日経平均が一時3,000円超の急落!6万円割れで次は5万6,000円か?ソフトバンク・キオクシア・AI半導体株の今後を徹底分析

本記事は、YouTube動画『11月4日マーケット解説|日経平均急落とAI半導体関連株の今後』の内容を基に構成しています。

2026年11月4日の日本株式市場は、日経平均株価が一時3,000円を超える下落となり、投資家に大きな不安が広がる展開となりました。

日経平均は一時6万円目前まで下落したものの、その後は買い戻しが入り、終値では6万2,188円63銭まで回復しました。それでも前日比1.42%安となり、3営業日続落しています。

特に厳しかったのが、AI・半導体関連銘柄です。ソフトバンクグループやキオクシアなどが売られ、これまで日本株相場をけん引してきた成長株に対する警戒感が一段と強まりました。

今回の下落には、米国中間選挙をめぐる政治的不透明感、AI関連投資の規制懸念、巨大IT企業の設備投資負担、半導体関連株への利益確定売りなど、複数の要因が関係していると考えられています。

今後、日経平均は6万円を維持できるのでしょうか。それとも5万6,000円付近まで下落する可能性があるのでしょうか。

今回は、11月4日の相場を振り返りながら、過去の統計データを基にした日経平均、ソフトバンクグループ、キオクシアの想定レンジ、さらにAI半導体関連11銘柄の今後について詳しく解説します。

目次

11月4日の日経平均は一時3,000円超の急落

日経平均は安値から約2,159円を戻す

11月4日の日本株式市場では、日経平均株価が一時3,000円を超える下落となりました。

日中には6万30円付近まで売り込まれ、心理的な節目である6万円割れが目前に迫る場面もありました。

しかし、その後は急速に買い戻しが入り、安値から約2,159円上昇して取引を終えています。

最終的な日経平均株価は6万2,188円63銭で、前日比1.42%安となりました。

また、TOPIXも前日比0.89%安の3,895ポイント付近まで下落しました。一時は大きく売り込まれたものの、安値から約103ポイント戻して取引を終えています。

このように、日中の値動きは非常に荒くなりましたが、最終的には安値から大きく反発しました。

ただし、安値からの反発がそのまま相場の底打ちを意味するわけではありません。

今後も下落が続くのか、それとも本格的な反発局面に入るのか、判断が難しい状況となっています。

ソフトバンクグループとキオクシアも大幅安

AI関連銘柄にも売りが広がりました。

ソフトバンクグループは前日比3.2%安の4,269円となり、3営業日続落しました。

一時は3,967円まで下落し、4,000円を割り込む場面もありましたが、その後は買い戻しによって4,200円台を回復しています。

キオクシアも前日比5.38%安の1万735円となりました。

日中には9,635円まで下落して1万円を割り込みましたが、安値から1,100円戻して取引を終えています。

キオクシアについては、直近の決算発表を受けた株価下落に加え、AI半導体関連銘柄全体への売り圧力も影響したと分析されています。

日本株が急落した背景にある米国中間選挙

民主党優勢によるトランプ政権への懸念

今回の動画では、11月4日の日本株急落の大きな要因として、米国中間選挙をめぐる政治的不透明感が挙げられています。

動画では、民主党が上下両院で過半数を獲得する可能性が高まったとの見方を背景に、トランプ政権の政策運営が難しくなることへの懸念が株式市場に広がったと説明されています。

米国では、大統領の所属政党と議会多数派が異なる状況になると、政策や予算の成立が難しくなる場合があります。

これは一般的に「ねじれ議会」と呼ばれます。

こうした状況では、政府が掲げる政策を迅速に実行できなくなる可能性があるため、市場では政策の先行きが不透明になることを警戒する動きが出やすくなります。

ただし、選挙結果が株価下落にどの程度影響したかについては、他の要因と明確に切り分けることは困難です。

AIデータセンターへの規制が半導体株に逆風

特に市場が警戒したとされるのが、AIデータセンターへの規制です。

動画では、民主党内にAIデータセンターの建設制限や環境規制を求める声があることが紹介されています。

AIデータセンターは大量の電力を消費します。

そのため、電力料金の上昇、送電網への負担、環境への影響などが問題視されています。

仮にデータセンター建設に対する規制が強化されれば、巨大IT企業による設備投資の拡大ペースが鈍化する可能性があります。

日本には半導体製造装置、検査装置、電子部品などを供給する企業が数多く存在します。

そのため、米国でのAI設備投資が減速すれば、日本の関連企業にも影響が及ぶと考えられています。

もっとも、動画ではAI市場そのものの成長が止まる可能性は低いとの見方も示されています。

米国と中国の技術競争が続くなか、AI分野で競争力を維持することは米国にとって重要な政策課題だからです。

そのため、規制への懸念が短期的な株価の下落要因となっても、AI産業全体の長期的な成長を否定するものではないという見解です。

日本株全体に売りが広がった理由

値下がり銘柄は市場全体の71.3%

11月4日は一部の大型株だけが下落したわけではありません。

動画によると、値下がり銘柄の割合は71.3%に達しました。

業種別でも上昇したのは8業種にとどまり、約76%の業種が下落しました。

つまり、日本株市場全体に売りが広がったことになります。

一方で、グロース市場の下落率は0.44%にとどまり、日経平均やTOPIXと比較すると下げ幅は限定的でした。

これは、必ずしもすべての成長株が同じ程度に売られたわけではないことを示しています。

空運や不動産は比較的堅調

業種別に見ると、空運業と不動産業が比較的堅調でした。

空運業については、原油価格の下落が追い風となりました。

航空会社にとって燃料費は大きなコストです。原油価格が下がれば燃料費の負担が軽くなり、利益改善につながる可能性があります。

不動産業では、国内金利の低下が株価を支える材料になったと説明されています。

不動産会社は借入金を利用して事業を展開することが多く、金利が低下すると資金調達コストの負担が軽くなるためです。

一方、銀行株には金利低下が収益面の逆風になる場合があります。

また、非鉄金属、電気機器、ガラス・土石製品など、AI半導体関連企業が多く含まれる業種も下落しました。

原油価格の下落を受け、鉱業や石油・石炭製品にも売りが広がりました。

日経平均の今後5営業日の想定レンジ

過去86回の検証では上昇確率50%

動画では、日経平均株価の今後を予測するため、過去の類似した値動きを統計的に分析しています。

検証条件は、日経平均が3営業日続落し、前日比1.9%以上の下落を記録したうえで、4営業日前の株価と比較して4%以上下落したケースです。

この条件に該当した過去の事例について、5営業日後の株価を調べています。

検証結果は次の通りです。

項目検証結果
検証回数86回
上昇回数43回
下落回数43回
上昇確率50.0%
上昇時の平均利益3.42%
下落時の平均損失2.77%

この結果から、現在のような相場環境では、5営業日後の株価が上昇するか下落するかを統計的に判断することは難しいとされています。

ただし、上昇した場合の平均利益は、下落した場合の平均損失よりもやや大きくなっています。

日経平均の5営業日後の価格予想

過去データを基にした5営業日後の想定価格は以下の通りです。

シナリオ日経平均の想定価格
下落6万46円
平均6万2,394円
上昇6万4,315円
急落5万8,000円前後
好調通常の上昇想定を超える水準

動画では、下落・平均・上昇の3つのシナリオに収まる確率を約80%としています。

そのため、基本的には6万円付近から6万4,000円台までが意識される価格帯となります。

ただし、急落シナリオに進んだ場合には、5万8,000円付近まで下落する可能性も示されています。

動画では、この急落シナリオに該当する確率を約9%と説明しています。

一方、本格的な反発局面に移行した場合には、6万4,000円を回復した後、6万6,000円、さらに6万9,000円付近までの上昇も視野に入るとの見方です。

このように、現在の日経平均は上昇と下落の両方に大きく動く可能性があり、方向性を決めつけることが難しい局面にあります。

なお、これらは動画内の検証条件に基づく統計的な想定値であり、将来の価格を保証するものではありません。

日経平均6万円割れで5万6,000円が次の下値目安に

株価下落を4段階に分類

動画では、株式市場の下落局面を高値からの下落率に応じて4段階に分類しています。

分類高値からの下落率
急落10%
小暴落15%
中暴落20%
大暴落30%

これは動画独自の分析上の分類であり、市場全体で統一された定義ではありません。

2026年10月6日に記録した日経平均の高値は、動画によると7万683円です。

11月4日の終値6万2,188円63銭は、その高値から約12.2%下落した水準となります。

つまり、すでに10%下落の急落ラインを超え、15%下落の小暴落ラインに近づいていることになります。

小暴落の6万円が重要な節目

高値から15%下落した場合、日経平均はおよそ6万円となります。

動画では、この6万円付近を重要な下値の目安として挙げています。

過去の検証によると、10%下落した局面では反発する確率がおおむね50%だったのに対し、15%下落した局面では約70~75%に上昇したと説明されています。

そのため、6万円前後は買い戻しが入りやすい価格帯になる可能性があるとの見方です。

ただし、過去に反発した割合が高かったからといって、今回も必ず反発するとは限りません。

特に、企業業績の悪化や信用不安など、新たな悪材料が発生した場合には、下落がさらに進む可能性があります。

6万円を割ると5万6,000円が視野に

仮に日経平均が6万円を明確に割り込んだ場合、次の下値目安は5万6,000円付近となります。

これは高値から約20%下落する中暴落に相当する水準です。

動画では、6万円を維持できなくなると、投資家の不安が強まり、長期保有していた投資家による売却も増える可能性があると指摘しています。

その場合、売りが売りを呼ぶ展開となり、株価下落が加速する恐れがあります。

反対に、6万円前後で下げ止まり、買い戻しが継続すれば、今回の下落局面が底打ちとなる可能性もあります。

したがって、今後の相場では6万円を維持できるかどうかが重要な判断材料になります。

暴落後の反発確率はどの程度あるのか

過去データでは15%下落後の反発が期待される

動画では、暴落がどこまで進むのかを考えるため、過去の下落局面でどの段階から反発が始まったかを検証しています。

説明では、高値から10%下落した段階で約50%、15%下落した段階で約75%、20%下落した段階で約60%、30%下落した段階で約80%という反発確率が示されています。

さらに、こうした条件付き確率を組み合わせた累積の割合についても説明しています。

例えば、10%下落時に50%が反発し、残りの50%が15%下落まで進んだとします。

そこで75%が反発するという仮定なら、15%下落までに反発する累積割合は87.5%となります。

同じ考え方を20%下落まで適用すると95%、30%下落まで適用すると99%になります。

ただし、これは各段階の反発確率を所定の条件で組み合わせた計算です。

実際の市場において、特定の下落率に達すれば87.5%や95%の確率で確実に底打ちするという意味ではありません。

検証期間や反発の判定条件、相場環境によって結果は変わるため、あくまで過去の参考データとして扱う必要があります。

セリングクライマックスとは何か

動画では、大幅下落後に株価が反発する仕組みとして「セリングクライマックス」についても説明しています。

セリングクライマックスとは、相場が大幅に下落する過程で、多くの投資家が一斉に売却することで売りが集中する局面を指します。

特に信用取引を利用している投資家は、株価が大きく下落すると追加証拠金の差し入れを求められる場合があります。

資金を用意できなければ、保有株式を売却せざるを得なくなります。

こうした売却が連鎖すると、株価は短期間で大きく下落します。

しかし、売りたい投資家の売却が一巡すると、売り圧力が弱まり、買い戻しによって急反発する場合があります。

もっとも、セリングクライマックスが発生しても、その時点が必ず最終的な底値になるわけではありません。

TOPIXは日経平均ほど下落していない

TOPIXの重要ラインは3,777ポイント

日経平均が高値から約12.2%下落したのに対し、TOPIXの下落率は約7.19%にとどまっています。

この違いは、両指数の構成や計算方法にあります。

日経平均は株価水準の高い銘柄の影響を受けやすい指数です。

一方、TOPIXは浮動株調整後の時価総額を基準とするため、市場全体の動きをより幅広く反映します。

今回の相場では、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど、日経平均への影響が大きいAI半導体関連株が下落したことで、日経平均の下げ幅が拡大したと考えられます。

動画では、TOPIXの重要な下値目安として3,777.48ポイントが挙げられています。

この水準は高値から約10%下落する急落ラインに相当します。

さらに下落した場合には、3,567ポイント付近が次の目安になります。

今後の確認ポイントは、日経平均の6万円とTOPIXの3,777.48ポイントです。

両指数がこれらの水準を維持できるかどうかが、日本株市場全体の方向性を判断するうえで重要になるとされています。

ソフトバンクグループの今後は?5営業日後の予想

過去83回の検証では上昇確率58.75%

ソフトバンクグループは、AI分野に積極的な投資を行っている企業です。

そのため、AI関連企業への投資期待が高まる局面では株価が上昇しやすい一方、投資先の企業価値が下落する局面では大きく売られる傾向があります。

11月4日の終値は4,269円でした。

動画では、25日騰落率が18%以下となり、前日比5%安となったケースを基に、5営業日後の株価を検証しています。

検証回数は83回で、上昇47回、下落33回、勝率58.75%という結果が示されました。

なお、上昇と下落の合計は80回となり、検証総数との差が3回あります。横ばいなどの扱いについては文字起こしから確認できません。

上昇した場合の平均利益は10.5%、下落した場合の平均損失は8.26%でした。

ソフトバンクの想定レンジ

シナリオ想定株価
下落3,916円
平均4,371円
上昇4,698円
急落3,200円前後
好調5,803円

動画では、基本的な想定レンジを3,900~4,700円程度としています。

一方、日本株全体が暴落相場に発展した場合には、3,200円付近まで下落するリスクも指摘されています。

逆に、AI関連株への買い戻しが強まれば、5,803円までの大幅な反発も想定されています。

ただし、このような極端なシナリオの実現確率は高いとは限らず、通常の想定レンジと区別して考える必要があります。

信用・需給面では依然として厳しい

動画では、直近30日間の取引に基づく保有者の損益状況にも注目しています。

ソフトバンクグループを含み益で保有している人の割合は、前日の12.56%から11.83%に低下しました。

また、保有者全体の推定含み損益率も悪化していると説明されています。

こうした状態では、株価が反発した場面で損失を減らしたい投資家が売却する可能性があります。

さらに、4,100円以下では保有者の分布が薄いため、下落が始まると売買が成立しやすい価格帯を探しながら急速に値を下げる恐れがあるとされています。

一方、4,600円付近を回復できれば、上値の売り圧力が弱まり、反発が加速する可能性があるとの見方です。

キオクシアは反発するのか?翌日の上昇確率70.53%

キオクシアは一時1万円割れ

キオクシアは、直近の決算発表を受けて大幅な下落が続いています。

11月4日には一時9,635円まで売られましたが、その後は買い戻しが入り、1万735円で取引を終えました。

動画では、キオクシアの下落は決算内容に対する失望と、AI半導体関連株全体への売りが重なったものと分析しています。

ただし、過去の類似した下落局面では、その後に大きく反発した事例も多いとされています。

過去96回の検証では約7割が翌日反発

動画では、時価総額上位100社について、前日比6%以上の下落、3営業日続落、4営業日前から25%以上の下落という条件を設定し、翌日の株価を検証しています。

結果は次の通りです。

項目検証結果
検証回数96回
上昇回数67回
下落回数28回
上昇確率70.53%
上昇時の平均利益7.71%
下落時の平均損失4.95%
全体の平均利益率3.94%

なお、上昇67回と下落28回の合計は95回であり、残る1回の扱いは動画の文字起こしでは明らかになっていません。

この検証によると、キオクシアのように短期間で大幅に下落した大型株は、翌日に反発する割合が比較的高かったことになります。

ただし、これはキオクシア単独の過去の値動きではなく、時価総額上位100社の類似事例を使った検証です。

そのため、翌日のキオクシアが70.53%の確率で上昇すると断定できるものではありません。

キオクシアの翌日の想定レンジ

シナリオ想定株価
下落1万204円
平均1万1,158円
上昇1万1,563円
急落9,705円
好調1万3,000円前後

基本的な想定レンジは1万204~1万1,563円となります。

日本株市場全体が反発すれば、1万1,000円台を回復する可能性があります。

一方、売りが継続した場合には、再び1万円を割り込み、9,705円付近まで下落するシナリオも想定されています。

また、動画では11月10日までの5営業日程度を対象とした別の検証も紹介されています。

その検証では、上昇方向に動いた割合が93.3%となり、平均的な想定価格として1万2,000円程度が示されています。

ただし、93.3%という数字は限定された過去の条件に基づくもので、今後の上昇を保証するものではありません。

キオクシアの重要な上値抵抗線は1万3,400円

キオクシアの需給状況についても、厳しい分析が示されています。

直近30日間の取引に基づく含み益保有者の割合は、前日の1.69%から7.54%に改善しました。

しかし、保有者全体の推定含み損益率はマイナス22.22%となり、多くの投資家が含み損を抱えている状況です。

動画では、この水準について、過去の大型株の暴落局面で見られた極端な損失状態に近いとの見方が示されています。

そのため、売り圧力が一巡しつつある可能性があると分析しています。

ただし、含み損が大きいことだけを理由に、底打ちが確定したと判断することはできません。

今後の重要な価格帯として挙げられているのが1万3,400円です。

この水準を回復できれば、それまで上値の抵抗となっていた保有者の集中価格帯が、下値を支える方向に変化する可能性があります。

そのため、短期的な反発だけでなく、1万3,400円を回復して維持できるかどうかが、トレンド転換を判断する材料になるとされています。

AI半導体関連11銘柄はなぜ大きく下落したのか

主要11社の下落率中央値は33.7%

今回の動画では、AI半導体関連の主要11社についても分析しています。

日経平均の高値からの下落率が約12%だったのに対し、主要11社の下落率中央値は約33.7%となっています。

つまり、AI半導体関連銘柄は市場全体よりも大きく売られていることになります。

ただし、すべての銘柄が同じように下落しているわけではありません。

アドバンテスト、レーザーテック、東京エレクトロンなどは相対的に下落幅が小さい一方、キオクシアやSCREENホールディングスなどは40%を超える下落となっています。

この違いについて、動画ではAI半導体関連株全体の問題と、個別企業の業績や事業構造の違いに分けて説明しています。

AI半導体関連株が売られる4つの理由

今回の下落には、大きく4つの要因があると分析されています。

まず、米国の政治情勢とAI規制に対する懸念です。

AIデータセンターの建設制限や電力負担への規制が強まれば、半導体関連の設備投資にも影響する可能性があります。

次に、巨大IT企業による設備投資の拡大です。

動画では、2026年のハイパースケーラーによる設備投資額が約120兆円に達するとの説明があります。

ハイパースケーラーとは、大規模なクラウドサービスやデータセンターを運営する巨大IT企業のことです。

AI需要の拡大を背景に、これらの企業はデータセンターや半導体への投資を急速に増やしています。

しかし、設備投資が増えれば、その分だけ多額の現金が必要になります。

企業が本業で現金を生み出していても、設備投資額が大きすぎるとフリーキャッシュフローが悪化する可能性があります。

フリーキャッシュフローとは、企業が事業活動で得た現金から設備投資などを差し引いた、自由に使える現金のことです。

これが大幅な赤字になると、投資家は設備投資の継続可能性を警戒する場合があります。

3つ目は、決算発表後の銘柄選別です。

以前はAI関連企業が好決算を発表すると、成長期待から株価が上昇しやすい環境にありました。

しかし、今回の決算シーズンでは、好決算でも株価が下落する銘柄が見られました。

投資家が足元の利益だけでなく、今後の受注動向、利益率、投資負担、成長の持続性を厳しく評価するようになっているためです。

4つ目は、半導体関連株に集中していた投資資金の縮小です。

これまでの大幅な株価上昇によって、AI関連株への保有が集中していた投資家も多く存在します。

市場環境が不安定になると、こうした投資家が利益確定やリスク削減のために売却することで、下落がさらに拡大する可能性があります。

AI半導体株の中でも強い企業と弱い企業が分かれる理由

アドバンテスト、レーザーテック、東京エレクトロンは相対的に堅調

今回の動画では、アドバンテスト、レーザーテック、東京エレクトロンの3社が相対的に強い銘柄として紹介されています。

これらの企業に共通するのは、半導体の製造に不可欠な工程で重要な役割を担っていることです。

半導体は、製造するだけで完成するわけではありません。

製造工程では、非常に高度な加工や検査が必要になります。

こうした工程で必要とされる装置は技術的な参入障壁が高く、限られた企業しか供給できない場合があります。

そのため、半導体市場が拡大するほど、こうした装置を供給する企業にも需要が発生しやすいという特徴があります。

アドバンテストは、半導体が正常に動作するかを確認する検査装置で強みを持っています。

AI向け半導体の高度化によって検査の難易度が上がれば、検査装置の重要性も高まります。

レーザーテックは、半導体製造で使用されるフォトマスクなどの検査分野に強みがあります。

東京エレクトロンは、半導体の複数の製造工程に対応した装置を提供しています。

事業領域が幅広いため、特定の製品や技術への依存度を抑えやすいことも評価材料となっています。

ただし、こうした企業でも、設備投資の減速や半導体市況の悪化が起きれば業績に影響する可能性があります。

ディスコ、ルネサス、TDKは事業の多様性が特徴

動画では、ディスコ、ルネサスエレクトロニクス、TDKなども比較的安定した企業群として紹介されています。

これらの企業はAI市場だけに依存しているわけではなく、スマートフォン、自動車、産業機器など、幅広い市場との関係があります。

例えば、AI関連投資が一時的に減速しても、他の分野の需要が堅調であれば、業績への影響を抑えられる可能性があります。

もちろん、事業が多角化していることが必ずしも株価の安定を意味するわけではありません。

それでも、特定の市場に依存しすぎない収益構造は、投資家が企業の成長性を評価する際の重要な材料となります。

ソフトバンク、イビデン、フジクラは期待先行の反動

一方、ソフトバンクグループ、イビデン、フジクラなどについては、業績そのものが悪いというより、株価上昇によって投資家の期待が高まりすぎていたことが下落の背景として指摘されています。

これらの企業はAI市場の拡大による恩恵が期待され、株価が大きく上昇していました。

しかし、期待が高まっている銘柄ほど、好決算であっても市場予想を下回ると大きく売られる場合があります。

例えば、企業の利益が前年比30%増加したとしても、市場が40%増益を期待していれば、決算発表後に株価が下落することがあります。

株式市場では、業績の良し悪しだけでなく、市場の期待に対してどの程度の結果だったかが重要になるためです。

今回の動画では、こうした期待先行の反動が、一部のAI関連銘柄の大幅下落につながったと分析しています。

キオクシアとSCREENは決算への失望が大きい

キオクシアとSCREENホールディングスについては、他の銘柄とは異なり、決算発表によって今後の成長に対する期待が低下したことが大きな要因とされています。

キオクシアは、NAND型フラッシュメモリーの市場動向に業績が左右されやすい企業です。

メモリー価格の変動は売上高や利益率に影響するため、市況が悪化すると業績見通しにも不安が広がります。

動画では、足元の業績だけでなく、その後の成長見通しを十分に示せなかったことが、投資家の失望につながったとの見方が示されています。

SCREENについても、決算発表後の市場評価が大きく低下し、主要11社のなかでも特に厳しい下落となったと分析されています。

ここで重要なのは、過去の業績が好調だったかどうかだけではありません。

今後も成長を続けられるという根拠を示せるかどうかが、株価を左右するようになっているということです。

AI半導体関連株の投資では個別企業の分析が重要に

アドバンテストの強みと注意点

アドバンテストは、GPUやHBMなどの高度な半導体に対応する検査装置で強みを持っています。

GPUはAIの計算処理などに利用される半導体で、HBMは大量のデータを高速処理するために利用される高帯域幅メモリーです。

AI半導体が高度化すると、製品が正常に動作するかを確認する検査工程も複雑になります。

そのため、検査装置の需要が拡大する可能性があります。

ただし、注意点としては顧客の集中と株価の評価倍率が挙げられています。

成長性が高い企業でも、株価が将来の成長を過度に織り込んでいる場合には、業績が市場予想に届かなかった際の下落幅が大きくなる可能性があります。

東京エレクトロンは事業の分散が強み

東京エレクトロンは、半導体製造の複数の工程に対応する装置を提供しています。

特定の装置への需要が減少した場合でも、他の工程の装置によって業績を支えられる可能性があります。

このような製品の多様性が、事業の安定性につながると評価されています。

一方、中国向け売上の比率や輸出規制は注意すべき要因です。

米中間の技術規制が強化されれば、一部製品の販売に制約が生じる可能性があります。

ソフトバンクは投資先の企業価値が重要

ソフトバンクグループは、一般的な製造業とは異なり、投資先企業の価値が業績や株価に大きな影響を与えます。

アームをはじめとする保有資産の価値が上昇すれば評価が高まる一方、投資先の企業価値が下落すれば業績への影響も生じます。

そのため、AI市場の成長だけでなく、投資先の業績、資金調達、保有資産の評価額などを確認する必要があります。

同じAI関連企業であっても、製造装置メーカーと投資会社では株価を動かす要因が大きく異なるということです。

AI半導体関連11銘柄の暴落シナリオ

7月の安値を下回る銘柄に注意

動画では、11月4日時点の株価と2026年7月の下落局面で記録した安値を比較しています。

その結果、ディスコ、東京エレクトロン、TDK、ルネサス、SCREEN、キオクシア、ソフトバンクグループなどが、7月の安値を下回っていると説明されています。

こうした銘柄については、過去に買った投資家が利益を確保できる価格帯が少なくなっているため、下落が続いた場合に売り圧力が強まりやすい可能性があります。

一方、レーザーテック、アドバンテスト、イビデンについては、7月の安値を上回る位置にあるとされています。

動画では、この3銘柄は他のAI関連株と比較すると下値への耐性が期待できるとの見方が示されています。

ただし、過去の安値を維持していることだけで、今後の下落が限定されるとは限りません。

アドバンテストの想定株価

動画では、時価総額上位100社の過去の下落データを基に、日経平均がさらに下落した場合の主要半導体株の想定価格も分析しています。

具体例として紹介されているのがアドバンテストです。

11月4日の終値は3万4,570円でした。

今後、日本株市場が反発局面に入った場合、10営業日後の想定価格として3万6,900円付近が示されています。

一方、日経平均が高値から15%下落する小暴落局面に入った場合には、2万9,200~3万3,000円が想定レンジになります。

さらに、日経平均が20%下落する中暴落局面に進んだ場合には、2万7,500~3万1,900円が想定されています。

これは、過去に類似した下落率となった大型株の値動きから推計したもので、今後の株価を保証するものではありません。

なお、動画では他の主要銘柄についても想定レンジが示されていますが、文字起こしには各銘柄の具体的な数値が含まれていないため、ここでは確認できるアドバンテストの数値のみを紹介しています。

11月以降のAI半導体株はどうなるのか

強気シナリオでは再び上昇相場へ

今後のAI半導体関連株について、動画では3つのシナリオを示しています。

強気シナリオでは、AI需要の拡大が続き、巨大IT企業の設備投資負担への懸念が後退することで、関連企業の株価が再び上昇する展開を想定しています。

特に、GPUやHBMの需要が拡大すれば、半導体製造装置や電子部品メーカーにも追い風となる可能性があります。

基本シナリオは銘柄選別が続く相場

動画で最も可能性が高いと考えられているのが、AI需要は引き続き強いものの、設備投資負担も重いという基本シナリオです。

この場合、AI関連企業の売上高や利益は拡大しても、すべての銘柄が一斉に上昇するわけではありません。

将来の成長性や投資効率が高い企業は評価される一方、利益率やキャッシュフローが悪化する企業は売られる可能性があります。

つまり、AI関連株全体が上昇する相場から、企業ごとの優劣が明確になる相場へ変化するという見方です。

弱気シナリオでは設備投資の減速がリスク

弱気シナリオでは、金利上昇や信用不安、AI設備投資の減速などが想定されています。

巨大IT企業が設備投資を縮小すれば、半導体関連企業の受注や業績見通しにも影響が及ぶ可能性があります。

また、在庫調整が始まった場合には、半導体価格の下落や生産調整につながる恐れがあります。

こうした状況では、業績見通しの下方修正と株価下落が重なる可能性があるため、注意が必要です。

今後の投資で確認したい重要ポイント

今後の日本株市場を判断するうえでは、まず日経平均の6万円とTOPIXの3,777ポイント付近が重要な水準になります。

日経平均が6万円を維持して反発できれば、短期的な底打ちへの期待が高まります。

一方、6万円を明確に割り込んだ場合には、5万6,000円付近までの下落リスクも考慮する必要があります。

また、米国市場の動きにも注意が必要です。

特に、エヌビディアやAMDなどのAI半導体関連企業の株価が、政治情勢やAI規制への懸念を受けてどのように動くかが、日本の半導体関連株にも影響する可能性があります。

個別銘柄については、売上高や利益の増減だけでなく、受注残高、営業利益率、設備稼働率、フリーキャッシュフローなどを確認することが重要です。

例えば、半導体製造装置メーカーでは受注の継続性が重要になります。

メモリー関連企業では、メモリー価格や生産量、利益率の変化が業績に直結します。

投資会社であるソフトバンクグループでは、保有資産の価値や投資先の成長性、資金調達の状況などが重要になります。

このように、同じAI関連銘柄でも確認すべき指標は異なります。

まとめ:日経平均6万円が重要な分岐点、AI半導体株は銘柄選別の時代へ

2026年11月4日の日本株式市場は、日経平均が一時3,000円超下落するなど、非常に不安定な展開となりました。

背景には、米国中間選挙をめぐる不透明感、AIデータセンターへの規制懸念、巨大IT企業の設備投資負担、半導体関連株への利益確定売りなどがあると分析されています。

過去の統計データでは、現在の日経平均のような値動きの後、5営業日後に上昇した割合は50%となっており、上昇と下落のどちらが優勢かを判断することは難しい状況です。

ただし、今後の重要な下値目安は明確です。

日経平均では6万円、TOPIXでは3,777ポイント付近が重要な水準となります。

仮に日経平均が6万円を明確に割り込んだ場合には、次の下値目安として5万6,000円付近が意識される可能性があります。

個別銘柄では、ソフトバンクグループの5営業日後の基本想定レンジが3,916~4,698円、キオクシアの翌日の基本想定レンジが1万204~1万1,563円と分析されています。

もっとも、これらは過去のデータに基づく想定価格であり、実際の株価がその範囲に収まるとは限りません。

また、AI半導体関連株については、これまでのように関連銘柄が一斉に上昇する相場から、企業ごとの成長性や収益力によって株価が大きく分かれる相場へ移行しつつあると考えられています。

アドバンテスト、レーザーテック、東京エレクトロンなど、半導体製造に不可欠な工程で強みを持つ企業が相対的に底堅い一方、業績への期待が先行していた企業や、特定の市況に依存する企業には厳しい評価が向けられています。

今後の日本株市場で重要なのは、株価が下落したという理由だけで買い向かうことでも、暴落への恐怖から慌てて売却することでもありません。

相場が反発した場合と、さらに下落した場合の両方を想定し、重要な価格帯や企業業績を確認しながら投資判断を行うことが大切です。

今回の急落が本格的な底打ちにつながるのか、それとも中暴落へ発展するのかは、現時点では判断できません。

だからこそ、日経平均6万円という節目、米国市場の動向、AI半導体関連企業の決算内容を継続して確認することが、今後の投資戦略を考えるうえで重要になるでしょう。

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