NTT株は2028年が本当の分岐点か|NTT法廃止先送り・政府保有株5兆円問題・データセンター戦略を初心者向けに解説

本記事は、YouTube動画『今日はNTT法廃止を信じていた人が知らない。2028年先送りという衝撃の事実』の内容を基に構成しています。

目次

NTT株をめぐる最大の焦点は「NTT法廃止」だけではない

NTT株を保有している投資家の間では、以前から「NTT法が廃止されれば株価が大きく上がるのではないか」という期待がありました。

特に、政府が保有するNTT株の扱いや、NTTの経営自由度が高まる可能性が注目されてきました。しかし、動画ではこの見方に対して、重要な注意点が示されています。

それは、NTT法の完全廃止がすぐに実現するわけではなく、本格的な議論は2028年頃に先送りされている可能性があるという点です。

このタイムラインを理解せずに、「もうすぐNTT法が廃止される」「廃止されれば自社株買いが起きる」「だから株価は急騰する」と考えて信用取引で買い続けるのは、非常に危険な判断になりかねません。

市場にある3つの大きな誤解

動画では、現在のNTT株をめぐって市場には3つの大きな誤解があると説明されています。

NTT法の完全廃止が近いという誤解

1つ目は、NTT法の完全廃止が近いという思い込みです。

自民党の政務調査会が2023年12月に、2025年の通常国会をめどにNTT法廃止を目指す提言をまとめたことで、市場では一時的に期待が高まりました。

しかし、現実にはKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなどの通信事業者や地方自治体など、181社が強く反対したとされています。

その背景には、NTTが持つ通信インフラは過去に国民の税金によって整備されたものであり、それを一企業の自由な判断に委ねてよいのかという懸念があります。

その結果、2025年に成立した改正NTT法でも完全廃止には至らず、研究成果の開示義務撤廃など一部の修正にとどまったとされています。

つまり、NTT法の完全廃止を前提に短期的な株価上昇を期待するのは、やや楽観的すぎる可能性があります。

NTTを国内通信会社としてだけ見る誤解

2つ目は、NTTを今でも「国内の電話会社」「ドコモを抱える通信会社」としてだけ見ていることです。

もちろん、NTTにとって国内通信事業は今も重要です。しかし、動画ではNTTの本当の成長エンジンは、すでにデータセンター、AIインフラ、次世代光通信基盤であるIOWNへ移っていると説明されています。

つまり、NTTは単なる国内通信会社ではなく、世界的なデータインフラ企業へ変わろうとしている段階にあります。

株価を動かす本当の材料を見誤っている誤解

3つ目は、株価を動かす本当の材料がNTT法だけではないという点です。

動画では、NTT株の本当のカタリストは、2025年に完了した2つの資本再編と、その後に積み上がったキャッシュをどう使うかにあると説明されています。

その中心にあるのが、NTTデータグループの完全子会社化と、データセンター資産のREIT化です。

2025年に進んだ2つの資本再編

動画で特に重要視されているのが、2025年にNTTグループ内で進んだ2つの大きな動きです。

NTTデータグループの完全子会社化

1つ目は、NTTデータグループの完全子会社化です。

NTTデータは、国内最大級のシステムインテグレーターであり、海外展開も加速してきた企業です。そのNTTデータを完全子会社化することで、NTTはグループ内の成長エンジンをより直接的に取り込むことができるようになりました。

これにより、NTTデータが生み出す利益やキャッシュフローを、NTTグループ全体の成長戦略に活用しやすくなります。

データセンター資産のREIT化

2つ目は、データセンター資産のREIT化です。

データセンター事業は、AI時代において非常に重要な成長分野です。しかし、土地、建物、電力設備、冷却設備などに莫大な投資が必要になります。

そこでNTTは、自社で開発したデータセンター資産をREITに売却し、その資金を次のデータセンター開発やAIインフラ投資に回す「キャピタルリサイクル」の仕組みを作ろうとしていると説明されています。

これにより、バランスシートを重くしすぎずに成長投資を続けられる可能性があります。

政府保有株5兆円問題がNTT株の最大リスク

NTT株を考えるうえで、避けて通れないのが政府保有株の問題です。

現在、日本政府はNTTの発行済み株式の約3分の1を保有しているとされ、その時価は約5兆円規模と説明されています。

この株式をどう処理するのかによって、NTT株の将来は大きく変わります。

自社株買いで吸収されるシナリオ

投資家にとって理想的なのは、NTTが政府保有株を自社株買いで吸収し、その後に償却するシナリオです。

この場合、市場に大量の売りが出ないため、株価への売り圧力は限定されます。さらに、発行済み株式数が減ることで、1株当たり利益が上昇しやすくなります。

ただし、動画でも強調されている通り、これはあくまで投資家側の期待であり、NTTが公式に発表している事実ではありません。

市場売却されるシナリオ

一方で、政府が保有株を市場などで売却するシナリオもあります。

もし約5兆円規模の株式が市場に放出されれば、需給バランスは大きく悪化します。どれだけNTTの業績が良くても、巨大な売り圧力が株価の重しになる可能性があります。

このため、NTT株の長期投資では、政府保有株の処理方針が極めて重要なチェックポイントになります。

NTTはデータインフラ企業へ変わりつつある

NTTを昔ながらの電話会社として見るだけでは、現在の変化を正しく理解できません。

動画では、NTTがAI時代のデータインフラ企業へ変化しつつある点が強調されています。

AIの普及によって、世界中でデータセンター需要は急拡大しています。NTTもこの流れに乗るため、データセンター事業に積極的に投資しています。

さらに、次世代光通信基盤であるIOWNも重要です。IOWNは、通信ネットワークから端末までを光技術で処理する次世代インフラであり、消費電力の削減や通信容量の拡大が期待されています。

動画では、IOWNがすでに実証段階にとどまらず、商用サービスとして広がり始めている点も紹介されています。

一方でドコモ事業の弱さには注意が必要

ただし、NTTに明るい材料ばかりがあるわけではありません。

動画では、ドコモ事業の収益悪化にも注意が必要だと説明されています。

国内通信市場では、価格競争や経済圏競争が激しくなっています。楽天モバイルの存在感も増しており、携帯料金やポイント還元をめぐる競争は今後も続く可能性があります。

つまり、データセンターやIOWNが成長材料である一方で、国内通信事業の収益悪化がNTT全体の足を引っ張る可能性もあるということです。

信用買い残が株価の重しになる可能性

動画では、個人投資家の信用買いにも注意が必要だとされています。

信用取引は、証券会社から資金を借りて株を買う仕組みです。株価が上がれば利益は大きくなりますが、下がった場合には追加証拠金、いわゆる追証が発生するリスクがあります。

NTT法廃止への期待から信用買いを積み上げた個人投資家が多い場合、株価が下がると強制的な売却が発生し、さらに株価が下がる悪循環につながる可能性があります。

そのため、NTT株は企業価値だけでなく、需給面も慎重に見る必要があります。

NTT法が完全廃止された場合の理論株価シナリオ

動画では、NTT法が完全廃止され、政府保有株の自社株買い償却などが実現した場合、理論株価が大きく上昇する可能性も示されています。

具体的には、現在の株価151円台を前提に、政府保有株の償却によって1株当たり利益が上がり、さらにPERが切り上がることで、理論株価が260円から290円程度まで上昇する可能性があると説明されています。

ただし、これはかなり強気のシナリオです。

このシナリオが成立するには、NTT法の完全廃止、政府保有株の自社株買いによる償却、グローバル成長企業としての再評価という複数の条件がそろう必要があります。

そのため、現実的にはまず170円から190円台を目指すシナリオの方が、より慎重な見方だといえます。

2026年から2028年に向けた上昇シナリオと下落シナリオ

動画では、今後のNTT株について上昇と下落の両方のシナリオが示されています。

上昇シナリオでは、NTTデータグループの好調な業績、株主還元の強化、IOWNの商用展開、外国人投資家の現物買いなどが材料になります。

この場合、2026年末から2027年にかけて、170円から190円台を目指す展開も考えられるとされています。

一方、下落シナリオでは、自社株買いや増配に関する具体的な発表がないこと、政府保有株の市場売却リスク、ドコモ事業の収益悪化、信用買い残の整理などが重しになります。

この場合、120円から135円程度まで下落する可能性もあると説明されています。

長期投資家が見るべきポイント

NTT株に長期投資する場合、単に「NTT法が廃止されるかどうか」だけを見るのでは不十分です。

むしろ、以下のような複数の要素を冷静に確認する必要があります。

・NTTデータグループの利益成長が続いているか
・データセンター事業のキャピタルリサイクルが機能しているか
・IOWNの商用展開が実際に収益につながっているか
・ドコモ事業の収益悪化が止まるか
・政府保有株の処理方針がどうなるか
・自社株買いや増配などの株主還元が強化されるか
・信用買い残の整理が進むか

特に重要なのは、政府保有株の扱いです。

自社株買いで吸収されるのか、市場に売却されるのかによって、株価への影響はまったく異なります。

まとめ

今回の動画で最も重要なポイントは、NTT株をめぐる期待のタイムラインを正しく理解することです。

NTT法の完全廃止は、すぐに実現する話ではなく、本格的な議論は2028年頃へ先送りされている可能性があります。そのため、「NTT法廃止が近いから株価はすぐ上がる」と考えて信用取引で買い続けるのは、リスクの高い判断になりかねません。

一方で、NTTが魅力のない企業になったわけではありません。むしろ、NTTデータの完全子会社化、データセンター事業の拡大、IOWNの商用展開などを通じて、国内通信会社からグローバルなデータインフラ企業へ変わろうとしています。

ただし、その変化が株価に本格的に反映されるには、政府保有株の処理、株主還元、ドコモ事業の改善、データセンター事業の収益化といった複数の条件を確認する必要があります。

NTT株は、短期的には需給や信用買い残の影響を受けやすく、中長期的には2028年頃の制度議論と資本政策が大きな分岐点になります。

したがって、NTT法という1つのキーワードだけに一喜一憂するのではなく、業績、需給、資本政策、政府保有株の行方を総合的に見ながら判断することが、長期投資家にとって重要だといえるでしょう。

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