本記事は、YouTube動画『【告知有り】S&P500とナスダック100が止まらない!最高値更新でも米国株はまだ割高ではありません【米国株式市場解説】』の内容を基に構成しています。
S&P500とナスダック100が再び強さを取り戻している
米国株式市場では、S&P500やナスダック100が再び強い動きを見せています。特にナスダック100は、AI関連株や半導体株の上昇を背景に、最高値更新を意識する水準まで戻ってきています。
動画では、現在の米国株市場について「止まらない」という表現が使われています。
以前はアメリカとイランの緊張、ホルムズ海峡をめぐる不安、原油価格の上昇懸念などが市場の警戒材料として語られていました。しかし、株式市場ではこうした地政学リスクへの関心が薄れつつあり、投資家の目線は再びAI、半導体、ハイテクグロース株へ向かっているという見方が示されています。
これは、以前の関税問題と似た構図とも説明されています。
当初は大きな不安材料として市場に意識されても、時間が経つと投資家がその材料に慣れ、やがて株価の主なテーマではなくなっていくことがあります。今回も、原油や中東情勢への警戒感は残るものの、市場全体の主役は再び米国株、とくにAI関連銘柄に戻ってきているといえます。
5月相場をけん引したのはハイテクグロースと半導体
動画の中で特に強調されていたのは、5月の相場をけん引したのがハイテクグロース株だったという点です。S&P500全体も上昇していますが、その中でもグロース株、テクノロジーセクター、そして半導体関連株の存在感が非常に大きくなっています。
AIブームは一時的なテーマではなく、まだ市場の中心に残っているという見方です。特に半導体関連では、マイクロン・テクノロジーのような企業の時価総額が大きく膨らみ、スイスの金融大手UBSが株価見通しを大幅に引き上げたという話も紹介されています。
ここで重要なのは、単に株価が上がっているだけではないという点です。動画では、もし売上や利益が本当に伸びていくのであれば、現在の株価水準は必ずしも割高とは言えないと説明されています。
株価が上がると、多くの投資家は「もう高すぎるのではないか」と感じます。しかし、企業の利益がそれ以上に伸びていれば、PERなどのバリュエーション指標で見たときに、むしろ過熱感がそこまで強くない場合もあります。今回の米国株市場では、まさにそのような状況が起きている可能性があるということです。
AI設備投資が続く限り、半導体相場は簡単には終わらない
現在の半導体相場を考えるうえで欠かせないのが、AI向けの設備投資です。メタ、Amazon、Microsoftといった巨大テック企業は、AIサービスを強化するためにデータセンターや半導体へ巨額の投資を続けています。
動画では、この相場の終わりを考えるうえで重要なのは、半導体を供給する企業側だけでなく、注文を出している側、つまり巨大テック企業の投資余力だと説明されています。
もしメタ、Amazon、Microsoftなどが「もう設備投資は十分だ」と判断すれば、半導体需要の伸びは鈍化する可能性があります。一方で、AIを使った新しいサービスや事業が今後さらに出てくるのであれば、データセンター投資は続き、半導体需要も長く続く可能性があります。
つまり、今回のAI・半導体相場は、単なる株価の人気だけで動いているのではなく、実際の設備投資と企業収益に支えられている点が大きな特徴です。
中小型株から大型ハイテク株へ資金が循環している
動画では、中小型株が下がっている理由についても触れられています。その理由は、資金が中小型株から大型ハイテク株や半導体株へ循環しているためだと説明されています。
株式市場では、常に同じ場所に資金が入り続けるわけではありません。ある時期に上昇した銘柄やセクターから利益確定の資金が出て、次に勢いのあるテーマへ移っていくことがあります。
5月相場では、これまで出遅れていた米国株、とくにナスダック100や半導体株へ資金が戻ってきたという流れが見られます。一方で、エネルギー株やコモディティ関連も大きく崩れているわけではなく、粘り強い動きを続けているとされています。
この点から、動画ではポートフォリオの重要性も語られています。S&P500だけに投資していても損をしているわけではありませんが、他の資産やセクターにも分散していた投資家と比べると、リターンに差が出る場面があります。
そのため、米国株、半導体、エネルギー、コモディティ、ゴールドなど、複数のリターン源を持つことが重要だという考え方が示されています。
米国株と日本株は「上がってもおかしくない」状態にある
動画では、米国株だけでなく日本株についても言及されています。日本株も日経平均が過去最高値を更新するなど、強い相場が続いています。
重要なのは、株価が上がっているにもかかわらず、バリュエーション面では極端に割高ではないという点です。短期間で急上昇したため、スピード調整が入る可能性はあります。しかし、企業利益やバリュエーションを考えると、単純に「上がりすぎだからバブルだ」とは言い切れないという見方です。
ここでいうスピード調整とは、株価が短期間で大きく上がりすぎたため、一時的に利益確定売りが出たり、横ばいになったりすることを指します。ただし、それは必ずしも相場の終わりを意味するわけではありません。
動画では、今の相場をバブルだと決めつけて手が出せない投資家は、本当のバブル相場が来たときにも乗れない可能性があると指摘されています。過去との比較だけで「高い」と判断するのではなく、将来の利益成長と比較して考えることが大切だというメッセージです。
FRBの情報発信が今後の市場リスクになる可能性
今後の米国株市場を見るうえで、金融政策も重要なテーマです。動画では、FRBの情報発信についても触れられています。
FRBはこれまで、FOMC後の会見やドットチャート、理事・地区連銀総裁の発言などを通じて、市場に多くの情報を提供してきました。しかし、今後もしFRBの情報発信が制限されるような方向へ進むと、市場はFRBの考え方を読みづらくなります。
金融市場にとって、中央銀行の方針が見えにくくなることは大きな不安材料です。特にインフレが再び意識される局面では、FRBがタカ派なのかハト派なのかによって、株価、為替、金利の動きが大きく変わります。
そのため、6月のFOMCやFRB関係者の発言は、今後の市場を見極めるうえで重要なポイントになると説明されています。
VIXは低下し市場は安定しているが、短期的には過熱感もある
S&P500が高値圏に戻るなか、VIX指数も低い水準で推移しており、市場は比較的安定しています。VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれ、投資家の不安心理を示す指標として使われます。
VIXが低いということは、市場参加者が大きな急落をあまり警戒していない状態ともいえます。ただし、動画では短期的な過熱感にも注意が必要だとされています。
急落から急騰に転じるスピードが非常に速く、売られすぎの状態から買われすぎの状態へ、わずか6日程度で移行したという点が紹介されています。これは過去にもそれほど多くない急激な動きです。
ただし、買われすぎだから必ず下がるというわけではありません。過去にはその後も上昇したケースと下落したケースの両方があります。そのため、短期的には調整があってもおかしくない一方で、中長期の上昇トレンドがすぐに終わると決めつける必要もないという見方です。
ドル円は159円台、為替の動きも株式市場に影響する
動画では、為替についても重要なポイントとして取り上げられています。ドル円は159円台に入り、なかなか円高方向へ進まない状況が続いています。
一方で、160円付近になると日本当局による為替介入への警戒感が出やすくなるため、上値も簡単には追いにくい状況です。つまり、ドル円は上にも下にも動きづらい、判断が難しい局面にあるといえます。
また、動画では日本人投資家にとってドル円を見ることはもちろん大切だが、本来はユーロドルも見るべきだと説明されています。ユーロドルは世界の為替市場で非常に重要な通貨ペアであり、ドル全体の強さや弱さを判断するうえで参考になります。
もしドル高の流れが変わり、ユーロやポンド、豪ドルなどが買われるようになれば、リスクオンの流れが強まり、株式やゴールドが上がりやすくなる可能性があります。
今後の最大テーマは雇用よりインフレ
動画では、今後の市場で最も重要なテーマは雇用よりもインフレだと説明されています。
過去のデータでは、アメリカのCPIが4%を超えた後、S&P500が3か月後や6か月後に下落したケースが平均的には見られたとされています。ただし、すべてのケースで下落したわけではありません。2005年9月や2021年4月のように、CPIが高くても株価が上昇したケースもあります。
重要なのは、市場がインフレをどう受け止めるかです。インフレを景気の強さの表れと見るのか、それとも金融引き締めや企業コスト増加のリスクと見るのかによって、株価の反応は変わります。
動画では、今回のインフレ上昇がすぐに株価下落要因になるとは限らないと説明されています。ただし、CPIが4%を超える可能性は頭に入れておくべきであり、インフレ再燃のリスクは無視できないという考え方です。
信用取引残高の増加は警戒材料
現在の相場で注意すべきリスクとして、マージンデット、つまり信用取引の増加が挙げられています。
信用取引とは、投資家が証券会社などから資金を借りて株を買う取引です。相場が上昇しているときは利益を大きくしやすい一方、相場が下落すると損失も大きくなります。
動画では、過去に信用取引残高が大きく膨らんだ局面では、その後に株価がピークアウトしたケースがあると説明されています。2000年のITバブル、2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック、2021年から2022年にかけての下落局面などが例として挙げられています。
現在も信用取引残高は過去最高水準に達しているとされ、これは相場の過熱を示す警戒材料です。ただし、信用取引残高が高いからといって、すぐに株価が下がるとは限りません。
株価の底を見つけることはある程度可能でも、高値を正確に見極めることは非常に難しいと動画では説明されています。そのため、今が危険だからすべて売るというよりも、過熱感を認識しながら市場に参加する姿勢が重要だとされています。
マネーサプライの増加が株価を支えている
信用取引の増加や株価上昇を支えている背景には、マネーサプライの増加があります。マネーサプライとは、世の中に出回っているお金の量を示す指標です。
動画では、アメリカのマネーサプライが過去4年で最も伸びていると紹介されています。つまり、金融引き締めが語られる一方で、実際には市場に資金が供給され続けているという見方です。
お金の量が増えれば、現金の価値は相対的に下がりやすくなります。その結果、株式、ゴールド、コモディティなどの実物資産や金融資産へ資金が向かいやすくなります。
この流れは、株価を押し上げる要因になります。ただし、行き過ぎればバブルになり、最終的には調整が起きる可能性もあります。そのため、今の相場は「ついていくしかない」が、「リスクを忘れてはいけない」局面だといえます。
S&P500上位10銘柄は過去ほど割高ではない
動画の中心的な主張の1つが、S&P500やナスダック100は最高値圏にあっても、まだ極端に割高ではないという点です。
特にS&P500の上位10銘柄について、PERはおよそ25倍程度と説明されています。過去平均よりは高いものの、2021年ごろのように30倍を超えるような水準と比べれば、まだ余地があるという見方です。
また、上位10銘柄だけでなく、残りの493銘柄の利益成長も見込まれているとされます。もし企業利益が大きく伸びるのであれば、同じPERでも株価は上昇してよいことになります。
このように、株価だけを見ると高く見えても、利益成長を考慮すれば割高とは言い切れないという点が重要です。動画では、現在の相場を「過去と比較するのではなく、将来と比較するべき」と説明しています。
半導体比率の上昇はITバブルと似ているが、今回は実態がある
現在のS&P500では、半導体関連株の比率が非常に高まっています。この点だけを見ると、2000年のITバブルを思い出す投資家も多いかもしれません。
動画でも、半導体株の比率上昇は過去のテックバブルと比較されています。ただし、当時と現在の大きな違いは、今回の相場には実態があるという点です。
2000年のITバブルでは、利益が十分に出ていない企業にも過剰な期待が集まり、株価が大きく上昇しました。一方、現在のAI・半導体相場では、実際にデータセンター投資が進み、半導体需要が増え、企業収益が伸びています。
もちろん、どこかで相場が行き過ぎる可能性はあります。しかし、現時点では「実態のないバブル」と決めつけるのは早いという考え方です。
シリコンサイクルは昔と変わってきている可能性
半導体業界には、これまで「シリコンサイクル」と呼ばれる景気循環がありました。おおむね数年ごとに需要が増えたり減ったりし、それに合わせて半導体株も大きく上下する傾向がありました。
しかし動画では、AIという新しい需要が出てきたことで、従来のシリコンサイクルが変化している可能性があると説明されています。
昔は4年程度のサイクルで語られることが多かった半導体市場ですが、AI向けデータセンター、生成AI、クラウドサービス、自動運転、ロボティクスなど、新たな需要が広がることで、サイクルが長期化している可能性があります。
そのため、過去の経験だけで「半導体はそろそろ終わり」と判断するのは危険です。もちろんリスク管理は必要ですが、ビジネスとしてまだ伸びる余地があるかどうかを見極めることが重要になります。
原油とエネルギー価格は簡単には下がらない
動画では、原油やエネルギーについても詳しく解説されています。ホルムズ海峡を通過するタンカーの話題などから、供給不安が和らぐように見える場面もありますが、原油価格がすぐに大きく下がるわけではないという見方です。
アメリカでは原油や石油製品の在庫が減少しており、その背景には国内需要の強さだけでなく、輸出の増加もあると説明されています。日本を含む同盟国などへ石油製品を輸出しているため、アメリカ国内の在庫も減りやすい状況です。
また、OPECが多少増産したとしても、世界全体の需要やホルムズ海峡を通る供給量と比べれば、影響は限定的だとされています。
このことは、インフレが簡単には落ち着かない可能性を示しています。原油価格やエネルギー価格が高止まりすれば、企業のコストや消費者物価にも影響します。そのため、エネルギー株やコモディティをポートフォリオに組み入れる意義はまだ残っているという考え方です。
ゴールド・シルバー・銀行株にも注目
AIや半導体に注目が集まる一方で、動画ではゴールド、シルバー、銀行株にも目を向けるべきだと説明されています。
ゴールドはインフレヘッジとして注目されます。インフレが続き、通貨の価値が下がる局面では、金のような実物資産に資金が向かいやすくなります。
また、ゴールドが横ばいになり、市場であまり話題にされなくなった局面こそ、静かに仕込むチャンスになる可能性があるとも語られています。価格が大きく上がってから「買っておけばよかった」と思うのではなく、ボラティリティが下がっている時期に注目することが重要だという考え方です。
銀行株についても、金利やインフレ環境次第では上昇余地があるとされています。特に銀行株と金鉱株の比較チャートから、銀行株がトレンド転換する可能性があるという見方も紹介されています。
今の相場では「乗る勇気」と「リスク管理」の両方が必要
動画全体を通じて語られている大きなメッセージは、今の米国株相場は怖いけれど、乗らないわけにはいかないということです。
S&P500やナスダック100が最高値圏にあると、多くの投資家は「今から買って大丈夫なのか」と不安になります。しかし、企業利益が伸び、AI設備投資が続き、半導体需要が拡大しているのであれば、過去の株価水準だけを基準に高いと判断するのは早計です。
一方で、信用取引残高の増加、短期的な買われすぎ、インフレ再燃、FRBの情報発信リスク、原油価格の高止まりなど、注意すべき材料も多くあります。
つまり、現在の相場は全力で楽観してよい相場ではありません。しかし、リスクを恐れすぎて完全に市場から離れてしまうと、上昇相場の恩恵を受けられない可能性もあります。
そのため、重要なのは一括で大きく賭けることではなく、分散しながら、資金管理を徹底し、失敗の規模を小さく抑えながら参加することです。
まとめ
今回の動画では、S&P500とナスダック100が最高値圏に戻るなかでも、米国株はまだ極端に割高ではないという見方が示されました。
相場の中心にあるのは、AI、半導体、ハイテクグロース株です。特に半導体は、S&P500に占める比率が高まりつつありますが、2000年のITバブルとは異なり、今回はデータセンター投資や企業収益という実態が伴っている点が大きな違いです。
一方で、短期的な過熱感、信用取引残高の増加、インフレ再燃、FRBの情報発信、原油価格の高止まりといったリスクも無視できません。相場は強いものの、安心しきってよい局面ではありません。
今後の投資では、米国株や半導体だけに偏りすぎず、エネルギー、コモディティ、ゴールド、シルバー、銀行株なども含めて、複数のリターン源を持つことが重要になります。
過去の株価水準だけを見て「高い」と判断するのではなく、将来の利益成長や資金の流れを見ながら判断することが、現在の米国株市場では特に重要だといえるでしょう。


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