本記事は、YouTube動画『日経平均が一時3000円超の大暴落!米中間選挙で半導体株急落も午後に2158円反発、セリクラは本当か?』の内容を基に構成しています。
2026年11月4日の東京株式市場では、日経平均株価が取引時間中に3000円を超える急落を記録しました。米国の中間選挙で民主党が大きく勝利したことを受け、AI関連投資の先行きに対する懸念が広がり、半導体関連株を中心に売りが殺到しました。
しかし、午後に入ると相場は一転して急反発しました。日経平均は安値から約2158円も値を戻し、終値は前営業日比893円23銭安の6万2188円63銭となりました。
特に注目されたのは、株価が底を打った時刻です。米国の選挙でAIデータセンター関連企業にとって不利な結果が確定的になってから、わずか約20分後に日経平均は安値をつけました。
これは悪材料が出尽くしたことによる反発だったのでしょうか。それとも、一時的な買い戻しにすぎないのでしょうか。
今回の急落を引き起こした米国の政治情勢、半導体関連株の動き、売買代金の分析、そして過去の暴落相場との比較から、今後の日本株市場を考えます。
日経平均が一時3000円超下落、終値では893円安まで回復
11月4日の日経平均株価は、前営業日の終値から一時3051円以上下落し、6万30円10銭まで値を下げました。
これは7月29日の安値を下回る水準で、取引時間中としては5月以来の安値となりました。
ところが、午後1時37分に安値を記録した後、相場は急速に回復しました。終値は6万2188円63銭となり、安値から約2158円の反発を見せています。
1日の高値と安値の差は3075円に達しました。
一方、東証株価指数のTOPIXは0.89%の下落にとどまりました。日経平均の下落率1.42%と比較すると、値下がりが特定の大型銘柄に集中していたことが分かります。
この日の相場は、日本企業全体の業績が急激に悪化したというよりも、AIや半導体関連企業に対する投資家の期待が大きく揺らいだことによる下落でした。株探+1
米国中間選挙で民主党が大勝、AI投資への懸念が拡大
上下両院で民主党が多数派を確保
今回の株価急落を引き起こした最大の要因は、米国の中間選挙でした。
2026年11月3日に行われた中間選挙では、民主党が共和党から多くの議席を奪い、上下両院で多数派を確保する結果となりました。
動画で紹介された開票時点の集計では、上院で民主党が共和党から7議席を奪い、民主党54議席、共和党44議席となっています。下院でも民主党が29議席を奪ったとされています。
共和党のトランプ大統領に対し、議会では民主党が主導権を握る構図となりました。
こうした状態は一般に「ねじれ議会」と呼ばれます。
大統領と議会の多数派が異なるため、政権が進めようとする政策が議会で承認されにくくなる可能性があります。
例えば、大規模な減税や財政支出、企業に対する優遇措置などは、民主党との協議が必要になります。
今回の選挙ではAI産業への規制を強化する姿勢を示した候補者も勝利しており、市場では今後のデータセンター投資への影響が警戒されました。AP News+1
テキサス州知事選が半導体株急落の引き金に
投資家が特に注目したのが、テキサス州の知事選挙です。
この選挙では民主党のジーナ・イノホサ氏が約53%の票を獲得し、共和党の現職候補を破りました。テキサス州で民主党が知事選に勝利するのは1990年以来となります。Fox News Texas Elections+1
イノホサ氏は選挙戦で、データセンターの新規建設に対する規制や、関連企業に与えられている税制優遇の見直しを訴えていました。
これが株式市場に大きな衝撃を与えた理由は、テキサス州が米国のデータセンター産業にとって極めて重要な地域だからです。
米大手銀行ウェルズ・ファーゴの集計として動画で紹介された数字によると、米国内で計画されているデータセンターの電力容量の約27%がテキサス州に集中しています。
また、2026年に建設中のデータセンターの数でも、テキサス州が全米1位となっています。
イノホサ氏は、データセンターに対する税制優遇によって州が年間10億ドル以上の税収を失っていると主張してきました。
ただし、規制対象は新規許可に限られ、すでに建設中の施設は対象外になる可能性も報じられています。
そのため、今回の選挙結果によって既存のデータセンターが直ちに停止するわけではありません。
問題は、新しく建設される施設の数や投資スピードが鈍化する可能性です。
なぜデータセンター規制で日本の半導体株が売られるのか
AI投資と半導体需要は密接につながっている
AIの開発や運用には、大量の計算処理を行うデータセンターが必要です。
こうした施設には、GPUなどの半導体、高性能メモリー、ネットワーク機器、電力供給設備、冷却システムなどが大量に使われます。
そのため、データセンターの建設が活発になれば、関連企業の売上増加が期待できます。
反対に、新規建設が制限されれば、将来的な半導体の購入量が減少する可能性があります。
今回のテキサス州知事選の結果は、こうした将来の設備投資に対する不安を引き起こしました。
つまり、現在のAI需要が急激に悪化したわけではなく、今後の成長スピードに対する見方が変化したことが株価下落の背景にあります。
米国市場でもAI関連銘柄が売られる
米国の時間外取引でも、AI関連銘柄に売りが広がりました。
AI向けのクラウドサービスや計算設備を提供するコアウィーブは、一時7%程度下落しました。
電気自動車大手テスラも4.1%下落しています。
ハイテク株の多いNASDAQの先物指数も、一時2%を超える下落となりました。
東京市場でもソフトバンクグループが一時10%下落するなど、AI投資との関係が深い企業ほど大きな売り圧力を受けました。
一方で、AI需要そのものが弱くなったことを示す材料ばかりではありません。
AMDの好決算が示すAI需要の強さ
米半導体大手AMDが発表した決算では、売上高が前年同期比45%増加しました。
さらに、次の3カ月の売上高見通しは170億ドルとなり、市場予想を上回っています。
AIサーバーを手掛けるスーパー・マイクロ・コンピューターも、時間外取引で9%以上上昇しました。
これらの動きは、AIに対する実際の需要が依然として強いことを示しています。
今回の株価下落では、AI市場の現在の成長と、将来的なデータセンター建設の不透明感を区別する必要があります。
また、ゴールドマン・サックスは、選挙結果にかかわらず全米規模でデータセンターの建設が停止される可能性は低いとの見方を示しています。
トランプ大統領も日本時間13時10分頃、民主党との協力に前向きな姿勢を示したと伝えられました。
市場では、当初警戒されたほど強い規制が実施されない可能性も意識されたと考えられます。
日本株では半導体・AI関連銘柄に売りが集中
アドバンテストと東京エレクトロンが日経平均を押し下げ
11月4日の東京市場で、日経平均の下落に最も大きく影響したのがアドバンテストでした。
同社の株価下落は、日経平均を約259円押し下げました。
東京エレクトロンも約173円の押し下げ要因となっています。
アドバンテストは半導体の検査装置を手掛ける企業で、AI向け半導体の需要拡大による恩恵が期待されてきました。
東京エレクトロンは半導体製造装置の大手で、世界の半導体メーカーによる設備投資の動向が業績に大きく影響します。
両社ともAI関連の設備投資が減速すれば、将来の業績に影響する可能性があります。
アドバンテストは取引時間中に9.95%下落しましたが、終値では下落率を3.35%まで縮小しました。
売りが一巡した後、急速に買い戻されたことが分かります。
キオクシアは一時1万円割れ、安値9635円
特に激しい値動きを見せたのがキオクシアホールディングスです。
キオクシアはデータセンターやAIサーバーなどでも利用されるNAND型フラッシュメモリーを製造する企業です。
この日は取引時間中に15.07%下落し、株価は9635円まで値を下げました。
しかし、終値では下落率が5.38%まで縮小しました。
最大下落率から見れば、下落幅の約6割を取り戻した計算になります。
ただし、午後の反発がそのまま本格的な上昇トレンドへの転換を意味するわけではありません。
今後の株価が9635円という安値を維持できるかどうかが、重要な判断材料になります。
フジクラや住友電工にも売りが広がる
今回の下落は半導体メーカーだけではありません。
データセンターの電力供給設備や通信設備に関連する非鉄金属企業も売られました。
住友電気工業は7.25%下落し、フジクラも5.64%下げています。
AIデータセンターには大量の電力を届ける送電設備や、高速通信を実現する光ファイバーが必要です。
そのため、データセンターの建設ペースが鈍化すれば、半導体メーカーだけでなく、関連設備を供給する企業にも影響が及ぶ可能性があります。
この日は業種別でも非鉄金属の下落が目立ちました。
三菱商事やファーストリテイリングは上昇、全面安ではなかった
半導体関連株が急落する一方で、上昇した企業もありました。
代表的なのが三菱商事です。
三菱商事は7.88%上昇、利益予想を上方修正
三菱商事はこの日、半年間の決算を発表しました。
2026年度の利益予想を1兆2000億円へ引き上げ、過去最高益を見込む内容となりました。
さらに、最大1兆円規模の自社株買いを発表しました。
発行済み株式の約6%を取得し、すべて消却する計画です。
自社株買いによって発行済み株式数が減少すると、利益が変わらなくても1株当たり利益が増加する効果があります。
市場ではこうした株主還元策が好感され、三菱商事の株価は7.88%上昇しました。
しかも、取引終了間際にこの日の高値を記録しています。
個別材料で上昇した銘柄も
ファーストリテイリングは2.67%上昇し、日経平均を最も大きく押し上げた銘柄となりました。
ヤマトホールディングスは11.5%上昇しました。米国の投資会社が同社株式の5.02%を取得したことが明らかになったためです。
IHIも午後1時頃に利益予想の上方修正を発表し、株価が下落から上昇へ転じました。
一方、大型買収に伴う資金負担が懸念されたニデックは10.34%下落しました。
通信大手NTTも、半年間の決算で最終利益が前年同期比16%減少したことなどから、6.02%の下落となりました。
このように、市場全体が弱い状況でも、個別企業の決算や株主還元策によって株価の方向は異なっています。
日経平均とTOPIXの下落率に差が生まれた理由
日経平均は1.42%下落しましたが、TOPIXの下落率は0.89%でした。
この違いは、指数の計算方法にあります。
日経平均は225銘柄の株価を基に計算される株価平均型の指数です。
そのため、株価水準が高い銘柄の値動きが指数に大きく影響します。
一方、TOPIXは基本的に浮動株調整後の時価総額を基準に計算されます。
今回の下落では、アドバンテストや東京エレクトロンなど、日経平均への影響が大きい銘柄が集中して売られました。
そのため、日経平均の方がTOPIXよりも大きく下落したのです。
東証プライム市場では値上がり銘柄が425社、値下がり銘柄が1084社だったと動画では紹介されています。
実際に下落銘柄が多数を占めたものの、三菱商事やファーストリテイリングなど、上昇する銘柄も存在しました。
したがって、今回の下落は市場全体に売りが広がりながらも、特にAI・半導体関連株に強い売りが集中した相場といえます。
中国株は上昇、韓国株も急落から反発
アジア市場全体が日本と同じ値動きをしたわけではありません。
中国の主要株価指数は約2.3%上昇しました。
背景には、中国人民銀行による株式市場支援策があります。
動画によると、企業の自社株買いに使う資金の融資申し込みが2000億元を超えたとされています。
一方、韓国の株価指数は取引時間中に3%を超える下落となりましたが、その後は回復し、終値では0.62%上昇しました。
同じアジア市場でも、各国の政策や投資家の期待によって値動きが異なることが分かります。
日経平均の底は13時37分、米選挙結果の約20分後だった
テキサス州知事選の結果確定後に売りが一巡
今回の相場で特に注目したいのが、日経平均が安値をつけた時刻です。
動画によると、テキサス州知事選でイノホサ氏の勝利が確実と伝えられたのは、日本時間13時17分でした。
そして、日経平均が6万30円10銭の安値を記録したのは、その約20分後の13時37分です。
この時間帯は東京エレクトロンやディスコが安値をつけた時刻とも重なっています。
また、米国NASDAQ先物も同じ頃から下落幅を縮小し始めました。
こうした動きから、投資家が懸念していた悪材料が出尽くし、売りが一巡した可能性が考えられます。
株式市場では、悪いニュースが発表された後、材料が出尽くしたとして株価が反発することがあります。
これを「悪材料出尽くし」と呼びます。
ただし、選挙結果と株価の底が時間的に近かったことだけで、両者の因果関係が確定するわけではありません。
日経平均は2回底をつけていた
実際には、日経平均が安値を試した場面は1回だけではありませんでした。
12時40分頃には6万228円付近まで下落しています。
その後、13時37分には6万30円10銭まで下げ、最初の安値をわずかに更新しました。
一方、キオクシアは12時44分に9635円の安値を記録しており、日経平均が2回目の安値をつけた際には、その水準を下回りませんでした。
これは、先に強く売られた銘柄が、市場全体に先行して下げ止まった可能性を示しています。
ただし、短期的な下げ止まりと中長期的な底打ちは別の問題です。
3075円の値幅は歴史的な大暴落だったのか
11月4日の日経平均の高値と安値の差は3075円でした。
動画で紹介された1975年以降のデータでは、円ベースの値幅として歴代6番目の大きさとなります。
ただし、これだけで歴史的な大暴落と判断するのは適切ではありません。
なぜなら、現在の日経平均は6万円台にあるためです。
例えば、日経平均が1万円の時代に3000円下落すれば30%の下落ですが、6万円の時代なら5%の下落です。
今回の高値と安値の差を変動率に換算すると4.88%となります。
1975年以降のデータでは、変動率の大きさは100番目前後にとどまります。
2024年8月5日の急落では、今回の2倍を超える変動率を記録しました。
つまり、金額としては非常に大きな値動きだったものの、率で比較すると過去の金融危機ほど極端な変動ではなかったことになります。
株価の暴落を比較する際には、下落した金額だけでなく、下落率も確認することが重要です。
売買代金は10兆円超、キオクシアに取引が集中
東証プライムの売買代金は10兆円を突破
この日の東証プライム市場の売買代金は10兆8055億円となりました。
出来高は約35億1279万株です。日本証券新聞+1
非常に大きな取引量ですが、過去最高ではありません。
動画では、過去最高の売買代金として5月14日の12兆376億円が紹介されています。
また、売買代金の増加は、必ずしもパニック売りが起きたことを意味しません。
株式市場では売り注文と買い注文が成立することで取引が発生します。
そのため、大量の売買があったという事実だけでは、売り手と買い手のどちらが主導していたのか判断できません。
キオクシアの売買代金は1兆6729億円
個別銘柄で特に注目されたのがキオクシアです。
この日の売買代金は1兆6729億円に達しました。
東証プライム全体の売買代金のおよそ15%を、キオクシア1社で占めたことになります。
売買代金で2番目だったアドバンテストと比較しても、約2.2倍の規模です。
キオクシアの出来高は1億6353万株で、直近1カ月の平均の約2.5倍でした。
ただし、キオクシア自身の過去最高売買代金は5月14日の約2兆円であり、今回が最大というわけではありません。
売買が集中したのは安値付近だった
動画では、キオクシアの出来高を30分ごとに分けて分析しています。
特に売買が集中した時間帯は2つありました。
最初は午前10時30分からの30分です。
この時間帯にキオクシアの株価は1万円を割り込みました。
次は午後12時30分からの30分です。
この時間帯には株価が9635円まで下落し、当日の最安値を記録しました。
一方、午後の反発局面では出来高が減少し、30分当たり1000万株前後に縮小しています。
安値付近で多くの取引が成立したことは、売りたい投資家の注文が相当程度消化された可能性を示しています。
ただし、戻りの局面で出来高が細っていることから、積極的な新規買いが大量に流入したとまでは判断できません。
買い戻しによる反発だった可能性も残されています。
今回の急落はセリクラだったのか
セリングクライマックスとは
今回の相場で注目された言葉が「セリクラ」です。
セリクラとは、セリングクライマックスの略称です。
株価が急落する中で、多くの投資家が保有株を売却し、売り注文が極端に集中する局面を指します。
一般的にセリクラでは、株価の急落とともに出来高が急増します。
そして、売りたい投資家の多くが売却を終えると、売り圧力が弱まり、株価が反発することがあります。
ただし、大きな下落と急反発が起きたからといって、それだけでセリクラが成立したとは限りません。
日経平均は長い下ヒゲを形成
11月4日の日経平均は、安値から終値まで約2158円も値を戻しました。
ローソク足では、安値と実体の下端の間に長い「下ヒゲ」が形成されます。
下ヒゲが長いということは、取引時間中に大きく売られたものの、終値までに買い戻されたことを意味します。
こうした形は、相場が下げ止まる際にも見られます。
ただし、下ヒゲが形成された後に再び株価が下落するケースもあります。
そのため、下ヒゲだけを根拠に底打ちを判断することは危険です。
ETFの出来高はパニック的な水準に達していない
動画では、日経平均の2倍程度の値動きを目指すレバレッジ型ETFの出来高も検証しています。
この日の出来高は通常の約1.9倍でした。
増加していることは確かですが、極端なパニック売買と断定できるほどではありません。
2024年8月の急落局面では、日経平均の下落に連動するインバース型ETFで、今回の比較対象を大きく上回る出来高が記録されました。
動画では約25倍という数字が紹介されています。
ただし、異なるETFの出来高を比較する際には、発行済み口数や普段の取引量も考慮する必要があります。
今回の株価と出来高を見る限り、売りが相当程度進んだ可能性はあるものの、市場参加者が一斉に投げ売りしたと断定するには材料が不足しています。
過去13回の暴落を検証、約6割がその後に安値更新
長い下ヒゲが出ても底打ちとは限らない
今回の動画では、1975年以降の日経平均の日足データを使い、11月4日と似た値動きを記録した日を調べています。
抽出条件は、取引時間中に4%以上下落し、その日の安値から2.5%以上戻して取引を終えた日です。
この条件に該当したのは、今回を除いて13回でした。
注目すべきなのは、その後の値動きです。
約1カ月以内に当日安値を更新
8 / 13回
約61.5%
3カ月後に株価が上昇
9 / 13回
約69.2%
動画で紹介された1975年以降の類似13事例の集計。上昇の比較基準は動画の説明によります。
13回のうち8回は、その後約1カ月以内に当日の安値を下回りました。
2008年10月のリーマンショックや、2020年3月の新型コロナウイルスによる急落相場などが該当します。
つまり、長い下ヒゲが形成されても、その後に再び株価が下落するケースの方が多かったことになります。
3カ月後には約7割が上昇
一方、3カ月後の株価を比較すると、13回のうち9回で株価が上昇していました。
上昇率の中央値はプラス7.4%です。
これは、急落した当日に最終的な底を打つとは限らないものの、その後数カ月で相場が回復する例も多かったことを示しています。
実際、1度安値を更新した後に本格的な上昇に転じたケースもありました。
一方、2025年4月のように、その日の安値を再び割り込まず、そのまま上昇したケースもあります。
ただし、対象は13回と少なく、当時の金融政策や景気、企業業績も異なっています。
過去の発生割合が、そのまま今後の上昇確率や下落確率になるわけではありません。
米国中間選挙後の株価には上昇傾向もある
米国の中間選挙は、株式市場にとって重要なイベントの1つです。
動画では、過去の中間選挙後の米国株の値動きについても紹介されています。
紹介された集計によると、過去11回の中間選挙では、米国の主要株価指数が1年後にすべて上昇していました。
平均上昇率は13.7%です。
また、民主党が議会を握り、共和党が大統領を務める構図となった年については、選挙翌日の株価が平均0.5%下落する一方、1カ月後には平均3.4%上昇していました。
こうしたデータを見ると、短期的な政治的不透明感が解消された後、株式市場が回復する可能性も考えられます。
ただし、別の見方もあります。
英国の証券会社として動画で紹介された調査では、中間選挙の年の後半に平均14%程度の下落局面が生じる場合があり、選挙後の上昇は必ずしも容易ではないと指摘されています。
選挙後の株価には季節性や過去の傾向があるとしても、それだけで将来の株価が決まるわけではありません。
金利や景気、企業業績、地政学的なリスクなども重要な要因になります。
米長期金利低下と円高、金価格上昇にも注目
今回の選挙結果は、株式市場だけでなく債券市場や為替市場にも影響を与えました。
米国の長期金利は低下し、動画では4.93%前後で推移したとされています。
背景には、議会がねじれ状態となることで、大型減税や財政支出の拡大が実現しにくくなるという見方があります。
また、外国為替市場では円が買われ、ドル円相場は一時1ドル157円39銭まで円高が進みました。
ドルの総合的な強さを示すドル指数も101台半ばまで下落しています。
一方、安全資産とされる金には買いが入り、価格は一時2%以上上昇しました。
原油価格も高止まりしており、北海ブレント原油は1バレル103ドル台で推移したと紹介されています。
原油高の背景には、中東情勢の緊張があります。
米軍がイランの島を攻撃したとの報道があり、仲介役のカタールは36時間以内に双方から回答を得る意向を示したとされています。
こうした地政学的リスクも、投資家のリスク回避姿勢を強める要因となっています。
今後の日経平均とキオクシアの注目株価
今回の急落が最終的な底打ちだったかどうかを判断するうえでは、11月4日の安値が重要になります。
まず日経平均では、6万30円10銭が目安です。
この水準を維持しながら反発が続けば、悪材料の出尽くしによる下げ止まりという見方が強まる可能性があります。
一方、再び6万30円を割り込めば、今回の長い下ヒゲが一時的な買い戻しにすぎなかった可能性が高まります。
キオクシアについては、9635円が重要な水準です。
今回の下落では、日経平均よりも先にキオクシアが安値をつけました。
この安値を維持できるかどうかは、半導体関連株全体の売り圧力を判断する際の参考になります。
また、今回の急落がAI関連株に集中したことを考えると、アドバンテストや東京エレクトロン、フジクラなどの値動きにも注目する必要があります。
米雇用統計と日本企業の決算も重要
今後の重要イベントとしては、11月6日金曜日に予定されている米国の10月雇用統計があります。
雇用統計は、米国の景気や金融政策の方向性を判断するための重要な経済指標です。
市場予想より雇用が強ければ、金利上昇への警戒が強まる可能性があります。
逆に雇用が弱ければ、利下げ期待が高まる一方、景気減速への懸念が強まる場合もあります。
日本では、11月5日に太陽誘電や栗田工業などの決算発表が予定されています。
今後も企業の業績見通しや設備投資計画によって、個別銘柄の株価が大きく動く可能性があります。
特に半導体関連企業については、AI向け設備投資の成長が継続しているのか、受注や利益見通しに変化がないかが焦点となります。
まとめ:日経平均3000円超急落は悪材料出尽くしか、再下落の前兆か
2026年11月4日の東京株式市場では、米国中間選挙で民主党が大勝したことをきっかけに、日経平均が一時3000円を超える急落となりました。
特にテキサス州知事選でデータセンター規制を訴える民主党候補が勝利したことで、AI関連の設備投資が減速するとの懸念が広がりました。
その結果、アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアなどの半導体関連株が大幅に下落しました。
しかし、日経平均は午後1時37分に6万30円10銭の安値をつけた後、約2158円も反発しました。
終値では下落幅を893円23銭まで縮小し、長い下ヒゲを形成しています。
この値動きは、悪材料が出尽くした後の買い戻しと解釈することもできます。
ただし、今回の反発だけでセリングクライマックスが成立したと判断するのは早計です。
動画で紹介された過去13回の類似事例では、8回が約1カ月以内に当日の安値を更新していました。一方、3カ月後には9回で株価が上昇していました。
つまり、短期的には再下落する可能性が残る一方、中期的には回復するケースも少なくなかったということです。
今後の重要な判断材料は、日経平均の6万30円10銭とキオクシアの9635円です。
この水準を維持できるのか、それとも再び下回るのかによって、今回の急反発に対する市場の評価は変わってくるでしょう。
また、AI関連企業の実際の業績は依然として強い部分もあります。米国のデータセンター規制がどこまで実施されるのか、半導体需要が本当に減速するのかについては、今後の政策と企業決算を継続して確認することが重要です。
今回の急落が本当のセリクラだったかどうかは、11月4日の安値を今後も守れるかによって明らかになっていくと考えられます。


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