日本の社会保障制度について詳しく説明した動画です。
18歳のときに知っておきたかったお金の知識として、社会保障制度の基本となります。
1. 社会保障制度とは?

社会保障制度は、私たちの生活を守るためのセーフティーネットです。この制度のおかげで、ある程度安心して暮らすことができます。
社会保障という言葉は広い意味を持っており、一般的には次のように分類されます。
- 社会保険:年金や医療保険など。
- 社会福祉:子育て世帯や障害者への支援。
- 公的扶助:生活保護など。
- 保険医療・公衆衛生:予防接種や伝染病対策。

2. 社会保険の概要
社会保険は、保険料を払うことで給付を受けられる制度で、多くの人が対象です。具体的には以下のような種類があります。
公的年金制度
公的年金は、「長生き保険」とも呼ばれ、老後の生活を支える重要な制度です。以下のような特徴があります。
- 国民年金:20歳以上の全員が加入し、保険料も給付額も定額です。満額で年額66万250円です。
- 厚生年金:会社員が加入し、保険料と給付額は報酬に比例します。保険料の半分は会社が負担します。
そのほかに、障害年金や遺族年金の機能もあり、民間の保険よりも優れている点もあります。
医療保険
日本の医療保険制度は、国民全員が加入する強制制度です。以下の特徴があります。
- 健康保険証:医療費の7割が保険でカバーされ、自己負担は3割です。後期高齢者は1割負担です。
- 高額療養費制度:一定以上の医療費がかかった場合、自己負担額が限度額に収まります。例えば、100万円の医療費でも自己負担は9万円程度です。
雇用保険
雇用保険は、失業時に給付を受けられる制度です。失業前の収入の5割から8割程度を受け取ることができます。
会社都合による退社であれば半年、自己都合による退社であれば3カ月の給付が受け取れます。
労災保険
労災保険は、仕事中や通勤中の事故に対して保険給付を行います。
保険料は全額会社が負担し、強制加入となります。
たとえ短時間のアルバイトであっても対象となります。
介護保険
介護保険は、40歳以上が加入し、要介護状態になった場合に1割負担で介護サービスを受けられます。
基本は65歳以上の障害を対象としていますが、40歳以上の特定疾病と呼ばれる病気が原因であれば、公的介護保険が利用できます。
3. 社会福祉
社会福祉は、支援が必要な人々に対して行われる施策です。
具体例として以下があります。
- 児童福祉:児童手当や保育所利用料の支援など。
- 障害者福祉:訪問介護や医療費助成など。
- ひとり親福祉:児童扶養手当など。
- 高齢者福祉
4. 公的扶助
公的扶助は、生活保護など経済的に困窮している人に対して最低限の生活を保証する制度です。
生活費や住宅費など最低限必要なモノや、医療費などが支給されます。最後のセーフティーネットと呼ばれています。
生活保護費は、社会保障費全体の3%で、そのうち半分が医療費が5割なので、純粋な生活保護費は全体の2%未満となっています。
5. 保険医療・公衆衛生
保険医療・公衆衛生は、住民の健康を守るための制度です。
予防接種や伝染病の予防、食品衛生の管理などが含まれます。
他にも公害対策、母子保健、精神保健などもこの領域でカバーされる内容です。
まとめ
日本の社会保障制度は、社会保険、公的扶助、社会福祉、保険医療・公衆衛生の4つの柱から成り立っています。これらの制度が組み合わさり、全ての人が安心して暮らせる社会の実現を目指しています。

知っておきたい専門用語集
- 社会保障制度:生活を守るためのセーフティーネット。年金、医療、介護などを含む。
- 社会保険:保険料を払うことで給付を受ける制度。年金、医療保険、雇用保険など。
- 国民年金:20歳以上の全員が加入する年金制度。保険料と給付額が定額。
- 厚生年金:会社員が加入する年金制度。報酬に比例して保険料と給付額が増える。
- 健康保険:医療費の7割を保険でカバーする制度。自己負担は3割。
- 高額療養費制度:一定以上の医療費がかかった場合に自己負担額が限度額に収まる制度。
- 雇用保険:失業時に給付を受ける制度。失業前の収入の5割から8割を給付。
- 労災保険:仕事中や通勤中の事故に対して保険給付を行う制度。保険料は全額会社負担。
- 介護保険:40歳以上が加入し、要介護状態になった場合に1割負担で介護サービスを受けられる制度。
- 社会福祉:子育て世帯や障害者などに対して行われる支援施策。
- 公的扶助:生活保護など経済的に困窮している人に対して最低限の生活を保証する制度。
- 保険医療・公衆衛生:予防接種や伝染病の予防、食品衛生の管理など、住民の健康を守るための制度。
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