【日本株の注目銘柄】AI相場は終わったのか?コアウィーブショックと米中間選挙のリスク、ディフェンシブ株の逆襲を徹底解説

本記事は、YouTube動画『【大川智宏の最新注目銘柄】注目の日本株13選/米中間選挙が招く波乱シナリオ/日米で株価急落リスク/AI相場の復活はいつか/コアウィーブ・ショックは収束へ/ディフェンシブ株の逆襲【マーケット超分析】』の内容を基に構成しています。

2026年10月、日米の株式市場が大きく揺れています。AI向けデータセンター事業を手がける米コアウィーブの信用不安をきっかけにハイテク株が急落し、日経平均株価も一時6万2,000円を割り込みました。

さらに、11月3日に予定されている米国中間選挙では、AI規制やデータセンター建設をめぐる政策の違いが市場の新たなリスクとして浮上しています。

こうしたなか、投資家が気になるのは、今回の下落がAIバブル崩壊の始まりなのか、それとも一時的な調整にすぎないのかという点です。

番組では、株式市場の定量分析を専門とする智剣・Oskarグループの大川智宏氏が、コアウィーブショックの実態、半導体・メモリ関連企業の将来性、米中間選挙による株価への影響について詳しく解説しました。

さらに、これまでAI関連株の陰に隠れていた小売りや外食などの内需関連株にも、新たな投資機会が生まれていると指摘しています。

今回は、動画で語られた相場見通しと投資戦略を詳しく整理します。

目次

日経平均が高値から1万円超下落、AIバブル崩壊の始まりなのか

コアウィーブショックで日米のハイテク株が急落

2026年10月14日、AI向けデータセンター大手のコアウィーブの株価が約15%下落しました。

この下落をきっかけに、AI関連企業の財務健全性や設備投資の持続可能性に対する警戒感が広がり、ハイテク株全体が売られる展開となりました。

さらに10月22日の米国株式市場では、メタによる設備投資見通しの引き上げなどを受け、AI関連企業の過剰投資が改めて意識されました。

NASDAQ指数は2.6%下落し、その影響は日本市場にも波及しました。

10月23日の日経平均株価は取引時間中に6万2,000円を割り込み、6月に記録した7万236円の史上最高値から、一時1万円を超える下落となりました。

これだけの下落幅を見ると、AIバブル崩壊を心配する投資家が増えるのも無理はありません。

しかし、大川氏は今回の下落について、AIバブル崩壊の始まりとは考えていないと説明しています。

大川氏は「単なる調整」という見方

大川氏が強調したのは、今回の下落によってAI市場の成長構造そのものが崩れたわけではないという点です。

日経平均は一時7万円を超えるまで上昇していましたが、そもそも年初の段階では6万円を超えること自体が大きなニュースでした。

そのため、6万2,000円まで下落したとしても、以前と比較すれば依然として高い水準にあります。

むしろ、それまでの急激な上昇が行き過ぎていた部分を修正している段階と考えられるということです。

ただし、これから再び急上昇するとも考えていません。

大川氏は年末に向けた日経平均の想定について、再び7万円に挑戦する可能性がある一方、調整が進めば5万円台まで下落する可能性もあると説明しました。

具体的には5万5,000円程度までの下落もあり得るとの見方です。

つまり、AI市場の成長が継続していても、株価が短期的に大きく調整することは十分に考えられます。

一方で、7万円から8万円へと一気に上昇していくほどのエネルギーも、現時点では見込んでいないという慎重な姿勢を示しています。

米国の長期金利5%超でもAI関連株が底堅かった理由

通常は金利上昇がハイテク株の逆風になる

米国では長期金利が5%台まで上昇し、追加利上げへの警戒感も高まっています。

一般的に、金利上昇はハイテク株にとってマイナス材料です。

特にデータセンター関連企業は、巨額の設備投資を行うために多額の資金を借り入れているケースが少なくありません。

金利が上昇すると借入金の利息負担が増えるため、利益が圧迫される可能性があります。

また、成長企業の株価は将来の利益に対する期待によって高く評価される傾向があります。

金利が上昇すると将来の利益を現在価値に換算した評価額が低下しやすくなるため、成長株には売り圧力がかかります。

それにもかかわらず、AI関連株は米長期金利が5%を超えてからも、当初は大きく崩れませんでした。

大川氏によると、その理由は金利上昇による負担を上回る圧倒的な成長期待があったためです。

多少の金利上昇があっても、それを補って余りある売上高や利益の成長が期待できれば、投資家は株式を保有し続けます。

しかし、すべてのAI企業が同じ成長力や財務基盤を持っているわけではありません。

その違いが鮮明になった事例として、大川氏が取り上げたのがコアウィーブです。

コアウィーブショックの正体は巨額負債と信用不安

コアウィーブはAI向け計算設備を提供する企業

コアウィーブは、AI開発に必要なGPUなどの計算設備をクラウドサービスとして提供する米国企業です。

Google、Amazon、Microsoftなどの巨大IT企業が展開するクラウド・データセンター事業に近いビジネスを、AI分野に特化した形で展開しています。

AI開発には大量の計算能力が必要ですが、すべての企業が自社で高価なGPUやデータセンターを保有できるわけではありません。

そこで、コアウィーブのような企業が計算設備を用意し、顧客に貸し出すビジネスが成立しています。

問題は、この事業に必要な設備投資が非常に大きいことです。

データセンターの建設や高性能GPUの調達には莫大な資金が必要となるため、積極的な借り入れによって事業を拡大してきました。

自己資本比率は約6%、借入依存の高さが問題に

動画で紹介されたコアウィーブの自己資本比率は、約6%と極めて低い水準です。

自己資本比率とは、企業の総資産に占める自己資本の割合を表す指標です。

この比率が低い企業は、借入金などの負債に依存して事業を運営していることを意味します。

もちろん、借入金を活用して急成長する企業も存在するため、自己資本比率が低いことだけで経営危機と判断することはできません。

しかし、金利上昇によって資金調達コストが高まる局面では、借入依存度の高い企業ほど財務への不安が強まりやすくなります。

コアウィーブでは以前から財務健全性が問題視されていましたが、こうした懸念が改めて注目され、社債価格の下落と利回りの急上昇につながったと説明されています。

さらに、イーロン・マスク氏が同社の負債についてSNSで言及したことも、市場の不安を強める要因になったとされています。

オラクルにも共通するデータセンター投資の問題

こうした信用不安は、コアウィーブだけの問題ではありません。

動画では、オラクルも巨額のデータセンター投資に伴う財務負担を市場から警戒されてきた企業として紹介されています。

AI関連企業が積極的に設備投資を行っていること自体は、将来の需要拡大を考えれば合理的です。

ただし、その投資によって十分な収益を得られるかどうかは、企業によって異なります。

どれだけ売上高が増えても、それ以上に設備投資や借入金の利息負担が膨らめば、企業価値の向上につながらない可能性があります。

今後のAI市場では、単に投資額が大きい企業ではなく、投資を効率的に利益へ結びつけられる企業が高く評価されるようになると考えられます。

コアウィーブが苦境に陥ってもAI市場全体は崩壊しない

データセンター市場は強者総取りになりやすい

大川氏は、コアウィーブの信用不安がAIブームの終わりを意味するのかという質問に対し、明確に否定しました。

その理由は、データセンター事業が競争によって企業の優劣が分かれる市場だからです。

たとえば飲食業界では、価格、品質、サービス、経営効率などで優れた企業が顧客を獲得し、競争力の弱い企業は淘汰されていきます。

データセンター事業も基本的には同じ構造です。

性能が高く、価格が適切で、安定したサービスを提供できる企業には顧客が集まります。

一方で、過剰な借り入れによって財務基盤が弱くなった企業は、競争から脱落する可能性があります。

仮に特定のデータセンター企業の経営が行き詰まったとしても、その企業を利用していた顧客は別の事業者に移ることができます。

もちろん、設備の移行には時間や費用がかかるため、まったく影響がないわけではありません。

それでも、個別企業の経営不振とAI市場全体の需要減少は、分けて考える必要があります。

今後はAI関連企業の選別が進む

コアウィーブの経営が悪化すれば、同社に出資するNVIDIAや金融機関、投資ファンドなどが損失を被る可能性があります。

その影響が市場全体の不安につながることも考えられます。

しかし、AIを活用する企業や消費者の需要そのものがなくなるわけではありません。

大川氏は、今回の問題をAIバブル崩壊ではなく、競争力の強い企業と弱い企業の選別が進む過程だと捉えています。

これまでAI関連というだけで幅広い企業が買われていた市場から、今後は財務基盤や収益性に基づいて評価される市場へ移行する可能性があります。

コアウィーブショック自体については、近いうちに落ち着くのではないかとの見方を示しています。

ただし、信用不安は今後も別の企業で繰り返し発生する可能性があるため、AI関連株をすべて同じように扱うことは危険です。

メモリ価格の高騰はいつまで続くのか

AIデータセンター需要がメモリ価格を押し上げた

AI市場の拡大によって恩恵を受けてきた分野の1つが、半導体メモリです。

AIデータセンターでは、大量のデータを高速処理するために高性能なメモリが必要になります。

世界中のIT企業がデータセンターへの投資を拡大したことで、メモリの需給が逼迫し、価格が上昇してきました。

メモリメーカーにとって、販売価格の上昇は売上高や利益率の改善につながるため、大きな追い風となります。

しかし、大川氏は現在のメモリ価格上昇が永続するとは考えていません。

中国CXMTの台頭が価格下落圧力に

その理由として挙げられたのが、中国のメモリメーカーであるCXMTの存在です。

従来、世界のメモリ市場では韓国や米国などの大手企業が強い競争力を持ってきました。

しかし、中国企業の供給能力が拡大すれば、世界のメモリ市場における競争環境が変化する可能性があります。

大川氏が紹介した成長率予測では、中国メーカーの成長率が数年先に既存メーカーを上回る可能性が示されています。

もちろん、中国製メモリには品質面や国際的な取引制限などの課題があります。

米国企業が中国製メモリを自由に採用できるとは限らず、予測通りに供給が増える保証もありません。

それでも、新たな供給者が市場に参入することで価格競争が強まる可能性があります。

大川氏は、メモリ業界全体の成長率が将来的に鈍化し、さらにその先ではマイナス成長に転じるとの予測も紹介しています。

ただし、その転換が1年後に起きるのか、3年後なのか、5年後なのかは分かりません。

重要なのは、現在のメモリ価格高騰が永久に続くことを前提として投資しないという点です。

キオクシアやSKハイニックスにも影響

メモリ価格が下落すれば、メモリメーカーの利益率には下押し圧力がかかります。

動画では、日本のキオクシア、韓国のSKハイニックスなどが影響を受ける可能性のある企業として挙げられました。

ただし、すべてのメモリが同じように値下がりするとは限りません。

AI向け高性能メモリと一般的なパソコン向けメモリでは、需要や供給環境が異なります。

そのため、個別企業を評価する際には、製品構成や技術競争力、設備投資の規模などを確認する必要があります。

アドバンテストと東京エレクトロンはメモリ価格下落に強い?

半導体メーカーと製造装置メーカーは収益構造が異なる

大川氏が比較的強気な見方を示したのが、半導体製造装置や検査装置を手がける企業です。

具体的には、アドバンテストと東京エレクトロンが挙げられました。

メモリメーカーは製品価格が下がると、直接的に利益率が悪化する可能性があります。

一方、製造装置メーカーや検査装置メーカーは、製品価格そのものよりも半導体の生産量や設備投資の動向から大きな影響を受けます。

たとえば、中国企業の新規参入によってメモリ価格が下落しても、世界全体の半導体生産量が増加すれば、製造装置や検査装置への需要は拡大する可能性があります。

つまり、半導体価格が下落することが、必ずしも製造装置メーカーの業績悪化を意味するわけではありません。

本当に警戒すべきは設備投資そのものの減少

ただし、製造装置メーカーも無条件に安心できるわけではありません。

コアウィーブのような信用不安が広がり、データセンターへの設備投資そのものが縮小すれば、半導体の生産能力を増強する必要性が低下します。

その場合、製造装置メーカーの受注にも悪影響が及ぶ可能性があります。

大川氏は、メモリ価格の下落と設備投資の減少を区別して考えるべきだと説明しています。

前者は供給拡大による正常化という側面がありますが、後者は需要そのものの減速を意味するため、注意が必要です。

メモリ価格の下落で恩恵を受ける企業も多い

メモリ価格の下落は、必ずしも株式市場全体にとって悪いニュースではありません。

むしろ、半導体やメモリを購入して製品やサービスを提供している企業にとっては、コスト削減につながります。

代表的なのが、スマートフォン、パソコン、ゲーム機などのメーカーです。

製品の主要部品であるメモリの調達価格が下落すれば、販売価格を維持したまま利益率を高められる可能性があります。

また、データセンターを運営するハイパースケーラーにとっても、メモリ価格の低下は設備投資負担の軽減につながります。

Google、Amazon、Microsoftなどの企業にとって、AI関連設備の調達コストが下がることは大きなメリットです。

大川氏は、メモリを製造する企業よりも、それを利用する企業の方が圧倒的に多いと指摘しています。

そのため、メモリ価格の正常化は一部のメーカーにとって逆風でも、経済全体では幅広い企業に恩恵をもたらす可能性があります。

11月3日の米中間選挙が日米株式市場の新たなリスクに

過去の中間選挙後は米国株が上昇しやすかった

米国では2026年11月3日に中間選挙が予定されています。

一般的に、中間選挙後の米国株式市場は上昇しやすいといわれています。

動画で紹介された過去のデータでも、S&P500は中間選挙から120営業日後、250営業日後に上昇した割合が非常に高かったことが示されました。

しかし、大川氏は、このデータだけを根拠に中間選挙後の株価上昇を期待するのは危険だと説明しています。

そもそも米国株は長期的に上昇傾向が続いてきたため、中間選挙とは無関係に株価が上がっていた可能性があるからです。

過去に中間選挙後の株価が上がっていたとしても、中間選挙そのものが上昇の原因だったとは限りません。

今回はAI規制とデータセンター政策が焦点

今回の中間選挙で大川氏が特に警戒しているのが、AI規制とデータセンター建設をめぐる政策の違いです。

トランプ政権は、AI開発やデータセンター建設を積極的に推進する立場を取っています。

一方、民主党側では、AIの規制強化やデータセンター建設による電力価格上昇などへの懸念が示されています。

データセンターは大量の電力を消費するため、建設が集中すれば地域の電力供給や料金に影響する可能性があります。

また、AIの普及に伴う雇用への影響や安全性の問題も、政治的な議論の対象となっています。

大川氏は、民主党が選挙で優勢となった場合、AI関連企業の株価に短期的な下押し圧力がかかる可能性があると指摘しています。

法律が成立しなくても株価は下落する可能性

重要なのは、AI規制が実際に成立するかどうかだけではありません。

米国では大統領が議会で可決された法案に拒否権を行使できるため、民主党が議会で多数派となったとしても、政策をそのまま実現できるとは限りません。

それでも、規制強化の議論が活発になるだけで、市場では将来の事業成長に対する不安が広がる可能性があります。

特に現在は、AI関連企業が米国株式市場に占める割合が非常に大きくなっています。

そのため、データセンター投資への期待がわずかに後退するだけでも、NASDAQやS&P500などの株価指数に大きな影響が及ぶ可能性があります。

日本市場でも、AI関連の半導体株が日経平均の値動きに大きく影響しているため、米国の政治情勢は無視できません。

中間選挙で警戒したいAI・エネルギー・トランプ関連銘柄

大川氏は、選挙結果によって株価が大きく変動する可能性がある分野として、AI関連株、データセンター関連株、エネルギー関連株などを挙げています。

AI関連では、データセンター投資の拡大を前提に高く評価されてきた企業が売られる可能性があります。

また、トランプ政権との関係が深いとみなされている企業や、政権の政策によって恩恵を受けてきた銘柄にも注意が必要です。

動画では、パランティアや暗号資産関連が例として取り上げられました。

さらに、エネルギー政策の違いも重要です。

トランプ政権は石油や天然ガスなどの化石燃料産業を重視していますが、民主党側は再生可能エネルギーを重視する傾向があります。

そのため、選挙結果によって石油・ガス関連企業の株価が影響を受ける可能性があります。

ただし、原子力や電力インフラについては、データセンター需要以外にも電力需要を支える要因が存在するため、長期的な投資需要そのものが消滅するわけではないとの見方も示されました。

AI規制が強まってもデータセンター投資は止まらない?

大川氏は、中間選挙によってAI関連株が一時的に売られる可能性を認める一方、AI開発やデータセンター投資が本格的に失速する可能性は低いと考えています。

その理由として挙げたのが、中国との技術競争です。

米国がAI開発を大幅に抑制すれば、その間に中国などの競合国が技術開発を進めることになります。

AIは経済成長だけでなく、国家安全保障や産業競争力にも直結する重要な分野です。

そのため、米国が自らAI開発の競争力を大きく低下させる政策を選択するとは考えにくいという見方です。

また、AI技術はすでに企業向けサービスから消費者向けサービスへと急速に普及しています。

今後はAIエージェントなどの新しいサービスも広がることが期待されており、それを支える計算設備の重要性はさらに高まる可能性があります。

大川氏は、AI産業はまだ成長の初期段階にあり、長期的な成長余地は大きいと評価しています。

アドバンテストと東京エレクトロンの下落は押し目になる可能性

こうした見方から、大川氏はアドバンテストや東京エレクトロンなどの半導体製造・検査装置関連企業について、株価下落を押し目として捉える考え方を示しています。

ただし、投資タイミングには慎重です。

米国中間選挙の前には、日米の金融政策決定会合や主要ハイテク企業の決算発表など、多くの重要イベントが予定されています。

日本でもアドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアなどの決算が控えています。

大川氏は、こうした不確実性の高い時期に無理をして買いに向かう必要はないと説明しています。

中間選挙が終わり、決算や金融政策の方向性がある程度明らかになってから投資判断を行っても遅くないという考え方です。

AI株一辺倒から分散投資へ、注目されるディフェンシブ株

内需関連株に資金が戻る可能性

ここまでの議論では、AI関連企業の成長が長期的に続く可能性が高いことが説明されました。

しかし、だからといってAI関連株だけに集中投資することが最適とは限りません。

AI関連企業は成長期待が大きい一方で、株価の変動も激しく、企業間の競争によって勝ち組と負け組が分かれる可能性があります。

そこで、大川氏が新たな投資先として注目しているのが、日本の内需関連株です。

特に小売りや外食など、これまでAI関連株に資金を奪われていたディフェンシブ銘柄に注目しています。

ディフェンシブ株とは、景気変動の影響を比較的受けにくい企業の株式を指します。

食品や日用品など、生活に欠かせない商品やサービスを提供する企業が代表例です。

ただし、日本の内需環境が急激に改善しているわけではありません。

物価上昇の影響によって実質消費は弱い状態が続いており、消費者の節約志向も依然として強い状況です。

それでも、大川氏は企業側の経営戦略に変化が生まれている点を評価しています。

サイゼリヤの値上げが株価上昇につながった理由

値上げを拒んできた企業の方針転換

大川氏が注目する変化の1つが、企業による値上げです。

その代表例として紹介されたのがサイゼリヤです。

サイゼリヤは低価格を強みとする外食チェーンで、長年にわたり値上げに慎重な姿勢を示してきました。

しかし、原材料費や人件費などのコストが上昇するなか、低価格を維持するだけでは利益率が圧迫されてしまいます。

動画では、サイゼリヤに値上げの可能性が報じられた際、株価がストップ高になるほど市場が好感したことが紹介されています。

さらに、その後の決算で値上げ方針が示されると、再び株価が上昇したと説明されました。

一般消費者にとって値上げは歓迎しにくいものですが、投資家にとっては企業の利益率改善につながる重要な材料となります。

値上げしても客離れしない企業が強い

もちろん、どの企業でも値上げをすれば業績が改善するわけではありません。

価格を引き上げた結果、顧客数が大幅に減少してしまえば、売上高や利益が悪化する可能性があります。

大川氏は、値上げしても顧客が離れにくい企業を選ぶことが重要だと説明しています。

たとえば、300円の商品が320円になる程度であれば、消費者の購買行動は大きく変わらないかもしれません。

しかし、300円の商品が400円になるような大幅な値上げでは、顧客の反発が強まる可能性があります。

そのため、価格競争力が高く、商品やサービスの価値が消費者に認められている企業ほど、値上げによる利益改善を実現しやすいと考えられます。

値上げ発表企業の約7~8割で株価が上昇

大川氏は、値上げと株価の関係について独自の集計結果を紹介しています。

値上げを発表した企業を抽出し、発表日の5営業日前から60営業日後までの株価推移を分析したものです。

その結果、値上げ発表後の約3か月間で株価が上昇した企業は、全体の約7~8割に達したと説明しています。

すべての企業が上昇したわけではありませんが、値上げ発表後も株価の上昇傾向が続いた企業が多かったという結果です。

さらに注目すべきなのは、株価だけでなく業績予想にも改善が見られた点です。

値上げ発表後には、アナリストによる予想売上高や予想営業利益が引き上げられる傾向が確認されたといいます。

特に重要なのが営業利益の改善です。

売上高は販売価格を引き上げるだけでも増える可能性がありますが、営業利益まで改善していれば、値上げによって収益性が高まっていることを示します。

大川氏は、消費者が以前よりインフレに慣れ、一定程度の値上げを受け入れるようになってきたことも背景にあると指摘しています。

ただし、この分析は特定の期間における結果であり、今後も同じ割合で株価が上昇することを保証するものではありません。

ファーストリテイリングと良品計画に注目する理由

ユニクロの値上げは収益改善につながりやすい

サイゼリヤ以外の注目企業として、大川氏が挙げたのがファーストリテイリングです。

ファーストリテイリングは、ユニクロなどを展開する世界的な衣料品企業です。

機能性や品質に対して価格が比較的手頃であることが強みとなっており、一定の値上げを実施しても大幅な客離れが発生しにくいと考えられます。

大川氏は、実際に値上げ発表後の株価が上昇したことや、業績が好調であることを評価しています。

さらに、ファーストリテイリングには海外事業という大きな成長要因があります。

動画では、ユニクロ事業の海外売上高比率が約60%に達していると紹介されています。

国内市場の成長余地が限られていても、海外市場で店舗数や売上高を拡大できれば、企業全体の成長を継続できます。

良品計画は海外売上高比率の拡大に期待

もう1つ注目企業として挙げられたのが、無印良品を展開する良品計画です。

動画では、良品計画の海外売上高比率は約40%と説明されています。

ファーストリテイリングと比較すると、海外事業の割合にはまだ差があります。

大川氏は、この差を今後の成長余地として評価しています。

良品計画は足元の好調な業績に加えて、中期経営計画で海外事業の拡大方針を示しており、これが投資家から好感されていると説明しています。

海外市場では、国内とは異なる価格戦略を取れる場合があります。

そのため、海外事業の拡大は単なる売上高の増加だけでなく、利益率改善につながる可能性もあります。

大川氏は、日本の内需関連企業が成長するための重要な手段として、値上げと海外展開の2つを挙げています。

値上げ関連株を選ぶ際は決算で何を確認すべきか

値上げを発表した企業の株価が上昇しても、その期待が実際の業績につながるかどうかは別の問題です。

大川氏は、値上げ後の決算で売上高と利益率の両方を確認することが重要だと説明しています。

まず、売上高が増加しているかを確認します。

値上げを行ったにもかかわらず売上高が伸びていなければ、顧客数の減少や販売数量の落ち込みが発生している可能性があります。

次に確認するのが、営業利益率などの収益性です。

売上高が伸びていても、原材料費や人件費の上昇がそれ以上に大きければ、利益率は改善しません。

反対に、値上げ後も売上高が増加し、営業利益率も改善していれば、価格改定が成功している可能性が高いと判断できます。

大川氏は、値上げの発表直後に慌てて投資する必要はなく、その後の決算を確認しながら中長期的に評価してもよいとの考え方を示しています。

内需株はAI関連株の調整局面で分散投資の候補に

AI関連株に資金が集中して内需株が売られてきた

これまでの日本市場では、AI関連株や半導体株に投資資金が集中する傾向が続いてきました。

その結果、業績が堅調な小売りや外食企業であっても、投資家の関心が集まらず、株価が伸び悩むケースがありました。

大川氏は、こうした企業が今後見直される可能性があると指摘しています。

特に、値上げによる利益率改善や海外事業の拡大が期待できる企業は、単なる守りの投資先ではなく、値上がり益を期待できる成長投資の対象にもなり得ます。

つまり、内需関連株は相場急落時のリスク分散と、業績成長による株価上昇の両方を狙える可能性があります。

AIブーム再燃による内需株の下落は買い場になる?

今後、OpenAIやAnthropicなどの大型企業の上場が話題になれば、AI関連株に再び投資資金が集中する可能性があります。

その場合、内需関連株から資金が流出し、業績が悪くない企業でも株価が下落するかもしれません。

しかし、大川氏は、こうした下落を必ずしも悪いことだとは考えていません。

業績が堅調で、企業の成長見通しにも変化がなければ、株価下落は投資機会になる可能性があります。

短期的には需給によって株価が大きく変動しても、中長期的には企業の業績が株価に反映されるという考え方です。

その例として、AIによる既存ソフトウェア事業への影響が懸念され、一時的に売られたSaaS関連株の回復にも言及しています。

市場で悲観論が広がったとしても、実際の業績が崩れなければ株価は再評価される可能性があります。

ただし、株価が下がったという理由だけで買い増すのではなく、業績や財務状況に問題がないことを確認する必要があります。

ゴールドも株価と同じ方向に動く可能性

番組には、貴金属市場の専門家である池水雄一氏も出演しています。

池水氏は、AI関連産業で需要が増えている金属として、ルテニウムやイリジウムなどの希少金属について紹介しました。

これらの金属は、半導体製造やハードディスクなどの分野で使用されており、産業需要の変化が価格に影響します。

一方、ゴールド、シルバー、プラチナ、パラジウムといった貴金属は、産業需要に加えて投資家による売買の影響も大きく受けます。

また、米国中間選挙による市場への影響については、ゴールドが株式市場と同じ方向に動く可能性にも言及しました。

一般的に金は安全資産と考えられていますが、必ずしも株価下落時に上昇するとは限りません。

特に金融市場全体でリスク回避の動きが強まると、投資家が現金を確保するために金も売却する場合があります。

そのため、金を保有していれば株価急落の影響を完全に回避できるという考え方には注意が必要です。

今後の日本株投資で重要になる3つの視点

ここまでの大川氏の説明を整理すると、今後の日本株投資では3つの視点が重要になります。

第1に、AI市場の長期的な成長と、個別企業の財務リスクを分けて考えることです。

AI需要が増加していても、過剰な借り入れや設備投資によって経営が悪化する企業は存在します。

コアウィーブショックは、AI関連企業を一括りにして評価することの危険性を示した事例といえます。

第2に、米国中間選挙や金融政策、企業決算などの重要イベントを意識することです。

AI関連株の長期的な成長見通しが崩れていなくても、短期的な市場心理によって株価が大きく下落する可能性があります。

大川氏は、こうしたイベントが集中する時期に無理をして投資する必要はなく、不確実性が低下するまで待つことも有効だと説明しています。

第3に、AI関連株以外にも投資機会を求めることです。

値上げによって収益性を改善できる企業や、海外展開によって成長を続ける企業には、これまで市場で十分に評価されてこなかった銘柄が存在する可能性があります。

ファーストリテイリング、良品計画、サイゼリヤなどは、そうした観点から注目される企業として紹介されました。

まとめ:AI相場は崩壊ではなく企業選別の段階へ、内需株の逆襲にも期待

2026年10月の株式市場では、コアウィーブショックや米国の金利上昇、中間選挙をめぐる政治的不透明感など、複数のリスクが重なっています。

日経平均が高値から一時1万円以上下落したことで、AIバブル崩壊への警戒感も高まっています。

しかし、大川智宏氏は今回の下落について、AI市場の成長構造が崩れたわけではなく、一時的な調整や企業間の選別が進んでいる段階だと捉えています。

特に、コアウィーブのように巨額の負債を抱える企業と、安定した収益基盤を持つ企業を同列に扱うべきではないという点が重要です。

また、メモリ価格については中国メーカーの台頭などによって将来的に下落する可能性がある一方、半導体製造装置や検査装置を手がける日本企業には引き続き成長機会があると評価しています。

ただし、米国中間選挙の結果によってはAI関連株が再び大きく売られる可能性もあるため、投資タイミングには慎重さが求められます。

一方で、これまでAI関連株への資金集中によって注目されにくかった小売りや外食などの内需関連株には、再評価の動きが出始めています。

値上げによって利益率を改善できる企業や、海外展開によって成長を続ける企業は、今後の分散投資先として有力な候補になる可能性があります。

今後の相場では、AI関連株が上がるか下がるかという単純な見方ではなく、企業ごとの財務健全性、利益成長、価格転嫁力、海外事業の拡大余地などを丁寧に確認することが重要になりそうです。

AI相場の成長を見据えながらも、投資対象を特定の分野に集中させず、業績に裏付けられた企業を選別していくことが、今後の日本株投資の重要なポイントといえるでしょう。

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