2026年に新NISA退場者が急増する理由とは?長期投資で失敗しないための7つの行動ルール

本記事は、YouTube動画『2026年、退場者急増。なぜ?』の内容を基に構成しています。

新NISAをきっかけに、日本でも資産形成への関心が大きく高まっています。銀行預金だけで将来に備えるのではなく、投資信託やインデックス投資を通じて、長期的に資産を増やそうと考える人が増えてきました。

しかし、口座を開設した人が増えたからといって、すべての人が長期投資で成功できるわけではありません。むしろ、2026年にかけては、新NISAを始めたものの途中でやめてしまう「退場者」が増える可能性があります。

その理由は、商品選びの失敗だけではありません。S&P500やオール・カントリーといった人気商品を選んでいても、途中で売ってしまえば長期投資の効果は十分に得られません。動画では、長期投資で最後に勝つ人と途中でやめてしまう人の違いについて、データと具体例を交えながら解説されています。

目次

新NISAで退場者が増える理由は「商品」ではなく「感情」にある

2025年12月末時点で、NISA口座数は約2826万口座に達していると紹介されています。これは、日本でも資産形成の流れが本格化してきたことを示す数字です。

しかし、ここで重要なのは、NISA口座を持っていることと、長期投資で成功することは別だという点です。

ジムに入会した人が全員痩せるわけではありません。ランニングシューズを買った人が全員フルマラソンを完走できるわけでもありません。それと同じように、NISA口座を開設した人が全員、資産形成に成功するわけではないのです。

多くの人は、口座を作り、積み立て設定を行い、最初の数カ月は順調に続けることができます。問題はその後です。

投資では、損をすれば逃げたくなります。利益が出れば早く確定したくなります。他の人が儲かっていると聞けば、別の商品に乗り換えたくなります。ニュースで不安な情報が流れれば、現金に戻したくなります。

つまり、長期投資で最後に戦う相手は、S&P500でもオール・カントリーでもありません。自分自身の感情です。

「全然増えない」と感じてやめる人が増える

動画では、毎月5万円を年リターン7%で積み立てた場合のシミュレーションが紹介されています。

毎月5万円を積み立てると、元本は5年で300万円になります。年リターン7%で運用できたと仮定すると、5年後の評価額は約358万円です。増えた金額は約58万円です。

もちろん、58万円は小さな金額ではありません。しかし、毎月5万円を5年間積み立てた人からすると、「思ったより増えていない」と感じるかもしれません。

ところが、長期投資の本当の力は後半に現れます。

10年後には約865万円、15年後には約1585万円、20年後には約2605万円、30年後には約6100万円になるとされています。特に20年後から30年後の10年間では、評価額が約3500万円も増えています。

この差を生むのが、複利的な効果です。

ただし、株式投資信託は銀行預金のように毎年一定の利息が約束される「厳密な複利」ではありません。実際には、20%上がる年もあれば、30%下がる年もあります。それでも、利益を市場に残し続けることで、次の上昇時により大きな元本で運用できるようになります。これが投資信託における複利的効果です。

長期投資は、最初から勢いよく増えるものではありません。最初は地味で、退屈で、本当に意味があるのか不安になる時期があります。しかし、その時期を乗り越えた先に、複利的な効果が大きく働き始めます。

早く投資を始めることの重要性

動画では、同じ300万円でも、投資する時期によって結果が大きく変わる例も紹介されています。

毎月5万円を最初の5年間だけ積み立て、その後15年間放置した場合、元本300万円は20年後に約1020万円になります。

一方で、最後の5年間だけ毎月5万円を積み立てた場合、元本は同じ300万円でも、評価額は約358万円です。

同じ300万円でも、市場に置いておく時間が長いか短いかで、約660万円もの差が出るのです。

このことから分かるのは、投資で重要なのは完璧なタイミングを当てることではなく、お金を市場に置いておく時間を長くすることだという点です。

もちろん、生活に必要なお金まで投資に回すべきではありません。生活防衛資金や、3年以内、5年以内に使う予定があるお金は、基本的に現金で確保しておく必要があります。そのうえで、10年以上使わないお金を投資に回すことが、長期投資を続けるための現実的な考え方になります。

売買を繰り返すことでリターンを自分で削ってしまう

動画では、モーニングスターの「Mind the Gap 2025」というレポートにも触れられています。

このレポートでは、売買を繰り返した投資家は、ただ市場に居続けた人に比べて、年1.2%ほどリターンが劣後していたと紹介されています。

年1.2%と聞くと、小さな差に感じるかもしれません。しかし、毎月5万円を20年間積み立てる場合、この差は非常に大きくなります。

年利7%で運用できた場合、20年後の評価額は約2600万円です。一方、行動ミスによって実質リターンが年5.8%になった場合、評価額は約2260万円になります。その差は約340万円です。

商品は同じでも、制度は同じでも、相場は同じでも、途中で売る、積み立てを止める、高値で乗り換える、怖くなって現金に戻すといった行動によって、将来の資産額は大きく変わります。

投資で怖いのは、暴落そのものだけではありません。自分の感情によって、自分のリターンを削ってしまうことなのです。

暴落時に逃げると、回復の大事な日も逃してしまう

動画では、1996年から2025年までのS&P500に関するデータも紹介されています。

この期間で、ベストな10日間を逃した場合、リターンは半分以下になったとされています。さらに、ベスト30日を逃すと、リターンは84%も減少したと説明されています。

30年間という長い期間のうち、たった10日間を逃すだけで結果が大きく変わるというのは、非常に重要なポイントです。

さらに注目すべきなのは、S&P500のベスト日の76%が、弱気相場の中、または強気相場が始まって最初の2カ月に発生しているという点です。

つまり、投資家が最も怖がっている時期に、将来のリターンを作る重要な日が訪れやすいということです。

暴落時に市場から逃げたくなる気持ちは自然です。しかし、逃げることで下落だけを避けられるわけではありません。回復の初動も逃してしまう可能性があります。

リーマンショックやコロナショックも、後から振り返れば「そこで買えばよかった」と言えます。しかし、その当時に底だと分かる人はほとんどいません。ニュースは暗く、SNSには不安な声があふれ、専門家も慎重な見方をします。

そのような状況で必要なのは、未来を当てる力ではありません。怖い時に市場から降りない仕組みを、あらかじめ作っておくことです。

投資している中身を「しょぼい」と感じて逃げ出す危険

長期投資を続けていると、自分が持っているインデックス投資が地味に見えることがあります。

SNSでは短期で大きく儲けた人の投稿が目立ちます。個別株やテーマ株、暗号資産などで派手な利益を出している人を見ると、S&P500やオール・カントリーへの積み立てが物足りなく感じることもあるでしょう。

しかし、インデックス投資で乗っているのは、単なる株価の線ではありません。世界中の企業の努力そのものです。

AIを開発する企業、半導体を作る企業、薬を開発する企業、物流を改善する企業、コストを下げて効率化を進める企業など、世界中の企業が利益成長を目指しています。

インデックス投資とは、そうした企業の成長に広く参加する仕組みです。

もちろん、株式投資にリスクはあります。過去の成績が未来を保証するわけではありません。それでも、長期的に見れば、株式という資産は企業の利益成長や人間の進歩に乗る仕組みとして機能してきました。

短期的な値動きだけを見て、「自分の投資は地味すぎる」と感じて逃げ出すことは、長期投資の本質を見失う行動になりかねません。

長期投資で退場しないための7つの行動ルール

長期投資は、気合いで続けるものではありません。ルールで続けるものです。

動画では、今日からできる7つの行動ルールが紹介されています。

1つ目は、生活防衛資金を先に分けることです。生活費、教育費、住宅費、税金、急な出費に備えるお金と、投資に回すお金を混ぜてはいけません。3年から5年以内に使うお金は、原則として投資に入れないことが大切です。

2つ目は、積み立て額を背伸びしすぎないことです。新NISAでは年間360万円まで投資できますが、満額を急ぐ必要はありません。無理をして積み立て、途中で止めてしまうくらいなら、少額でも長く続ける方が現実的です。

3つ目は、株価を見る頻度を決めることです。毎日株価を見ると、毎日感情が揺れます。上がれば欲が出て、下がれば不安になります。長期投資をしているはずなのに、メンタルだけ短期トレーダーになってしまいます。初心者であれば、月1回程度の確認でも十分です。

4つ目は、暴落時の行動を先に決めておくことです。暴落してから考えるのでは遅い場合があります。相場が落ち着いている時に、20%下落したらどうするのか、30%下落したらどうするのか、50%下落したらどうするのかを決めておくことが重要です。

5つ目は、含み益で占わないことです。100万円が120万円になれば嬉しいものです。しかし、それが20年後の老後資金であれば、今すぐ売る理由にはなりません。果樹園で木が少し育った段階で抜いてしまえば、将来の果実は得られません。

6つ目は、情報源を絞ることです。暴落時には、「新NISA終了」「米国株は終わり」「今すぐ売れ」といった刺激的な言葉が増えます。しかし、それらの多くは不安をあおり、クリックを集めるためのものです。不安な時ほど、誰の言葉を聞くかが重要になります。

7つ目は、投資の目的を言葉にすることです。老後資金なのか、教育費なのか、将来の働き方の自由なのか、住宅ローン返済との比較なのか。目的が曖昧だと、相場に振り回されます。目的が明確であれば、売る理由と売らない理由が分かりやすくなります。

追加解説:新NISAで大切なのは「続けられる設計」

新NISAは、非課税で長期投資ができる非常に有利な制度です。しかし、制度が優れていても、それを使う人の行動が不安定であれば、効果を十分に引き出すことはできません。

特に初心者が注意すべきなのは、「良い商品を選べば成功する」と考えてしまうことです。

もちろん、低コストのインデックスファンドを選ぶことは重要です。しかし、それ以上に重要なのは、その商品を長く持ち続けられるかどうかです。

どれだけ優れた商品でも、暴落時に売ってしまえば意味がありません。どれだけ期待リターンが高くても、積み立てを途中で止めてしまえば、複利的な効果は弱まります。

だからこそ、長期投資では「感情に勝つ」のではなく、「感情に負ける前提で仕組みを作る」ことが大切です。

たとえば、積み立ては自動設定にしておく。投資額は無理のない範囲にする。暴落時の行動ルールを紙に書いておく。頻繁に資産額を確認しない。こうした小さな工夫が、長期的には大きな差になります。

まとめ

2026年に新NISAの退場者が増えるとすれば、その主な理由は、相場そのものよりも投資家自身の感情にあります。

最初の数年間は、思ったほど資産が増えないかもしれません。暴落が来れば、不安になって売りたくなるかもしれません。SNSで他人の利益報告を見れば、自分の投資が地味に感じることもあるでしょう。

しかし、長期投資で重要なのは、派手な成果をすぐに求めることではありません。市場に居続けること、積み立てを止めないこと、感情的な売買を避けることです。

動画で語られていたように、長期投資は感情に勝つゲームではありません。感情に負ける前提で、負けにくい仕組みを作るゲームです。

嵐の日に船を降りない。実がなる前に木を抜かない。火が強くなる前に火を消さない。雪だるまが大きくなる前に転がすのをやめない。

この4つの考え方は、長期投資を続けるうえで非常に分かりやすい合言葉です。

焦る必要はありません。隣の人より早く増やす必要もありません。SNSの派手な利益報告に勝つ必要もありません。

大切なのは、自分の目的地に向かって、淡々と進み続けることです。そのために、生活防衛資金を分け、無理のない積み立て額を設定し、暴落時のルールを決め、情報に振り回されない仕組みを作ることが求められます。

新NISAを本当に活かせるかどうかは、制度の使い方だけでなく、自分の感情とどう向き合うかにかかっています。長期投資で最後に勝つ人は、未来を完璧に予測できる人ではありません。怖い時でも市場から降りない準備をしている人なのです。

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