本記事は、YouTube動画『配当金えぐい人気株/楽天銀行 S安後も下落中』の内容を基に構成しています。
導入
高配当株や人気株の中にも、足元で大きく売られている銘柄が目立っています。
今回の動画では、野村不動産、丸井グループ、SBI新生銀行、楽天銀行、すかいらーくなどを取り上げながら、なぜ株価が下落しているのか、配当利回りが高く見える銘柄をどのように見ればよいのかが解説されています。
特に注目されているのは、金利上昇の影響です。不動産株やREIT、ノンバンク系企業は、金利が上がることで投資家からの評価が変わりやすくなります。また、楽天銀行については、楽天カードや楽天証券を子会社化する再編に伴う大規模な希薄化懸念が株価下落の大きな要因となっています。
金利上昇で不動産株とREITに逆風
まず取り上げられているのが、野村不動産です。株価は898円、PERは8.9倍、PBRは0.96倍、配当利回りは4.9%と、数字だけを見るとかなり割安感があります。
配当利回りが5%近くあるため、高配当株を探している投資家にとっては魅力的に見える水準です。しかし、株価チャートを見ると年初来安値を更新しており、短期的には弱い動きが続いています。
一方で、週足など中長期のチャートで見ると、これまできれいに上昇してきた流れもあります。そのため、長期目線では押し目に見える一方、短期目線では下落トレンド入りにも見えるという、時間軸によって判断が分かれやすい局面です。
なぜ不動産株は売られているのか
野村不動産だけでなく、住友不動産など不動産株全体にも売りが出ています。背景にあるのは、日本の長期金利上昇です。
不動産やREITは、投資家にとって「利回り商品」として見られる面があります。たとえば日本国債の利回りが非常に低い時代であれば、不動産から得られる利回りが多少低くても、相対的に魅力があります。
しかし、日本の10年国債利回りが2%台半ばまで上昇してくると、投資家はこう考え始めます。
「安全性の高い国債で2.6%前後の利回りが取れるなら、不動産にはもっと高い利回りが欲しい」
この考え方が広がると、不動産株やREITに対する要求利回りが上がります。要求利回りが上がるということは、価格は下がりやすくなるということです。
そのため、REIT指数も2026年に入ってから下落基調が続いており、金利上昇と不動産関連商品の下落が逆方向に動いていることが分かります。
丸井グループは利回り5%目前だが金利上昇が重荷
次に取り上げられているのが、丸井グループです。PERは16.4倍、PBRは1.98倍、配当利回りは4.94%となっており、こちらも利回り5%に迫る水準です。
丸井というと百貨店や商業施設のイメージを持つ人も多いですが、現在の利益構造を見ると、実は小売よりもフィンテック事業の存在感が非常に大きくなっています。
動画では、小売事業の利益が112億円程度である一方、フィンテック事業の利益が470億円規模と説明されています。つまり、丸井グループの収益の中心は、エポスカードを中心とする金融事業にあります。
ノンバンク企業にとって金利上昇はコスト増につながる
丸井グループは銀行ではなく、ノンバンク系の金融事業者です。クレジットカード事業では、資金を調達して貸し出す構造があるため、金利上昇は調達コストの上昇につながります。
実際、丸井グループは銀行などから借り入れを行っており、金利が上がると借入コストが増え、利益を押し下げる可能性があります。
そのため、配当利回りが高く、株主還元に積極的な企業であっても、市場は「今後の金利上昇で利益が圧迫されるのではないか」と警戒していると考えられます。
丸井グループは株主還元にかなり積極的
一方で、丸井グループは株主還元に非常に力を入れている企業でもあります。
動画では、2027年予想でDOEが10.2%、連結配当性向が81%と説明されています。DOEとは、自己資本に対してどれだけ配当を出すかを見る指標です。単年度の利益だけで配当を決める配当性向とは違い、企業の資本に対して安定的に還元する姿勢を示すものです。
丸井グループは2031年に創業100周年を迎える予定で、そこをターゲットにした中期計画も出しています。EPS成長率を年9%以上にする方針や、累進配当を続ける姿勢も示しており、会社側としては株主還元にかなり前向きです。
ただし、最終的には日本の金利がどこまで上がるか、借入コストの増加がどれほど利益に影響するかが重要になります。
SBI新生銀行は需給悪化への警戒が続く
SBI新生銀行も下落が続いている銘柄として取り上げられています。
特に、上場後のセカンダリーで1500円から1600円近辺で買った投資家が含み損になっており、損切り売りが出ている可能性があると説明されています。
また、信用買い残が売買高に対して重く、需給面でも上値が重くなりやすい状況です。さらに、6月14日にロックアップ解除が予定されており、大株主が売却してくるのではないかという警戒感もあります。
配当利回りは3.04%ですが、株価下落の主因は業績というより、需給面への不安が大きいと考えられます。
楽天銀行はストップ安後も下落が続く
今回の動画で特に注目されているのが、楽天銀行です。
楽天銀行は以前からネット銀行として高い成長期待を集めており、株価も大きく上昇してきました。しかし、5月21日に発表されたグループ再編の詳細をきっかけに、株価はストップ安となり、その後も下落が続いています。
今回の再編では、楽天銀行が楽天カードと楽天証券ホールディングスを子会社化する形になります。楽天カードと楽天証券が楽天銀行の傘下に入ることで、金融グループとしての一体感は高まります。
しかし、そのために新株を発行して資金を調達する必要があり、その規模が非常に大きいことが問題視されています。
楽天銀行の希薄化懸念はかなり大きい
動画では、新規発行株式数が既存の発行済み株式総数に対して132%に相当すると説明されています。
これはかなり大きな数字です。既存株主から見ると、自分が持っている1株あたりの価値が薄まる可能性があります。いわゆる「希薄化」です。
理論上は、希薄化だけで株価に57%程度の押し下げ要因があるとも説明されています。実際にそこまで下がるとは限りませんが、投資家が強く警戒するには十分な規模です。
楽天銀行はネット銀行としての成長期待で買われてきた銘柄ですが、今回の再編によって「楽天グループ全体の事情を背負う形になるのではないか」という見方も出やすくなっています。
そのため、短期的なリバウンド狙いの投資家は多い一方で、本格的に買いに行くには慎重さが必要な局面といえます。
すかいらーくは年初来安値圏でも優待需要に注目
すかいらーくも年初来安値圏まで下落している銘柄として取り上げられています。
PERは32倍、PBRは3.3倍、配当利回りは0.94%です。高配当株というより、株主優待銘柄として人気がある企業です。
業績については、売上高が7%増、利益が16%増の見通しとなっており、事業そのものが大きく崩れているわけではありません。
すかいらーくは6月の株主優待銘柄であるため、権利取りに向けた買い需要が意識されやすい銘柄です。一方で、優待クロス目的の空売りも増えやすく、毎年6月末に向けて空売り残が膨らみやすい特徴があります。
すでに空売りは150万株規模まで増えているとされ、今後も優待取りをめぐる需給の変化に注目が集まりそうです。
日経平均は6万5000円目前でも中身は強くない
動画の後半では、市場全体の違和感についても触れられています。
日経平均株価は6万4999円と、ほぼ6万5000円に迫る水準まで上昇しています。しかし、プライム市場の年初来高値銘柄は86銘柄にとどまり、年初来安値銘柄は130銘柄となっています。
つまり、日経平均だけを見ると非常に強い相場に見えますが、実際には一部の銘柄だけが大きく買われ、その他の多くの銘柄は弱いままという二極化相場になっているのです。
特に半導体関連など一部の大型株が指数を押し上げる一方、不動産や金利敏感株、高配当株の一角には売りが出ています。
このような相場では、日経平均が上がっているからといって、自分の保有株も上がるとは限りません。むしろ、指数は高値圏なのに個別株では含み損が増えているという投資家も少なくない状況です。
追加解説:高配当株は「利回りの高さ」だけで判断してはいけない
今回の内容から分かる重要なポイントは、高配当株は配当利回りだけで判断してはいけないということです。
配当利回りが5%近くあると、一見すると非常に魅力的に見えます。しかし、その利回りが高くなっている理由が「株価下落」である場合、なぜ株価が下がっているのかを確認する必要があります。
野村不動産の場合は、金利上昇による不動産セクター全体への逆風があります。丸井グループの場合は、株主還元に積極的である一方、フィンテック事業における借入コスト上昇リスクがあります。楽天銀行の場合は、業績そのものよりも、大規模な株式希薄化への警戒が強く出ています。
つまり、高配当や人気株という言葉だけで買うのではなく、
- なぜ株価が下がっているのか
- 配当は本当に維持できるのか
- 金利上昇の影響を受けやすい企業か
- 需給悪化や希薄化リスクはないか
といった点を確認することが重要です。
まとめ
今回の動画では、配当利回りが高くなっている人気株や、ストップ安後も下落が続く楽天銀行について解説されました。
野村不動産やREITは、金利上昇によって利回り面での魅力が相対的に低下し、株価が下落しています。丸井グループは配当利回り5%目前で株主還元にも積極的ですが、フィンテック事業の借入コスト上昇が懸念されています。
SBI新生銀行は、ロックアップ解除や信用買い残など需給面の重さが意識されています。楽天銀行は、楽天カードや楽天証券ホールディングスの子会社化に伴う大規模な新株発行が嫌気され、希薄化懸念から株価が大きく下落しています。
一方で、日経平均は6万5000円目前まで上昇しているものの、年初来高値銘柄は少なく、市場全体が強いわけではありません。一部の大型株だけが指数を押し上げる二極化相場になっており、個人投資家にとっては非常に難しい局面です。
高配当株は魅力的ですが、利回りだけを見て飛びつくのではなく、金利、業績、需給、株主還元方針、希薄化リスクを総合的に確認することが大切です。


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