株の売り時は3つだけ?長期投資で資産を伸ばす考え方と日本株の今後

本記事は、YouTube動画『株の売り時は3つだけ?長期投資で資産を伸ばす考え方と日本株の今後』の内容を基に構成しています。

株式投資では、「いつ買うか」と同じくらい「いつ売るか」が難しい問題です。

保有している株が2倍、3倍と上昇すると、「そろそろ利益を確定したほうがいいのではないか」と考える人も多いでしょう。一方で、早く売りすぎた結果、その後さらに株価が大きく上昇するケースもあります。

動画では、長期投資における売却の考え方や損切りの判断基準、さらに銀行株や今後の日本株について語られています。

特に重要なのが、「株価が上がったから売る」「30%下がったから損切りする」といった価格だけを基準にするのではなく、企業そのものの価値や投資したときの仮説を確認するという考え方です。

目次

長期投資では「売らない」ことが基本になる

動画でまず強調されているのが、長期投資では基本的に株を売らないという考え方です。

株価は購入後に上昇することもあれば、途中で大きく下落することもあります。しかし、企業そのものが成長を続けているのであれば、株価の短期的な動きだけで売却する必要はないとしています。

そのため、投資期間も短期ではありません。

5年、場合によってはそれ以上の期間を前提として企業を保有することになります。

動画では、統計的に見ても頻繁に売買するより、長期間保有するほうがトータルのパフォーマンスが良くなりやすいという趣旨の説明もされています。

長期投資では、「いつ売るか」よりも「売らずに持ち続けられる企業を選べるか」が重要になるという考え方です。

ポートフォリオを伸ばすのは少数の大きく成長した銘柄

株を売らない理由として紹介されているのが、ポートフォリオ全体のリターン構造です。

すべての保有株が大きく上昇する必要はありません。

実際には、少数の銘柄が大きく成長することで、ポートフォリオ全体のリターンを押し上げることがあります。

例えば、ある銘柄が10倍になるようなケースです。

10銘柄や20銘柄を保有していたとしても、その中の一部が大きく成長すれば、多少の失敗を補ってポートフォリオ全体を成長させる可能性があります。

ところが、株価が2倍になった時点で「十分儲かったから」と売ってしまえば、その後5倍、10倍になる可能性を自分から手放してしまいます。

そのため動画では、企業の成長ストーリーが続いているにもかかわらず、株価が上昇したという理由だけで利益確定してしまうことには慎重な姿勢が示されています。

株を売るタイミングは3つ

では、長期投資家はどのようなときに株を売るのでしょうか。

動画では、売却を検討するタイミングは大きく3つあると説明されています。

1. 株価が明らかに割高になったとき

1つ目は、企業価値に対して株価が明らかに割高になったと判断した場合です。

企業の成長期待が非常に高まると、PERが大きく上昇することがあります。

例えばPER100倍といった水準まで評価される企業もあります。

もちろん、高いPERが必ず割高というわけではありません。利益が急成長する企業であれば、高いPERが一定期間維持されることもあります。

しかし、企業の成長力を考えても説明が難しいほど株価が上昇した場合には、売却を検討する理由になります。

株価が上昇したから売るのではなく、「現在の株価を企業の利益や成長力で正当化できるのか」を考えることが重要です。

2. 投資した企業の成長ストーリーが崩れたとき

2つ目は、株価とは関係なく「この企業はもう厳しい」と判断した場合です。

株を購入するとき、多くの場合は何らかの仮説があります。

例えば、

「この市場が今後拡大する」

「この企業のサービスが成長する」

「海外事業が伸びる」

「利益率が改善する」

といったストーリーです。

ところが、その前提となっていた条件が変わってしまうことがあります。

競争環境が変化したり、新しい技術が登場したり、外部環境が変わったりするケースです。

特にAIのように変化の速い業界では、数年前に有望だった企業の競争力が急速に低下する可能性もあります。

そのような場合には、たとえ損失が出ていたとしても、自分の投資仮説を見直す必要があります。

3. 自分自身がお金を必要とするとき

3つ目は非常にシンプルです。

自分がお金を使う必要が出てきたときです。

投資は資産を増やすこと自体が最終目的ではありません。

住宅、教育、老後、旅行など、最終的には人生のどこかで資産を使うために投資しているとも考えられます。

そのため、自分の生活で資金が必要になったときに株を売ることも、当然ながら正当な売却理由になります。

動画では、この3つ以外では基本的に売却する必要はないという考え方が示されています。

経営者交代などのニュースだけですぐに売らない

企業を長期間保有していると、さまざまなニュースが発生します。

例えば経営者が交代したり、重要な役員が退任したりすることがあります。

こうしたニュースを見ると、「会社に何か問題があるのではないか」と不安になる人もいるでしょう。

動画では、ニュースによって企業価値が大きく変わる可能性は認めつつも、そのニュースだけですぐに判断しないことが重要だと説明されています。

例えば創業者から別の経営者へバトンタッチする場合、企業文化や経営方針が大きく変化する可能性があります。

ただし、その変化が良いものなのか悪いものなのかは、すぐには分かりません。

そのため、

「今後確認するポイントとして覚えておく」

という姿勢が重要になります。

その後の業績や経営戦略を確認しながら、「やはり企業がおかしな方向へ進んでいる」と判断した場合に売却を検討します。

株価が30%下がったからといって損切りする必要はない

長期投資では損切りについても独特の考え方があります。

動画では、「株価そのものでは判断しない」という考え方が紹介されています。

例えば購入した株が30%下落したとします。

短期売買であれば、一定の損失が出た時点で損切りするというルールを設定することがあります。

しかし長期投資では、株価が30%下落したからといって、企業価値まで30%失われたとは限りません。

市場全体が下落した結果かもしれませんし、一時的な業績悪化かもしれません。

企業の長期的な成長力に変化がなければ、株価下落が投資チャンスになる可能性さえあります。

つまり重要なのは、

「株価が下がったか」

ではなく、

「なぜ株価が下がったのか」

を確認することです。

損切りすべきなのは「自分の仮説が間違っていた」と判断したとき

もちろん、株価下落をすべて無視すればよいわけではありません。

株価が下落したときには、改めて企業を分析します。

そして、

「自分が考えていた成長ストーリーが実現しそうにない」

「企業の競争力が想定より弱かった」

「事業環境そのものが変わってしまった」

と判断したのであれば、売却する必要があります。

ここで難しいのが、自分の考えを否定することです。

動画では、これまで仕事などで成功してきた人ほど、自分の考えを覆すことが難しい場合があるという指摘もされています。

株を購入した以上、

「自分の判断は正しかった」

と思いたくなるものです。

しかし企業分析をやり直した結果、投資仮説が間違っていたのであれば、感情とは切り離して売却を判断する必要があります。

長期投資だからといって、何があっても持ち続けるということではありません。

株価下落が絶好の買い場になるケースもある

企業価値が失われていないにもかかわらず、株価だけが大きく下落することもあります。

この場合、長期投資家にとっては逆に大きなチャンスになる可能性があります。

例えば30%株価が下落したとしても、

売上が伸びている、

利益が伸びている、

競争力も変わっていない、

成長市場も維持されている、

という状態であれば、企業価値そのものが大きく低下しているとは限りません。

市場の不安や短期的なニュースによって株価だけが下落しているのであれば、以前より安い価格で同じ企業を購入できることになります。

だからこそ、株価下落時には恐怖だけで判断するのではなく、企業の中身を確認することが重要になります。

投資では「ホームランを探す」より失敗を減らす

動画では、投資の成功と失敗についても興味深い考え方が紹介されています。

大きく上昇する銘柄を事前に正確に見つけることは非常に難しいため、投資技術として重要なのは「失敗を減らすこと」だという考え方です。

どの企業が将来10倍になるのかを正確に予測することはできません。

そこで、

「大きく成長する可能性がある企業を探しながら、明らかに危険な企業を避ける」

という考え方になります。

そのために重要なのが、企業の中身を見ることです。

事業の実態があるのか、収益力があるのか、競争力があるのか、将来的に成長する余地があるのかを確認します。

同時に、株価が極端に高くなっているところで無理に購入しないことも重要です。

大成功する銘柄を完璧に当てることより、大きな失敗をできるだけ減らすことが長期的なパフォーマンスにつながるという考え方です。

メガバンク株はこれからどうなるのか

動画の後半では、日本の銀行株についても話題になっています。

特にメガバンク株は、ここ数年大きく上昇してきました。

その背景として挙げられているのが、金利上昇とバリュエーションの修正です。

以前の日本の銀行株はPER10倍を下回るような低い評価で取引されているケースもありました。

しかし株価上昇によってPERが15倍前後まで上昇するなど、以前ほど割安感が強くない状態になってきています。

つまり、これまでの株価上昇には「安すぎた銀行株が適正な評価へ戻ってきた」という側面があったという見方です。

これからの銀行株は金利の影響が大きくなる

割安修正がある程度進んだのであれば、今後は別の要因が重要になります。

その代表が金利です。

銀行は一般的に、預金などで集めた資金を企業や個人へ貸し出すことで利益を得ています。

そのため、金利環境が変化すると収益にも影響します。

ただし、金利の将来を正確に予測することは非常に難しいものです。

経済状況だけでなく、金融政策や政治情勢によっても変化します。

そのため動画では、現在の銀行株については「企業単体の分析だけでは判断しにくい局面」にあるという見方が示されています。

銀行経営が良いか悪いかだけではなく、日本全体の金利環境を考える必要があるからです。

三菱UFJなどには海外成長という別のストーリーもある

一方で、銀行株にも個別企業ごとの成長ストーリーはあります。

動画では三菱UFJフィナンシャル・グループの例が紹介されています。

日本の銀行でありながら、海外事業を拡大しているためです。

単純に、

「日本の金利が上がるから銀行株を買う」

という考え方だけではなく、

「日本の銀行がグローバルバンクへ成長する」

という視点で見ることもできます。

この場合は割安株投資というより、成長株投資に近い考え方になります。

同じ銀行株でも、何を理由に保有するのかによって投資判断は変わるということです。

日本株は現在「非常に良い局面」にあるとの見方

動画の最後では、日本株市場全体についても語られています。

日経平均などが不安定な動きをしていると、投資家としては「今後さらに下落するのではないか」と不安になりやすいものです。

しかし動画では、日本株は長期的に見ると非常に良い局面にあるという見方が示されています。

その理由の1つが、日本経済で長く続いたデフレ環境の変化です。

さらに、

AI、

半導体、

電力、

その他の実物資産・インフラ関連分野

などでは、日本企業が世界的に重要な役割を持っているケースがあります。

特定の部品、素材、製造技術などでは、日本企業でなければ供給が難しいものも存在します。

そのため短期的に株価が停滞したり下落したりする可能性はあっても、日本企業全体の長期的な成長余地までなくなったわけではないという考え方です。

株価下落を「危機」ではなく「機会」と考えられるか

動画では、株式投資を続けるうえで最終的に重要になるのは「楽観的であること」という考え方も語られています。

株式投資は、企業や経済が将来成長すると考えて資金を投じる行為です。

その意味では、投資家は最終的に将来についてある程度楽観的でなければ長期保有できません。

もちろん、根拠なく何でも上がると信じるという意味ではありません。

企業を分析し、投資仮説を持ったうえで、その仮説が維持されているのであれば、一時的な株価下落にも耐えるという意味です。

むしろ企業の価値が変わっていない状態で株価が大きく下落したのであれば、長期投資家にとっては絶好の買い場になる可能性もあります。

まとめ

長期投資では、株価の上昇や下落だけを見て売買を判断しないことが重要です。

動画で紹介された考え方では、株を売る理由は大きく3つに整理されています。

1つ目は、企業価値に対して株価が明らかに割高になったとき。

2つ目は、自分が想定していた企業の成長ストーリーや投資仮説が崩れたとき。

3つ目は、自分自身が生活などで資金を必要とするときです。

逆に、株価が2倍になったから利益確定する、30%下落したから損切りするといった価格だけを基準にした判断は、長期投資では必ずしも合理的とは限りません。

ポートフォリオ全体を大きく成長させるのは、一部の大きく成長した企業である場合があります。そのため、本当に優れた企業を早い段階で売ってしまわず、企業の成長が続く限り長期間保有するという考え方が重要になります。

一方で、長期保有と「何があっても売らない」という姿勢は同じではありません。

企業の競争力や事業環境を継続的に確認し、自分の投資仮説が間違っていたと判断した場合には、自分の考えを否定してでも売却する冷静さが求められます。

株価ではなく企業を見ること。そして短期的な値動きではなく、5年、10年という長い時間軸で企業の成長を考えること。

これが動画全体を通して語られている、長期投資の基本的な考え方といえます。

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