本記事は、YouTube動画『5000万円までいけば1億円はすぐ?』の内容を基に構成しています。
「資産5000万円まで到達すれば、1億円は意外とすぐに見えてくる」と言われることがあります。
これは、ある意味では正しい考え方です。資産が大きくなるほど、毎月の積立額だけではなく、すでに保有している資産から生まれる運用益の影響が急速に大きくなるからです。
例えば、毎月5万円を積み立てながら年率5%で運用した場合、資産0円から1000万円に到達するまでには約12年かかります。
ところが、すでに5000万円を運用している人であれば、同じ毎月5万円の積立、年率5%という条件でも、1億円まで約12年です。
同じ12年でも、前者は1000万円を作る期間であるのに対し、後者は5000万円を増やす期間になります。
これこそが、元本が大きくなるほど資産形成のスピードが変わっていく理由です。
しかし、動画では単純に「5000万円を作れば、あとは1億円を目指せばいい」という話にはしていません。
むしろ5000万円を超えたあたりから、資産形成には別の問題が出てくると指摘しています。それが、「お金を増やすことを優先しすぎることで、今の人生を犠牲にしてしまう」という落とし穴です。
5000万円を超えると「努力のコスパ」が変わる
資産形成の初期と、資産がある程度大きくなった後では、お金を増やす方法が大きく変わります。
例えば資産100万円を年率5%で運用しても、1年間の運用益は5万円です。
一方、毎月5万円を積み立てれば年間60万円、毎月10万円なら年間120万円を新たに投資できます。
この段階では、投資による運用益よりも、自分が働いて得たお金をどれだけ投資に回せるかの方が圧倒的に重要です。
そのため、資産形成の序盤では、固定費を減らす、収入を増やす、積立額を増やすといった「入金力」が大きな意味を持ちます。
ところが、資産5000万円になると状況は一変します。
5000万円を年率5%で運用できれば、単純計算では年間250万円の運用益になります。
これは毎月5万円を積み立てた年間60万円はもちろん、毎月10万円を積み立てた年間120万円を大きく上回ります。
つまり、資産形成の序盤では「自分がお金を入れる力」が重要だったのに対し、ある程度資産が大きくなると「すでに持っているお金が働く力」の方が大きくなっていくのです。
0円から1000万円と5000万円から6000万円では積立効果が違う
動画では、毎月の積立額を5万円から10万円に増やした場合の効果についても比較しています。
年率5%で運用すると仮定した場合、0円から1000万円を目指すケースでは、毎月5万円なら約12年、毎月10万円なら約7年です。
その差は約5年あります。
資産形成の序盤では、積立額を増やすことが目標達成までの時間を大幅に短縮します。
一方、すでに5000万円あり、そこから6000万円を目指す場合はどうでしょうか。
毎月5万円を積み立てる場合は約3年、毎月10万円の場合でも約2年7カ月とされており、その差は約5カ月です。
同じ「毎月5万円多く積み立てる」という努力でも、資産形成の序盤では約5年の差を生む一方、資産5000万円を超えた段階では約5カ月の差に縮小します。
ここが重要なポイントです。
資産が増えれば積立をやめていいという意味ではありません。
ただし、生活を極端に切り詰めたり、人生を犠牲にしたりしてまで積立額を増やすメリットは、資産額が大きくなるほど相対的に小さくなっていきます。
5000万円から1億円までは何年かかるのか
では、実際に5000万円から1億円になるまでには、どれくらいの時間が必要なのでしょうか。
動画では年率5%で運用した場合について、追加投資額ごとの目安が紹介されています。
- 追加投資なし:約14年
- 毎月5万円:約12年
- 毎月10万円:約10年半
- 毎月20万円:約8年半
5000万円という元本があれば、積立額がそれほど多くなくても、時間をかけることで1億円が現実的な範囲に入ってきます。
特に興味深いのが、毎月5万円を積み立てたケースです。
0円から1000万円を作るまでが約12年、5000万円から1億円まで増やすのも約12年です。
期間はほぼ同じですが、増える資産額には4000万円もの差があります。
これが、元本の大きさと複利によって生まれる資産形成後半の特徴です。
1億円を急ぐことで失うものにも目を向ける
ここで動画が問題提起しているのが、「本当に最短で1億円を目指す必要があるのか」という点です。
毎月5万円を積み立てた場合、5000万円から1億円まで約12年。
毎月20万円なら約8年半です。
つまり毎月の積立額を15万円増やすことで、約3年半早く1億円に到達できる計算になります。
1億円を最優先するのであれば、毎月20万円を積み立て続けることは合理的な選択肢です。
しかし、毎月5万円と20万円の差は15万円あります。
年間では180万円です。
年間180万円を10年前後使わずに投資へ回し続けることで、1億円への到達を数年早める。
この選択が自分の人生にとって本当に最善なのかを、一度考える必要があるというのが動画の主張です。
資産額は数字ですが、8年や10年という時間は自分自身の人生そのものです。
1億円になる時期を数年早めることと、その期間に年間180万円を自由に使えることのどちらに価値を感じるのかは、人によって異なります。
「1億円」がゴールになると目標額は際限なく増えていく
資産形成で注意したいのが、資産額そのものを目標にしてしまうことです。
最初は「1億円あれば十分」と考えていたとしても、実際に1億円が近づくと「1億5000万円まで増やそう」「次は2億円」「3億円を目指そう」と目標が膨らんでいく可能性があります。
その結果、お金を使うタイミングを永遠に先送りしてしまうことがあります。
だからこそ動画では、5000万円という大きな資産に到達した段階で、一度立ち止まって考えることを提案しています。
「どうすれば最速で1億円になれるか」だけではなく、「1億円になる時期が少し遅くなったとしても、今の人生をどう良くするか」という視点を持つことが重要になります。
高い利回りを狙えば1億円は早まるがリスクも大きくなる
1億円への到達時間を短くするもう1つの方法が、運用利回りを高めることです。
5000万円を追加投資なしで運用した場合、動画ではおおよそ次のような目安が示されています。
年率5%なら1億円まで約14年ですが、年率6%なら約12年、年率10%なら約7年、年率15%なら約5年です。
数字だけを見ると、誰でも年率10%や15%を目指したくなります。
しかし、ここには大きな問題があります。
投資のリターンは自分で決められるものではないからです。
年率15%を狙うために成長株への比率を高めたり、少数銘柄へ集中投資したり、レバレッジを利用したり、値動きの大きな資産に投資したりすれば、期待できるリターンが上がる可能性はあります。
一方で、下落したときの損失も大きくなります。
5000万円では20%の下落でも1000万円が消える
資産が大きくなると、数%の値動きでも実際に動く金額は非常に大きくなります。
5000万円の資産が20%下落すれば1000万円の損失です。
30%なら1500万円、40%なら2000万円減り、資産は3000万円になります。
さらに重要なのは、大きく下落した資産は同じ割合上昇すれば元に戻るわけではないことです。
5000万円から40%下落すると3000万円になります。
3000万円から5000万円に戻るためには2000万円増やす必要があるため、必要な上昇率は約66.7%です。
40%下がったから40%上がれば戻る、というわけではありません。
この「下落後の回復に必要な上昇率」が、大きなリスクを取る際に見落とされやすいポイントです。
過去の高リターンが将来も続くとは限らない
「過去10年間で年率15%だった」という投資商品があったとしても、今後も同じ15%で運用できる保証はありません。
投資におけるリターンは市場環境によって変化します。
特に高いリターンを狙う投資ほど、価格変動も大きくなりやすくなります。
動画が伝えているのは、「リスクが怖いから取るべきではない」という単純な話ではありません。
重要なのは、「そのリスクを取ってまで1億円への到達を数年早める必要があるのか」という問いです。
すでに5000万円まで資産を作った人は、時間を味方につければ、極端に高いリターンを狙わなくても1億円を目指せる段階に入っています。
だからこそ、ここから必要なのは「もっと高い利回り」ではなく、「自分にはどの程度のリターンが必要なのか」を考えることになります。
1億円から逆算するのではなく人生から必要資産を逆算する
動画では、「1億円を作ること」を最終目的にするのではなく、自分の人生に必要なお金から資産額を逆算する方法が紹介されています。
例えば65歳以降の老後を安定させたいのであれば、まず年金が毎月いくら入るのかを確認します。
次に、自分が希望する生活費を考えます。
仮に毎月30万円で生活したいのに年金が20万円なら、毎月10万円不足します。
その不足分を何年間補う必要があるのかを考えれば、必要な資産額が見えてきます。
このように計算すると、「実は1億円も必要なかった」という結論になる可能性もあります。
逆に、早期リタイアや高額な生活費を希望する人であれば、1億円以上必要になるケースもあります。
大切なのは、世間一般の「1億円」という数字に合わせるのではなく、自分の人生から必要な金額を決めることです。
5000万円を超えたら積立額を減らす選択肢もある
資産5000万円を超えたからといって、必ず積立額を減らすべきという話ではありません。
目標資産額が高い人や、若く、今後も積極的に資産形成を続けたい人は、これまで通り積立を続けても問題ありません。
一方で、すでに5000万円あり、老後も近く、一定額の年金も期待でき、大きな支出予定もないのであれば、毎月20万円を積み立て続ける必要が本当にあるのかを考える余地があります。
毎月20万円から5万円へ積立額を減らせば、毎月15万円、年間180万円を現在の生活に回せます。
年間180万円あれば、人生の選択肢はかなり広がります。
旅行をする、少し良いホテルに泊まる、家事を外注する、歯の治療や健康診断にお金を使う、運動を始める、子どもの経験に使う、親と出かける、仕事を少し減らすといった使い方ができます。
金融資産への投資額は減りますが、「時間」「健康」「経験」に投資先を変えていると考えることもできます。
お金は増やせても時間は買い戻せない
動画の中でも特に強調されているのが、時間には期限があるという点です。
60歳になってから、43歳だった自分の時間を買い戻すことはできません。
子どもが小さい時期も、親が元気な時期も、一度過ぎれば戻ってきません。
「1億円になったら旅行しよう」と考えて15年間資産形成を続ければ、確かに資産は大きく増えているかもしれません。
しかし、その15年間で自分も15歳年を取ります。
子どもは成長し、親も年を取り、自分自身の体力も変化します。
お金は将来増やせる可能性がありますが、過ぎた時間を増やすことはできません。
そのため、資産形成とは単に金融資産を積み上げることだけではないという考え方が重要になります。
お金を積み立てる。
健康も積み立てる。
経験も積み立てる。
家族との時間も積み立てる。
これらを含めて初めて、人生全体としての資産形成になるという考え方です。
家族が応援してくれるからこそ注意したいこと
資産形成に熱心な人ほど、仕事や投資に多くの時間を使うことがあります。
「1億円を作る」という目標を家族も知っていれば、配偶者や子どもも応援してくれるかもしれません。
しかし、それがかえって難しい問題を生む場合があります。
頑張っている本人に対して、家族や友人は「もっと自分たちとの時間を大切にしてほしい」と言いにくくなることがあるからです。
本人は家族のために資産形成を頑張っているつもりでも、気付いたときには家族や友人との時間を長期間後回しにしていた、ということもあり得ます。
1億円という数字を達成したときに、「もっと一緒に過ごしておけばよかった」と感じてしまえば、資産形成そのものの目的を見失っていたことになります。
まとめ|5000万円から重要になるのは「増やす力」より「何のために増やすか」
資産5000万円を超えると、資産形成のゲームは大きく変わります。
序盤では、節約して入金力を高めることが資産形成のスピードを大きく左右します。
しかし5000万円規模になると、年率5%でも年間250万円相当の値動きが生まれるため、自分が追加で積み立てる金額より、保有資産そのものの運用結果の方が大きな影響を持つようになります。
その段階では、毎月の積立額を無理に増やしたり、高い利回りを狙ってリスクを高めたりして、1億円への到達を数年早めることだけが正解とは限りません。
重要なのは、「なぜ1億円が必要なのか」「自分の人生には本当はいくら必要なのか」を考えることです。
5000万円から1億円を最短で目指す人生も1つの選択です。
一方で、到達時期を少し遅らせ、その分のお金を健康、旅行、家族、経験、自由な時間に使う人生もあります。
資産形成の本来の目的は、口座残高の数字を最大化することではなく、自分の人生をより良くすることです。
5000万円という大きな資産を築いた段階だからこそ、「もっと増やすにはどうするか」だけではなく、「このお金を使って、どんな人生を送りたいのか」を考えることが重要になってきます。


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