろん、AI投資が減速すれば業績への影響は避けられません。しかし、すでに販売した製品や装置の代金を受け取っていれば、AIサービス企業ほど直接的な損失を抱えるわけではありません。
動画では、これを「武器商人」のような立場と表現しています。戦争そのものに勝つか負けるかではなく、戦争に必要な道具を売っている側であれば、一定の収益を得やすいという考え方です。
もちろん、これは日本株が絶対に安全という意味ではありません。AI関連株も期待が高まりすぎれば、どこかで大きな調整が入る可能性があります。ただし、日本企業の立ち位置は、AIブームに対して比較的おいしいポジションにあるという見方が示されています。
すでに安いところで仕込んでいる人はどうすべきか
動画では、日経平均が5万円台、あるいは6万円未満の段階で仕込んでいた人については、慌てて売る必要はないという考えが語られています。
すでに安いところでポジションを持っている人は、含み益という余裕があります。そのため、多少の上下動があっても、相場の勢いについていく選択肢があります。
特に、強い上昇相場では、常識的な割高感や短期的な過熱感を超えて株価が上がり続けることがあります。相場が強い時は、理由が後からついてくることも多く、「なぜ上がるのか」を考えている間にさらに上がってしまうケースもあります。
そのため、すでに持っている人は、無理に天井を当てようとせず、行けるところまでついていくという考え方もあります。
ただし、これは「今から全力で買えばよい」という意味ではありません。
今から日経平均を全力で買うのは危険なのか
動画内で強調されているのは、今から日経平均に全力で飛びつくのは危険だという点です。
日経平均が6万5000円まで上がった時点で、仮に7万円を目指すとしても、上昇余地は約8%程度です。もちろん、7万円を超えてさらに上がる可能性もあります。しかし、短期的にはかなり急ピッチで上昇しているため、調整リスクも高まっています。
6万5000円で全力買いした後、7万円まで上がれば利益になります。しかし、その前に6万円割れや5万8000円まで調整する可能性もあります。特に、レバレッジを使っている場合、短期的な下落だけで大きな損失につながります。
動画では、今から買う場合は一括ではなく、タイミングを分散した方がよいと語られています。
たとえば、長期の積立投資であれば、6万円で始めるか6万5000円で始めるかは、30年後、40年後から見れば大きな差ではないかもしれません。しかし、短期で大きく儲けようとして一括投資する場合は、買った直後の調整に耐えられない可能性があります。
乗り遅れた人ほど焦ってはいけない
上げ相場で最も危険なのは、「自分だけ取り残されている」と感じて焦ることです。
周囲が儲かっているように見えると、自分も今すぐ買わなければならない気持ちになります。しかし、そうした焦りで買う人は、すでに安いところで仕込んでいた投資家の売りを受け止める側になりやすいのです。
動画では、パーティーに遅れて来た人のたとえが使われています。
すでに盛り上がっているパーティーに遅れて来た人が、周囲に追いつこうとして慣れない酒を一気飲みすれば、すぐに潰れてしまいます。投資も同じです。慣れていない人が、盛り上がっている相場に急いで全力参加すると、少し下がっただけで耐えられなくなります。
大事なのは、相場に参加すること自体を否定しない一方で、自分の体力や経験に合わせてほどほどに参加することです。
若い人の積立投資と退職前の一括投資はまったく違う
動画では、投資判断は年齢、資産状況、入金力、投資目的によって変わると説明されています。
たとえば、若い人が30年後、40年後の老後資金を作るために積立投資を始めるのであれば、日経平均が6万円でも6万5000円でも、長期的には大きな問題にならない可能性があります。むしろ、無理のない範囲で早く始めることが大切です。
一方で、58歳の人が退職金や長年貯めてきた3000万円を、日経平均6万5000円のタイミングで一括投入するのは危険です。退職が近い人は、もし数年以内に大きな下落が来ると、回復を待つ時間が限られます。
また、3年後に住宅購入を予定していて、その頭金に使うお金を株式市場に入れるのも慎重に考える必要があります。
株式投資は、長期で使わない余裕資金で行うのが基本です。近い将来に使う予定のお金を、上げ相場に焦って投入するのはリスクが高い行動です。
信用取引で乗り遅れを取り戻そうとするのは最悪の選択
動画内で特に強く否定されているのが、「お金がないから信用取引で買う」という考え方です。
上げ相場に乗れていない人の中には、「現金は少ないけれど、今買わないと取り残される」と考え、信用取引に手を出そうとする人もいます。しかし、これは非常に危険です。
信用取引は、自己資金以上の取引ができるため、上がれば利益も大きくなります。しかし、下がれば損失も大きくなります。特に、急落時には追証や強制決済が発生する可能性があります。
日経平均が6万5000円から一時的に6万8000円まで上がったとしても、その後5万8000円まで下がることは十分にあり得ます。現物投資なら耐えられる下落でも、信用取引では強制的に売らされる可能性があります。
その場合、最も苦しい安値圏で損切りさせられ、その後に相場が反発しても戻れないという最悪の展開になりかねません。
株式市場は自分の問題を解決する場所ではない
この動画で最も重要なメッセージの1つが、「自分の問題を株式市場で解決しようとするな」という言葉です。
お金がない、給料が低い、将来が不安だ、周りだけ儲かっている。こうした不満や焦りを抱えたまま株式市場に入ると、冷静な判断ができなくなります。
株式市場は、一発逆転の場所ではありません。
企業が抱えているリスクを、投資家が資金を出すことで引き受ける場所です。そのリスクを引き受けた見返りとして、配当や値上がり益を得る可能性があります。
つまり、株式投資は本来、余裕のある人が他人のリスクを引き受ける行為です。余裕のない人が、自分の生活問題を解決するために全力で飛び込む場所ではありません。
この考え方は、初心者ほど意識すべきです。
相場には季節がある
動画では、相場のサイクルを季節にたとえています。
夏が来たからといって、冬服をすべて捨てる人はいません。どれだけ暑い夏でも、やがて秋が来て、冬が来ることを大人は知っています。
相場も同じです。
どれだけ強い上げ相場でも、永遠に上がり続けることはありません。逆に、どれだけ苦しい下げ相場でも、永遠に下がり続けるわけではありません。
株式市場には、上昇局面、過熱局面、調整局面、下落局面、回復局面があります。この循環を理解せず、「今上がっているから永遠に上がる」と考えると、高値づかみをしやすくなります。
特に、上げ相場の終盤では、これまで株に興味がなかった人まで投資の話を始めることがあります。ニュースや雑誌、SNSで「若くしてFIREした人」「短期間で資産を何倍にした人」が目立つようになると、相場の過熱感を示すサインになることもあります。
天井サインは身近なところに出る
動画では、株に詳しくない人のタイムラインに株情報が流れてきたり、全く投資に興味がなかった人が急に株を買いたがったりする現象が、相場の過熱サインとして語られています。
これは過去の相場でも繰り返されてきたことです。
ビットコインが大きく上がった時、メタプラネットのような関連銘柄に個人投資家が殺到した時、短期で大儲けした人がメディアに出てきた時、多くの場合、その後に大きな調整が起きています。
もちろん、日経平均全体と個別のテーマ株を同じように扱うことはできません。しかし、「普段投資をしない人まで盛り上がり始める」という現象は、過熱感を測るうえで参考になります。
大切なのは、周囲が盛り上がっているから買うのではなく、自分の資金計画とリスク許容度に基づいて判断することです。
連想ゲーム投資の危うさ
動画の後半では、スペースXや宇宙関連株、メタプラネットとビットコインの関係などを例に、連想ゲーム的な投資の危うさも語られています。
たとえば、スペースXが話題になると、日本の宇宙関連銘柄を買おうとする人が出てきます。しかし、もし本当にスペースXに投資したいのであれば、直接投資できる手段があるかどうかを調べるべきです。
ビットコインが上がっているからメタプラネットを買う、スペースXが話題だから日本の宇宙株を買う、AIが話題だから名前だけAIっぽい銘柄を買う。こうした行動は、銘柄選びが雑になりやすい投資行動です。
もちろん、関連銘柄が大きく上がることもあります。しかし、「本命に投資するのが面倒だから、身近な関連株で代用する」という発想は危険です。
投資では、面倒でも調べることが重要です。決算資料、事業内容、収益構造、競争力、株価水準を確認せず、雰囲気だけで買うと、高値づかみにつながりやすくなります。
個別株投資は発見する楽しさがある
動画では、個別株投資の魅力として「発見する楽しさ」も語られています。
みんなが行列を作っている人気店に並ぶのではなく、誰も注目していない路地裏の店に入ってみる。もちろん失敗することもありますが、何度も試すうちに本当に良い店を見つけることがあります。
個別株投資もこれに近いものがあります。
すでに誰もが知っていて、ニュースやSNSで大きく取り上げられている銘柄に後から飛びつくのではなく、自分で調べて、まだ注目されていない銘柄を見つけることには大きな面白さがあります。
もちろん、初心者がいきなり難しい個別株投資をする必要はありません。インデックス投資や積立投資から始めるのも十分に合理的です。ただし、個別株をやるなら、流行に乗るだけではなく、自分で調べる姿勢が必要です。
乗り遅れた人が今やるべきこと
では、日経平均6万5000円の上げ相場に乗れていない人は、具体的にどうすればよいのでしょうか。
まず大切なのは、焦って全額投入しないことです。
長期投資であれば、毎月一定額を積み立てる形で始めるのが現実的です。特に若い人で、老後資金や長期資産形成が目的であれば、短期的な高値を過度に気にしすぎる必要はありません。
一方で、まとまった資金を入れる場合は、数回に分けて投資する方が心理的にも安全です。たとえば、今すぐ3分の1だけ買い、残りは調整時や数カ月後に分けて入れるなど、タイミング分散を考えることができます。
また、近い将来使うお金は投資に回さないことです。住宅購入資金、教育資金、生活防衛資金、税金の支払いに使うお金を、上げ相場に焦って投入するのは避けるべきです。
そして何より、信用取引やレバレッジで無理に取り返そうとしないことが重要です。
まとめ
日経平均が6万5000円を突破し、日本株市場は非常に強い上昇相場に入っています。中東情勢の緊張緩和、原油価格の下落、企業収益の改善期待、AI関連需要、日本企業の半導体・メモリ・インフラ関連での優位性など、株価上昇を支える材料は複数あります。
しかし、相場が強いからといって、今から焦って全力で買うべきではありません。
すでに安いところで仕込んでいる人は、上昇相場についていく選択肢があります。一方で、乗り遅れた人が今から一括投資や信用取引で飛びつくのは危険です。
株式市場は、自分のお金の問題を一発逆転で解決する場所ではありません。余裕資金で企業のリスクを引き受け、その見返りとしてリターンを狙う場所です。
若い人が長期の積立投資を始めるなら、今からでも無理のない範囲で始める意味はあります。しかし、退職前の資金や数年以内に使う予定のお金を、今の過熱感のある相場に全額投入するのは慎重に考えるべきです。
上げ相場は楽しいものです。参加すること自体は悪くありません。ただし、パーティーに遅れて来たからといって、慣れない酒を一気飲みする必要はありません。
相場には必ず季節があります。夏が来ても冬服を捨てないように、上げ相場でも下げへの備えを忘れないことが、長く投資を続けるために大切です。


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