楽天グループ株は659円で買い時なのか?年初来安値に迫る株価と5.5兆円の負債、楽天モバイル黒字化の行方

本記事は、YouTube動画『【超バーゲンセール?】現在株価659円!年初来安値に迫る楽天株は「買い」一択なのか!?』の内容を基に構成しています。

楽天グループ(証券コード:4755)の株価が、年初来安値に迫る水準まで下落しています。

動画で紹介されている2026年10月時点の株価は659.6円。年初につけた高値1,026円から約35%下落しており、投資家の間では「歴史的な割安株なのか、それとも手を出すべきではない危険な銘柄なのか」という議論が広がっています。

楽天グループといえば、楽天市場や楽天カード、楽天銀行、楽天証券など、日本人の生活に深く浸透したサービスを展開する巨大企業です。

これだけの事業基盤を持ちながら、動画で示された時価総額は約1.44兆円。一見すると、非常に割安な評価を受けているようにも見えます。

しかし、その一方で楽天グループは約5.569兆円もの有利子負債を抱えているとされています。自己資本比率も低く、財務面には依然として大きな不安が残っています。

楽天モバイルの赤字縮小やグループ全体の収益改善が進むなか、現在の株価は本当に買い時なのでしょうか。

今回は動画の内容を基に、楽天グループの株価下落の背景、巨額負債を抱えた理由、楽天モバイルの収益改善、そして今後の株価を左右する重要なポイントについて詳しく解説します。

※本記事に登場する株価や財務数値は、特に断りのない限り動画で紹介された2026年10月時点の情報です。数値には動画独自の集計や会計上の区分が含まれる可能性があり、最新の公式開示数値を個別に検証したものではありません。

目次

楽天グループの株価は659円台まで下落、年初来安値に接近

まず注目したいのが、楽天グループの株価と企業価値の関係です。

動画によると、2026年10月時点の楽天グループの株価は659.6円、時価総額は約1.44兆円となっています。

楽天グループは国内有数のECサイトである楽天市場を運営しているほか、クレジットカード、銀行、証券、通信といった幅広い事業を展開しています。

通常、これだけ多様な事業基盤を持つ企業であれば、株式市場から高い評価を受けても不思議ではありません。

ところが、楽天グループの株価は低迷しています。

年初の高値1,026円から約35%下落

動画では、楽天グループの株価が2026年初めに1,026円まで上昇したと説明されています。

当時は楽天モバイルの赤字縮小が進み、長年続いてきた通信事業への先行投資がようやく成果を生み始めるという期待が高まっていました。

しかし、その後は状況が変化します。

市場では楽天モバイルの事業改善を評価する一方で、グループ全体が抱える巨額の有利子負債や財務基盤の弱さに改めて注目が集まるようになりました。

その結果、株価は高値から約35%下落し、年初来安値に近い水準まで売り込まれています。

これは単なる業績悪化への懸念というよりも、将来の成長期待と財務リスクを市場が改めて評価している状況と考えられます。

約6万6,000円で100株を購入できるが、割安とは限らない

株価659.6円の場合、楽天グループの株式は100株あたり65,960円で購入できます。

日本株の一般的な売買単位である100株を比較的少ない資金で購入できるため、個人投資家にとって手を出しやすい銘柄といえるでしょう。

しかし、株価が数百円であることと、企業価値に対して割安であることはまったく別の問題です。

株式の割安さを判断するには、株価だけでなく、発行済株式数、利益水準、純資産、将来の成長性、負債の規模などを総合的に確認する必要があります。

楽天グループの場合、特に重要なのが財務の安全性です。

楽天グループが抱える5.569兆円の有利子負債

動画で最も大きな問題として取り上げられているのが、楽天グループの巨額の有利子負債です。

紹介されている有利子負債は約5.569兆円。時価総額の約1.44兆円と比較すると、およそ3.9倍の規模に達します。

ただし、時価総額は株主に帰属する企業価値を示す指標であり、有利子負債とは性質が異なります。そのため、両者の単純比較だけで倒産リスクや企業の割安さを判断することはできません。

また、楽天グループには銀行や証券などの金融事業も含まれるため、負債の内訳を確認することが重要です。

それでも、巨額の負債が投資家にとって大きな懸念材料となっていることは確かです。

自己資本比率は3.40%という低水準

動画では、楽天グループの自己資本比率が3.40%、ROE(自己資本利益率)がマイナス1.53%と紹介されています。

自己資本比率とは、企業の総資産に占める自己資本の割合を示す指標です。

一般的な事業会社では、自己資本比率が高いほど財務基盤が安定していると評価される傾向があります。

楽天グループの場合、動画で示された3.40%という数字は非常に低い水準です。

もっとも、銀行などの金融事業を含む企業グループでは、預金などの負債が大きくなるため、一般的な製造業などと同じ基準で自己資本比率を比較することには注意が必要です。

重要なのは、自己資本の厚みが十分にあるのか、そして金融事業と非金融事業それぞれにどの程度の財務リスクが存在しているのかという点です。

巨額負債の原因は楽天モバイルへの先行投資

楽天グループが巨額の資金を必要とするようになった大きな理由の1つが、楽天モバイルへの参入です。

日本の携帯電話市場は長年、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社が中心となっていました。

楽天グループは、この市場に自社の通信ネットワークを持つ第4の携帯キャリアとして本格参入しました。

しかし、携帯電話事業を立ち上げるには、全国に基地局を整備し、通信設備やシステムを構築する必要があります。

すでに通信インフラを持っている既存の大手3社とは異なり、楽天モバイルはネットワークを新たに整備するための巨額の投資を負担しなければなりませんでした。

しかも、基地局を建設したからといって、すぐに十分な契約者を獲得できるわけではありません。

通信設備への投資が先行する一方で、利用者から得られる通信料金収入は徐々にしか増えないため、事業開始から長期間にわたり赤字が発生する構造となっていました。

その結果、楽天グループは資金調達を繰り返し、財務負担が拡大していったのです。

ただし、グループの負債総額すべてがモバイル事業への投資によって生じたわけではありません。金融事業に関連する負債と通信事業に関連する資金調達は、分けて分析する必要があります。

楽天モバイルに変化、契約回線数は1,075万回線へ

楽天グループの将来を考えるうえで、最も重要な事業の1つが楽天モバイルです。

長年にわたり巨額の赤字を計上してきた楽天モバイルですが、動画では事業環境が大きく改善し始めていることが紹介されています。

プラチナバンドの導入で通信品質の改善に期待

楽天モバイルの課題として長く指摘されてきたのが、通信品質です。

特に建物の内部や地下などでは電波が届きにくい場所があり、既存の大手キャリアと比較して通信エリアに不満を持つ利用者もいました。

こうした弱点を改善するための重要な要素が、プラチナバンドの導入です。

プラチナバンドとは、一般に700MHz~900MHz帯などの比較的低い周波数帯を指します。

高い周波数帯と比較して建物の内部まで電波が届きやすく、広いエリアをカバーしやすいという特徴があります。

楽天モバイルも700MHz帯のプラチナバンドを利用した通信サービスを開始しており、今後のエリア拡大が期待されています。

ただし、プラチナバンドの導入だけで全国の通信品質が直ちに改善するわけではありません。対応する基地局の整備や利用可能なエリアの拡大には時間が必要です。

それでも、これまで弱点とされてきた通信品質の改善が進めば、新規契約者の獲得や既存利用者の解約率低下につながる可能性があります。

契約回線数1,075万回線が意味するもの

動画では、楽天モバイルの契約回線数が1,075万回線を突破したと紹介されています。

通信事業では、契約回線数の増加が収益改善に直結しやすいという特徴があります。

基地局や通信設備には多額の固定費がかかりますが、既存の設備を活用して契約者を増やすことができれば、回線あたりの設備負担が相対的に小さくなるためです。

例えば、同じ通信設備を100万人で利用する場合と1,000万人で利用する場合では、設備にかかった費用をより多くの利用者で分担できる後者の方が、収益性を高めやすくなります。

もちろん、契約者が増えることで通信容量の増強や新たな設備投資が必要になることもあります。

それでも、一定規模の契約者を確保できるようになったことは、楽天モバイルが事業拡大から収益化へと向かううえで重要な進展といえるでしょう。

今後は契約回線数だけでなく、1契約あたりの平均売上高を示すARPUや解約率の動向も重要になってきます。

楽天モバイルはEBITDA黒字化、営業赤字との違いとは?

楽天モバイルの事業改善を考えるうえで、動画が特に重視しているのがEBITDAという指標です。

動画では、楽天モバイルが2025年度にEBITDA黒字を達成し、2026年も黒字を維持していると説明されています。

これは、楽天モバイルの収益構造に変化が生じていることを示す重要な材料です。

EBITDAとは何か?

EBITDA(イービットディーエー)は、一般的に税引前利益に支払利息や減価償却費などを加え戻して計算する利益指標です。

企業の事業活動による収益力を評価する際に利用されます。

特に通信会社のように、基地局や通信設備などへの巨額投資が必要な企業では、EBITDAが重視されることがあります。

なぜなら、通信設備の建設費用は、会計上すべてを建設した年の費用として処理するのではなく、耐用年数に応じて減価償却費として配分されるためです。

例えば、100億円の設備投資を行い、10年間で均等に減価償却する場合、毎年10億円の減価償却費が発生します。

設備を購入した際には資金が必要ですが、その後の減価償却費は、原則として費用を計上するたびに現金が流出するものではありません。

EBITDAでは、こうした減価償却費の影響を除いて事業の収益性を評価します。

EBITDA黒字でも営業利益が赤字になる理由

動画によると、楽天モバイルはEBITDA黒字を確保している一方で、営業利益では323億円の赤字が残っているとされています。

これは矛盾しているわけではありません。

楽天モバイルは全国に基地局を建設するため、多額の設備投資を行ってきました。

その設備投資に伴う減価償却費が現在も営業利益を圧迫しているため、EBITDAが黒字でも営業損益は赤字になることがあります。

つまり、楽天モバイルの事業収益力は改善しているものの、過去の設備投資に伴う会計上の負担が依然として重い状況だと理解できます。

ただし、ここで注意したいのは、EBITDA黒字だからといって必ずしも現金収支が黒字になっているわけではないという点です。

EBITDAには設備投資による支出や借入金の利息、運転資金の増減などが直接反映されません。

そのため、楽天モバイルが外部からの資金調達に頼らず事業を継続できるかどうかを判断するには、営業キャッシュフローや設備投資を差し引いたフリーキャッシュフローの確認が必要です。

それでも、長年赤字が続いてきた通信事業でEBITDAが黒字化したことは、収益改善を評価するうえで大きな変化といえます。

楽天モバイルの本当の目的は「楽天経済圏」の強化

楽天グループが巨額の投資を行ってまで携帯電話事業に参入した理由は、通信料金による収益だけではありません。

動画では、楽天モバイルの真の狙いは楽天経済圏全体の収益を拡大することにあると説明されています。

楽天市場・楽天カード・楽天銀行・楽天証券の相乗効果

楽天グループの大きな強みは、さまざまなサービスが連携していることです。

楽天市場で買い物をする利用者が楽天カードを使えば、ポイント還元などのメリットを受けられます。

さらに楽天銀行や楽天証券を利用することで、楽天グループ内での金融サービスの利用が広がります。

ここに楽天モバイルが加わることで、顧客との接点をさらに増やすことができます。

例えば、楽天モバイルの契約をきっかけに楽天市場を利用するようになり、その後、楽天カードや楽天銀行などのサービスにも加入する利用者が増えれば、グループ全体の収益向上につながります。

楽天にとって重要なのは、携帯電話の通信料金だけで利益を確保することではなく、顧客が楽天グループのサービスを継続的に利用する仕組みを構築することなのです。

顧客生涯価値(LTV)を高める戦略

こうした事業戦略を理解するうえで重要なのが、LTV(Life Time Value)という考え方です。

LTVは顧客生涯価値と呼ばれ、1人の顧客が企業との取引を通じて長期間にもたらす経済的価値を意味します。

例えば、楽天モバイルの契約者が毎月の通信料金を支払うだけでなく、楽天市場で買い物をし、楽天カードを利用し、楽天証券で資産運用を行うようになれば、楽天グループ全体で得られる収益機会は増加します。

このようなサービス間の相乗効果こそが、楽天経済圏の強みです。

通信事業単体では利益率が低くても、グループ全体で顧客との取引が拡大すれば、長期的な企業価値の向上につながる可能性があります。

ただし、ポイント還元などの顧客獲得施策にもコストがかかります。

楽天モバイルの契約者増加が、実際にグループ全体の利益をどの程度押し上げているのかについては、継続的な検証が必要です。

楽天グループ全体の営業利益は504億円に改善

楽天モバイルの収益改善と並んで、動画で注目されているのが楽天グループ全体の営業利益です。

動画によると、2026年上半期のグループ全体の営業利益は504億円となり、黒字を確保したとされています。

また、2026年第2四半期単体では営業利益が200億円となり、前年同期の約2.3倍に増加したと説明されています。

楽天モバイルの赤字が縮小する一方で、EC事業や金融関連事業が利益を生み出す構造が強まっているという見方です。

長年にわたってモバイル事業の赤字がグループ全体の利益を圧迫してきたことを考えれば、こうした収益改善は重要な変化です。

業績改善にもかかわらず株価が上昇しない理由

しかし、企業の業績が改善したからといって、株価が必ず上昇するわけではありません。

株価を動かすのは実際の業績だけでなく、市場が事前にどの程度の業績を期待していたかという点も重要だからです。

動画では、楽天グループの2026年第2四半期の営業利益が200億円だったのに対し、市場予想は340億円だったと説明されています。

この数字を前提とすると、前年同期比では大幅増益でも、市場予想に対しては約41%下回ったことになります。

株式市場では、こうした状況を「市場予想を下回る決算」としてネガティブに評価することがあります。

つまり、楽天グループの業績そのものは改善していても、投資家が期待していたほどの改善スピードではなかった可能性があるのです。

特に財務負担の大きい企業では、収益改善のスピードが資金繰りや借入金返済に影響するため、市場の期待も厳しくなりやすいと考えられます。

なお、楽天グループの利益を比較する際には、IFRS営業利益なのか、会社が公表するNon-GAAP営業利益なのかといった会計上の定義にも注意が必要です。

楽天証券とみずほの提携は財務改善につながるのか

楽天グループが抱える重要な課題の1つが、借入金や社債の返済に必要な資金をどのように確保するかという問題です。

動画では、その対応策として、楽天証券とみずほフィナンシャルグループの提携が取り上げられています。

楽天証券の単独上場から資本提携へ

楽天グループは以前、楽天証券の株式上場を通じた資金調達を検討していました。

しかし、その後はみずほフィナンシャルグループとの資本業務提携を強化する方向へと転換しています。

動画では、楽天証券の株式の一部をみずほ側に売却することで、楽天グループが資金を確保したと説明されています。

こうした資産の売却や資本提携には、親会社の資金繰りを改善させる効果が期待できます。

さらに、みずほとの連携によって金融サービスの競争力が高まれば、楽天証券の中長期的な成長につながる可能性もあります。

一方で、収益性の高い子会社の株式を売却すれば、親会社が将来受け取る利益の持分が減少するという側面もあります。

そのため、資産売却によって得られる資金と、将来の利益への影響を総合的に判断することが重要です。

借金の借り換えが今後の重要課題

楽天グループにとって、巨額の負債を一度にすべて返済することは現実的ではありません。

そのため、社債の償還や借入金の返済期限に合わせて、新たな社債を発行したり、金融機関から資金を調達したりする借り換えが重要になります。

借り換え自体は、多くの企業が行っている通常の財務活動です。

問題は、楽天グループが今後も無理のない条件で資金調達を続けられるかどうかです。

業績改善によって市場からの信用が高まれば、有利な条件で資金を調達できる可能性があります。

反対に、収益改善が遅れたり金融市場の環境が悪化したりすれば、借り換え時の金利負担が増加することも考えられます。

日銀の利上げは楽天グループにとって大きなリスク

楽天グループの今後を考えるうえで、見逃せないのが日本銀行の金融政策です。

動画では、楽天グループが抱える巨額の有利子負債に対し、金利上昇が大きなリスクになると指摘しています。

一般的に、借入金の金利が上昇すると企業の支払利息は増加します。

仮に5.5兆円の負債すべてに対する平均金利が1%ポイント上昇した場合、単純計算では年間550億円の利息負担増加に相当します。

ただし、実際には固定金利の借入金や社債も存在するため、日銀が利上げしたからといって、すべての負債の金利が即座に上昇するわけではありません。

また、金融事業には金利上昇によって収益が改善する側面もあるため、グループ全体への影響は一方向ではありません。

重要なのは、既存の負債の金利条件、償還期限、新規調達金利、そして金融事業から得られる収益を総合的に確認することです。

事業改善と金利上昇、どちらが先に進むのか

動画では、楽天グループの今後について「事業改善と借り換えによる財務安定化が進むのか、それとも金利上昇による負担が拡大するのか」という時間との戦いとして説明しています。

楽天モバイルの契約者増加が続き、収益性が改善すれば、グループ全体の資金創出力が高まる可能性があります。

一方で、借入金の返済期限が集中する時期に金融市場の環境が悪化すれば、資金調達コストが上昇することも考えられます。

楽天グループの株価を判断する際には、四半期ごとの利益だけでなく、今後数年間の社債償還スケジュールや資金調達方針にも注目する必要があるでしょう。

楽天グループ株は歴史的な割安株なのか、それともバリュートラップなのか

ここまで見てきたように、楽天グループには魅力的な成長要因と無視できない財務リスクが共存しています。

そのため、現在の株価だけを見て「買い一択」と判断することは難しい状況です。

楽天株が大きく上昇する可能性があるシナリオ

楽天グループにとって理想的なのは、楽天モバイルの収益改善が今後も継続することです。

契約回線数が増加し、通信料金収入が安定すれば、営業損失の縮小が期待できます。

さらに、楽天市場や楽天カード、楽天銀行、楽天証券などとの連携が強化され、楽天経済圏全体の収益性が高まれば、企業価値が再評価される可能性があります。

財務面でも、保有資産の活用や安定した資金調達によって借入金の返済不安が後退すれば、投資家の評価が改善する余地があります。

こうした好循環が実現した場合、現在の時価総額が将来的に割安だったと評価される可能性はあるでしょう。

バリュートラップになる可能性も残る

一方で、事業が改善しているように見えても、株主に十分な利益が還元されない可能性もあります。

このように、一見すると割安に見える銘柄が、その後も評価されない状態をバリュートラップと呼びます。

楽天グループの場合、モバイル事業の収益改善が想定より遅れたり、追加の設備投資が必要になったりすれば、財務改善に時間がかかることになります。

また、借入金の返済や資金調達のために新株発行などが行われれば、既存株主の持分が希薄化する可能性もあります。

企業の売上高や営業利益が増加していても、負債の返済や投資に多額の資金が必要であれば、株主に帰属する価値が期待ほど増えないことも考えられます。

そのため、楽天株が割安かどうかを判断するには、単に株価が下落しているという事実だけでは不十分です。

楽天グループの今後の株価を判断するために確認したいポイント

楽天グループの将来性を評価するうえでは、今後の決算でいくつかの重要な指標を確認する必要があります。

まず、楽天モバイルの契約回線数とARPUです。

契約者数が増えるだけでなく、利用者1人あたりの売上高も安定していれば、通信事業の収益改善につながります。

次に重要なのが、楽天モバイルのEBITDAと営業利益です。

EBITDA黒字が継続することに加え、減価償却費などを含めた営業利益がどの程度改善するかが注目されます。

さらに、営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローの動向も見逃せません。

会計上の利益が改善していても、設備投資や借入金の返済に必要な資金が不足していれば、財務上の課題は残ります。

そして、楽天グループ全体の借入金や社債の償還スケジュール、資金調達コストも重要です。

今後はこれらの数字を継続的に確認することで、楽天グループの事業再生がどの程度進んでいるのかを判断しやすくなるでしょう。

まとめ:楽天株659円は魅力的だが、財務リスクの確認が不可欠

楽天グループの株価は、動画で紹介された2026年10月時点で659.6円まで下落し、年初来安値に迫る水準となっています。

時価総額は約1.44兆円とされ、楽天市場や楽天カード、楽天銀行、楽天証券などの事業基盤を考えると、将来的な企業価値の上昇に期待する見方もあります。

特に楽天モバイルの契約回線数拡大やEBITDA黒字化は、長年の先行投資が収益につながり始めていることを示す重要な変化です。

さらに、楽天経済圏全体で顧客との取引が増加すれば、通信事業だけでは得られない収益拡大も期待できます。

しかし、その一方で、動画で紹介された約5.569兆円という巨額の有利子負債や低い自己資本比率、今後の資金調達コストには注意が必要です。

楽天モバイルのEBITDAが黒字化しても、それだけで借入金返済への不安が解消したわけではありません。

現在の楽天グループは、長年続いてきた巨額投資の成果が見え始めている一方で、財務改善が十分に進むかどうかという重要な局面にあります。

今後、楽天モバイルが安定的な利益を生み出し、グループ全体のキャッシュフローが改善すれば、株式市場からの評価が大きく変わる可能性があります。

反対に、収益改善が市場の期待を下回り、資金調達負担が重くなれば、株価の低迷が長期化することも考えられます。

楽天グループの投資判断で重要なのは、現在の株価が安く見えるかどうかではなく、事業の収益改善が財務リスクの低下につながっているかどうかです。

今後の決算では、楽天モバイルの営業損益、グループ全体のキャッシュフロー、そして有利子負債の返済・借り換え状況が、株価を左右する重要な材料となりそうです。

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