資産1億円でも不安が消えない理由とは?富裕層の投資実態と5000万円・1億円・2億円で変わるお金の考え方

本記事は、YouTube動画『資産1億円達成後に起こる意外な変化と、資産があっても不安が消えない理由』の内容を基に構成しています。

※動画タイトルは文字起こしに記載されていないため、内容に基づいて仮に設定しています。

資産1億円と聞くと、多くの人は経済的な自由を手に入れ、仕事を辞めても悠々自適に暮らせる生活を想像するのではないでしょうか。

しかし、実際にはコツコツと投資を続けて資産1億円を達成したにもかかわらず、仕事を辞めることができず、生活水準もほとんど変わらない人がいるといいます。

その背景には、資産を失うことへの恐怖や、毎月の生活費を安定的に確保できるかという不安があります。

今回の動画では、野村アセットマネジメントの富裕層調査をもとに、金融資産1億円以上の人々の投資実態を紹介するとともに、5000万円、1億円、2億円という資産額によって変化する心理や、年代別の資産運用の考え方について詳しく解説しています。

資産を増やすことだけでなく、築いた資産をどのように守り、人生の豊かさにつなげていくのか。その重要性を考える内容となっています。

目次

金融資産1億円以上の富裕層はどのような投資をしているのか

金融資産1億円以上の世帯は全体の約3%

野村総合研究所(NRI)の富裕層に関する調査では、純金融資産1億円以上の世帯は全体の約3%とされています。

一般的に金融資産1億円を超えると富裕層に分類されますが、実際にどのような生活を送り、どのような金融商品で資産を運用しているのかについては、意外と知られていません。

そこで動画では、野村アセットマネジメントが公表した「投資に関する意識調査 2026年冬版」を取り上げています。

この調査では、金融資産1億円以上と回答した1641人を対象に、投資状況や金融資産の構成、リスクに対する考え方などが分析されています。

なお、NRIの富裕層分類は純金融資産を基準としている一方、動画で取り上げられた意識調査は回答者の金融資産額を基準にしているため、両者の定義は厳密には同じではありません。

富裕層の中心は50代以上で、会社員も多い

調査対象となった金融資産1億円以上の人々の年齢構成は、次のようになっています。

年代割合
30代1%
40代5%
50代23%
60代48%
70代以上23%

50代以上が全体の94%を占めており、特に60代が約半数に達しています。

男女比では男性が84%、女性が16%でした。

また、職業別に見ると、会社員が39%、自営業・自由業が12%、無職が34%となっています。

富裕層というと経営者や事業で成功した人を想像しがちですが、この調査では会社員の割合が最も高くなっています。

世帯年収については、1000万円以上1500万円未満が20%、1500万円以上2000万円未満が10%、2000万円以上が18%でした。

さらに、金融資産額の分布を見ると、1億円以上1億5000万円未満が39%、1億5000万円以上2億円未満が25%、2億円以上3億円未満が19%、3億円以上が17%となっています。

つまり、金融資産1億円以上といっても、その多くは1億円から3億円の範囲に集中していることが分かります。

富裕層の93%が投資をしている

調査では、金融資産1億円以上の人の93%が何らかの投資を行っていました。

一方、一般層の投資実施率は37%となっており、大きな差があります。

また、富裕層のNISA利用率は70%でした。

富裕層の多くが投資に積極的である一方、全員がNISAを利用しているわけではありません。

動画では、調査対象者の年齢が比較的高いことも、NISA利用率に影響している可能性が指摘されています。

富裕層の資産構成は現金32%、国内株式30%

特に興味深いのが、金融資産1億円以上の人々の資産構成です。

調査による平均的な金融資産の構成比率は、主に以下のようになっています。

資産の種類構成比率
現金32%
国内株式30%
投資信託15%
海外株式5%
国内債券5%
その他13%

最も多いのが現金で、金融資産全体の約3分の1を占めています。

また、株式や投資信託などの運用資産の中では国内株式の比率が高くなっています。

近年はS&P500や全世界株式などの海外インデックスファンドへの投資が注目されていますが、今回の富裕層調査では国内株式が大きな割合を占めている点が特徴的です。

この結果について動画では、富裕層が資産を増やすことだけでなく、現金を一定割合確保することで資産全体の安定性にも配慮している可能性が示されています。

富裕層の期待リターンは平均8.6%

富裕層の投資に対する期待リターンは平均8.6%、許容損失率は平均15.8%でした。

つまり、一定のリターンを求めながらも、大きすぎる損失は避けたいと考えていることになります。

動画では、一般層と比較して富裕層の方が現実的なリスクとリターンの関係を意識しているのではないかと分析しています。

ただし、期待リターンは実際の運用成果を保証するものではありません。また、動画では期待リターンを許容損失率で割ってシャープレシオに近い数値を示していますが、厳密なシャープレシオは超過リターンをリターンの標準偏差で割って計算するため、両者は区別する必要があります。

富裕層は対面型証券会社の利用割合も高い

投資で最もよく利用している金融機関については、富裕層では対面型証券会社が44%、ネット証券が40%でした。

一方、一般層では対面型証券会社が27%、ネット証券が45%となっています。

一般層ではネット証券の利用が多いのに対し、富裕層では対面型証券会社がやや優勢です。

動画では、その理由として資産規模が大きくなるほど金融サービスに求める内容が複雑になることを挙げています。

例えば、税金対策、法人と個人の資産管理、個別債券の購入、有価証券担保ローンの活用などです。

株式や投資信託をシンプルに購入するだけであれば、手数料の低いネット証券が有利な場合も多いものの、資産管理全体について相談したい富裕層には対面型サービスの需要があると説明しています。

若い富裕層ほどオルタナティブ投資に関心がある

近年、富裕層向けに提案されることが増えているのがオルタナティブ投資です。

オルタナティブ投資とは、一般的な上場株式や債券とは異なる資産を投資対象とするもので、プライベートエクイティ、プライベートデット、非上場不動産、インフラ投資などが含まれます。

調査では、富裕層全体と一般層の間に大きな投資意欲の差は見られなかったものの、年代による違いが確認されています。

40代以下の富裕層では、投資に前向きな回答が合計26%だったのに対し、70代以上では8%にとどまりました。

若い富裕層ほど、新しい投資対象にも関心を持っていることがうかがえます。

ただし、オルタナティブ投資は流動性が低いものや仕組みが複雑なものもあり、一般的な株式や債券とは異なるリスクに注意が必要です。

資産1億円を作るには毎月いくらの積立投資が必要なのか

年利5%で1億円を目指す場合

動画では、インデックス投資を利用して資産1億円を目指す場合のシミュレーションも紹介されています。

前提となる年間利回りは5%です。

この条件で、一定期間後に資産1億円を達成するために必要な毎月の積立額は以下の通りです。

運用期間毎月の積立額
10年間約64万7000円
20年間約24万6000円
30年間約12万2000円
40年間約6万7000円

※動画で紹介された概算値です。実際の積立計算結果は利回りの月次換算方法や積立タイミングによって変わります。

10年間で1億円を作るためには毎月約65万円もの積立が必要になるため、多くの会社員にとっては現実的ではないでしょう。

一方、30年間であれば毎月約12万円、40年間であれば毎月約7万円となり、長期間の積立が大きな資産形成につながることが分かります。

ただし、これは毎年一定の利回りが得られると仮定した計算です。

実際の株式市場では毎年のリターンが大きく変動するため、必ずこの期間で1億円に到達するわけではありません。

1億円を毎月30万円ずつ取り崩したら何歳まで持つのか

次に、60歳時点で金融資産1億円を保有し、そこから毎月30万円を取り崩すケースを考えます。

動画では、運用利回りを0%、2.5%、5%の3つに分けて比較しています。

年間運用利回り資産の推移
0%87歳10か月ごろに枯渇
2.5%106歳10か月ごろに枯渇
5%120歳を超えても枯渇せず、約6億円近くまで増加

この結果を見ると、運用を続けるかどうかによって資産寿命に大きな差が生まれることが分かります。

利回り0%の場合、年間360万円を取り崩すため、約28年間で資産がなくなります。

一方、年間5%で運用できるという条件では、初期資産1億円に対する期待運用収益は年間500万円となり、当初の年間取り崩し額360万円を上回ります。

そのため、計算上は資産が増えていくことになります。

ただし、動画でも触れられているように、この計算ではインフレや年金収入を考慮していません。

実際には物価上昇によって必要な生活費が増える可能性がある一方、公的年金が支給されれば資産からの取り崩し額を抑えられる可能性もあります。

さらに重要なのは、実際の運用利回りが毎年一定ではない点です。取り崩し開始直後に大きな暴落が起きると、平均利回りが同じでも資産寿命が短くなることがあります。

5000万円を作るために必要な積立額

同じく年利5%の前提で、目標金額を5000万円に下げた場合も紹介されています。

運用期間毎月の積立額
10年間約32万3000円
20年間約12万3000円
30年間約6万1000円
40年間約3万3000円

5000万円であれば、30年間で月約6万円、40年間で月約3万円という積立額になります。

ただし、5000万円を作れたとしても、その資産だけで老後の生活費をすべて賄えるとは限りません。

動画では60歳から毎月20万円を取り崩す場合についても計算しています。

利回り0%では80歳10か月ごろ、2.5%では89歳3か月ごろに資産が尽きる一方、5%で運用できれば120歳時点でも約6000万円の資産が残るという試算が示されています。

このように、資産額だけでなく、取り崩し額や運用利回りの違いによって結果が大きく変わります。

資産5000万円を超えると追加投資の重要性が変わる

5000万円が1億円になるまで約14年

動画で紹介されている興味深い考え方の1つが、金融資産5000万円を保有していれば、追加投資をしなくても1億円を目指せるというものです。

例えば5000万円を年利5%で運用し続けた場合、計算上は約14年3か月で1億円に到達します。

これは72の法則と呼ばれる考え方にも近い結果です。

72の法則とは、資産が約2倍になるまでの年数を概算するための方法で、72を年間利回りで割って計算します。

年利5%であれば、72÷5=14.4年となります。

もちろん、実際の株式運用では毎年安定して5%のリターンが得られるわけではありません。

それでも、長期的に資産が成長するという前提に立てば、5000万円という投資元本には大きな意味があると動画では説明しています。

資産が増えるほど追加投資の影響は相対的に小さくなる

例えば金融資産100万円の人にとって、毎月10万円の追加投資は非常に大きな意味を持ちます。

年間120万円の積立は、当初の資産額を上回るためです。

しかし、金融資産5000万円の人が年間120万円を追加投資した場合、その金額は既存資産の2.4%に相当します。

もちろん積立投資を続けることで資産形成の速度は高まりますが、資産全体に対する追加投資の割合は小さくなります。

動画では、最終目標が1億円であれば、5000万円を超えた段階で無理な積立をやめ、その分を旅行や食事などに使うことも合理的な選択肢ではないかと提案しています。

資産形成の目的は、口座残高を増やすこと自体ではなく、人生をより豊かにすることにあるという考え方です。

株式投資に複利効果はあるのか

預金や債券と株式の違い

動画では、投資元本が大きくなるほど資産の増加額が大きくなる現象について、複利の考え方にも言及しています。

複利とは、運用によって得られた利益を元本に組み入れ、その合計額に対してさらに利益が発生する仕組みです。

例えば100万円を年利5%で複利運用する場合、1年後は105万円となり、2年目には105万円に対して5%の利息がつくことになります。

一方、株式のインデックス投資では、預金のように毎年決まった利息が支払われるわけではありません。

株価は企業業績や市場環境によって変動するため、毎年一定の利回りで資産が増えていくとは限らないのです。

動画では、この違いを踏まえ、株式投資における複利という表現は厳密には預金などの複利計算とは異なると解説しています。

ただし、配当金を再投資したり、企業が利益を再投資することで長期的な成長につながったりするため、株式投資でも複利的な資産成長が期待できることはあります。

過去220年間で株式は約230万倍に

動画では、ジェレミー・シーゲル教授の著書『株式投資』で紹介されている、超長期の資産リターンの比較にも触れています。

この資料では、株式、長期債券、短期債券、金、ドルといった資産を比較しており、対象期間約220年間において株式の累積成長が約230万倍に達したと説明されています。

この長期比較では、株式の成長が他の資産を大きく上回っています。

また、グラフには対数目盛りが使われています。

対数グラフでは、1、10、100、1000というように、同じ距離が同じ倍率の変化を表します。

そのため、対数グラフで長期的に直線に近い上昇をしている場合、一定の成長率で資産が増えていることを視覚的に理解できます。

もっとも、これは過去の長期データに基づく結果であり、今後も同様のリターンが実現することを保証するものではありません。

なぜ資産1億円を達成しても不安が消えないのか

「いつの間にか富裕層」が増えている

野村総合研究所は、近年の株価上昇などによって金融資産1億円を超えた人々を「いつの間にか富裕層」として取り上げています。

この層には、40代後半から50代の一般的な会社員も多く含まれているとされています。

長年にわたって従業員持株会や確定拠出年金などを利用し、地道に資産形成を続けてきた結果、株価上昇によって金融資産が1億円を超えたケースです。

特徴的なのは、資産額が大きく増えても生活スタイルがほとんど変わらないことです。

収入の範囲で生活し、無駄遣いを避け、投資に回すという習慣が身についているため、資産1億円を達成しても積極的にお金を使おうとはしない傾向があります。

動画では、こうした富裕層が抱える悩みには、大きく2つの理由があると説明しています。

理由1:資産が相場の値動きに依存している

1つ目は、保有資産が株式市場の値動きに大きく左右されることへの恐怖です。

例えば株式を中心に運用し、金融資産が1億円に達した人であっても、株価が30%下落すれば資産は7000万円に減少する可能性があります。

さらに、2008年のリーマンショックのような大きな金融危機が発生すれば、より深刻な損失を被ることも考えられます。

そのため、1億円を持っているからといって安心して仕事を辞められるとは限りません。

一方で、資産をすべて現金や安全性の高い債券に移せば、株式市場の下落リスクは抑えられるものの、資産の成長性が低下する可能性があります。

特にインフレが続く環境では、現金だけを保有していると購買力が低下する問題もあります。

つまり、資産を守ろうとすると成長の機会を失い、資産を増やそうとすると下落への不安を抱えるというジレンマが生じるのです。

株式市場には10年以上回復しない時期もあった

動画では、米国のS&P500指数の過去の値動きを例に挙げています。

2000年のITバブル崩壊では、米国株式市場が大きく下落しました。

その後、一度は株価が回復したものの、2008年のリーマンショックで再び大幅な下落に見舞われています。

動画では、2000年8月ごろの高値水準を明確に上回るまで、2013年3月ごろまで待つ必要があったと説明しています。

このように、株式市場は長期的には上昇してきたとしても、その途中には10年以上にわたる停滞期が存在します。

なお、この比較は主に株価指数の水準に基づくものであり、配当再投資を含めたトータルリターンや円換算の結果とは異なります。

十分な労働収入がある間は、こうした下落局面でも投資を続けやすいかもしれません。

しかし、仕事を辞めて資産の取り崩しだけで生活する場合は、相場の下落が日々の生活に直接影響する可能性があります。

これが資産1億円を達成しても仕事を辞められない理由の1つだと動画では説明しています。

理由2:資産はあってもキャッシュフローが不足している

2つ目は、毎月使えるお金、つまりキャッシュフローが十分ではないことです。

キャッシュフローとは、お金の出入りを意味します。

例えば金融資産1億円を保有していたとしても、給与収入が年間500万円であれば、日常生活の支出は基本的にその収入に依存します。

もちろん、保有資産を売却して生活費に充てることも可能です。

しかし、長年資産を増やすことを優先してきた人にとって、築いた資産を取り崩すことには心理的な抵抗がある場合があります。

また、配当金や利息などの収入を得ようとしても、元本1億円から大きな金額を安定的に生み出すことは簡単ではありません。

動画では、生活の豊かさを決めるのは保有資産の額だけではなく、継続的なキャッシュフローの厚さでもあると指摘しています。

例えば企業の価値評価でも、保有資産に加えて、将来どれだけ利益やキャッシュフローを生み出せるかが重要視されます。

個人の資産管理でも同様に、金融資産の残高だけでなく、継続的に生活費を確保できる仕組みが重要になるという考え方です。

30代・40代で資産1億円を達成した場合の考え方

資産を守るか、さらに増やすか

比較的若い30代や40代で金融資産1億円を達成した場合、動画では大きく2つの選択肢があると説明しています。

1つは、すでに築いた資産を安定的に運用し、それを生活の基盤として新しい仕事や事業に挑戦することです。

もう1つは、まだ長い運用期間を確保できるという利点を生かし、引き続き株式などで積極的に資産を増やすことです。

動画の出演者によると、資産1億円前後では積極的な運用を続ける人が比較的多い一方、資産が2億円、3億円、4億円と増えるにつれて、守りを重視する人も増える印象があるといいます。

例えば3億円を年利5%で運用できれば、税引前で年間1500万円の運用収益に相当します。

税率を約20%と仮定すると、税引後は年間約1200万円、月額約100万円となります。

この水準の収入を確保できれば、生活基盤を維持しながら仕事や事業で新たな挑戦をすることも考えられます。

ただし、5%の運用収益が毎年安定的に現金で得られるわけではなく、資産価格の変動や税金なども考慮する必要があります。

住宅ローンを配当金や債券収入で賄う考え方

動画では、固定費を安定的な運用収入でカバーする方法も紹介されています。

例えば毎月の住宅ローン返済額が30万円だったとします。

この場合、債券の利息や高配当株の配当金などから月30万円程度の収入を確保できれば、住宅ローンの返済に対する心理的な不安を抑えられる可能性があります。

食費や娯楽費などは生活状況に応じて調整できますが、住宅ローンや家賃などの固定費は簡単には減らせません。

そのため、固定費の一部を運用収入で賄うことには一定の合理性があります。

ただし、株式の配当金は減配・無配になる可能性があり、債券にも信用リスクや為替リスクがあります。

固定費を確実に賄うためには、単に利回りの高さだけでなく、収入の安定性を考慮する必要があります。

債券投資が資産管理の選択肢になる

動画では、米国の長期金利が5%前後という金利環境を例に、債券を利用したインカム収入の確保についても言及しています。

特に優良企業が発行する社債などでは、国債利回りに信用リスク分の上乗せ金利が加わるため、比較的高い利回りを得られる場合があります。

ただし、動画内で紹介された金利水準は発言時点のものであり、現在の市場金利を示すものではありません。

また、債券は満期まで保有する場合でも発行体の信用リスクがあり、途中売却する場合には市場金利の変動によって価格が下落することがあります。

米ドル建て債券では、円高によって円換算の資産価値が下がる可能性にも注意が必要です。

50代・60代以降は暴落に耐えられる資産設計が重要

年齢が上がるほどリカバリーできる期間が短くなる

50代や60代、それ以上の年代で金融資産1億円を保有している場合は、若い世代とは異なる観点から資産運用を考える必要があります。

動画では、重要なのは大きな金融危機が発生しても生活を維持できるかどうかだと説明しています。

30代であれば、仮に投資で大きな損失を出しても、その後の労働収入や長期運用によって回復を目指せる時間があります。

しかし、60代や70代になると、資産を回復させるための時間が限られます。

そのため、住宅ローンや不動産投資ローンの返済、事業の運転資金、子どもの教育費、老後の生活費などを改めて確認することが重要です。

また、金融危機が発生した際には、不動産など流動性の低い資産を希望する価格で売却できない可能性もあります。

そのため、一定の現金や換金しやすい資産を確保することも検討する必要があります。

最大ドローダウンを意識する

動画で特に重視しているのが、最大ドローダウンという指標です。

最大ドローダウンとは、資産価値が過去のピークからその後の底値まで、最大でどれだけ下落したかを表すものです。

例えば資産1億円が6000万円まで減少すれば、ドローダウンは40%になります。

動画では、2008年のリーマンショック時に米国株式が大幅下落し、さらに円高が進行したことで、日本人投資家の円換算の損失が非常に大きくなった事例を紹介しています。

S&P500への投資では、円換算で70%近い下落が発生する局面もあったと説明しています。

また、全世界株式についても、同様の金融危機では大幅な下落を避けられなかったと指摘しています。

ここで重要なのは、S&P500や全世界株式のような広く分散された株式インデックスファンドであっても、元本が保証されているわけではないことです。

分散投資によって個別企業の倒産リスクなどを抑えることはできますが、世界的な株価下落の影響を完全に避けることはできません。

年齢とともにリスクを引き下げるのが基本的な考え方

動画では、一般的な考え方として、年齢が上がるほど運用リスクを引き下げることを提案しています。

ただし、すべての人が年齢だけで資産配分を決めるべきだという意味ではありません。

資産規模、生活費、年金収入、今後の支出予定、相続の考え方などによって適切なポートフォリオは変わります。

十分な資産を保有し、大きな下落にも耐えられる人であれば、一定割合の株式投資を続けることも選択肢になります。

重要なのは、最大でどの程度の損失を被る可能性があるのかを理解し、その状況でも生活を維持できるかどうかを事前に検討することです。

資産5000万円・1億円・2億円で変わる心理

資産5000万円:無理な積立投資から解放される

動画では、資産額が増えるにつれて投資家の心理がどのように変わるのかについても説明しています。

まず金融資産5000万円を超えると、無理をして毎月積立投資を続ける必要性が低下するという考え方が紹介されています。

前述したように、5000万円を年利5%で運用できれば、理論上は約14年で1億円に到達します。

そのため、最終的な目標が1億円であれば、毎月の収入から無理に10万円、20万円と投資資金を捻出する必要はないかもしれません。

それまで投資に回していた資金を旅行や趣味、家族との時間に使うことも選択肢になります。

もちろん、その後の運用成績が想定を下回れば、1億円に到達する時期が遅れたり、目標に届かなかったりする可能性があります。

それでも、資産形成だけを優先する生活から、現在の人生を楽しむことにもお金を使えるようになる点は大きな心理的変化といえるでしょう。

資産1億円:最低限の生活に対する不安が軽減する

金融資産1億円を超えると、最低限の生活ができなくなることへの不安が大きく軽減するという見方が紹介されています。

1億円は決して無制限に贅沢できる金額ではありません。

高額な住宅を購入したり、高級車を何台も所有したりするような生活を維持するには、さらに大きな資産や継続的な収入が必要になるでしょう。

しかし、一般的な生活水準を維持するという観点では、1億円は大きな安心材料となります。

仮に年利5%で運用できれば、税引前の期待運用収益は年間500万円です。

動画では、国税庁の令和6年分の民間給与実態統計調査における平均給与478万円を引き合いに出し、1億円の5%に相当する500万円は、日本人の平均的な給与収入と近い水準であると説明しています。

もちろん、実際に毎年500万円の利益が確定するわけではなく、税金や運用コストもかかります。

それでも、相応の資産を保有しているという事実は、将来の生活に対する安心感につながる可能性があります。

1億円の価値は達成した年齢によって異なる

動画では、PwCの資料をもとに、金融資産1億円の価値は保有する年齢によって大きく変わるという点にも触れています。

例えば30歳で金融資産1億円を保有している人と、80歳で1億円を保有している人では、今後の運用期間や収入を得られる機会が異なります。

30歳であれば、長期間の運用を続けることができ、労働収入を利用して追加投資する機会もあります。

一方、80歳の場合は、主に老後の生活費や医療費、相続などを考えた資産管理が重要になります。

金融機関の顧客分類でも、資産額だけでなく年齢や将来の資産形成余力などを考慮することがあります。

ただし、これは金融機関から見た顧客価値の考え方であり、年齢によって個人の資産そのものの価値が変わるという意味ではありません。

資産2億円:日常的なお金のストレスが大きく減る

動画では、資産2億円を超えた段階で、日常生活におけるお金のストレスが大きく減少するという見解が示されています。

例えば2億円を年利5%で運用できた場合、税引前で年間1000万円、税率を約20%と仮定すれば税引後で年間約800万円となります。

月額に換算すると約67万円です。

この水準の運用収益が実現すれば、住宅費や生活費を支払いながら、旅行や趣味などにもお金を使いやすくなる可能性があります。

さらに、仕事を続けて給与収入や事業収入を得ている場合は、資産からの収益と労働収入を組み合わせることができます。

動画の出演者は、自身が資産1億円を達成したときと2億円を超えたときでは、心理的な感覚が大きく異なったと語っています。

資産1億円では生活の安全性が高まる一方、2億円になると日常的な支出に対する心理的な制約が小さくなったというものです。

また、物価上昇が続く環境では、従来の「億り人」に代わり、金融資産2億円が経済的自由を考えるうえで新しい目標になるのではないかという見方も示されています。

もっとも、必要な資産額は家族構成、居住地域、住宅費、希望する生活水準によって大きく異なります。

2億円という金額が、すべての人にとって経済的自由を保証するわけではありません。

資産形成で重要なのは「いくら持っているか」だけではない

ここまで紹介してきた内容から分かるのは、資産額が増えることと生活の満足度が高まることは、必ずしも同じではないという点です。

金融資産が5000万円から1億円、さらに2億円へと増えていく過程では、投資家の考え方や不安の内容が変化する可能性があります。

5000万円では、積立投資を続けることへの負担が軽減するかもしれません。

1億円では、将来の生活に対する安心感が高まる一方、資産価格の下落や取り崩しへの恐怖が残る場合があります。

2億円では、日常生活に必要な支出への不安がさらに小さくなる可能性があります。

しかし、どの段階でも共通して重要なのは、資産額だけで判断しないことです。

実際には、毎月いくら必要なのか、その生活費をどのように確保するのか、資産が大きく下落したときにどう対応するのかといった点を考える必要があります。

また、資産形成に成功した人ほど、節約や投資を続ける習慣が強く身についている場合があります。

その結果、資産を使うことに罪悪感を覚えたり、将来への不安から必要以上に貯蓄を続けたりする可能性もあります。

資産を増やすことは重要ですが、それと同時に、築いた資産を自分や家族の生活のために活用する考え方も必要でしょう。

東海東京証券のプライベートバンク「オルクドール」にも変化

動画の本編終了後のアフタートークでは、東海東京証券が提供する富裕層向けサービス「オルクドール」についても取り上げられています。

オルクドールは、一定の条件を満たす顧客向けに提供されるプライベートバンキングサービスです。

動画によると、従来は個人や資産管理会社などが主な対象で、事業法人は対象外だったものの、事業法人についても利用できるようになったとのことです。

1億円以上の預け入れで専用サロンを利用できる仕組み

動画では、1億円以上の金融資産を東海東京証券に預け、所定の審査を通過すると、東京都内にある専用サロンを利用できると紹介しています。

サロンは日本橋や青山エリアに設けられており、会員向けのソファースペースや会議室などを利用できると説明されています。

また、飲食サービスも提供されており、専用レストランは別途料金が必要とのことです。

事業法人も対象になったことで、法人が保有する有価証券を利用して入会し、東京での商談や打ち合わせ、リモートワークなどに活用できる可能性があるとしています。

一方、会員数が増加すれば、将来的に入会条件が変更される可能性もあるのではないかという出演者の見解も示されました。

ただし、将来の基準変更は予測であり、決定事項ではありません。

また、動画の出演者自身は現時点で会員ではなく、移管を検討した投資信託が東海東京証券で取り扱われていなかったことにも触れています。

金融商品によっては移管できない場合があるため、入会を検討する際には対象商品や預け入れ条件、審査基準などを確認する必要があります。

なお、これらは動画で紹介された内容であり、現在のサービス条件については東海東京証券の公式案内による確認が必要です。

まとめ:資産1億円はゴールではなく、お金との付き合い方を考え直す節目

今回の動画では、金融資産1億円以上の富裕層の投資実態から、資産形成後に生じる心理的な変化、年代別の資産管理の考え方まで幅広く解説されました。

特に印象的なのは、資産1億円を達成しても、必ずしも経済的な不安がなくなるわけではないという点です。

株式市場が大きく下落すれば、これまで築いてきた資産が短期間で減少する可能性があります。

また、金融資産を多く持っていても、毎月の生活費を安定的に確保できる仕組みがなければ、仕事を辞めることに不安を感じる人もいるでしょう。

一方で、資産5000万円を超えた段階から追加投資への考え方を変えたり、1億円を達成した段階で生活に必要な資産を見直したりすることも選択肢になります。

さらに、年齢が上がるほど、大きな損失が発生した際に資産を回復させる時間が限られるため、資産の成長性と安全性のバランスを考えることが重要になります。

資産形成においては、1000万円、5000万円、1億円、2億円といった目標額に注目が集まりがちです。

しかし、本来の目的は数字を増やし続けることではなく、その資産を使ってどのような人生を送りたいのかという点にあるはずです。

将来のために資産を増やすことと、今の生活を充実させること。その両方のバランスを考えながら、自分に合った資産運用を続けることが重要といえるでしょう。

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