キオクシア株が急騰!TOPIX浮動株比率15%から50%へ引き上げ、約2兆円の買い需要は本当に発生するのか

本記事は、YouTube動画『キオクシアが急騰!TOPIX浮動株比率15%から50%への引き上げと約2兆円の買い需要』(仮題)の内容を基に構成しています。

半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスが、2026年10月8日の株式市場で一時1万8,630円まで上昇しました。前日終値の1万7,900円から約4%の上昇となり、日経平均株価が大きく下落する中でも買いが集まる展開となりました。

今回の株価上昇の背景として注目されているのが、東証株価指数(TOPIX)におけるキオクシアの浮動株比率の引き上げです。

動画によると、現在15%となっている浮動株比率が、10月末に32.5%、11月末には50%へ段階的に引き上げられることが明らかになりました。

これに伴い、TOPIXに連動するインデックスファンドなどから、約2兆円規模の買い需要が発生する可能性も指摘されています。

しかし、浮動株比率が15%から50%に上昇するからといって、株価が3倍以上になるわけではありません。また、約2兆円という数字も、実際に発注される買い注文が確定したものではなく、一定の条件に基づいた推計値です。

今回の動画では、浮動株比率の仕組み、指数連動資金による買い需要、信用取引の需給、株式分割の影響、そして10月30日と11月30日に予定される重要なイベントについて詳しく解説しています。

目次

キオクシアが10月8日に一時4%急騰した背景

TOPIX浮動株比率の引き上げが株価材料に

2026年10月8日、キオクシアの株価は朝方から上昇し、一時1万8,630円をつけました。

動画で紹介された主な株価の動きは次のとおりです。

日付株価・値動き
10月5日高値1万9,750円
10月6日終値1万8,735円
10月7日終値1万7,900円
10月8日始値1万8,270円
10月8日午前9時23分に高値1万8,630円

10月7日の終値と比較すると、10月8日の高値は730円高で、上昇率は約4.1%となります。

この日の日本株市場では、前日の米国半導体関連株の下落などを背景に、日経平均株価が午前中に600円以上下落する場面がありました。

そうした市場環境の中でキオクシアが上昇したことから、同社固有の材料が意識されたと考えられます。

特に注目されたのが、10月7日に具体的な数値が確定したTOPIXの浮動株比率の変更です。

動画によると、キオクシアの浮動株比率は現在の15%から、10月末に32.5%、11月末に50%へ引き上げられます。

ただし、株価は朝方に高値をつけた後、午後にかけて上げ幅を縮小する場面もありました。

指数変更への期待が買い材料になったとしても、その後の株価が一方的に上昇するとは限らないことが、当日の値動きからも分かります。

TOPIXの浮動株比率とは?15%から50%への変更を解説

浮動株比率は市場で売買されやすい株式の割合を示す

今回のニュースを理解するうえで重要なのが、「浮動株比率」という仕組みです。

浮動株とは、大まかにいえば、市場で売買されやすいと判断される株式を指します。

上場企業の株式には、一般投資家が市場で売買する株式のほか、創業者、大株主、親会社などが長期的に保有している株式もあります。

TOPIXは、上場企業の発行済み株式をすべて同じように計算するのではなく、市場で流通しやすい株式の割合を考慮して構成比率を決定しています。

その際に利用されるのが浮動株比率です。

例えば、発行済み株式が1億株ある企業について、浮動株比率が30%と判定された場合、指数計算では基本的に3,000万株相当が計算対象になります。

この仕組みは「浮動株時価総額加重方式」と呼ばれています。

キオクシアの発行済み株式が増えるわけではない

今回、キオクシアの浮動株比率は15%から50%へ引き上げられることになりました。

ここで注意したいのは、浮動株比率が上昇しても、キオクシアの発行済み株式数そのものが増えるわけではないことです。

また、10月末や11月末に、実際の市場流通株式が同じ割合で突然増えることを意味しているわけでもありません。

変わるのは、TOPIXの計算でキオクシアの株式をどの程度の重みで評価するかという点です。

浮動株比率が高くなれば、株価などの条件が一定の場合、TOPIX全体に占めるキオクシアの構成比率も上昇します。

その結果、TOPIXへの連動を目指している投資信託やETFは、保有銘柄の比率を調整する必要が生じる可能性があります。

2段階の引き上げは以前から予定されていた

動画では、今回の変更について、2段階で実施すること自体は新しい発表ではないと説明しています。

7月10日の時点で、指数への影響を抑えるために段階的に変更する方針が示されていました。

そして10月7日に、具体的な浮動株比率が確定したという流れです。

変更幅を整理すると、次のようになります。

適用段階浮動株比率前段階からの増加
変更前15%―
10月末32.5%+17.5ポイント
11月末50%+17.5ポイント

それぞれ17.5ポイントの引き上げとなります。

指数計算に用いる基礎的な株数などが変わらなければ、各段階で増加する計算上の株数は同じです。

ただし、両段階で実際に発生する買い注文の金額や株価への影響まで同じになるとは限りません。

浮動株比率50%でキオクシアの指数計算上の規模は約3.33倍に

発行済み株式約16億4,600万株で計算

動画では、2026年10月8日時点の発行済み株式数を約16億4,600万株として計算しています。

これに浮動株比率を掛けることで、TOPIXの計算対象となる株数相当を求めています。

浮動株比率指数計算対象となる株数相当
15%約2億4,690万株
32.5%約5億3,495万株
50%約8億2,300万株

15%から50%への引き上げで、指数計算上の対象株数は約5億7,610万株増加することになります。

比率では約3.33倍です。

しかし、これは実際に市場で5億7,610万株の買い注文が発生するという意味ではありません。

あくまで指数計算に用いる株数相当の差です。

指数を計算するための数字と、運用会社が実際に購入する株数は別のものとして考える必要があります。

指数計算上の時価総額は約4.4兆円から14.7兆円へ

続いて、動画では10月7日の終値である1万7,900円を基準に、浮動株比率ごとの計算上の時価総額を比較しています。

発行済み株式数約16億4,600万株に株価を掛けた時価総額は、約29.5兆円となります。

このうち、TOPIXの計算対象となる規模は次のように変化します。

浮動株比率指数計算上の時価総額
15%約4.4兆円
32.5%約9.6兆円
50%約14.7兆円

10月末と11月末、それぞれの段階で計算上の時価総額が約5.2兆円ずつ増える計算です。

ただし、ここでも注意が必要です。

この約5.2兆円は、新たに市場へ流入する現金の額ではありません。

キオクシアがTOPIXの計算上でどの程度の規模を持つ企業として扱われるかを示しているにすぎません。

実際の買い需要を考えるには、TOPIXに連動する運用資金の規模や、指数全体に占めるキオクシアの構成比率などを考慮する必要があります。

約2兆円の買い需要は本当に発生するのか

証券会社による約2兆円の需要推計

今回の浮動株比率引き上げについては、約2兆円規模の買い需要が発生する可能性が注目されています。

動画によると、この数字は証券会社が2026年9月に示した推計です。

浮動株比率が最終的に50%となった場合、TOPIX連動型の運用資金などが保有比率を調整することで、約2兆円規模の買い需要が生じる可能性があるとされています。

ただし、この試算は8月末の株価や運用資金の規模など、一定の前提条件に基づいています。

10月8日の市場に実際に2兆円の買い注文が入ったということではありません。

また、10月末や11月末に必ず同額の注文が出ると確定したわけでもありません。

TOPIX連動ファンドが株式を買う仕組み

TOPIXに連動するインデックスファンドやETFは、基本的にTOPIXと同じような値動きを実現することを目指しています。

そのため、TOPIXにおける各銘柄の構成比率が変更されると、ファンド側も保有銘柄の比率を調整する必要が生じます。

例えば、TOPIX全体に占めるキオクシアの比率が0.57%だった場合、指数に厳密に連動する運用では、理論上は運用資産の約0.57%をキオクシアに振り向けることになります。

その構成比率が上昇すれば、それに合わせて保有比率を高める必要があります。

動画では、浮動株比率15%の段階で、キオクシアのTOPIX構成比率が約0.57%と報じられている点も紹介しています。

浮動株比率だけを15%から50%へ変更すると、キオクシア単独の指数計算上の規模は約3.33倍となります。

しかし、TOPIX全体の時価総額も変化するため、構成比率そのものが正確に3.33倍になるわけではありません。

さらに、他の銘柄の株価変動などによっても実際の構成比率は変わります。

すべてのファンドが同じ日に買うわけではない

TOPIX連動型の運用資金が存在していても、運用会社の売買方法は一律ではありません。

指数変更に先回りして保有株数を増やすファンドもあれば、指数変更日付近まで調整を残すファンドもあります。

また、現物株だけでなく、先物などを利用して指数への連動を実現する場合もあります。

そのため、すべてのTOPIX連動資金が10月30日や11月30日に一斉にキオクシア株を買うと考えるのは正確ではありません。

一方、指数への連動度を厳密に維持する運用では、指数変更の適用日付近で売買が集中する可能性があります。

特に月末の取引終了間際には、指数の構成変更に関連した売買が増える可能性があります。

ただし、それが株価を必ず押し上げるとは限りません。

買い需要があっても株価が上がるとは限らない

株式市場では、買いたい投資家がいても、同時に売りたい投資家が存在します。

指数連動ファンドによる買い需要が増えても、それを上回る売り注文が出れば、株価の上昇は抑えられます。

例えば、指数変更を見越して早期に購入した投資家が、実際の適用日が近づいたタイミングで利益確定を行うことも考えられます。

また、大株主の売却や信用買いの返済売りなどが重なる可能性もあります。

したがって、「約2兆円の買い需要があるから株価が必ず上昇する」という単純な結論にはなりません。

重要なのは、買い需要の規模だけでなく、それを受け止める売り手がどの程度存在するかという点です。

キオクシア株はなぜ1万8,630円まで急騰後に失速したのか

直近高値から下落したところで材料が発表された

キオクシアは、10月5日に1万9,750円の高値をつけていました。

その後、10月6日は1万8,735円、10月7日は1万7,900円と下落しています。

つまり、10月8日の浮動株比率引き上げを材料とした株価上昇は、すでに直近高値から大きく下落した状態で発生したことになります。

この点は、当日の値動きを考えるうえで重要です。

朝方に指数変更への期待から買いが入ったとしても、それ以前に高値で購入していた投資家が、株価の反発を利用して売却する可能性があります。

また、事前に材料を予想して購入していた投資家が、具体的な数値の確定を機に利益確定することも考えられます。

市場全体の地合いも影響した可能性

10月8日は、日本株全体が弱い相場環境にありました。

前日の米国半導体関連株の下落などもあり、半導体セクターにとって必ずしも良好な市場環境ではありませんでした。

その中でキオクシアが朝方に約4%上昇したことは、個別材料への期待が強かったことを示す動きと考えられます。

一方、午後にかけて上げ幅を縮小したことについては、利益確定売りや戻り売り、短期投資家による売買などが重なった可能性が指摘されています。

ただし、実際にどの投資家が何株売却したのかは、株価の動きだけでは特定できません。

上昇後に失速したという事実と、その原因に関する推測は区別する必要があります。

9月末の1株を3株にする株式分割にも注意

キオクシアの株価や需給を分析する際には、2026年9月末に実施された株式分割も重要なポイントになります。

動画では、キオクシアが1株を3株にする株式分割を行ったと説明されています。

株式分割とは、既存の株式を一定の割合で分割し、発行済み株式数を増やす仕組みです。

例えば1株を3株に分割した場合、分割前に100株を保有していた投資家は、分割後に300株を保有することになります。

理論上は、1株当たりの株価も3分の1に調整されるため、分割だけで保有資産の総額が3倍になるわけではありません。

この株式分割は、過去の株価や信用取引の残高を比較する際にも影響します。

分割前と分割後の株価や株数をそのまま比較すると、実際には起きていない大幅な増減が発生したように見える場合があります。

信用買い残4,147万株は本当に急増したのか

信用倍率は約16倍、買い残が大きい状態

動画では、キオクシアの信用取引の需給についても詳しく分析しています。

信用取引とは、証券会社などから資金や株式を借りて売買する仕組みです。

信用買いは、借りた資金で株式を購入する取引であり、原則として将来売却などによって決済する必要があります。

一方、信用売りは借りた株式を売却する取引で、将来的に株式を買い戻して返済する必要があります。

動画で紹介された10月2日基準の週次信用残高は次のとおりです。

項目10月2日基準
信用買い残約4,147万株
信用売り残約258万株
信用倍率約16.10倍

信用倍率とは、信用買い残を信用売り残で割った数値です。

16.10倍ということは、信用買い残が信用売り残の約16倍あることを意味します。

一般に、信用買い残が多い銘柄では、将来の返済売りが株価の上値を抑える可能性があります。

ただし、信用倍率が高いという理由だけで、株価が下落すると決まるわけではありません。

信用買い残の見かけの急増は株式分割による影響

ここで動画が強調しているのが、株式分割の影響です。

9月25日時点の信用買い残は約1,393万株でした。

これを10月2日時点の約4,147万株と単純に比較すると、約2,754万株も信用買い残が増加したように見えます。

しかし、その間に1株を3株にする株式分割が行われています。

9月25日の信用買い残を分割後の株数に換算すると、次のようになります。

1,393万株 × 3 = 約4,179万株

10月2日の信用買い残は約4,147万株ですから、株式分割を考慮すると、むしろ約32万株減少した計算になります。

信用売り残についても同様です。

9月25日時点の信用売り残約84万株を3倍すると、約252万株となります。

10月2日の約258万株と比べると、約6万株の増加にとどまります。

つまり、信用買い残が2,754万株も新たに積み上がったと解釈するのは誤りです。

実際には、株式分割による株数の調整が見かけ上の増加の大部分を占めています。

10月6日の信用倍率19.53倍との違い

動画では、10月6日付の日次データについても触れています。

項目10月6日付データ
信用買い残約4,209万株
信用売り残約215万株
信用倍率約19.53倍

10月2日の週次データでは16.10倍だった信用倍率が、10月6日付データでは19.53倍となっています。

ただし、週次の信用残高と日次の公表データでは、集計対象や更新日などが異なる可能性があります。

そのため、この差をそのまま市場全体の需給が短期間で急変した証拠とすることはできません。

信用残高を比較する際には、数字の基準日と集計範囲をそろえることが重要です。

信用買いと指数連動買いは性質が違う

今回のTOPIX浮動株比率引き上げによる買い需要を考える場合、信用買いと指数連動ファンドによる買いを区別する必要があります。

指数連動ファンドは、TOPIXの構成比率が変化したことを理由に、機械的に保有銘柄の調整を行う場合があります。

これは、企業の業績や株価の割安感を判断して行う投資とは性質が異なります。

一方、信用買いを行っている投資家は、株価の上昇による利益を狙っている場合も多く、評価損益や返済期限などを意識して売買することがあります。

そのため、指数連動ファンドによる買いが増加しても、信用買いの返済売りが重なれば、株価上昇が抑えられる可能性があります。

逆に、信用売りをしていた投資家が株価上昇によって買い戻しを迫られた場合、指数連動ファンドの買いと重なって上昇が加速する可能性も考えられます。

ただし、信用売り残があるからといって、必ず踏み上げ相場になるわけではありません。

信用買い残と信用売り残の絶対量、それぞれの増減、実際の株価や出来高の変化を総合的に確認する必要があります。

なぜキオクシアの浮動株比率は大きく引き上げられるのか

大株主の保有比率の変化が背景

今回の浮動株比率引き上げには、キオクシアの株主構成の変化が関係していると考えられます。

動画によると、2026年3月末時点の主要株主には投資会社やベインキャピタル系の保有分などが残っていました。

一方、上位株主の保有比率は以前の約89%から約53%へ低下したと報じられているとのことです。

大株主が保有している株式の割合が低下すると、市場で流通しやすいと判断される株式の割合が高まる場合があります。

その結果、TOPIXの浮動株比率が見直される可能性があります。

上位株主の保有比率と浮動株比率は同じではない

ここで注意したいのは、上位株主の保有比率と、TOPIXの浮動株比率が同じ計算方法ではないという点です。

例えば、上位株主の保有比率が53%だからといって、残り47%がそのまま浮動株比率になるわけではありません。

証券会社や信託銀行などを通じた保有株式の扱い、固定株として判定される範囲などによって計算結果は異なります。

今回の浮動株比率50%という数字を、実際に市場で自由に売買される株式が発行済み株式の正確に半分存在するという意味で解釈するのは適切ではありません。

大株主による追加売却の可能性

動画では、今後の株価需給を考えるうえで、大株主による株式売却の可能性にも言及しています。

浮動株比率が引き上げられることによって、TOPIX連動ファンドによる買い需要が発生する可能性があります。

しかし、その一方で、大株主が保有株式を売却することになれば、市場には新たな売り供給が生じます。

ただし、今回の浮動株比率の変更だけで、大株主が特定の日に株式を売却する予定だと判断することはできません。

指数連動ファンドの買い需要と大株主の売却は、あくまで別の出来事です。

今後は大株主の保有状況や売却に関する開示情報なども確認する必要があります。

10月30日はTOPIX変更とキオクシア決算が重なる重要日

10月30日に浮動株比率32.5%が適用予定

動画で特に重要な日付として挙げられているのが、2026年10月30日です。

この日は、キオクシアのTOPIX浮動株比率が15%から32.5%へ引き上げられる最初の適用日とされています。

指数変更に合わせたポートフォリオ調整が行われる場合、当日の日中や取引終了間際に売買が増える可能性があります。

ただし、具体的な注文量や株価の方向は、事前に確定できません。

同日に2027年3月期第2四半期決算も予定

さらに10月30日には、キオクシアの2027年3月期第2四半期決算の発表も予定されています。

動画によると、会社が案内している決算発表予定時刻は18時45分です。

これは通常の現物株取引が終了した後になります。

そのため、10月30日の指数変更に伴う日中の売買と、同日夜に発表される決算を受けた株価反応は区別して考える必要があります。

もちろん、決算への期待や警戒感が発表前の株価に織り込まれることはあります。

しかし、実際の決算数値が公表される前に、その内容を確定情報として扱うことはできません。

決算で注目すべきなのはメモリー価格と販売量

キオクシアの業績を分析する際には、売上高や利益の合計だけでなく、メモリー市場の動向も重要です。

動画では、特に以下の要素が挙げられています。

  • メモリー製品の販売価格
  • メモリー製品の販売数量
  • 製品構成の変化
  • データセンター向けなど高収益製品の割合
  • 生産能力拡大に伴う設備投資負担
  • 設備投資が利益や資金繰りに与える影響

半導体メモリーは、需要と供給のバランスによって販売価格が大きく変動することがあります。

特にNAND型フラッシュメモリーは、スマートフォン、パソコン、データセンター向けストレージなど幅広い用途で利用されています。

製品価格が上昇すれば利益率の改善につながる可能性がありますが、供給拡大や需要減速によって価格が下落すれば業績の重荷となる場合があります。

したがって、キオクシアの企業価値を評価するには、指数変更による需給だけでなく、半導体メモリー事業そのものの収益力を確認する必要があります。

サンディスクとの約5兆円の投資計画にも言及

動画では、キオクシアとサンディスクが、日本国内で約5兆円規模の投資を行う方針を示したことにも触れています。

この投資計画は、今後の半導体メモリー生産能力の拡大などに関係するものです。

ただし、約5兆円という数字をキオクシア単独が一度に支出する金額として理解するのは適切ではありません。

また、今回話題となっている約2兆円の指数連動買い需要とも、まったく性質が異なります。

設備投資は将来の生産能力や収益、資金繰りに関係するものであり、浮動株比率変更は株式市場での保有比率調整に関係するものです。

数字が大きいからといって、両者を同じ株価材料として扱わないことが重要です。

11月30日には浮動株比率が50%へ

10月30日の最初の変更に続き、11月30日には浮動株比率が50%まで引き上げられる予定とされています。

2回目の変更幅も17.5ポイントです。

ただし、11月30日を迎える時点では、10月30日の決算内容がすでに公表されています。

そのため、11月末の株価には、指数変更に対する期待だけでなく、最新の業績評価やメモリー市場の見通しなども反映されている可能性があります。

また、最初の指数変更によってどの程度の売買が行われたかも、2回目の投資判断に影響する可能性があります。

同じ17.5ポイントの変更でも、10月末と11月末にまったく同じ値動きが発生するとは限りません。

動画では、今後の企業行動によって浮動株比率の数値が変更される可能性もあると指摘されています。

そのため、適用日が近づいた段階で、指数算定に関する追加公表がないかを確認することも重要です。

今後のキオクシア株価はどこを確認すべきか

短期的には1万7,900円と1万8,630円が目安

動画では、10月8日時点の値動きを分析するうえで、複数の価格水準が紹介されています。

株価水準動画での位置づけ
1万7,820円10月8日の安値として紹介
1万7,900円10月7日の終値
1万8,630円10月8日の高値
1万9,750円10月5日の高値

これらの価格は、今後の売買状況を観察する際の参考水準として挙げられています。

例えば、10月8日の高値1万8,630円を上回り、その後も出来高を伴って上昇する場合には、買い需要が継続している可能性を考えることができます。

一方、何度も高値を試しながら上回れず、出来高だけが増加する場合には、利益確定や戻り売りが強いという解釈も考えられます。

ただし、株価や出来高だけで売買主体の正体を特定することはできません。

また、これらの価格を将来の目標株価や売買の推奨水準として扱うものではありません。

出来高だけでは指数連動ファンドの買いを特定できない

指数変更の適用日付近では、出来高が急増する可能性があります。

しかし、出来高が増えたからといって、そのすべてがTOPIX連動ファンドによる買い注文とは限りません。

株式の売買が成立する際には、買い手と売り手が必ず存在します。

したがって、出来高が1,000万株あったとしても、1,000万株の新規買い需要が一方的に積み上がったと判断することはできません。

実際の売買内容を把握するには、価格の変化、売買が集中した時間帯、大口投資家の開示、運用会社による保有銘柄の公表などを組み合わせて確認する必要があります。

TOPIX変更後の株価にも注意が必要

動画では、10月30日や11月30日の指数変更日だけでなく、その翌営業日以降の値動きを確認することが重要だと指摘しています。

指数連動ファンドによる必要な組み入れ調整が適用日までにほぼ完了していた場合、その後も同じ理由による買い需要が続くとは限りません。

一方、指数変更を機に新たな投資家が関心を持ち、企業の業績や成長性を評価して購入するのであれば、その後も株価が上昇する可能性はあります。

特に10月30日については、指数変更に加えて決算発表が予定されています。

翌営業日の株価が大きく変動した場合でも、それが指数変更による影響なのか、決算内容に対する評価なのか、米国半導体株や市場全体の変化によるものなのかを区別する必要があります。

また、11月30日の2回目の変更までに株価が大きく上昇していた場合、すでに将来の買い需要が相当程度織り込まれている可能性もあります。

反対に、指数変更が近づいても株価が下落しているからといって、指数連動の買い需要が存在しないと断定することもできません。

買い需要があっても、それを上回る売り供給が存在すれば、株価は下落することがあるためです。

キオクシアの株価を左右する2つの時間軸

今回の動画では、キオクシアの株価を考えるうえで、短期的な需給と中長期的な企業価値を分ける必要があると説明しています。

短期的には、TOPIX浮動株比率の引き上げに伴う買い需要や、先回りして購入した投資家の利益確定、信用取引の返済売りなどが株価に影響する可能性があります。

一方、中長期的には、キオクシアの業績、メモリー市場の成長、製品価格、設備投資、利益率などが重要になります。

指数変更による買いは、必ずしも企業の利益が増えたことを理由とするものではありません。

しかし、企業の業績が改善すれば、指数への連動を目的としない投資家からも買いが入る可能性があります。

反対に、指数変更による買い需要が存在していても、業績悪化への懸念が強まれば、株価が下落する可能性があります。

つまり、今回のTOPIX浮動株比率引き上げは重要な材料ですが、それだけでキオクシアの将来の株価を決定できるものではありません。

まとめ:キオクシアの浮動株比率50%への引き上げは重要材料、ただし2兆円の買い需要と株価上昇は別問題

2026年10月8日、キオクシアの株価は一時1万8,630円まで上昇しました。

背景として注目されたのは、TOPIXの浮動株比率が15%から10月末に32.5%、11月末には50%へ引き上げられるという変更です。

これによって、キオクシアのTOPIXにおける計算上の規模は、現在の約3.33倍になる計算です。

また、指数に連動する運用資金によって、約2兆円の買い需要が発生する可能性も指摘されています。

しかし、今回の動画で繰り返し強調されているのは、次の4つを混同してはいけないという点です。

  • 指数計算上で増加する株数
  • 指数連動資金による推計買い需要
  • 実際に市場へ出される買い注文
  • 企業の業績や利益による本来の企業価値

浮動株比率が上がることは、指数に連動する資金にとって保有比率を見直す必要が生じる重要なイベントです。

一方で、信用買いの返済売り、大株主の売却、先回りした投資家による利益確定などが発生すれば、買い需要が株価上昇につながらない可能性もあります。

また、2026年9月末に実施された株式分割の影響によって、信用買い残が急増したように見える点にも注意が必要です。

今後の重要な日程としては、10月30日の最初の浮動株比率引き上げと決算発表、そして11月30日の2回目の比率引き上げが挙げられます。

これらのイベントに向けては、指数変更による資金の動きだけでなく、キオクシアの決算内容や半導体メモリー市場の動向も確認する必要があります。

約2兆円という大きな数字だけに注目するのではなく、実際の売買需給と企業の収益力を分けて考えることが、今回のキオクシア株を分析するうえで重要なポイントとなるでしょう。

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