【過熱感なし】日経平均はまだ上がるのか?キオクシア・村田製作所・藤倉に見るAI関連株と信用需給の明暗

本記事は、YouTube動画『【過熱感なし!?】日経平均はまだ上がる?キオクシア店内買残130億円増と需給悪化銘柄の明暗│店内信用残ランキング│松井証券・窪田朋一郎が解説』の内容を基に構成しています。

目次

日経平均はAI関連株に支えられて上昇している

日本株市場では、日経平均株価の上昇が続いています。動画内では、日経平均が大きく上昇し、特にAIデータセンター関連銘柄が相場をけん引していると解説されています。

現在の日本株市場では、すべての銘柄が一斉に買われているというよりも、AI関連、半導体関連、データセンター関連といったテーマ性の強い銘柄に資金が集中している状況です。特に日経平均株価は、構成銘柄の中にAI関連として注目されやすい銘柄が多いため、TOPIXよりも強い動きになりやすいと説明されています。

一方で、信用取引の状況を見ると、買い残と売り残の両方が増加しており、合計では5,000億円を突破しているとされています。信用買いが増えると、一般的には将来の売り圧力になるため警戒されます。しかし、足元では東証全体の売買代金も大きく膨らんでいるため、現時点では過度に心配する必要はないという見方が示されています。

信用評価損益から見る投資家心理

信用取引では、投資家がどれくらい含み益または含み損を抱えているかを見ることができます。動画では、信用買いの評価損益がマイナス1.6%程度で、比較的良好な水準だと説明されています。

これは、信用買いをしている投資家の多くが、まだ大きな含み損を抱えていないことを意味します。つまり、株価が少し下がっただけで一斉に投げ売りが出るような状態ではないということです。

一方で、信用売りをしている投資家はかなり厳しい状況に置かれています。売り方の評価損益はマイナス30%台とされており、高値圏で空売りをしていた投資家は大きな損失を抱えている可能性があります。

このような状態では、株価がさらに上昇した場合、売り方が損失拡大を避けるために買い戻しを迫られます。これがいわゆる「踏み上げ」です。踏み上げが起きると、株価上昇にさらに勢いがつくことがあります。

キオクシアは買い残増加でも強い理由

今回の動画で特に注目されていたのが、キオクシアホールディングスです。信用買い残の増加額ランキングで上位となっており、買い残が大きく増えている銘柄として取り上げられています。

通常、買い残が急増すると「将来の売り圧力が増えている」と見られるため、警戒材料になります。しかし、キオクシアの場合は、株価上昇の背景に明確な業績期待があります。

キオクシアはNANDフラッシュメモリーを手がける企業です。生成AIの普及により、データセンター向けのSSD需要が急速に伸びています。AIを動かすには大量のデータを高速に保存・読み出しする必要があり、そのためにSSDやNANDフラッシュメモリーの需要が高まっています。

動画では、キオクシアについて、今年の生産枠がすでに完売している状況だと説明されています。供給不足が続けば、製品価格は上がりやすくなります。実際にフラッシュ価格は高騰しており、キオクシアの業績にも大きな追い風となっています。

さらに、韓国勢など他社はHBMやDRAMといった別のAI関連メモリーの生産に力を入れているため、NANDフラッシュの増産にすぐ対応しにくい状況があります。その結果、NAND専業に近いキオクシアが恩恵を受けやすい構図になっています。

信用買い残は増えているものの、キオクシアは連日のように東証の売買代金上位に入っているため、増えた買い残を市場が十分に消化できていると説明されています。そのため、現時点では買い残増加だけを理由に弱気になる必要はなく、まだ上値を試す展開が続く可能性があるという見方です。

村田製作所はMLCC需要で注目が集まる

信用買い残の増加額ランキングでは、村田製作所も取り上げられています。村田製作所は、MLCC、つまり積層セラミックコンデンサーの世界的な大手企業です。

MLCCは、電子機器の中で電気を一時的に蓄えたり、電圧を安定させたりするために使われる部品です。スマートフォンや自動車、家電だけでなく、AIデータセンターでも重要な役割を果たします。

AIデータセンターでは、GPUが大量の電力を消費します。AIの計算処理が集中する場面では大きな電力が必要になり、処理が落ち着く場面では消費電力が下がります。このように電力消費の波が大きくなると、システムに負荷がかかります。

そこで必要になるのが、電気を一時的に蓄えて電力を安定させるコンデンサーです。AIデータセンターの拡大によって、MLCCの需要が増えていると見られています。

動画では、MLCCについて15%から35%程度の値上げが予想されていると説明されています。価格上昇が実現すれば、村田製作所の収益改善につながる可能性があります。

村田製作所については、信用買い残が増えている一方で、売り残も増えているため、全体として需給が極端に悪化しているわけではないとされています。売り残が増えているということは、将来的に買い戻しによる踏み上げが起きる可能性もあります。

藤倉はAI関連でも注意が必要な銘柄

一方で、同じAIデータセンター関連として注目されてきた藤倉については、注意が必要だと説明されています。

藤倉はデータセンター関連銘柄として人気を集めていましたが、5月以降は株価が下落に転じています。その理由として、決算内容や中期経営計画が市場の期待に届かなかったことが挙げられています。

業績そのものは伸びているものの、市場の期待が非常に高くなっていたため、その期待を下回ったことで売られる展開になりました。株式市場では、良い決算であっても、投資家の期待を下回ると株価が下がることがあります。

藤倉の場合、信用買い残が大きく膨らむ一方で、売り残はほとんどなくなっていると説明されています。さらに出来高も減少傾向にあるため、需給面ではかなり悪い状態です。

これは、買いたい人がすでに多く買ってしまい、売り方の買い戻しによる上昇余地も乏しいということです。AI関連というテーマ性はあっても、需給が悪化している銘柄は避けた方が無難だという見方が示されています。

オリエンタルランドは反発しづらい状況

信用買い残の減少銘柄として、オリエンタルランドも取り上げられています。オリエンタルランドは東京ディズニーリゾートを運営する企業で、個人投資家にも人気の高い銘柄です。

しかし、株価は右肩下がりの状況が続いています。その背景には、業績の伸び悩みがあります。

東京ディズニーリゾートは多くの来園者でにぎわっているため、一見すると業績は好調に見えます。しかし、動画では、入園者数が2,753万人程度とほぼ飽和状態にあり、これ以上大きく人数を増やすのが難しいと説明されています。

これまでは客単価を上げることで利益を伸ばしてきましたが、値上げにも限界が見え始めています。一方で、人件費、修繕費、新エリアであるファンタジースプリングスの償却費など、コストは増えています。

その結果、売上高は過去最高でも営業利益は減益になるという状況が生まれています。動画では、26年3月期に営業利益が2.1%減、27年3月期も4.5%減益予想と説明されています。

信用需給を見ても、買い残が高水準で残っているため、反発はまだ期待しづらいとされています。

太陽誘電もMLCC関連として注目

信用売り残の増加銘柄としては、太陽誘電が取り上げられています。太陽誘電も村田製作所と同じく、MLCC関連銘柄として注目されています。

AIデータセンター向けのMLCC需要が高まる中で、太陽誘電にも買いが集まっています。株価は直近で大きく上昇しており、今年に入ってからの上昇率もかなり大きいとされています。

信用需給を見ると、買い残だけでなく売り残も増えているため、踏み上げ期待もあります。これは、株価がさらに上がった場合に、空売りしている投資家が買い戻しを迫られる可能性があるということです。

ただし、短期的には5日移動平均線との乖離が大きくなっており、やや加熱感があるとも説明されています。そのため、すぐに飛びつくのではなく、5日移動平均線付近まで調整する場面を待つのも1つの戦略だとされています。

みずほフィナンシャルグループは長期目線向き

銀行株では、みずほフィナンシャルグループが取り上げられています。銀行株は、金融政策の影響を受けやすい銘柄です。

6月には日米の金融政策決定会合が予定されており、日本では利上げ観測が意識されています。利上げは銀行にとって基本的には追い風です。貸出金利が上昇すれば、銀行の利ざやが改善しやすくなるためです。

一方で、日銀が国債買い入れの減額ペースを緩める可能性も話題になっています。これは長期金利の急上昇を抑えるための政策と見られています。

長期金利の上昇が緩やかになれば、銀行が保有する債券の評価損が出にくくなるというメリットがあります。その一方で、国債買い入れの減額ペースが遅くなると、円安やインフレが加速しやすくなる可能性もあります。

みずほについては、上昇基調ではあるものの、信用買い残が高水準に残っているため、上昇のピッチは緩やかになりやすいと説明されています。そのため、短期売買よりも長期目線で狙いたい銘柄だとされています。

日経平均とTOPIXの連動性が崩れている

動画の後半では、今後2週間の相場見通しとして、日経平均とTOPIXの連動性が崩れてきている点が解説されています。

通常、日経平均とTOPIXはある程度似た動きをします。しかし、2025年4月以降は日経平均の上昇がTOPIXを大きく上回る展開になっています。

その理由は、日経平均の構成銘柄にあります。日経平均には、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロン、TDK、キオクシア、ファナック、信越化学工業など、AI関連として注目されやすい銘柄が多く含まれています。

一方、TOPIXは時価総額加重平均型の指数であり、トヨタ、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、大型株全体の影響を広く受けます。そのため、AI関連銘柄に資金が集中する局面では、日経平均の方が上がりやすくなります。

動画では、NT倍率が17倍程度まで上昇していると説明されています。NT倍率とは、日経平均をTOPIXで割った数値です。この数値が上がるということは、TOPIXよりも日経平均の方が強いことを意味します。

AIバブルはすぐに崩壊するのか

足元では、AI関連株の上昇を見て「AIバブルではないか」と警戒する声もあります。しかし、動画では、今すぐAIバブルが崩壊する可能性は低いのではないかという見方が示されています。

その根拠の1つが、騰落レシオです。騰落レシオとは、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率を見る指標です。一般的に120を超えると過熱感が意識され、140を超えるとかなり過熱していると見られます。

しかし、足元の騰落レシオは100を切る水準にあり、市場全体としては過熱していないと説明されています。これは、AI関連銘柄は大きく上がっているものの、すべての銘柄が一斉に買われているわけではないことを意味します。

つまり、現在の相場は「何でも買われるバブル相場」ではなく、業績が伸びる銘柄とそうでない銘柄が選別されている相場だと見ることができます。

キオクシアのように、AIデータセンター向け需要の拡大という実需に支えられて業績が伸びている企業は買われています。一方で、藤倉のように市場期待に届かなかった銘柄や、オリエンタルランドのようにコスト増で利益が伸びにくい銘柄は売られています。

この点から、現在の市場は単なる熱狂ではなく、利益や需給を見ながら冷静に銘柄選別が行われていると考えられます。

初心者がこの相場で注意すべきこと

今回の動画から初心者が学ぶべき重要なポイントは、テーマだけで銘柄を判断してはいけないということです。

AI関連、半導体関連、データセンター関連という言葉がつくと、どの銘柄も上がりそうに見えます。しかし、実際にはキオクシアや村田製作所のように強い銘柄もあれば、藤倉のように需給が悪化している銘柄もあります。

株価はテーマだけで動くのではなく、業績、需給、出来高、信用残、市場の期待との比較によって動きます。特に信用買い残が多く、出来高が減っている銘柄は注意が必要です。買いたい人がすでに買ってしまっている場合、少し悪材料が出るだけで売りが出やすくなるからです。

また、株価が急騰している銘柄に飛びつく場合も注意が必要です。太陽誘電のように短期的に5日移動平均線との乖離が大きくなっている場合、いったん調整を待つ方がリスクを抑えやすいと考えられます。

投資初心者にとって大切なのは、「人気があるから買う」のではなく、「なぜ人気があるのか」「業績の裏付けはあるのか」「信用需給は悪化していないか」を確認することです。

まとめ

今回の動画では、日経平均株価の上昇がAIデータセンター関連銘柄に支えられていること、そして信用需給から見た個別銘柄の明暗が詳しく解説されていました。

キオクシアはNANDフラッシュメモリーの需要拡大と供給不足を背景に、買い残増加をこなしながら上昇基調を続けています。村田製作所や太陽誘電は、AIデータセンター向けMLCC需要の拡大で注目されています。一方で、藤倉は同じAI関連であっても、市場期待に届かなかったことや需給悪化により注意が必要な銘柄とされています。

オリエンタルランドは、来園者数が高水準でもコスト増によって利益が伸びにくく、反発には時間がかかる可能性があります。みずほフィナンシャルグループは、金融政策の追い風を受けつつも、信用買い残が重く、長期目線向きの銘柄とされています。

日経平均とTOPIXの差が広がっている背景には、日経平均にAI関連銘柄が多く含まれているという構造があります。騰落レシオを見る限り、市場全体に強い過熱感はなく、現在の相場は業績やテーマ性のある銘柄が選別されて買われている状況です。

ただし、AI関連というだけで何でも上がるわけではありません。これからの相場では、テーマ性だけでなく、業績の裏付け、信用需給、出来高、株価の過熱感を丁寧に確認することが重要です。

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